宝くじ - 買うべきか否か | 木下英範のブログ

宝くじ - 買うべきか否か

宝くじは買ったほうが得でしょうか、それとも損でしょうか。


賭け事の有効性をはかる指標として「期待値」というものがあります。期待値は掛け金に対して戻ってくる見込みの金額で、「確率×賞金」の総和です。宝くじの場合、等級ごとの「当選確率×当選金」の総和となります。


それでは、2008年サマージャンボ宝くじの期待値を計算してみましょう。発売予定額は1200億円です。枚数は、1200億円÷300円=4億枚ですね。当選確率は4億枚÷当選本数で計算できます。


【サマージャンボ2008期待値の計算】
等級 当選金 本数 当選確率 当選確率×当選金
1等 2億円 40本 0.00001% 20円
前後賞 5千万円 80本 0.00002% 10円
組違い賞 10万円 3,960本 0.00099% 0.99円
2等 1億円 80本 0.00002% 20円
3等 1千万円 400本 0.0001% 10円
4等 5百万円 4,000本 0.001% 5円
5等 1万円 400,000本 0.1% 10円
6等 3,000円 4,000,000本 1% 30円
7等 300円 40,000,000本 10% 30円
30年記念賞 3万円 80,000本 0.02% 6円

よって、「当選確率×当選金」の総和=期待値=141.99円です。一枚300円の宝くじの価値は確率的に見ればせいぜい142円しかないといえます。宝くじの販売元は収益を考えて販売しますから、だいたいどの宝くじも同じような期待値(価格の半分以下)で調整されています。


だから宝くじというのは買うだけ損です。



と、こんな一般的な結論では終わりません。



宝くじの価値を上げる方法をご存知ですか?

それは人にプレゼントすることです。例えば誰かに300円をあげた場合と、宝くじをあげた場合、確実に後者のほうが喜ばれますね。ということは誰かにあげた場合には宝くじの価値は300円以上あるということです。


宝くじの価値には「お楽しみ料」も含まれます。買ってから抽選日までどのくらい楽しめるか、それによって価値が変わります。あげた人が喜んでくれて、十分に楽しんでもらえるならば、価格以上の価値を手に入れたことになります。投資としても十分に価値があります。

よって、自分にとって大切な、そして喜んでもらえそうな人にあげるという前提ならば、宝くじは完全に「買い」です。私は今年も親にプレゼントする予定です。


P.S.
ちなみに宝くじは「連番」か「バラ」が選べますが、どちらも期待値は変わりません。ただし、「リスク」は変わります。前後賞があるため、一般に連番のほうがリスクは高い(ハイリスク・ハイリターン)です。「連番にしますか?バラにしますか?」というのはどのくらいのリスク量を許容しますか?と聞かれているということです。