稲妻の超スロー映像
雷(稲妻)のスーパースロー映像がYouTubeにアップされていました。
稲妻は「電力換算で平均約900ギガワット(=100ワット電球90億個分相当)に及ぶが、時間にすると1/1000秒程度でしかない」(Wikipedia)とのことで、普段私たちにはジグザグの光の残像しか見えません。
激しい上昇気流で雲が生成されると、雲の下層はマイナスの電荷が集まり、それに引かれて地上の尖ったところなどにプラスの電荷が集まります。電位差の臨界点に達すると雲と地面の間で放電が開始されます。
この映像を見ると稲妻は下記の過程を経ていることがわかります。
(1)最初は雲から電流が伸びてきて、枝分かれしながら空気中を道を探すように進む
(2)どれかひとつが地面に達する
(3)地面に達した瞬間に同じ道筋を通って、今度は地面から雲に太い電流(正確には電流は逆向き)が流れる
(4)その後放電は雲から地面、地面から雲へと何回も繰り返される
大変興味深いです。(3)と(4)の残像を私たちは見ているのですね。
LHC(大型ハドロン衝突型加速器)が超カッコイイ件
CERN(欧州原子核研究機構)が開発した世界最大の粒子加速器、LHC (大型ハドロン衝突型加速器)がついに9月10日運転を開始するそうです。
全周 27 kmのこの加速器は陽子を7TeV(10の12乗電子ボルト)まで加速し、衝突させることができるのだそうです。高速で衝突する原子核から放出される素粒子やクォークを研究することによって、重力や核力や電磁力を結びつける大統一理論樹立のための貴重なデータが得られる可能性があります。
これだけのエネルギーで衝突させた場合、極小ブラックホールが生成される可能性もあるとか。すごいですね。
まだ人類が見たことの無い未知の領域での新たな発見を期待します。
それにしても装置の写真
がかっこいい。AKIRAみたいです(いや、それ以上です)。
<ソース:スラッシュドットジャパン >
ゲーム - The Great Bathroom Escape
http://www.pastelgames.com/index.php?dzial=game_play&game=75
クリック探索系。鍵を見つけてバスルームから脱出してください。
ヒント:アイテム同士を組み合わせる
「急がば回れ」を再考する
「急がば回れ」ということわざは使い古されています。今さら言われてもピンときません。でもこれはとても深くて意味のある言葉なので、ことあるごとに再考する必要がありそうです。
というか、「急がば回れ」から想起される指針や行動を実行に移していくというのではなくて、いろいろな物事の本質を考えていると、いつの間にか「急がば回れ」にたどり着いていることが多いと感じるのです。
たとえば、自分の給料をアップさせたいとして、
①がむしゃらに働く
②どうすればいいか研究する
の2通りが考えられます。
この場合、短期的には①のほうが効果があります。しかし、長期的、そして本質的には②のほうが絶対に有効です。「どうすればいいか研究する」とは、お客さんが何を望んでいるか、上司が何を望んでいるか、職場のみんなが何を望んでいるかをよく考えた上で行動に移すということです。
この場合、考えているときは停滞します。一見遠回りなのですが、その後の行動における効果に差が出ます。
問題は、この一見停滞に見える時間をいかに我慢できるかです。ときには停滞時間が長期にわたる場合があります。失敗かな?とあきらめようとしたときに一気に進みだすこともあります。
もちろん研究や勉強ばかりしていて行動に移さなければ何の価値もないので、常に行動を踏まえた研究をしなければなりません。「とにかくやってみる」という精神も大事ですが、この場合の「やってみる」とは研究のためのデータ収集が目的の「やってみる」です。やってみたら結果を検証して考える時間を作る。あせらずに確実に作戦を練る、ということが大事です。
とにかく停滞したときには、急がば回れの「回れ」をしているところなのだな、と自分に言い聞かせて落ち着いて対応することです。
ゲーム - どこでもラストガイ
「どこでもラストガイ」
PS3用タイトルのプロモーションWeb版ゲーム。好きなサイトのURLを入力すると、そこをゲームフィールドに変えることが出来る。人々をEscape Zoneに導いてください。敵に当たるとOUTです。
宝くじ - 買うべきか否か
宝くじは買ったほうが得でしょうか、それとも損でしょうか。
賭け事の有効性をはかる指標として「期待値」というものがあります。期待値は掛け金に対して戻ってくる見込みの金額で、「確率×賞金」の総和です。宝くじの場合、等級ごとの「当選確率×当選金」の総和となります。
それでは、2008年サマージャンボ宝くじの期待値を計算してみましょう。発売予定額は1200億円です。枚数は、1200億円÷300円=4億枚ですね。当選確率は4億枚÷当選本数で計算できます。
| 等級 | 当選金 | 本数 | 当選確率 | 当選確率×当選金 |
|---|---|---|---|---|
| 1等 | 2億円 | 40本 | 0.00001% | 20円 |
| 前後賞 | 5千万円 | 80本 | 0.00002% | 10円 |
| 組違い賞 | 10万円 | 3,960本 | 0.00099% | 0.99円 |
| 2等 | 1億円 | 80本 | 0.00002% | 20円 |
| 3等 | 1千万円 | 400本 | 0.0001% | 10円 |
| 4等 | 5百万円 | 4,000本 | 0.001% | 5円 |
| 5等 | 1万円 | 400,000本 | 0.1% | 10円 |
| 6等 | 3,000円 | 4,000,000本 | 1% | 30円 |
| 7等 | 300円 | 40,000,000本 | 10% | 30円 |
| 30年記念賞 | 3万円 | 80,000本 | 0.02% | 6円 |
よって、「当選確率×当選金」の総和=期待値=141.99円です。一枚300円の宝くじの価値は確率的に見ればせいぜい142円しかないといえます。宝くじの販売元は収益を考えて販売しますから、だいたいどの宝くじも同じような期待値(価格の半分以下)で調整されています。
だから宝くじというのは買うだけ損です。
と、こんな一般的な結論では終わりません。
宝くじの価値を上げる方法をご存知ですか?
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それは人にプレゼントすることです。例えば誰かに300円をあげた場合と、宝くじをあげた場合、確実に後者のほうが喜ばれますね。ということは誰かにあげた場合には宝くじの価値は300円以上あるということです。
宝くじの価値には「お楽しみ料」も含まれます。買ってから抽選日までどのくらい楽しめるか、それによって価値が変わります。あげた人が喜んでくれて、十分に楽しんでもらえるならば、価格以上の価値を手に入れたことになります。投資としても十分に価値があります。
よって、自分にとって大切な、そして喜んでもらえそうな人にあげるという前提ならば、宝くじは完全に「買い」です。私は今年も親にプレゼントする予定です。
P.S.
ちなみに宝くじは「連番」か「バラ」が選べますが、どちらも期待値は変わりません。ただし、「リスク」は変わります。前後賞があるため、一般に連番のほうがリスクは高い(ハイリスク・ハイリターン)です。「連番にしますか?バラにしますか?」というのはどのくらいのリスク量を許容しますか?と聞かれているということです。
沢田マンション - 建築とソフトウェア
沢田マンションとは
沢田マンションをご存知でしょうか。高知市にあるセルフビルドのマンションです。地上6階、地下1階、戸数58、全長70メートル。これのすごいのは、沢田夫妻がたった二人で作り上げたということです。
3階には鯉の泳ぐ池
5階まで車で登れるスロープ
大量の土が敷き詰められ松など大きな木が植えられている
クレーンも手作り
屋上には畑と水田、自給自足
規定の建築にはない合理性・便利さ・活気
建築の専門教育も、建設業経験もまったくない二人が試行錯誤でこんな巨大建築を作り上げてしまった。そして、住人が住んでいる今も住人と大家の共同作業で増改築が進行中なのだそうです。厳密には違法建築かもしれません。しかし行政により規格・標準化された建築物からは考えられないくらいに便利で合理的で住人の身になった構造が垣間見られるのです。それもそのはずです。自分たちの思うがままに作っているのですから。しかしどうして素人が設計図も引かずこれほどのものを作れたのか。どうしてこれほどの重量、複雑怪奇な構造を持ちながら、つぶれずに建っているのか。建築界はもとより、いろいろな方面から注目されています。
そして一番重要なのが、全住人が活気にあふれ生き生きとしていること。
建築とソフトウェア開発の類似性
ソフトウェアは建築に似ているといわれます。設計書(図面)をつくり、それにしたがって部品を作ります。そして部品を組み合わせて大きなソフト(建物)を完成させます。完成後に仕様変更・追加があった場合は、部品を追加・修正(増築・リフォーム)します。ソフトウェアは0と1の情報であり、実物は存在しません。すべてコンピュータの中で動く信号で構成されます。しかし、プログラマーの頭の中のイメージはたしかに建物を建築する感覚に近いです。最初はコア(基礎)をつくり、徐々に階層を積み上げていきます。必要なのは絵を見てそれを記号に置き換える能力(パズルを解く能力)とロジカルシンキング、そして文章力です。昔は数学的な能力が重要だったのですが、プログラミングも自動化が進んだ今では、合理的にプログラムを書く、他人にわかりやすいプログラムを
書くという国語的な能力も重要になってきました。しいて言えばプログラミングは「建築」+「小説」といえるかもしれません。
建築、ソフトウェア、手続きの流れ
一般の建築界、ソフトウェア界の業務フローは以下のようになっています。
【建築】
施主(依頼)→ 設計事務所(企画・調査書) → 設計図 → 施工業者 → 工事 → 工事管理 → 竣工
【ソフトウェア】
依頼主 → コンサルタント(要件定義) → 仕様書 → 開発業者 → 開発 → テスト → リリース
まさにオープンソース
さて、沢田マンションですが、これは一般の建築界の枠には収まりきれません。というかまったく違います。まず、沢田家が音頭を取り、住民からアイデアを募って、全員参加型で建築していきます。得意な人が得意な分野を担当します。それぞれの住人は自分で自分の部屋を自由に改築します。一見無計画にばらばらに作られていたものが、全体から見ると不思議な秩序が生まれています。
これはまさに「オープンソース」に他なりません。
住人は無報酬で増改築に労働力を提供します。それは自分の住まいであると共に、「自分の作品を世に残す」という意思があるからではないでしょうか。また、壊れたところや不便なところがあれば「誰かがすぐに気づき」、「その場ですぐに直して」しまいます。
アジャイル的な開発プロセスで細やかなビルド
そして開発プロセスは「アジャイル」的です。
まだ未完成のうちに住人を募集して住まわせてしまいます。そして、住人はそこで生活しながら仲間として建築に参加します。これは「株式会社はてな」に代表されるような、作ったものはまだ未完成のうちにリリースし、使ってもらいながら反応を見て完成に近づける(永遠に未完成)、という開発方法です。
そして沢田家を中心としたゆるいコミュニティよって、ボトムアップ型のみごとな全体最適が「自然に」成り立っているのです。
沢田マンションはこれから100年はもつといわれます。もちろん建物の強度は保証されていないのでそのままでは100年持つはずがありません。実際内部では頻繁に不具合が発生していることでしょう。しかし、このシステムがあるからこそ、不具合が直ぐに解消され、半永久的に存在し続けるのかもしれません。
個々と全体の結びつきをどうやって秩序立てるか
ソフトウェアのあり方も今まさに大きな変化の中にいます。規律・綿密なプランを重視するウォーターフォール型の開発プロセスから、チームワーク・結果を重視するアジャイルプロセスへ。閉じられた世界のWeb1.0から不特定多数参加型のWeb2.0へ。スタンドアロンで動く単体アプリケーションから、アプリケーションが相互に連携し「サービス」を提供するというSaaSへ。
これはコンピュータの中、あるいはソフト業界の中の閉じられた世界からのソフトウェアの開放です。そしてコンピュータの外にいる人間のコミュニティと自由に結びつくことによって、まったく新しい体験・サービスを提供しようとするものです。
しかし、問題もあります。自由に結びつくのはいいのですが、いったい誰が秩序を維持するかということです。もしかしたらある1つのソフトウェアの暴走が全体に影響を与えてしまうかもしれません。
これほど自由気ままに作って一度も大きな事故を起こしていないところを見ると、沢田マンションはこの自由と秩序をうまく共存させていると思われるのです。これは大いに研究の余地があります。
幸せなものづくり、幸せな暮らし
沢田マンションの一番の特徴、住人が幸せであること。それは自分たちの帰るべきリアルなコミュニティがあるという安心感、自分たちの手で物を作りそれがそのまま自分たちを潤し、他人の役にも立っているという、社会の一員であるという強い自負。そしてなによりも、自分たちの楽園で思うようにやればいいという、大いなる『自由』。これが人を元気にさせているのだと思います。
今の日本のものづくりは元気がないといいます。労働現場は疲弊しているといいます。行政の取る政策は締め付けを強化しているように思います。このままでは本当にコンプライアンス不況になってしまいかねません。沢田マンションのやり方は建築やソフトウェアに限らず、すべてのものづくり方法論において、大いに参考になるのではないでしょうか。





