『チビセブンファイト』知られざる(?)デジタル合成 | studio7の映像実験室

『チビセブンファイト』知られざる(?)デジタル合成

 4月末、某海岸(我々スタッフは「チビセブン海岸」と呼んでいる)でのロケが済み、帰りの車の中でフと気づいた。
 「…今撮影している作品のタイトルが決まってない!」

 ロケ地近くに居を構える美術監督はその場…というかその車にはいなかったが、プロデューサーAとプロデューサーKと“かんとく”である私の3人で緊急車内会議となり、侃々諤々喧々囂々の議論も無く、な~んとなくタイトルが決まった。

 と、言うわけでそれをネタに予告編を作った。



 前回作った「また公開延期」の予告編と↑この予告編は、主役のチビセブンがけっこう気に入っている。
 これは、うっかりカッコいいテイストの予告になってしまったからで、チビセブン本人としては“カッコいいヒーロー”だと思われたいらしい。彼の本質はちょいとダーティーなズッコケキャラなのだが、まあ、自分に無いものを求めたがるのは世の常である。

 どうしてうっかりカッコいいテイストになったのかと言うと、2つの理由がある。
 ひとつは、昨今ありがちなSF系映画の予告編の“あの感じ”を再現してみたかった。絵としては、青・緑系の色合いでなおかつ彩度を抑えて(白黒に近づけて)渋めのトーンにしつつ光は派手目に…という感じ。これにティンパニやバスドラムが♪どど~ん…と盛り上げるオーケストラ楽曲が使われる。
 もうひとつは、『チビセブンファイト』本編では過去作品でも製作中の作品でも様々な(ド素人なりの)デジタル合成を使ってはいるのだが、状況をバカバカしくするための合成ばっかりなのだ。せっかくデジタル特撮の技術を…というよりも動画加工ソフトを充実させたのに、それではもったいないではないか!
 だから、せめて予告編ではそれらのソフトを駆使したカットを入れたかったのだ。

 つまり、ほとんど実際に本編には使わない映像で構成されている。本編用映像や過去映像の流用カットにも色々と手を加えて、「本編の内容をイメージさせない予告編」に仕立てるのが『チビセブンファイト』予告編の伝統。
 音楽も予告編のためだけに作ったりしている。

 さて、今回、まずは2010年製作の『チビセブンファイト THE MOVIE』の“チビセブンキック”のカットを流用したものがある。
 1秒ぐらいの素材をスローモーションにして、なおかつ色合いを変え、太陽や土埃を合成した。


 一連のヘリコプター(?)のカットは、本編には登場しない。
 頒布されていたプリウスとステップワゴンの3DCGのモデルデータを入手したもんで、それを使いたかっただけ。
 プリウスはプロデューサーAの愛用車であり、ステップワゴンは美術監督の愛用車…という超内輪向けのネタではある。
 これにプロペラを付けて、実写映像との合成&AfterEffectsによる“2.5D”などと呼ばれる合成、それに純粋3DCGソフト内で完結するCGの3種類を作ってみた。


 いやもう、完全な自己満足の世界ですな。

 そこらへんの合成技術とか、他のスタッフはほとんど気にしなくなってるし(苦笑)


 チビセブンファイト