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[記事作成・編集]
※※ 2015年3月11日更新 ※※
本記事内容は木材の危険性について一部の誤解を解くために記載しておりますが、
木材故の危険性というものも考えられます。
従前公開していた内容から一部を修正し、
内容を少し慎重なものに変更させていただきます。
決して「木材が安全だ」と言い切る内容ではございません。
(もっとも市販の金属ケースでさえ、安全だと言い切れる根拠はありませんが)。
積極的に利用を推進するものでもございません。
市販の金属ケースを用いれば、自作PCとして間違いのないものが作れるわけです。
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今回の内容は、正直「誰かのために役に立つ」というものではなく、
しかも文字だらけですので、お好きな方だけお読み頂ければ幸いです。
木製ケースを作り続けて12年。
木製ケースに関する誤解が多そうなので、ここで当方なりの考察を展開します。
○熱伝導について
「熱伝導が悪そう」の言葉の数々。
熱伝導率が悪いのは事実です。
悪いからこそ鍋の柄に使われるわけです。
ただ、一般的なケースの材料として熱伝導は重要ではありません。
フローを使わない自然空冷の場合、
それ自体をヒートシンク(放熱器)として用いるなら
確かに熱伝導率が高くなければ使うことはできません。
当方が26台目PCのベースとして用いた「FitPC2
」は
筐体全体で放熱する構造にすることでノンフロー(ファンレス)を実現しています。
そう、よほど発熱が小さい場合を除き
ファンレス筐体を作るとしたら木材はNGに決まっています。
ところが一般的なATX用ような、
ファンによるフロー(=強制風冷)を前提としたシステムとする場合、
熱の大半はこのフローによって運ばれていきます。
一般的な空冷CPUクーラーも、フィンから風で熱を奪っていますよね。
ケース内の空気に放出された熱を、できるだけそのまま排気してしまえばいいのです。
ちなみにここからケースそのものに熱として伝わる量は微量で、
さらに「ケース自体からの放熱」は全体の熱量のごく一部(~3%未満)です。
従ってフローで冷却を考える場合、ケースの材質の熱伝導率は気にする必要はありません。
実際、当方が作成する大型機で、過去に熱によるトラブルは経験したことがありません。
○電磁波
電磁波が危なさそうの言葉も多少きかれました。
ぶっちゃけた話、世間でいう電磁波はほとんど当方にもわかりません。
というのも、そもそも電磁波とは
可視光を含む電波や、X線(といっても電離電磁波に限らず波長の短いものすべて)
を含んだ全般を指す言葉で、それそのものが危険とか、そういう話ではないからです。
どうやら、何となく「電磁波によって生成される電場や磁場が大きいと危険」
という内容に行き着くようですね。
webで調べてみても、各者言っていることがバラバラ。
信用できそうな文献も簡単に見あたらないんですよね。
(電力会社のサイトのような、安全神話に躍起になっている側、
かたや対策用品の売り込みをするサイトのような、危険神話に躍起になっている側…)
どちらにもいえることは、そもそも電磁波の解説がいい加減で、
それぞれ安全/危険としている根拠の呈示が曖昧であること。
確証につながる内容がないんですよね。
そうはいっても確たる証拠がない以上は双方の考えがあることは仕方ないでしょう(^^;)
この世界、10や20の標本調査が結果を示すわけではありませんからねぇ。
当方もどちらが正しいか、なんてわかりません(爆)
だからあえてこのような書き方にさせて頂きます。
普段の生活で支障のない方は、気にする必要はありません。
少なくとも電場的にはそのように言い切って差し支えないようです。
電磁波が危険だとお感じの方は、この程度のケース云々を気にするより、
そもそもPCや家電を極力使わず、電車にも乗らないのが一番です。
蛍光灯なんて使うべきではありません。
LED照明もブルーライト云々の前にスイッチングコンバーターによる高周波ノイズが。
CPU・GPU・WiFiとGHzオーダーのクロックばかりのスマートホンなんて触っちゃだめ。
電車なんてDC1500Vなどの架空線と線路(GND)の平行電極による電場ですからね。
新幹線にいたってはAC25KV。
そこそこ規模の大きなコンバータや商用系統連携インバータが身近に必要な
個別の太陽光発電や燃料電池系は危険きわまりない、ということに…。
ただし!!
木材ですから電解強度については抑える効果は期待できません。
(だからEMI測定などでは被測定器の台などに用いられるのです)
これらが何らかの機器に異常を与える可能性もゼロとは言い切れません。
この注意は「まな板」と呼ばれるオープン筐体やアクリルケースも同様です。
もしラジオなどで明らかに影響が出るようでしたら、
・アルミホイルをかぶせて確認してみる(できるだけ厚めのものを、さらにできれば接地を)
・BIOSで「Spread spectrum」をEnabledにする
といったあたりで改善する可能性もあります。
アルミホイルで改善する場合は、金属筐体を使用するのがおすすめです。
○燃焼性
「火が噴いたらどうしよう」の発言もよく耳にします。
実際、金属は常温常圧下で炎を出して燃焼することはありませんし、
それに比べれば木材は燃焼の危険性をはらんでいます。
では実際に燃焼する可能性はどの程度高いものでしょうか。
ここで考えられる燃焼には、引火と発火の2通りが挙げられます。
(1)引火(火元から燃え移る)
ここ最近のPCパーツに使われる部品類で「火を噴く」状況はどの程度あるか。
正直なところ、外来の事故(雨漏りなど)でも起きない限りまずありません。
(なお、ここでは引火につながることのない、ちょっとした白煙は除外します)
一番出火する可能性の高いパーツとして思い浮かぶのがPSUでしょうか。
PSUは直接AC(商用電源)に接続され、
トラブル発生時にうまく商用電源から切り離しができなければ
事故拡大の要因になりうることは考えられます。
というわけで、現在のPSUの大多数には、入力直後に即断ヒューズが内蔵されています。
たとえばPFCの主スイッチが短絡事故を起こせば、すぐに遮断します。
入力一次側に使用される入力コネクタやXコン、Yコンの類は
安全規格(ULなど)を通したものが採用されており、
異常時にこれらの部品は発火・発煙しない壊れ方をすることになっています。
※実はそういった側面からも、あまりに安いPSUを使うことはおすすめ出来ません。
故障モードのよくわからない部品が使われる可能性が少なからずあるためです。
強いていえばタンタルコンデンサは故障モードがショートで少なからず危険性がありますが
一次側で使用されることはないと思いますので、深く考えずとも大丈夫でしょう。
(2)発火(火元がなくても自ら火が出る状況)
発火点(火元がなくても自ら発火してしまう温度)を確認してみました。
実は資料によりさまざまな値が公開されており、
真値がどれなのかは当方にも不明瞭な部分があることをお断りさせていただきます。
従って、調べた値は不確実ですが、目安として参考掲示しますと…
・木材:250~260℃
・アクリル:360~400℃
・PET:500~550℃
・ポリエチレン:350~450
・ポリウレタンフォーム:230~530℃
他の物質と比較すると木材の発火点は低いわけですが、それでも250℃。
250℃まで上昇するような状況であれば、ほとんどのデバイスが
先に異常動作をするか、温度保護機能で停止するかのどちらかでしょう。
そもそも250℃は鉛フリーな半田ですら溶解する温度です。
半導体内のダイボンディング云々どころか、部品そのものが基板に保持できません。
仮に瞬発的に250℃まで上昇して部品が散ったとしても
発火に至るほどの熱エネルギーにはなりません。
そもそもその発熱源が木製筐体にふれ続けている可能性はきわめて低いです。
よって、発火の危険性も限りなくゼロに近いものです。
ただし!!
一度着火に至った場合、延焼を助長する危険があるのは事実です。
さすがに木材は一度着火してしまえば自己消炎性はありませんから燃え続けます
(これはアクリルも同様で、しかもアクリルが燃えると有毒ガスを伴います)。
・周囲に高温になるものを置かない
・窓際に集光性のあるものを置かない(水入りペットボトルなど)
・筐体内の温度上昇を警告するような仕組みを備える
・筐体に難燃性の塗料を使ってコーティングする
・配線の電流に対して充分な線径のものを選定する
などの考慮や工夫を行う必要もあるかと思います。
また、本記事はあくまでもPSUが金属筐体に入っている状態を想定しています。
メーカー保証や安全性度外視でPSUそのものを露出した状態で運用する場合、
木製PC筐体がPSU基板のトラッキングによって
筐体そのものが炭化する可能性は充分に考えられます。
このような使い方は避けてください。
なお、金属ケースも漏電が発生すれば、
ケース内外にたまった埃によってトラッキング現象を起こす可能性もゼロではありません。
筐体の製品/自作や材質の観点だけでなく常日頃の点検・清掃こそが、
これらの一番の対策になることは、いうまでもありません。
以上より、いくつかの注意を心得れば
木製に限らずそのほかの材質であっても
ケースとして使用することは可能だと考えます。
ちなみに当方が多用する檜工作材の骨組みを主体とする工法であれば、
数年単位の使用による寸法の狂いも殆どありません。
(もっとも釘打ちではなく、ねじ止めで固定しておりますが(^^;))
一番最初の記事、24台目PCの紹介の際にも書きましたが、
一般的なPCケースに求める最大の仕事内容は
(1)パーツの安定保持、保護
(2)遮音
(3)効率的な冷却 ※空冷の場合。埃対策もここに該当する
(4)FG(接地)による保安性向上、動作安定化や放射ノイズの抑制
の4点だと考えます。
木材の筐体でできないことは、唯一(4)だけなのです。
しかも多くの方はFG線を使用しての接地をしていないと思いますので、
絶縁体に分類される木製のほうがむしろ高いと考えることもできます。
木製筐体のメリットは
・材料費が安価
・軽量
・追加工が簡単、デザインによっては増築も容易
・高い制振性
・解体処分が比較的簡単、処分コストも安価
なおデメリットは
・金属筐体より電子機器の誤動作を起こす可能性が高い
・着火してしまうと燃え続けてしまう
という点です。
自身の責任においてPCを作って楽しめば、それでいいと思います☆
※重ねての内容になりますが、無理に金属ケース以外を用いるメリットは
よほどの物好きでない限りほとんどないのも事実です。
トライされる方は自己責任においてくれぐれもご注意ください。
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インプレスジャパン殿(DOS/V POWER REPORT主催)にて
「Windows 8 PCの祭典 」が発表されました。
当方としては参加するとすれば
27台目PCにインストールしてさらっと参加してしまうか、
29台目PCの完成を急ぐか…というところになりそうです。
ただ、29台目PCは今のデザイン素案からやりたいことを展開しますと、
ちょっとGWまでに完成というのは間に合わなさそうです(苦笑)
実は散々上で書いておいて、29台目PCは檜の骨組みを使わなさそうなんです(爆)
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bloomさんへ業務連絡
以下の配線がイメージです。
各LEDの足から1本ずつ、抵抗を生やします。
そしてA側、K側につけた足の反対側同士をショートさせます。
(4本一緒、ではありません。2本ずつです)
いかがでしょうか?