今回のアルジェリア人質事件で犠牲になられた方には、心よりお悔やみを申し上げたい。

 その上で、この事件の意味するところを問いかけたい。

 悪者は、イスラム原理主義のアルカイダ系『テロリスト』、狙われたのは罪の無いキリスト教徒と日本人。
マリに軍事侵攻したフランス軍は正義?アルジェリア軍の強行策も致し方ない?

 物事はそんなに単純ではない。

 9.11同時多発テロ以来、『アルカイダ』=『テロリスト』とされているが、
アルカイダ』は元々、ソ連のアフガン侵攻に対抗するためにCIAが作った組織だし、

 その昔、イスラム教徒から聖地エルサレム奪回のため組織された十字軍は、
実はならず者を掻き集めた略奪軍だった?

 一方の側だけから見た事実?は、事実とは言えない。
原子力ムラから見れば、脱原発を唱える私たちは、現実を知らない理想主義者だろうが、
私たちから見た原子力ムラの住人は、欲に目が眩んで悪魔に魂を売った極悪人。

 同じ発祥起源のキリスト教、イスラム教、ユダヤ教の近親憎悪は、宗教心の薄い日本人には理解できない。
 
 そこに、フランスの原子力ムラの事情、クーデターで政権を奪取したアルジェリア政府の正当性、
イギリス・BPなどの石油メジャーの暗躍など複雑な事情が絡んでいる。

 福島原発事故メディア・ウォッチより
フランスのマリ軍事侵攻とアルジェリア人質事件の陰にニジェールのウラン鉱山
【空爆から地上軍展開から、フランスのマリ軍事侵攻は、アルジェリアのガスプラントにおける人質事件とその軍事的『解決』に発展した。プラント建設には日本企業も参加し、人質には日本人も含まれている。アルジェリア政府軍による強硬策によって人質にも死者が出ているらしいという。人質を取ったアルカイダ系の『テロリスト』たちは、フランスのマリへの軍事侵攻に抗議し、人質を盾に取引を試みたという情報もある。

さて、そのフランスの軍事侵攻だが、表向きはマリ北部を制圧したイスラム原理主義・狂信者(djihadistes)が、南部への攻勢をかけてきたのを、マリ政府の要請によって阻むため、ということだが、日本の報道では、

『フランスは、仏原子力大手アレバがマリの隣国ニジェールからウラン原料を輸入している。ニジェールの安全保障が脅かされた場合、電力の75%を原子力に依存するフランスの原子力政策に影響が出かねない』(毎日)

『フランスにとって西アフリカ最大の権益は、マリの隣国ニジェールにあるウラン鉱山で、原発大国フランスのウラン燃料の三分の一を産出するとされる。二〇一〇年には、ニジェールでアルカイダ系の「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ組織(AQMI)」が原子力企業アレバ社の社員らフランス人五人を誘拐した』(東京)

と、軍事侵攻とウラン鉱山の権益の関係をはっきりと指摘している。このウラン鉱山(写真)は『生産量世界5位』でフランスの原子力産業世界最大手Areva(アレバ)傘下のAreva NCとニジェール政府などとのジョイントであるSomair社とCominak社の二社でほぼ全量を採掘している。そしてニジェールのウランは日本にも来ている。】 一部抜粋