木下英範のブログ -39ページ目

ルールの意味を理解すること

 どの国家にも法律があります。法律に違反した者は罰せられます。社会において人々が求めるものは自由です。自由が最大限保障されたとき人々は幸福を感じるでしょう。しかし、法律のない、まるっきり自由な世界にしてしまったらどうでしょう。太古のジャングルの狩猟採集民同様に、弱肉強食の世界になります。そうなると常に緊張を強いられる世界となり、うかつに外を出歩くことも不自由になります。そんな世界では逆に自由は奪われてしまいます。

 そこで人々は国家を作り、国家が人々を監視することで、最大限の自由を得ようとしました。法律とは自由を守るために制定されたものです。しかし、国家が無制限の権力を持ってしまうと、逆に自由は奪われます。よって法律は、国家による必要以上の拘束を防止するための、国家権力に対する足かせでもあるのです。自由を最大限に享受しようとするには、このバランスが重要になります。

 ですが、法律はその遵守を強制的に強いてはいません。法律は守らねばなりませんが、同時に法律を破ることのできるようなシステムになっているのです。犯罪はしようとすればできます。もちろんその後で罰せられますが。言ってしまえば、現在の社会においては「犯罪を犯す自由=法律を破る自由」は保障されているということです。

 赤信号は渡ろうと思えば渡れます。殺人だってやろうと思えば可能です。こうした行動を強制的に止めることはできません。

 もし、強制的に法律を遵守させる世の中であったらどうでしょう。赤信号のときは強制的にエンジンが切れるように車両を規制します。殺人を犯そうとすると頭につけた電極に電流が流れ、意識不明にします。たしかに、このような社会では犯罪は一切起きません。TVゲームであれば、このほうがわかりやすくていいでしょう。しかし、こういう世の中が暮らしやすいといえるでしょうか。

 たとえば、親が危篤だという知らせを聞いて、車で病院に急いでいるとします。しかし赤信号で停車してしまいました。左右を見ると見通しの良い交差点で、見渡す限り歩行者や車が来る気配はありません。私はこの場合は、赤信号であっても渡っていいと思うのです。

 逆に車通りが激しく、安全が十分に保障されない場合は渡ってはいけません。うまく渡れば自分は大丈夫かもしれません。しかし、自分の行為で他の車が操縦を誤り、歩行者の列に突っ込んでしまうかもしれません。交通ルールは自分の命を守るためだけにあるのではありません。自分のせいで不本意にも殺してしまうかもしれない他者の命を守るためでもあるのです。

 ルールとは、必ずそれを破れる自由とセットになって存在するものです。よって、決まりはあるが、それを破っていいという、暗黙のルールも法律には内包されているのです。それを最も有効に運用するには「なぜこのルールが制定されたのか」の理解がかかせません。

 これは法律に限らず、あらゆるルールにいえることです。

 現代社会で暮らす上ではこの微妙なバランスの上に成り立っているということを認識しなければなりません。破ろうとすれば破れるルールを守る。個人が自立し自由を謳歌するためには、自分を律するという態度が必要です。「自立」と同時に「自律」の精神が重要なのです。

 ルールは守ればいいというものではない。ルールの意味を理解すること。これが最も重要だと思います。

リナックスシェア拡大

 先日の日経新聞に「リナックス販売で連合」という記事が載っていました。


 米オラクル、IBM、NECなど有力IT企業十社以上が無償OSの「リナックス」 を日本で本格販売するための企業連合を発足させる。政府調達でリナックスの採用を促す方針が 打ち出されたことに対応。オラクルが各社と契約を結んで保守を一手に担うほか、特許侵害の賠償も全面補償する。OS市場で圧倒的なシェアを持つ米マイクロソフトに対抗する。


 今までリナックスは、特許に関する問題や、設定の難しさによる保守コストの増大が問題になっていましたが、オラクル等が本腰を入れてきたことによって、これらが解消されてくると思われます。
 リナックスとウィンドウズのもっとも大きな違いは2つです。
 ・リナックス
   ①ソースコードをすべて公開
   ②ソースコードが世界のボランティアにより無償で作られている
 ・ウィンドウズ
   ①ソースコードは非公開
   ②ソースコードはマイクロソフトにより有償で提供される
 OSのシェアではウィンドウズは微増、リナックスは大幅増加しています。双方ともUNIXのシェアを食っていると思われますが、リナックスは中国、韓国、インド等の政府系機関が公式に採用したことが大幅増加につながっているようです。政府系機関は市場から独立した存在であろうとしますから、今後ますます重要度が増してくるシステム機器を株式会社一社に押さえられることに危機感を覚えることは容易に想像できます。
 シェアでみると、ウィンドウズ:78%、リナックス:14%ですが、リナックスがウィンドウズを急速に追い上げている図式です。
 さて、どちらの陣営が勝利を収めるでしょうか。
要は効率(そのOSを導入することによっていかに安いコストで最大の生産性を上げられるか)にかかっていると思います。それは使い手にとってみて、購入費・保守費・使いやすさ、トータルで見てどちらが得か、ということです。それは(当たり前ですが)どちらがより安くていいものをつくり、かつそれをユーザの心に訴えられるか、ということです。
 資本の原理を最大限に使い、規模の有利で戦うマイクロソフト。
 その崇高な理念により、人々の参加をうながし、新しい互助の理論を作ろうとするリナックス。
 まさにソフト界の資本主義VS共産主義といえるのではないでしょうか。
 ともかく競争激化に伴う技術躍進は期待できそうです。

満員電車も悪くない

 連休の中場で都内の電車はすいています。いつもこのくらいすいていたらいいのにな、と思います。 いつもは通勤ラッシュの満員電車で通勤しています。もう何年も通勤していますが、これだけは慣れることができません。車両を増やすか、車内を広くしていただきたいものです。 でもJRの立場からみるといつもこんなにガラガラでは経営が成り立ちません。こんな効率の悪いことでは赤字になってしまうでしょう。するとJRはどうするか。損益がプラスになるように運賃を値上げして調節するでしょう。 そこで気づきました。満員電車は悪いものではないと。 なんで電車代がこんなに安いのか。それは小さいスペースで多くの人を運ぶすばらしく効率の良い満員電車があるからです。我々が満員電車を我慢しているからこそ、安い運賃の恩恵にあずかっているのです。電車が込めば込むほど、電車代が安くなる。通勤手当は会社から支給されているので関係ないとお思いの方もいらっしゃるでしょう。しかし結局は会社の費用から支払っているので、給料の一部が交通費に回っているようなものです。 仕事をするためには(在宅勤務制度のない多くの企業では)交通機関を使って会社にいかなければなりません。通勤というのはなんら付加価値を生んでいません。つまり付加価値を生むための必要悪であるわけです。すると、これはなるべく効率を上げて費用を抑えたほうが利益増大につながります。日本を大きな企業と想定してみると、費用を抑えて生産性を上げることは、世界との競走上、有利です。 というわけで、日本の生産性が高いのは日本の悪名高き満員電車のおかげかもしれません。そう考えるといつもの満員電車も少し我慢できるような、気がした、連休中盤です。

風邪は天下の回り物 - 風邪を庇護する

 季節の変わり目のせいか、風邪が流行っているようです。

 ところで、風邪を必要以上に嫌って、マスクをしたり、うがいをしたり、手を洗ったりする人がいますね。でも風邪は予防しなくても、また逆に人にうつしてもいいと思うのです。なぜ古代ヨーロッパ人が他の種族を征服し、今日につながる繁栄の基礎を築けたかというと、病原菌の影響力が大だったのです。ヨーロッパ人はその国土の狭さから早くに都市生活を始め、その中で病原菌を媒介させ、免疫力を強めてきました。そのおかげで多くの敵を自らが持ち込んだ病原菌で倒したのです。その数は戦争で倒した敵の数を上回ります。
 風邪は天下の回り物です。逃げてはダメなんです。逃げるから追いかけてくるんです。免疫力を高める上で、風邪ほど、ちょうどよくほどよい病気はありません。むしろ自ら進んで風邪になりましょう。仲間と仲の良い証拠じゃないですか。風邪にもならないようでは、人間同士のコミュニケーションが不足しているといわざるを得ません。周りに風邪を引いている人がいたら、避けるようなことは絶対にしてはいけません。回ってきた風邪はありがたく受け取り、次にまわしましょう。たくさん風邪を引いていると、あまり重くならなくなってきます。風邪を引いても少しだるい程度で直ぐ治ってしまいます。打たれて打たれて強くなる。風邪引いて病気して、強くなる。何かしらの病気にかかっていない人は地球上で皆無です。病気と一緒に生きる。それが人間であり、生物なのです。

ペイントでモナリザ

http://www.youtube.com/watch?v=uk2sPl_Z7ZU

ペイントでモナリザを描いています。

作品の出来栄えを決定付けるのはツールではなくて才能なのですね。

理由はすべて後付けなのです

 人は、物事を決定するときや、他人に説明するとき、その決定には必ず理由があると想定し、「こういう理由だから、こう決定したのだ」と説明しようとします。それは理由が先にあっていろいろ考えた結果結論に達した、という視点に立っているからです。 しかし、理由というのはすべて後付けであって、仕方なくつけていると思うのです。 人間以外の動物は物事の決定に理由など必要としません。すべては勘とでも言うべき判断によって決定されています。生きるうえでの選択に迫られた場合に、どういう選択肢をとるか理由を検証したりはしません。また自分の気持ちを仲間に伝えるときも理由を付随させたりしません。 人間もまた動物であるので、根本のところでは勘で決定していると思うのです。ただ、それでは人間界では他人を説得することはできません。よって「仕方なく」理由を付け加えているのです。つまり、理由を考える段階ではもう結論は決まっているのです。勘で決めたことに理由などつけられるはずがありません。しかし理由をつけなければ他人も自分も納得しないので、無意識に理由を探します。そして、あたかも最初に理由があったかのように錯覚しているのです。ですから、人の判断は論理的に必ず正しいとは限りません。しかし、論理を超えたすばらしい判断をすることもあります。 それをよく理解した上で人に理由を説明したり、人の理由を聞いたりすると、論理的に考えると納得のいかないことでも少し理解できるようになります。 と、今まで書いたことも「勘」なので、正しいとは限りません。

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世界の塩

世界の塩を調べたり、購入したりできます。塩に詳しくてもあまり役に立たないかもしれませんが薀蓄作りにどうぞ。 http://www.sekaino-osio.com/ 昔は塩は貴重なものだったので、給料の換わりに支給されたそうです。サラリーの語源はソルトだとのこと。

漂着ごみ

全国の海岸に流れ着く漂着ごみの調査がはじめてされたそうです。

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070426STXKE064826042007.html

計2万6000トンに上るそうで、これが多いのか少ないのかはまだよくわからないそうです。しかしやはり多いと思いますね。人間が産業を始めてからこれだけのごみが発生したのですから、やはり自然な状態に戻すのが望ましいとは思うのですが、なかなか難しいのでしょうね。少なくともごみを投げ捨てることのないようにしたいです。

金は武器だ

 金は武器だ。生きていれば必ずチャンスは巡ってくる。そのときにチャンスを刺し、手元に引き寄せるための槍だ。チャンスを想定せず、ただ貯めただけの金は死に金だ。