studio7の映像実験室 -24ページ目

『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説』…ここが新しい!(たいしたネタバレ無し)

 「ウルトラマン(たち)」というキャラクターを使った壮大なパロディ(オマージュやセルフパロディを含む)映画だった。

 
 シチュエーションからして明らかにコメディという作品は過去にも『ウルトラマンゼアス』で試みられていたが、今回の作品はもっとハードな笑いというか、“ウルトラ的教養”と“映画の教養”が求められるようなタイプ。残念ながら私は映画の教養を欠くのだが、色々な映画をご覧になっている人はもっと楽しめたのではないかと思う。

 『ゴジラ ファイナルウォーズ』で、“ハリウッド版のCGゴジラによく似た怪獣”があっさりやられちゃうシーンに客席は(そこそこ)湧いた…ああいうテイストかな。

 シチュエーションや登場キャラが大真面目なのに笑いを誘うというあたりは『ピンクパンサー』的と言えるかもしれない。
 また、観客に「え~っと…ここ、笑っていいシーンなんだよね…」といった戸惑いをもたらすところは『モンティ・パイソン』に通じるかもしれない。

 構成やストーリーがもう少し練られていれば、『ギャラクシー・クエスト』のようにコメディとしてもSFとしても良質の作品になった可能性もある。そこらへん惜しいとは思うが、今回はアクションシーンがメインだったので仕方が無いか…キャラの動きでもかなり笑わせてくれたし。


 そうした意味で、『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説』は確かにこれまでに無い、新しいウルトラマンを見せてくれた。
 


 …ヤなヤツだな、オレって。

ザラブ星人VS真田さん

 午前中は『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説』を観て午後は『宇宙戦艦ヤマト復活篇』を観た。

 午前中はザラブ星人、午後は真田さんとして青野武さんの声を聞いたわけだ。
 
 ナレーションはウルトラが矢島正明さん、ヤマトが羽佐間道夫さんという甲乙付け難い布陣。

 だからどうした。いや、今日はそんなところで。


 


観る前の感想

 『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説』。

 公開がアナウンスされてからしばらくは情報を追っていたが、公開間近になって情報を遮断した。
 あまりにも否定的な姿勢になっていたので、全てリセットしてピュアな(?)気持ちで映画を観よう、と。

 が、拭いきれるものではない。


 ちょっと拡大解釈かもしれないが、“新生円谷プロ”が“これまでに無い新しいウルトラマン”を見せてくれると言う。

 まず発表されたのは、ウルトラ史上初・悪のウルトラマン「ベリアル」。

 確かに、他の宇宙人が化けたニセモノのウルトラマンが悪事を働いたことはあったが、正真正銘の悪のウルトラマンは新しい。
 が、それは新しいウルトラマンとは言えない。侵略宇宙人がたまたま(?)M78星雲出身であり、姿がウルトラマンっぽい(まあ、むしろスパイダーマンのヴェノムに近いが)というだけ。


 その後、ウルトラセブンの息子・ゼロというキャラが公表された。

 デザイン云々については、成田亨先生のデザインによる初代ウルトラマンとウルトラセブンをベースにしたものである限り、新しいとは言えない。『帰ってきたウルトラマン』以降の全てのウルトラヒーローと同じである。
 また、セブンの息子というのは(意外っちゃ意外だが)、タロウがウルトラの父・母の息子なわけで、設定として新しさは感じられない。
 ゼロがプロテクターみたいなのを身に付けているのも『アンドロメロス』や、『ウルトラマンメビウス』のツルギで既に似たようなものを観ている。

 
 ウルトラマンたちのマント姿は、内山まもる先生の漫画で昔から登場しているし、ウルトラの父は初期からマント姿だったわけで、新しいわけではない。

 舞台がウルトラの星、というのも、タロウの成長譚である『ウルトラマン物語(ストーリー)』で描かれている。デザインが異なるだけだろう。


 他に「戦士ではないウルトラマン」が登場するらしいが、それは確かに新しい。とは言え、端役(たぶん…)だろうし、真船一雄先生の漫画『ウルトラマンSTORY 0』で既に端役のウルトラマンたちが登場している。


 ベリアルとゼロを除くと、活躍するウルトラマンは“過去のウルトラマン”であり、登場する100体の怪獣たちもこれまでの作品に登場した“過去の怪獣”である。

 合体怪獣というのも(数はともかく)目新しいものではないし、つい最近…昨年公開された『大決戦 超ウルトラ8兄弟』も合体怪獣だった。

 顔出しで登場する俳優さんたちも、これまでのウルトラ作品(『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』を含む)で活躍した方々ばかり。


 じゃあ、何が“新しい”のか?

 CGによるウルトラマン? CGの技術や動きは向上しているとしても、これまでにもCGキャラが使われているわけで、新しいうちに入らない。

 ワイヤー・アクション? その技術自体が新しいわけでもないし、それはあくまで「撮影方法」であって、作品の質とは別の次元で語られるべきもの。
 ウルトラマンが空を飛ぶことは我々にとって当たり前なので、多少空中戦が凄かったとしても新しいとは言い難い。


 どうも、結局は過去の遺産をまた使っているだけのようにしか感じられない。


 残る期待はストーリーかな。
 ラストの1分でも30秒でも「これかあ!」という展開を見せてくれれば、それなりに納得がいくかもしれない。


 12時間後には映画を観終わっているハズである。

 私がこれからの子どもたちが大人になっても語り継いでくれるような作品と認識して応援していくのか、それとも3年前までと同じように初代ウルトラマンとウルトラセブンの世界だけを追うファンに戻るのか、あと半日で決まる。 


  

ハリウッドが注目した「鬼」

 フェデリコ・アルバレスさんというウルグアイの人が、個人的に500ドルで作った映画をYouTubeにアップしたところ、それを観たハリウッドの映画関係者に認められたらしい。

 動画は貼りつけないが、リンクだけ…。

Ataque de Pánico! (Panic Attack!) 2009


 ニュースソースは、こちら↓。

『たった500ドルで作った素人映画が凄い! ハリウッドが26億円提供へ』


 500ドル、というと今日のレートで43,960円である。
 ウルグアイの通貨は「ウルグアイ・ペソ」らしいが、ニュース・ソースはそれを米ドル換算しているので(物価はよくわからないが)まあ、そんなもんなんだろう…。

 「全部一人でやって500ドル」ってコトならそんなに驚きはしない。
 既に機材やソフトを持っていて相応のスキル(この人はかなり高度だと思うが…)があればまあ、作れるだろうな、と。
 しかも、映像関係の会社に勤めている人ということなので、ゆるい会社だったら機材などはタダで使わせてもらえるかもしれない。


 が。


 エンドロールを見ると、確かに監督・プロデューサー・特撮・(3DCGの)アニメーション・メカデザインはフェデリコ・アルバレスさん自身が手がけている(共同名義もある)。
 しかし、それ以外に約50人もの名前がクレジットされている。メインスタッフだけでも11人。
 スペイン語がわからないので綴りから想像するしか無いが、どうもケータリング担当と思しきスタッフまでいる。

 その人数を、その他諸々込みで43,960円で動かしたのか?

 
 鬼だな。


 きっと、笑顔で人を動かす鬼。


 ハリウッドが着目したのは、この映像そのものなのか、鬼の才能なのか…。
 

モンティ・パイソン依存症

 たぶん、平均的な日本人としては『モンティ・パイソン』を観ている方だと思う。
 幸か不幸か、中学三年になったばかりの1976年4月に『チャンネル泥棒! 快感ギャグ番組! 空飛ぶモンティ・パイソン』の初回放送を観て…と言うより同年3月に流された番宣CMを観てしまい、現在に至る。

 映画版は全てちゃんと劇場で観たし、関連書籍やグッズやフィギュアも多少は持っているし、必要と思われる(“必要”の基準がわからないが…)DVDも持っている。
 まあ、マニアの域には達していないが、ファンだとは言えるだろう。

 
 面白いか、と訊かれれば「面白い」と答えられる。

 が、好きか、と訊かれると返答に困る。

 
 私は思想や諷刺系の笑いは不得手だし、お下劣なギャグは苦手なのだ。
 モンティ・パイソンはそういうネタの宝庫である。
 
 そのあたり、モンティ・パイソンの面々は当時(本国イギリスでの放送は1969年~)の社会やテレビやコメディーのタブーを打ち破るために確信犯的にやっていることはわかる。
 実際、それは成功して「モンティ・パイソン的なるもの」という、ひとつの文化を作ってしまった。

 だが、その表現方法はすさまじく、なおかつ「毒」が強い。
 生理的嫌悪感を存分に味わうことが出来るネタも多々ある…一番有名(?)なのは、映画『モンティ・パイソン/人生狂騒曲』での“吐きまくり”シーンか。
 裸(男女ともw)なんて当たり前だし、人体は切り刻まれるし、特定の職業や国などへの差別的な表現はあるし、私が好まない表現(女性の裸を除く)だらけ。
 そんな表現スタイルも彼らの狙いであり、彼らなりの必然性があるんだとは思う。
 しかし、私の感覚はそれを受け付けない。

 ハズなのだが。

 困ったことに、そういう嫌いなネタでも笑っちゃう自分がいたりする。
 「笑っちゃう」というより「笑わされている」という感じかもしれない。


 これって、アブナイ薬物みたいなものなのではないか。

 
 で、今年はモンティ・パイソンが(イギリスで)放送されてから40周年。
 
 『空飛ぶモンティ・パイソン40thアニバーサリーBOX』なんて8枚組のDVDも出た。

 …買った。

 このボックスにはテレビ放映された全ての回が収録されているのだが、既に持っている『空飛ぶモンティ・パイソン“日本語吹替復活”DVD BOX』(7枚組)にも日本未放映分も含めて全て入っているハズだ。
 特典を除くと内容的には完全にダブりである。

 …でも買った。


studio7の映像実験室-モンティ・パイソンDVD


 完全に依存症状態。

 もう一度中学生のあの頃に戻ることが出来たら…やっぱり観ちゃうだろうなあ。