「写真提供 CERN アトラス実験グループ」
世界最大の素粒子加速器「LHC」がフランス・スイス国境レマン湖近くの欧州合同原子核研究所(CERN)の下で完成し運営を開始し、ついに9月10日から本格的な実験が始まりました。
LHCは、円周27km(JR山手線とほぼ同じ)の大きさがあり、世界最大のサイクロトロンです。LHC(ラージハドロンコライダー)は「大型ハドロン衝突型加速器」の略で、フランス・スイス国境の地下100メートルに掘られた円周27キロ(山手線の約8割)の地下トンネルの中に建設されてあります。
このLHC実験装置は14年の歳月と巨費と掛けて、世界から2200人の物理学者が参加し作り上げられたものです。
この装置の検出器部分(ATLAS)には日本の物理学者と最先端の装置技術などでも参加しています。
日本が参加しているのは東京大素粒子物理国際研究センター川本辰男助教授をはじめ、独立行政法人 高エネルギー加速器研究機構(茨城県つくば市)などが製作・計画しました素粒子の動きを制御する為の超電導磁石技術など、日本の最先端技術が数多く使われ、日本政府としても約166億円の巨費を拠出しています。
この実験装置で調べられることは、宇宙創世記頃に近い状態を再現して宇宙誕生の謎を解き明かそうとする事と、まだ見つかっていない素粒子の発見が期待されています。 ⇒のちほど
ATLAS-Japan Home Page
LHCとATLAS見取り図と毎日新聞記事(元村記者)
先日、新聞ニュースには「この実験開始を悲観したインドの少女が自殺した」との記事がありました。
この少女が恐れたことは、素粒子実験の過程でブラックホールが作られてしまい、地球をブラックホームが飲み込んで世界が終わる。と言うことを恐れた事からのようです。
確かに実験の過程では『マイクロ・ブラックホール』を作り出す・出される計画がありますが、地球を飲み込んでしまう様なことは在りません、から安心してください。
今回の素粒子加速器で使われるエネルギーは普段、地球が宇宙から受けているエネルギーの規模から見ると【2匹の蚊がぶつかる】程度のもので、それ程巨大なエネルギーは無いことからブラックホールが造られたとしても、極小で力の弱いブラックホールしか生まれずに、スグ消えてしまうと考えられています。
以前から、素粒子レベルでの生成は幾度も成されているのです。もし、今回のような心配事が起こったという事例はありませんし、悲観することはないのです。
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⇒ 今回
【行われる実験について】
様々な実験が計画されています、その中でも期待されているのは、神の素粒子と呼ばれる「ヒッグス粒子」や,宇宙の24%を占めるといわれるダークマター候補のSUSY(スージー)粒子の発見,そして誰も予想しなかった宇宙を支配する深遠な物理法則の発見が期待されています。
そして、アメリカ(ハーバード大学)女性理論物理学者リサ・ランドール教授の提唱する異次元(第五次元)存在とパラレルワールド(並行宇宙)の立証実験も予定されていています。
現在の物理学の標準理論を検証して、理論的には存在が予言されていて未だに未発見であり、素粒子に質量をもたらすとされている「ヒッグス粒子」の発見とその粒子が持っている性質の観測と測定。
この標準理論を超える大統一理論の有力候補である超対称性粒子の発見
LHCの素粒子衝突エネルギーを使って生成可能だと言われている極小ブラックホールの検出と検証
など・・・
様々な実験が計画されています。
これらの実験と検証で物理学会に新しい発見と道が開かれ、宇宙の謎の一部を解き明かされることを期待しています。