激増する不登校と、その対応 | 中学生の勉強法と親の心得 ~塾長直伝! 高校受験対策と反抗期の対応法~

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今日お届けするのは、不登校に関する記事です。
 

 

増え続ける不登校への対策として、「校内教育支援センター」の設置が進みそうな流れです。

実はこれ、7月の時点で全国の自治体に設置を要請するという、まさに他人任せ止まりの報道がありました。

さすがにそれではまずいと感じたのかどうか、今回は国として対応を進めていくという意思表示になっています。


実は、今でも「不登校特例校」というものを、各都道府県に1校を目処に設置しています。

これは無いよりは良いのですが、近所にある人しかほぼ利用できないですし、複数展開していくのも現実的ではないため、施策としてはもう1つでした。

一方、今回の「校内教育支援センター」は、「クラスの教室に入るのは嫌だが、学校には行きたい」という生徒向けに、校内フリースクールとでも呼ぶべき教室を1つ用意するというものです。

すでに福岡市などいくつかの地域・学校で成果も出てきていますし、少子化で多くの学校に空き教室がありますから、その有効活用という意味でもぴったりの施策ですね。


フリースクールや不登校対応のサポート・カウンセリング界隈は、最近の流行に乗ってここぞとばかりに参入が相次いだせいもあり、かなり混沌とした状況です。

それを考えると、学校内なり自治体管理下の場所なりに専用の教室を設置してしまうほうが、少なくとも安全性と信頼性の面では安心です。

後は指導の質ですが、それこそ外部の良質なフリースクールとだけ手を組んで、ノウハウや人員を共有するようにしていけば良い話ですからね。

そういう意味では、ちゃんとまともに動いてさえくれれば(ここが難しいのですが)、わりと期待できる施策ではないかと思います。


ちなみに、この話でとても残念なところは、「校内教育支援センター」という微妙すぎる名前です。

先行事例を真似して教室を設置するだけなら、そのまま「サポートルーム」と名付けるほうが良いでしょう。

それを気にしてか、かっこ書きで(スペシャルサポートルーム)となっていますが、今どきスペシャルとか・・・(苦笑)

これなら、福岡市の事例を真似して、そのまま「ステップルーム」と呼んだほうが、実態にも即していて良い気がします。

将来的には「支援センター」と呼べるだけの機能を持たせる意味も込めてでしょうが、まずはサポートルーム単体でしっかりと足固めしてほしいものです。


なお、上はサポートルームの設置に関する評価で、全体の「不登校・いじめ緊急対策パッケージ」については、正直あまり期待はできません。

無駄に「パッケージ」にしようとするせいで、すでにあまり効果がないと指摘されているスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを、特に改善もしないまま増員しようとしているあたりは大問題です。

また、「学校いじめ対策組織」とやらに「スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、スクールロイヤー、スクールサポーター等の外部専門家を加える」とありましたが、これではスクールなんちゃらが増える一方です(苦笑)

効果も専門性も低い専門家をいくら増やしても意味が無いですし、そもそも学校内に入れる必要のない専門家まで広げすぎなように感じます。

それに、例えば弁護士などは、下手に学校ごとに設置せず、都道府県かせめて市区レベルの単位で信頼性の高い専門家を集めて、チームでエリアを担当するようにしたほうが効果も期待できますし、さらには効率やコスト面でも良いでしょう。


また、「アプリを利用した心の健康観察」という謎の企画も混ざっていて、本当に効果的なものを持ってこれるなら良いのですが、おそらくは関連企業への利益誘導に終わるでしょう。

これ以外にも、不登校といじめを無理にセットにしようとして(そもそも、セットにする必要性がありません)、いじめに関する緊急対策のほうはスカスカになっているという問題もあります。

先行事例からしかアイディアが出せないのもあるのでしょうが、いじめの改善が不登校改善にもつながりますから、慌てて見栄え重視のパッケージにしないで、それぞれで地に足つけた対策を講じていってほしいですね。
 

 

 

 

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