『チビセブンファイト列伝』また公開延期!
何故かと言うと、我々の自主製作おバカ映像の新作『チビセブンファイト列伝』の撮影が遅れているもんで、書くことがあんまり無いから…(^^;
他にも映像関係の作業をやっているのだが、結構真面目に作っているのでネタにしづらい。
で、たまに更新をすると『チビセブンファイト』の公開延期ネタだったりする。延期報告用の予告編を作った。
最近、劇場で観るような映画の予告編っぽいノリの予告に凝っている。
自分なりに、SF超大作の予告とかホラー映画の予告とかのパターンを『チビセブンファイト』の予告で再現しようと試みているんである。
結果的にうまくいっているかどうかはともかくとして、この作業はけっこう面白い。
一応、今回の予告は、ノスタルジックな感動巨編(笑)をイメージしてみたのだが、どうか。
どうか、と言われても困るだろうが、どうか。
スマホで特撮、ボカロで曲付け
iPhone4sの頃からカメラ機能がけっこう良いという噂は聞いていて、それが5sでさらに良くなったとのこと。
で、あるならば、これは携帯電話としてだけでなく、撮影機器として使えるのではないか…もちろん、動画の。
調べてみると、iPhoneだけで作った映像というのはYouTubeにもけっこうアップされているし、何とiPhoneだけで撮ったテレビドラマもあったらしい。
ズーム機能が無いのが惜しいかな。
とりあえずiOS7だと、ビデオ編集ソフト「iMovie」を無料でダウンロード出来る。
…さすがにiPhone版はちょっと力不足ではあるが、アラ編ぐらいならイケる。
さらに、FILMIC Proという、撮影時に色々な設定が出来るアプリもゲット。明るさやピントを固定出来る機能はありがたい。
さらにさらに、ActionMovieとかMovie VFX、Cinefy、CinemaFXVという、動画加工アプリもダウンロードした。
↑こういう合成シーンが(メニューが少なくて汎用性は低いが…)iPhoneだけで出来ちゃう時代。
これまた無料でダウンロード可能だった音楽ソフトGarageBandもあるので、極端な話が、本当にiPhoneだけで撮影→編集→音入れ→ネット公開まで出来てしまう。
えっと…それだけじゃなくて、カメラスタビライザー「STEADICAM SMOOTHEE」のIPhone用も確保。
と、ここまで整えば、とりあえず実験作を作ってみたくなるのが人情である。
しかし、ただ「やってみました」だけでは面白くない。
そんなとき、あのボーカロイド・ソフト「初音ミク」がMac標準対応のバージョン「初音ミクV3(「ブイっ! スリャァ~っ!」?)」を発表。
以前、開発元が「Mac版への対応は、色々難しい」なんて言っていたので、一生ボカロを使うことは無いと思っていたのに………ゲットした。
そんなわけで、「iPhoneによる撮影と加工と編集」をしたものをMacに読み込み、FinalCutProXでさらに編集と加工を加え、AfterEffectsでもちょいと合成カットを作ってまとめる。
音楽は、初音ミクに歌を歌わせて、LogicExPress8で作ったカラオケと合わせて仕上げる。
…という、実験作品が一応出来上がった。音楽的にも映像的にも満足出来るものでは無いが、慣れない器材やソフトでも何とかなることだけはわかった。
YouTubeにアップしたので、おヒマな時にでも見てやって下さい。
クランクインから1年!『チビセブンファイト列伝』の神頼み
さて。
クランクインをしたのが、昨年の7月21日。丸1年が経とうとしているが、撮影はまだ終わっていない。
次の撮影が、何と12月8日! この日は強風に見舞われて屋外での撮影が出来ず…。それでも室内シーンと合成用のグリーンバックのほとんどは大方撮り終えることが出来た。まあ、主役が二日酔いだったので、どっちにしても海岸での“ファイト”は無理だっただろう。
もはや、この時点で予定していた「2012年2月公開」は断念。
さらにこの日に撮影したシーンに登場する“バカバカしいアイテム”が、実際の商品として売られていることが後日判明したため、まるまる撮り直すことになった。
ま~、それでも春ぐらいには公開出来るかな、と思っていたのだが、次の撮影が3月20
日…既に、春になっていた。
この日は、かつて無いぐらいに楽しい撮影となった。オトナも子どもも大はしゃぎ。『チビセブンファイト』は、演出だの構図だのといった細かいコトを気にせずに勢いだけで撮るのが本来あるべき姿。
そして順調に…って、この時点で既に順調では無いのだが…とにかくこの調子なら今年の秋には公開出来るだろうという予測のもと、4月に4回目の撮影となった。
この日も撮影は快調。室内でグリーンバック撮影の一部を終えて屋外へ。前回の撮りモレや追加などの撮影を行った。その後また室内に戻ってグリーンバック撮影。かなりのスケジュールを消化することが出来た。
が。
この撮影から3ヶ月が経ったが、次の撮影はまだやっていない。
恐らく、最低でもあと3回は撮影をしないと全てのカットを撮り終えることは出来ない。次回の撮影は秋になるだろう。そんなわけで、公開予定を「秋」から「冬」にまた延期することにした。
また、諸般の事情で、いつ撮影が出来るのか(または本当に撮影が可能なのか)が未確定のシーンまであったりする。
…いつ完成することやら…。
既に賞味期限を過ぎたネタもあるし…。
ということで。
先日、色々あって、東宝撮影所を訪れる機会を得た。
撮影所内には、東宝作品がクランクインするときに安全祈願&ヒット祈願が行われる枚岡(ひらおか)神社がある。
思いっきり部外者だが、この芸能の神様に「これからも楽しく映像製作が出来ますように…そして『チビセブンファイト列伝』が無事に完成しますように」という気持ちを込めて参拝させて頂いた。
…もはや、神頼みしか無い…。
『チビセブンファイト』知られざる(?)デジタル合成
「…今撮影している作品のタイトルが決まってない!」
ロケ地近くに居を構える美術監督はその場…というかその車にはいなかったが、プロデューサーAとプロデューサーKと“かんとく”である私の3人で緊急車内会議となり、侃々諤々喧々囂々の議論も無く、な~んとなくタイトルが決まった。
と、言うわけでそれをネタに予告編を作った。
前回作った「また公開延期」の予告編と↑この予告編は、主役のチビセブンがけっこう気に入っている。
これは、うっかりカッコいいテイストの予告になってしまったからで、チビセブン本人としては“カッコいいヒーロー”だと思われたいらしい。彼の本質はちょいとダーティーなズッコケキャラなのだが、まあ、自分に無いものを求めたがるのは世の常である。
どうしてうっかりカッコいいテイストになったのかと言うと、2つの理由がある。
ひとつは、昨今ありがちなSF系映画の予告編の“あの感じ”を再現してみたかった。絵としては、青・緑系の色合いでなおかつ彩度を抑えて(白黒に近づけて)渋めのトーンにしつつ光は派手目に…という感じ。これにティンパニやバスドラムが♪どど~ん…と盛り上げるオーケストラ楽曲が使われる。
もうひとつは、『チビセブンファイト』本編では過去作品でも製作中の作品でも様々な(ド素人なりの)デジタル合成を使ってはいるのだが、状況をバカバカしくするための合成ばっかりなのだ。せっかくデジタル特撮の技術を…というよりも動画加工ソフトを充実させたのに、それではもったいないではないか!
だから、せめて予告編ではそれらのソフトを駆使したカットを入れたかったのだ。
つまり、ほとんど実際に本編には使わない映像で構成されている。本編用映像や過去映像の流用カットにも色々と手を加えて、「本編の内容をイメージさせない予告編」に仕立てるのが『チビセブンファイト』予告編の伝統。
音楽も予告編のためだけに作ったりしている。
さて、今回、まずは2010年製作の『チビセブンファイト THE MOVIE』の“チビセブンキック”のカットを流用したものがある。
1秒ぐらいの素材をスローモーションにして、なおかつ色合いを変え、太陽や土埃を合成した。
一連のヘリコプター(?)のカットは、本編には登場しない。
頒布されていたプリウスとステップワゴンの3DCGのモデルデータを入手したもんで、それを使いたかっただけ。
プリウスはプロデューサーAの愛用車であり、ステップワゴンは美術監督の愛用車…という超内輪向けのネタではある。
これにプロペラを付けて、実写映像との合成&AfterEffectsによる“2.5D”などと呼ばれる合成、それに純粋3DCGソフト内で完結するCGの3種類を作ってみた。
いやもう、完全な自己満足の世界ですな。
三脚厳禁! 『チビセブンファイト』…の本編
ところが、2010年に作った『チビセブンファイト THE MOVIE』は、海岸でのファイトシーンもうっかりと細かいカット割りをして動きをきっちり決めておくなど、まっとうな映像に近づけようという間違った(?)ことをやってしまった。
原点に帰ろう。
今回、クライマックスシーンの絵コンテは、アバウトな絵に「できるだけ入り乱れる」と文字を書き込んだだけ。
…もう、その場の勢いや気分で(キャラもカメラも)動いちゃおうということにした。
撮影現場で助監督から「カメラの水平、ちゃんと取れてますか?」と指摘を受けた。
そういう“正しい撮り方”をやったらダメでしょ。
我々が撮ろうとしている絵は、親が興奮しながら自分の子どもの運動会を撮ったような絵なんである。カメラの水平なんて考えないし、うまくピントは合ってないし、無駄にズームやパンをして非常に見づらい絵なんである。
そんな絵を無理やり編集した感じが欲しい。
うまく繋がらない部分はナレーションで誤魔化す。
しかし、上記のような助監督の指摘があったことは大きな落とし穴である。
上掲の絵コンテの枠外にも書いてあるが、このカットは三脚を立ててしまった! 三脚に水平器が付いているもんで余計に助監督は気にしたわけだ。
今回、構図の関係でカメラを固定する必要があったり、「入り乱れる」ために全員が画面に登場するので三脚を使わざるを得なかったカットがいくつかある。
いかんなあ。やっぱり手持ちカメラでないと、テキトー感が薄れてしまう。
一方で、周辺の小ネタではグリーンバックだの何だのを使った特撮カットを多用しているが、『ウルトラファイト』へのオマージュであるファイトシーンに特撮なんてご法度。
なのだが。
敢えてAfter Effectsという動画加工用のソフトを使って、三脚を使って撮影したカットを手持ちで撮影したかのような加工を施した。
別の手持ちカメラで撮影した映像の「カメラの動き」を検出して(これを「トラッキング」と言う)、その検出結果を三脚映像に適用する。手持ち映像を安定させる「スタビライズ」の逆をやったことになる。
これは、恐らくフルCGの世界ではリアルなカメラの動きを作るためにやっている技術ではないかと思われる。
シロウトのゆるゆるさを強調するためにけっこう高度な技を…無駄に使っているのだ。
…誰も気づかないと思うけど。