実以のブログ -40ページ目

キンモクセイとドリア

ドラマも何回か視た『ナイルバーチの女子会』を読みました。そのレビューを書こうと思っているのですが、あまりにもずしんと来る小説なのでなかなか書くことがまとまりません。

 

この小説には登場人物たちが語り合う舞台としてさまざまな飲食店が描かれます。回転寿司にファミレス、観光地のそば屋、そしてバレエの演目と同じ名前のオーガニックカフェ―いかにも世田谷にありそうです。ヒロインの一人、専業主婦ブロガーの翔子が夫の夕食が要らない夜はファミレスで「ドリアにワイン」とのこと、私もワインは飲まないけどドリアにハーブティーあたり、ファミレスで味わいたいのですが、時節柄、8時で閉まってしまうので無理です…そんなことを思いつつ、コンビニでドリアを買ってしまいました(笑)。

 

ホワイトソースやらエビやカニやマカロニなどを買いそろえるのがめんどうで、ドリアやグラタンは家では作りません。食べたくなればレストランか、できているものを買うかですね。ともあれドリアだけでは野菜不足が気になりますから、生のパセリと2分ほどレンジであたためた切りおきのニンジンを載せました。

 

9月12日日曜日午前、父を近所の公園で散歩させ、キンモクセイの花を見せました。「お母さん、この樹が好きだったんだよ」と言って。

 

これはその3日後、朝、出勤前に撮った写真。夜から明け方に降った雨にぬれ、水滴がついています。

キンモクセイの香りの不思議、遠くまで香るのに、必死に?その香りを味わおうと鼻をくんくんさせるとよくわからなくなってしまうのです。必死にならず無心にこの花と向き合っているとかすかに感じられてきます…まるで人生の

幸せのように?

 

18日の台風の雨で散りましたが、もう1度咲いてくれるとうれしいです。昨年も2度咲きましたから。

 

パンが出なかった健康診断、コロナワクチン接種2回目

決算期の上に、同僚の一人が病気で入院! 昼休みも働いていて(残業したくないから)、

そんなこんなでブログが更新できないでいるうちに、早くもコロナワクチン2回目接種の日が来ました。

 

ちなみにその前日が健康診断。人間ドックは一年おきにすることにしたので、今年は通常の健診。

 

いつもの年は終わった後、カフェテリアで飲み物とパンがもらえるのですが、

今回はコロナ対策でパンが出ません。そこで健診センターの近くにある喫茶店に入りました。

毎年、健診で通りかかる度に、ちょっと心ひかれていた店です。

 

老夫婦二人でやっていらっしゃるようで、店内の雰囲気も落ち着いています。

こういうお店でモーニングセットを頂くのは本当に久しぶり。これで600円です。

パンがとても厚くて、サラダもおいしく、うれしいですね。

私が食べている間、常連さんらしい老婦人が入ってきて、「いつもの」と注文していました。

いつものは「アイスココア」だったようですが、地域の人に愛されている店なのですね。

 

翌日午前に前回と同じクリニックでコロナワクチン接種。

前回と同じく、出勤途中で両大師様へお参り。

 

自分のワクチン接種ができたお礼と父がデイサービスを続けてくれること、

そして弟のワクチン予約がとれるようお祈り。

弟は工場勤めなので「土日に受けたい」とか言っています。

全く遊びじゃないのだから。

 

翌日、同僚が休んでいいというのでありがたくワクチン有休。

ちょうど心療内科でも「休みを取りなさい」と言われたところでもあります。

この金、土、日の休養でメンタルもよくなるといいのですが。

 

朝食後、何気にパソコンで検索してみたら、私と同じクリニックがコロナワクチンの予約を受け付けていました。

しかも土曜日の枠もあります。あっさり弟の予約が取れました。

 

弟の予約を取るために暇さえあれば大規模種会場の日付検索。

それでも全く空きなしなので、イライラし、何だか一時期流行った?

ネトゲ廃人みたいになりそうだったのですが、両大師様は霊験あらたか。

 

予想した通り?接種箇所を中心に左側の腕、肩の痛み、そして37.9度の熱。

金曜日は一日中寝てました。

 

今は接種3日めの夜、熱は36.9~7度、腕の痛みはかゆみに変わりつつあります。

父がこのところ歯茎の痛みを訴えていたので、弟が午後歯医者に連れて行きました。

スマホでタクシーを呼ぶために私もマンションのエントランスまで出ます。

ついでに2018年に亡くなった母が好きだったムラサキシキブを

眺めました。これは公園のものですが、母は田舎の家で自分で

ムラサキシキブを育てていたこともあったのです。

 

週明けには元気に働きたいものです。

 

一回目のコロナワクチン、卵が高いこと

お盆休み最後の日に、ひょいと父がコロナワクチンを受けた医院のHPを見たら、
ひょいと予約が取れ、盆休み明け早々に一回目を受けました。父の時と同じように
流れ作業。そのまま90分遅れで出勤。

接種後、お決まりの15分は医院の待合室でじっとしていましたが、出勤前に、
上野の輪王寺にお参りし、ワクチンを受けられたお礼と父がデイサービスを
無事続けてくれるようお祈りし、境内のベンチで休ませていただきました。
手水舎から流れる水の音を聴きながら…。このお寺の境内は広くはないのですが、静かで、
訪れると心が澄んでいきます。いつもどこかにさりげなく花が咲いている感じがします。

これはお盆前に撮った写真ですが、本堂脇の池の大賀ハスと白百合です。

白百合はワクチン接種の日も、まだいくつか咲いていました。

白百合で神経を休めた後、出勤。

左の腕、肩、首のこわばり、痛みは出てきましたが、鎮痛剤で抑えて何とか翌日も勤務。

 

母をよく散歩に連れていった公園のムクゲが今年も咲いていますが、お盆休み中は

天候不順で、お盆明けはあまりに暑くて父を散歩に連れて行けてません。

父が週一回でもデイサービスで外へ出して頂けるのが本当にありがたいですね。

我が家では朝食にたいてい目玉焼きを作るのですが、最近卵が高いですね。

勤め帰りによるスーパーの掲示によれば鳥インフルエンザの影響が続いているとのこと。

毎日、当たり前に食べていたものの値段が上がる、これが生活が圧迫されるということですね。

野菜、特に葉物も品薄で高い感じがします。

 

実は子供の頃、我が家では朝食に生卵を食べる習慣がありました。

生卵に醤油を入れてそのまま「飲む」か、あるいはご飯にかけていたのです。

私は卵の白身が苦手だったので、母が黄身だけを分けて出してくれていましたが、

それはなおすべき好き嫌いで、いずれ全部食べられるようにならなければいけないのだと

父や祖母に言われていました。

 

今、思うと生卵を毎日というのは子供の胃腸には負担が重かったと思います。時々、

お腹をこわしていたような記憶が…ただ当時の家族の考えでは、

子供に卵を食べさせるのは愛情からだったのです。祖母の若き日、

父の子供時代には卵は貴重なものだったようですから。

 

今の卵や野菜の高値は一時的なもの、かもしれませんが、ひょっとすると将来、

「2020年代初頭は卵を毎日一つ食べてたなんて、なんてぜいたくだったのだろう、

今では信じられない」なんて思う時が来るのではないかと不安です。

 

父、デイサービス始めました―コレステロール改善、お盆休み

いやがっていた父を説得し、7月末からデイサービスに行かせています。「リハビリ専門デイサービス」とのことで、母が生前通っていたところのように折り紙、ぬりえなどのお勉強?の時間や茶話会のようなものがないのが父にとってはいいようです。

 

春の脳梗塞発症と退院以来、毎日ミニトマトを食べさせているせいでしょうか、それとも不忍池の弁天堂にお参りしたご利益でしょうか。

8月初めにてんかん専門医のところで受けた血液検査で、父のコレステロール値が改善していました

 

弁天堂にお参前回のブログで不忍池のハスの写真をアップしましたが、弁天堂の手水舎にもきれいな造花のハスが飾られています。

お盆休み前の最終出勤日は13日の金曜日(笑)。そのせいか、とても疲れてしまいましたが、

近所のスーパーでホオズキの枝を300円台で売っていたので、仏壇に供えました。

母が好きだったので。

コロナウィルスは蔓延しているし、天候もずっと悪く、今一つ気持ちの晴れない盆休み。

ちょっとした買い物の他は外出しませんでした。家の片づけなどをもっとしたかったのですが、

日頃の疲れが出てしまって。

 

それでも最終日、雨もよいで涼しいのを幸いに冷蔵庫の野菜室を掃除しました。

それからPCの前でねばって、やっとこさコロナワクチン1回目接種の予約を

取れたのが、まあよかったことでしょうか。

 

 

ハスを楽しむ その2

盆休み前、運よく?30分ほど早く出勤できた時は不忍池へ行って、

あわただしくですが、写真を撮っています。

 

比較的近くで撮れた花と開きかけのつぼみ。これが今シーズンベストの写真かも。

 

光をあびてまるで灯籠のように見える花。ご先祖様、これが今年の迎え火です?

 

 

これはゆれる柳の枝の間から、幻想的。

 

葉の陰ですが満開です。

 

これも葉の陰ですが、色あざやか。

 

そして花とつぼみ…

 

これも花の中から光が…、ご先祖様、これが今年の送り火です?

 

コロナと悪天候で籠城中、今ひとつ、気持ちのさえないお盆休みではありますが、撮りためたハスの写真を眺めていたらいくらか心が明るくなってきました。

眺めていたら気分がよくなってきました。

 

 

桃とういろうを味わう

今年も信州の友人から桃が届きました。オリンピックもメダリストもめでたさが

中ぐらい?な夏、桃の瑞々しさで生き返るようです。

 

友人の旦那様の赴任先のお土産のういろうのおまけつき。きれいな彩とソフトな甘さを味わいました。

御礼にいつものシュウマイと今年はガンダム?―つまり山下埠頭にある動くガンダムにちなんだ何か―おまけをつけて送ろうと思うのですが、コロナの感染爆発に猛暑、出かけるのもままなりません。でもお盆休み中にはなんとか

しようと思います。

 

 

岡本綺堂『影を踏まれた女―怪談コレクション』(2006年光文社文庫)より 『利根の渡』他

不忍池の弁天堂の手水舎(てみずや)にホオズキの鉢がおかれていました。2018年に亡くなった母もホオズキが好きでしたが買ったり育てたりする余裕が我が家にはありません。ですのでここでたっぷり見られてありがたいですね。

 

そういえば前回のリオのオリンピックの時はまだ母がいたのだな…と死者をしのびつつ、閉会式を視ているとなぜか怪談を読みたくなって来ました。そこでおなじみの岡本綺堂を本棚から取り出して拾い読みしています。台風が接近していて、急に滝のような雨が降ったり、強風が吹いたり、そうかと思うと日がさして暑くなったり不安定な気候のせいもあるのでしょう。

光文社サイト

https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334740689

 

前半は『青蛙堂鬼談』三月、青蛙堂主人なる人の家に集まった人々が順番に語る話。

 

表題作はこの本の最後、後半の『近代異妖編』の第3話です。嘉永元年の9月、親類の家を訪ねた帰りに子供たちに影を踏まれたことから心身を病んでいく娘おせきの物語。影を踏まれると悪いことがある、寿命が縮むとかいう伝説はあるのですが、家族たちはおせきの気にしすぎと考えていました。おせきは夜歩きを避けていましたが、急病人を見舞った帰り、いいなづけの要次郎と共に歩いていた夜、二匹の犬につきまとわれてしまいます…影を踏まれるというのは不意に近づかれること、気分はよくありませんね。ソーシャルディスタンスが気になる今日、おせきの恐怖はリアルに感じられます。2021年に生きる私たちもおたがいに影は踏まないようにした方がいいですね。

 

コロナと同じく恐ろしい伝染病が登場するのは『青蛙堂鬼談』第10話『黄いろい紙』。明治19年、コレラが流行した時、語り手の女の近所に住む飯田の「御新造さん」は自らコレラにかかりたがり、刺身や天ぷらなどコレラになると言われるものを食べています。コレラ患者が出た家の門に貼られるのが「コレラと黒くかいた黄いろい紙」なのです。

 

『青蛙堂鬼談』第2話『利根の渡』は2016年、70年代に時代劇化されたのを視ました。

BSテレ東サイト

 

享保初年、利根川の渡し場に毎日現れ、旅人たちに「野村彦右衛門というお人はおいでなされぬか」と尋ねる座頭。渡し小屋に住む老人平助は座頭を気の毒に思い、食べ物を与え、共に暮らすようになります。野村なる人物を探しているのはかたき討ちのためかと尋ねても座頭は何も答えません。座頭が夜中に太い鍼を磨いでいること、その鍼で泳いでいる魚を仕留める腕の持ち主であることを知った平助はいささか気味悪くなります。やがて座頭は病を得て、野村彦右衛門に会えぬまま亡くなりますが…。座頭の執念と共に彼を見守り続け、亡くなる時にもらった小判も寺に納めてしまう平助老人の善良さ、優しさも心にしみる短編です。

 

『青蛙堂鬼談』第6話『清水の井』は天保初年、由井吉左衛門の二人の娘がぶらぶら病いにかかり、食べられず、眠れず…娘たちは古井戸に浮かぶ二つの美しい男の顔に夢中になっていたのです。椿の樹の下にある井戸へもつれあって飛びながら落ちてゆく二つの蝶、古い二つの鏡、九州に残る平家の落人伝説…真相はなぜかBL風。

 

『利根の渡』の座頭が視力を失ったのも、『黄いろい紙』の御新造がコレラになりたがるのも、『清水の井』の怪異も愛欲から…結局怖いのは人間?

 

オリンピックによる三連休は今日で終わりですが、お盆休みが始まるまで通勤途中にも読みたい本です。

 

ハスを楽しむ

父のところへ送られてくる通販カタログに載っていた仏壇用のLEDの蓮をふと買いたくなりましたが思いとどまりました。そして本物の蓮をたくさん見ることにしました。

 

出勤時間を若干早くして不忍池へ。

梅雨が明ける直前の雨もよいの日。日光がないのに咲きかけの蓮がなぜか光っています。

 

まるで中で灯りがともっているかのように。この日はきれいに開いている花は撮れませんでした。

 

 

ハスというのはなかなか美しい写真を撮るのが難しいものです。岸や橋に近いところできれいに開いている花に出会えればいいのですが、日ごろの行いが悪いせいか?息をのむほどきれいに開いている花を見つけても、

ずっと遠いところだったりします。まあ、立派なカメラを用意せず、スマホだけで撮っているからしかたありません。

 

これは7月中旬、晴れた朝、初めてアップでとれたつぼみ。なぜかこれを見ていると、甘いものが食べたくなってきました。桃まんを思い出した?

 

やっと撮れた金色の芯が見えるように咲いた花。

 

7月下旬、百日紅の枝の間から。

lこのころになると散ってしまった花も目立ちますが、風にゆれる豊かな蓮の葉の間からのぞく花を眺めているだけで、暑さを忘れていやされます。

ハスの花は桜のようにいっせいに咲いて散るというものではないようです。8月に入ると盛りは過ぎるかもしれませんが、お盆近くまで花を見つけられそうです。

『名探偵ポワロ―ハロウィーン・パーティ』デボラ・フィンドレイの凄い演技力!

前々から視聴したテレビ番組についてもブログに書きたいと思っておりましたが、なかなか実行できないでおりました。

 

昨年、NHKBSで『刑事コロンボ』とデヴィッド・スーシェ主演の『名探偵ポワロ』が放送されたのは、私にとっては幸いなこと。これら二つのドラマを視る楽しみに支えられ、何とかやってこられたような気もします。ちなみに『ポワロ』と同じ土曜夕方の枠で以前に放送されていた『刑事フォイル』や『モース』も割と好きでしたが、テーマが重いエピソードもあり、『ポワロ』の方が安心して楽しめます。

番組サイト(NHK)

 

 

 

ウドリー・コモンという田舎町にあるドレイク家のハロウィーン・パーティに招かれたポワロの友人の探偵作家アリアドニ・オリヴァ。集まっていた子供の一人、ミツバチ?の仮装をしたジョイスが殺されます。アップルボビング用のたらい?に張った水に顔を突っ込まれて。

 

パーティの最中、ジョイスは「私は殺人を見たことがある。見た時は小さかったからそれが殺人だとわからなかった」と話していました。しかしジョイスは平素から虚言癖があったので皆は本気で聴かなかったのです。

 

オリヴァ夫人の依頼でウドリー・コモンへ向かったポワロは列車の中で、ドレイク家の庭を作った庭師マイケル・ガーフィールドと知り合います。庭師といっても職人風ではなく、ポワロと知的な会話を楽しめる教養人。

 

ポワロは「魔女」と呼ばれる村一番の物知りマダム・グッドボディを訪ね、近年、村で不審な死を遂げた人物を教えてもらいます。それらの中にジョイスが見たと称する殺人の被害者がいるかもしれないからです。それはドレイク夫人の夫の伯母ルウェリン・スマイス、村の法律事務所の事務員レスリー・フェリア、学校教師ベアトリス・ホワイトの三人。

 

発端となったパーティの主催者ロウィーナ・ドレイクは上品で慈愛に満ちた、非の打ちどころのない婦人に見えますが、その子供たちはちょっと変。娘のフランシスは金髪美人だけど酒浸りで身持ちが悪そうだし、息子のエドムンドはパーティの最中にエドガー・アランポーの『アッシャー家の崩壊』を読みふけるオタク風。

 

ドレイク家のランチに招かれたポワロはこの家族が伯母のルウェリンから屋敷と財産を相続した経緯、伯母に雇われていた家政婦オルガ・セミノフに相続権を奪われそうになったことを知ります。オルガは行方不明。

 

ジョイスの兄、レオポルドが水死。この兄妹の母レイノルズ夫人は彼らと血のつながらない継母。村の牧師は生さぬ仲なのに情愛が深いと評価していますが、レオポルドが死んでも聖書の『ヨブ記』を唱えてとりすましているのがどこか疑わしい…ドレイク夫人はあの夜、ジョイスが死んだ書斎にレオポルドが入っていくのを見たけれど今まで言い出せなかった…つまり兄が妹を殺した?…このドラマに登場する青少年はどこか問題を抱えています。オリヴァをこの村に招いたジュディス・バトラーの娘ミランダもとても美少女の女優さんが演じていますが、ロマンチスト過ぎて危険なめに。

ドレイク夫人を演じているのはデボラ・フィンドレイ。この女優の名を初めて知ったのは放送大学の『英語中級B―BBCドラマで学ぶ』でした。教材に使われていたキャリル・チャーチルの『トップガールズ』で探検家イザベラ・バード、重役となったヒロイン、マーリーンに自分の夫に出世をゆずるよう要求するキッド夫人、マーリーンの妹ジョイスの三つの役を演じていたのです。出演者全ての演技力に引き込まれましたが、中でもこのフィンドレイの役は演技のオリンピックがあるなら金メダル級でないと無理。どこかで見たことがある顔だなと思いましたが、ジェレミー・ブレット主演の『ホームズ』の『ボール箱』でも横恋慕で悲劇を呼ぶ女を演じています。そういう役柄なのに眼をそむけたくならず、眼が離せなくなってしまうのです。このドレイク夫人役でもフィンドレイの演技の素晴らしさを堪能しました。

 

 

 

 

ちなみに2011年に『トップガールズ』が日本で上演された際に書いたブログ、わりと

多くの方からアクセスを頂いています。

https://ameblo.jp/sumacoemi/entry-10906914255.html

 

このデビッド・スーシェ版『ポワロ』にはクリスティの原作と異なっているところもあるそうです。『ハロウィーン・パーティ』はウィキペディアで「ハロウィーンにちなみ童話的雰囲気が漂う」と紹介されていますが、このドラマを視た限りでは色と欲のために人殺しが繰り返され、私が知っているクリスティ作品の中ではかなり陰惨な方。原作は未読なので、そのうち読んでみようかと思っています。

 

でもドラマのパーティシーンで出てくるゲーム、アップルボビングとスナップドラゴンはあまりやりたくありません。水に浮かんだりんごを口だけでくわえ上げたり、ブランデーをかけたレーズンに火をつけて手でつまんだり―消防設備が作動しちゃいそう。

 

 

 

 

70年代の温泉みやげ その2 ピンクのケースの犬

前回のブログに続いて祖母の鹿教湯温泉みやげをもう一つ。

 

1972年?頃から1976年?頃、つまり私が小学生の時、同居していた父方の祖母は毎年、秋になると隣近所の老人仲間と鹿教湯温泉に一週間湯治に出かけました。自炊で男女混浴だったとか…祖母にとっては何よりの楽しみで、出発するずいぶんと前からいそいそと準備していたのを憶えています。

 

前回アップした小さな茅葺の家はおそらく祖母が初めて鹿教湯へ行った時の土産だったと思います。祖母が木彫りの鹿を指差して「鹿が教えた温泉なんだよ」と言っていた記憶があるので。

 

 

このピンクの丸いケース?に入った白い犬はその翌年以降にもらったものだと思います。祖母が何か買ってくれるのはうれしかったけれど、特に珍しいことではなく、また特に価値がありげでもなかったので、もらった時にすごく感激して「宝物にしよう」と思ったりはしませんでした―可愛くない孫でごめんね。おばあちゃん。

 

そしてこれはずっとタンスの上のこけしケースの中にずっと入っていました。

私が高校卒業後、上京して住んだ部屋にはこけし類など飾るスペースはなく、また特にお気に入りのものでもなかったので、この犬はずっと信州の実家にありました。

 

両親が関東へ移住し、田舎の家を引き上げる時、私のこけしやら人形やらの

ほとんどを処分したのは、土産物の宿命―元来粗末な作りな上に経年劣化で色あせたり、こわれたりで鑑賞価値がなくなっていたからです。

 

ところがこの丸いケース入りの犬は堅牢にできています。ケース前面を縁取っているブレードはもらった時はたぶん紫と白だったのがグレーの濃淡に色あせています。ですが中でおそらくは接着剤?で固定されている犬の足はしっかりしていて、背後が鏡になっているのも眺めると面白く、捨てられずに持ってきてしまいました。犬の傍らの赤と白の花はあの「リカちゃん人形」の帽子やバッグについていた花を思い出させます。

 

私は鹿教湯温泉に行ったことはありません。おそらく今は子供向けのこういうみやげものは売られていないのではないかと思います。鹿教湯のおみやげが白いマルチーズ?というのも考えてみると不思議ですし(笑)。

 

裕福とはいえませんがそれなりに幸せだった子供時代の思い出の品。前回ご紹介した茅葺の家や最初の勤め先を辞めた時に同僚からプレゼントされた回るうさぎのオルゴール、これも捨てられずに困っている金魚鉢等々と共に下駄箱の上のスペースに置いております。あるネットの記事によれば、一億円貯める人の玄関にはこういうものがごちゃごちゃ置いてないとのことですが(笑)。

 

祖母が「寝たきりに近いおばあさんに千代紙で作った人形、折り紙の花などをあげるとすごく喜んでじっと眺めている」という話をしていました。そして「私も死ぬ前にはそういう他愛のないものを見て楽しむかも」と。

 

1990年代初頭に祖母が亡くなった時、私は東京で就職していました。だから要介護になってからの様子はよく知りません。ただ若い頃には魅力を感じなかったこの白い犬を見て心が和むようになったのは、鹿教湯に湯治へいっていた祖母の年が近づいてきたからでしょうか?