H19年末も大物ストリッパーの引退を迎えた。

 夕貴美保さんは12月11日から年末31日まで所属の船橋若松劇場で最終公演となった。

私にとっては、その直前の12月頭の川崎ロックが彼女の引退劇となった。

 2ステージ目から拝見したが、観ていて胸に迫るものがあった。当日は二個出しで、2回目と4回目のステージが「鳥」の演目。最初は赤い鳥、次に黄色い鳥、最後に白い鳥のままベッドへ入っていく内容。最初にステージに表れた瞬間、赤いドレスの豪華絢爛に眼を奪われる。引退の最後を締めくくるに相応しい華やかさだ。赤い鶏冠と真っ赤な羽・・・これは「火の鳥」をイメージしているんだと感じた。彼女はこの9年間を燃え尽きたと訴えているのだろう。その後に黄色と白という穏やかな色彩に変わっていくのは、華やかな踊り子から普通の女の子に戻っていくイメージなんだと思う。

 1回目と3回目のステージは「浦島太郎」。これもまた彼女ならではの味のあるいいステージだった。最初の大きな亀が印象的(たまたま川崎ロックの玄関にいるゾウガメにそっくり)。この9年間は彼女にとってまさに「夢のような日々」だったのだろう。引退して、これから普通の生活に戻っていく気持ちをこの「浦島太郎」で表現したかったのだと思う。

 私にとって最後のポラ・サインに「9年間私は幸せでした。今までありがとうございました。」という言葉にぐっと迫ってくるものがあった。印刷された引退の葉書に「12月31日で引退することになりました。9年間沢山のお客様と出会い、支えられ、応援していただいたこと、本当に嬉しかったです。最後まで感謝の気持ちを込めて踊り続けます。」という挨拶文を読んでいて彼女の気持ちが強く伝わってきた。ポラ・サインの最後に、私が手渡した手紙への返答として「仙台はもう雪が降ったのですね」というコメントがあり、これからは普通の生活になっていく郷愁みたいなものを醸し出していた。ポラ・コメントによく季節感を書いていた彼女らしい最後の言葉だと個人的に思うものがあった。

 

 彼女のステージを観ながら、私は自分のストリップ歴を振り返っていた。

 彼女がデビューしたのは1999年1月1日の若松劇場。その年の春頃に初めて若松劇場に足を踏み入れた。そのときに、美保さんが香取しずかさんと「ピンクのくじら」というチームを演じていたのを記憶している。当たり前だが、二人とも幼さを感じるほど若々しかった。私はその時たまたま劇場を覗いてみたというだけで、一度きりだった。次に、少し経って、その年の秋に二度目の若松観劇。その時見た美保さんは完全にストリッパーの顔になっていた。もちろん若々しいかわいさのまま。それからというもの10日に一度のペースでの若松劇場通いが始まった。私のストリップ通いはここからスタートした。今では毎日のようなペースでの劇場通いになってしまったが、美保さんは私をこの世界に引きずり込んだ張本人の一人(笑)。若松所属の中では美保さんと香取しずかさんがお気に入りで、二人のチーム・ショーはよく観に行った。お二人から「太郎さんは先生みたいな雰囲気ね」「理科の先生かな?」「いや、保健体育の先生よ」なんて遊ばれていた。学校の先生はなかなかストリップ通いはできないよね(笑)。

 私のストリップ通いは、次第に若松劇場を通り越してロック系劇場を中心に関東圏内に広がっていった。そのため若松劇場に行く回数が減っていき、美保さんとは他の劇場で会うことが多くなった。たまに若松で会うと、「ここで会うのは久しぶりね」と声をかけられた。ははは

 

 美保さんはこの9年間、変わらないかわいさを保ち続けているな、とステージを観ながら改めて思った。ふと、30歳の誕生日を迎える直前に引退した伝説のアイドル、渋谷道頓堀劇場の影山莉奈さんのことを思い出した。美保さんも「永遠のかわいさ」のまま引退したかったのかなと頭を過ぎった。

 彼女のステージは本当に素晴らしかった。いろんな演目にチャレンジし、我々ファンを楽しませてくれた。私にはピエロでのパントマイムが強く印象に残っている。おそらくたくさん練習し、とても努力家で、そして賢い女性と感じていた。ポラ・コメントにさりげなく季節感を書き込める知性からか、彼女のポラは一服の俳句のように覚えた。

 

 美保さんは今のストリップ界で、最も追っかけの多い踊り子さんの1人だ。彼女のファンは熱狂的な方が多い。いつも決まった応援隊が取り巻いていた。中には用心棒みたいな方もいたなあ。そんな彼らの気持ちを察するに、美保さんの引退がどんなにショックだろうかと気の毒になる。

 

 今年もまた一人の大きな名華がストリップ界を去っていく。

 あなたのことは決して忘れません。「永遠のかわいさ」のまま私の心の中で踊り続けます。第二の人生を心より応援します。いつまでもお元気で。さようなら。

 

 

平成19年12月                          

 

 

 

ここ若松は初めてですか。

けっこう広くて立派な劇場でしょ。ステージが少し高い感じがするかな?

踊り子さんの評判としては、お客も気さくで、踊りやすい劇場と云われてます。

ただ、楽屋の方にダニが多いとの不評もちらほらと・・・気をつけて下さいね(笑)

 

私のストリップ日記から若松劇場編を紹介します。(H18年)

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実は私が住んでいるのはこの近くの幕張で、ここ若松劇場が私のストリップ・ホームグランドといったところです。初めて通いだしたストリップ劇場がここでした。

いつだったかなぁ、そうそう夕貴美保さんが先日1月に7周年を迎えたので7年前になるかな。初めてこの劇場に足を踏み入れた時、「ピンクのくじら」(?)と称して香取しずかさんと夕貴美保さんがチームショーを演っていた記憶があります。夕貴美保さんがデビューしたての頃です。夕貴美保さんは今では押しも押されぬ大物ストリッパーに成長していますが、私のストリップ歴はまさに彼女の成長とともにあるわけです。

夕貴美保さんをよく知るファンに言わせると、デビュー当時は少し角があったが今はその角がとれ最高の華になっていると評してました。そのファンの方は若松しか通わないと言っていました。私には残念ながら美保さんの角とはなにか、どうとれたかはよく分かりませんでした。昔からあまり変わらないような・・。ともかくその方は美保さんがとても賢い子だと褒めていましたが、その点は同感です。

私が10日に一度のペースで通い出した当時は、早見聖子さんや草彅圭さん等たくさんのスターがいました。若松所属の踊り子さんだけで十分満足していました。他劇場から来演されたゲストの方も当然気に入りましたが、当時はせっせとリクエスト・カードを書くだけで、あくまでストリップの世界はここ若松劇場だけでした。

いつの間にか、私も他の劇場に通うようになりました。広い世界に羽ばたいたということですかね(笑)

夕貴美保さんとは若松以外の劇場でよく拝見するようになり、ポラを買う時に、たまには若松にも来てねといわれる始末でした。(美保さんもH19末に引退)

東京勤務から外れてから、最近はまた、自宅に近いここ若松劇場にも来る頻度が増えました。

思い返せば、私がマイホームを求めたのは丁度ストリップにはまった時期で、幕張に近いところに居を構えたのは若松に近いという理由がありました。定年後も若松でストリップを楽しみたいという長期人生プランを密かに抱いてました。このことは家族には絶対秘密ですが・・。

 

ということもあって、若松劇場が栄えてもらわないと私としても人生そのものに影響が出てきてしまいます。

ところが、昨年(H17)いつの間にか香取しずかさんが引退。兆候を感じたので本人に聞きましたが答えてくれませんでした。

もっともショックなのが、年始にいりえまこさんに挨拶したとき、今年(H18)の10月に引退すると知らされたことです。

ひいきにして応援していた若松のメンバーがどんどん去っていきます。悲しくてたまりません。

去る人がいたら、来る人もいるものですが、なかなか新人が定着してくれません。

昨年(H17)は七海舞さんという新人がデビューして期待しましたが、彼女も残念ながら半年ももたずに辞めてしまいました。若松の新人で仲良くしてくれる方はもういない。。

今年(H18)の年末年始にも亜貴子さんという新人がデビューするということで楽しみにして来場したら途中降盤してしまったとのこと。がっかり!

このままでは若松劇場がどんどん衰退していってしまう。私の大切なホームグランドがなくなったら大変です。

もう一度、若松所属の踊り子さんが毎回トリをはれるように盛り上がってほしいなぁ、劇場にも踊り子さんにも頑張ってほしいなぁと熱望しています。

 

 

                          若松劇場にて     

 

PS).

H25年7月現在の若松所属の踊り子さんは、今回ご一緒の黒井ひとみさん一人になってしまいました。若松は経営が厳しく、今はロックが全面的にサポートしてくれていると聞きます。

これらの若松がどうなるか、昔からの若松ファンとして本当に心配です。

私のストリップ日記から、お絵描きトピックス

 

. 黒井ひとみさん(栗橋) 「私、絵が下手だけど無性に描きたくなったわ」

 

 黒井ひとみさんとは、平成24(2012)年11月の今はなき若松劇場デビューからの長いお付き合い。ずっと私の童話のファンになってくれている貴重な方である。

 ここ数年、私がお絵描きブームになってから、何度かお絵描きもしてくれた。しかし「私、基本的に絵が下手だから勘弁してね」と言われ、私としても無理強いはできないので、お絵描きなしで私の童話だけを読んでもらっていた。童話をしっかり読んで感想を書いてくれるのですごく励みになっている。まさしく私の童話の貴重な愛読者の一人である。

 

 この7月から私は精力的に童話『ちから姫』を書いている。

 令和2(2020)年8月13日、ライブシアター栗橋にて「いま、この童話が大ブレイクしているんだよ」と言って、第1章を渡した。すると、楽屋で大変な状況になっているのを他の踊り子さんに聞いた。一緒に乗っていたロックの安田志穂さんが「ひとみさんが太郎さんの童話に感激して、楽屋で大きな声で朗読していたのよ。すごく面白い話ね。私もそれを聞いて喜んでいた。ちょっと気になったけど、天羽夏月さんがモデルなのね。私は天羽さんのことを知らないけど、天羽さん本人は怒ってないわよね。」とポラのときに話してくれた。

 私は、ひとみさんが私の童話を喜んでいるのを知って、一編ずつ渡すのを止めて、三回目に「よかったら全9話を渡すね。読んでみて!」となった。ちから姫のファンになってくれたひとみさんに、その後も書く度に次々と続編を渡すことになる。

 その前に、こんなことがあった。あの8月結の週に一緒に出演していた同じ栗橋所属の後輩・蟹江りんさんが9月頭の渋谷道劇に出演していたときに「太郎さんから頂いた『ちから姫』の新作をすぐにひとみ姐さんにメールしたいの。お姐さん、続編をすごく楽しみにしているの。安田志穂姐さんもそう。」と話してくれた。私はこの言葉にすごく元気づけられた。私の童話をこんなに楽しみにしてくれる踊り子さんがいるー!!

私は黒井ひとみさんの出演している劇場を探して、出来上がったばかりの原稿を持参し渡した。冒険編を渡しているとき、私は「ワンピースに負けないつもりで書いているよー」と手紙に書いたら「太郎さんの『ちから姫』の方がワンピースより、私にはずっと面白いわよ!」というコメントが返ってきた。これには感激した。

 

そして、今回の10月結のライブシアター栗橋公演を迎える。実は、この週はTS所属の南美光さん(元きよ葉さん)のミカドでの引退週にあたる。ちから姫のイラストを最も多く描いてくれた人。私は引退記念にSF編を書き上げて彼女にプレゼントしたい!と考えていた。初日からの三日間10/21-23をミカドで過ごし、それまで書き上げていたところを渡した。残すはあと3話。これを書き上げて楽日までに渡したかった。ライブシアター栗橋で書き上げようと思っていた。栗橋には三日間いた。その間、SF編を毎回2話ずつ、ひとみさんに渡し続けた。ひとみさんの反応がすごく良く、私は元気をいっぱいもらった。それをエネルギーにして残りの話を近くのマンガ喫茶で書き続けた。

 

 SF編の話が最高潮に達したとき、ひとみさんにある変化が起きた。

 前からひとみさんがお絵描きしないことは分かっていた。ところが「私もお絵描きしてみようかしら。太郎さんのこの童話『ちから姫』の記念に、私、絵が下手だけど描いてみようかなと思うの。」とポラのときに話し出した。私は驚きながらも「是非お願いしたい。ひとみちゃんの絵はとても味があるよ。けっして下手なんかじゃないからね。私の童話にとって最高の記念になるよ。」と話した。すると次の回から立て続けに絵が届けられた。話はこの『ちから姫』全体の中で最も大事なキーワードである‘時間の花’の話になっていた。難しい内容だけど、ひとみさんは気に入ったようだった。「この‘時間の花’というワードは童話モモに出てくるものなんだよ」と説明したら、ひとみさんが瞳をきらりとさせて「私、それ知ってる! 浅葱アゲハ姐さんのステージに出ていたので調べたことがあるの。」と言って、時の妖精のイラストを描いてくれた。これには感激した。ふつうには‘時間の花’や‘時の妖精’の絵はなかなか描けない。「びっくりしたよ。ひとみちゃんって賢いんだね。感心したよ。」と褒めたら喜んでいた。こうして、ちから姫、花のような時の妖精、インド舞踊、ペガサスと四枚の絵が立て続けに届けられた。

 私はこれらの絵を見ていたら涙が出てきた。ひとみさんの気持ちがその絵を通してストレートに伝わってきた。絵は上手い・下手なんて関係ない。一番大切なのは気持ちなんだな。改めてそう感じた。絵の味わい方をひとみさんに教えてもらった。

 最後に、ひとみさんにSF編のラスト章を渡したら「これでSF編が終わってしまうのね、すんごく淋しい!」と言ってくれた。

 

 ひとみさんのお陰で、SF編は書き上げられた。満足できる内容に仕上げられた。

 私はその原稿コピーを持参して、楽日前日にミカドの南美光さんに届けることができた。

 光さんは連投続きで疲労困憊の状況。「疲れ過ぎて頭がボーッとする」と言っていた。とても私の原稿を読む気力はないようだ。私はそれでもかまわない。渡すことができただけで十分に満足した。

 ミカドに一緒に乗っていた六花ましろさんにもSF編の最後の話を渡す。ましろさんのポラに「光姐さんに太郎さんの熱い作家魂が届けばいいね。」とコメントしてくれた。これまで光さんが私のちから姫のために描いてくれたイラスト20枚が心から嬉しい。宝物である。たくさん励まされて、ここまで書き続けられた。特に、南美光さんや六花ましろさんなどはいつも真っ白な原稿から先頭切ってお絵描きしてくれたのだから、これだけ沢山のお絵描きが貯まったのだと感謝している。お陰で私の長編童話は絵本小説として輝いている。

こうした私の童話を応援してくれる踊り子さんたちに只々感謝感謝である。

 

                

2020年10月                       ライブシアター栗橋にて

 

 

 

黒井ひとみさん(栗橋所属)について、H30年11月結のライブシアター栗橋での公演模様を、6周年作「東京へつれてって」を題材に、「黒井ひとみさんが我々おじさんにウケる理由(わけ)」という題名で語りたい。

 

 

H30年11月29日(木)、ライブシアター栗橋に顔を出す。

今週の香盤は次の通り。①永瀬ゆら(栗橋)、②JUN(西川口)、③羽多野しずく(ロック)、④黒井ひとみ(栗橋)、⑤高崎美佳(ロック)〔敬称略〕。

 

 今週は黒井ひとみさんの6周年週。そのせいか今週は凄く客入りがいい。

 今週の演目は二個出し。1,3回目に周年作「東京へつれてって」、2,4回目に演目「マッチ売りの少女」。

 

 さて、この周年作を、私なりに観たまま聴いたままで、内容を話す。

 最初に、舞台にピンクのワンピース衣装を着た少女が、大きな茶色のボストンバックを持って登場。

 頭にはピンクと青と水色の花飾り。首にはピンクの細いリボンを巻く。

 上半身は、ピンクの衣装で、V字型の襟元は青く、ピンクの中に青いリボン状の縫付が点在。下半身はピンクのスカートの上に、青・赤・黒・白・黄色といった色とりどりの大きな逆三角形状の花柄刺繍の布がフレンジしている。裾は白く足元近くまで長いが、前が若干上がっているので赤い鼻緒のサンダルが見える。

 音楽は「東京につれていって」。女性ボーカルがカバーしているが、原曲は山本正之さんが作詞作曲して歌っている。

 演目名にもなっているので、歌詞がそのままステージ内容になっているようだ。

♪アタシ 踊れないよ 色気ないよ スカートにあわないよ 胸もないよ

アタシ お金ないよ 手に職ないよ 英語しゃべれないよ 酒呑めないよ

けれどね けれどね アンタといっしょにいたいんだ

いつもね いつもね アンタのそばにいたいんだ

(中略)

東京につれていって 東京につれていって

彼女は大好きな彼を追って東京に向かうつもりで大きなバックを持って準備しているのだろう。

 ところが、小桜というネームプレイトの赤いポストに彼から「小桜エツ子様」宛の白い封筒が届く。東京に来いという知らせかと思い喜び勇んで開封したら、なんと結婚招待状だった。彼のことを信じていたのに、彼は東京で別の女をつくって結婚することになっていたのだ。

 愕然とする彼女。舞台が一瞬静まり返る。

 雨の音が聞こえる。尾崎亜美の曲「Walking In the Rain」が流れる。

彼女は雨の中を赤い傘をもって出る。しかし傘を持ってても雨に濡れる。濡れるのは雨のせいなのか涙のせいなのか・・・

中島みゆきの曲「化粧」が切々と流れ、心に沁みる。彼女の心境そのもの。

衣装を着替える。白いネグリジェを脱いで、ブラとパンティの下着姿に着替える。下着にはピンク色の中に水色の刺繍が入っている。水色は涙色か。髪飾り、首輪はそのまま。そして盆に移動してベッドショーへ。

手鏡を持ち、紅をひく。ここで照明が落ちる。

これで終わりかと思い気や、ラスト曲「ウエディング・ベル」が流れる。歌詞のとおり、新郎新婦への怒りを込めて「くたばっちまえ! アーメン」と舌を出す。そして結婚式の招待状を破き捨てる。彼女は持ってきたブーケを盆の上に置く。そのブーケには「クソヤロー!!幸せになってね」というメッセージが添えてあった。そして幕が下りる。

 

失恋の悲惨なドラマで終わるかと思い気や、最後のメッセージに救われる。

実は一日目に二回ステージを拝見したとき、最後のブーケのメッセージの文字が見えなかった。だから、本演目のストーリーはSugarの曲「ウエディング・ベル」の内容そのもの、つまり<恋人が他の女性と結婚することになり、その式場である教会に招待された女性の心情を綴る>という歌詞の通りだとばかり思っていた。最後はやけくそで終わるものと。

だから、一日目にひとみさんから「ストーリーの解釈がちょっと難しくて分かり辛かったらごめんなさい」というポラコメを頂いたときに、えっ!? 難しいって?と思った。

翌日二日目に、昨日とは別の席でステージを観ていて、目の前に置かれたブーケのメッセージが目に入った。ようやく内容が分かった。

その後、ひとみさんから次の解説が入った。「好きな人のこと、最終的には恨めない女心・・・がやりたかったのです。女の優しさが見せたかったんです。」なるほど!!!!

 

 

ここから話は少し変わる。

今回、この演目について、教えてもらった選曲を調べてみた。そうしたら、どの曲も古く、私の青春時代とマッチするのに驚いた。歌手もほとんど私と同じ世代と云える。

まず、「東京へつれてって」の山本正之さん。 山本 正之(やまもと まさゆき, 1951年7月11日 - 現在67)は日本のシンガーソングライター、ミュージシャン、俳優、声優。愛知県安城市出身。

彼の来歴をみると、・・愛知県立西尾高等学校卒業。1974年駒澤大学経営学部経営学科卒業。 1974年、プロ野球中日ドラゴンズ応援歌『燃えよドラゴンズ!』で作詞・作曲デビュー、同年『ドラゴンズよありがとう』で歌手デビューを果たす。その後、ヒットソング『うぐいすだにミュージックホール』や『ひらけ!チューリップ』などの作詞・作曲を手がけ、テレビアニメ『タイムボカン』の音楽を担当したのが切っ掛けで, 1970年代後半から1980年代前半にかけて、テレビや企画物の曲を数多く世に送り出した。1983年に初のオリジナルライブを行い、以降ライブ活動にも力を入れている。

 次に、尾崎亜美さん。私は彼女の大ファンだった。大学時代に、彼女の歌と美声に痺れまくっていた。尾崎 亜美(おざき あみ、女性、本名:小原 美鈴、1957年3月19日 – 現在61)は、日本のシンガーソングライター。ポスト・ユーミンの最右翼と呼ばれる1978年、南沙織に「春の予感‐I've been mellow‐」(資生堂CM曲、東京音楽祭ゴールデンカナリー賞作詞賞受賞)、杏里に「オリビアを聴きながら」、高橋真梨子に「あなたの空を翔びたい」等をそれぞれ提供した。

今回「Walking In the Rain」という曲を初めて聴いた。この曲は尾崎亜美の通算20作目のレギュラーアルバム『POINTS-3』(ポインツスリー)に収録。リリース1992年3月21日。『POINTS』『POINTS-2』に続く、他アーティストに楽曲提供した曲を集めたセルフカバーアルバムで、ただし1曲目の「Walking in the rain」のみがオリジナルの楽曲である。

 この次の曲「化粧」が中島みゆきさんというのがまた面白い。1978年4月リリースの中島のアルバム『愛していると云ってくれ』に収録。これは、1978年4月10日に発表された、中島みゆきの4作目のオリジナルアルバムである。大ヒットシングル「わかれうた」が収録されたことから、オリコンチャートでも2位を獲得した。さらには、1978年の年間アルバム売上第8位にランクインするなどの大ヒットを記録した。私は中島みゆきさんも大大ファンだったので、このアルバムはたくさん聴いた。

説明するまでもないが、中島 みゆき(なかじま みゆき、本名:中島 美雪(読みは同じ)、1952年2月23日 - 現在66)は、日本のシンガーソングライター、ラジオパーソナリティ。北海道札幌市出身。1975年にシングル「アザミ嬢のララバイ」でデビューした。

松任谷由実は、かつて「ライバルは?」と聞かれ「中島みゆきさん」と答え、テレビ・ラジオなどでは「みゆき」と呼ぶ。逆に中島は、『中島みゆき お時間拝借』で「松任谷」と呼んでいた(中島は松任谷より2歳上)。

松任谷由実とライバル視される二人、尾崎亜美と中島みゆきが共に登場するなんて!!!!

 

 また、「ウエディング・ベル」は、1981年11月21日にフォーライフ・レコードよりリリースされた日本の音楽ユニット・Sugarのデビューシングル。レコードが約70万枚を売り上げる大ヒットとなった。Sugarはこの曲で1982年の『第33回NHK紅白歌合戦』に出場した。これが最初で最後の『紅白歌合戦』出場であった。

Sugarのメンバーの三人、ミキ、クミ、モーリとも私の一歳下、現在58だ。

 ついでに、「ウエディング・ベル」を作詞・作曲した古田喜昭さんも調べてみた。古田 喜昭(ふるた よしあき、1949年3月14日 – 現在69)は日本の作詞家、作曲家、音楽プロデューサー、デザイナー。東京都出身。「FULTA」名義でも活動を行う。1973年、音楽グループ「Time」のメンバーとして第5回ヤマハポピュラーソングコンテストに入賞。1974年4月、デビューを果たす。もともとはイラストレーターになるはずだった。 1981年、作詞、作曲した「ウエディング・ベル」(歌:シュガー)がヒット。翌1982年、第15回日本作詩大賞にて大衆賞を、第2回日本作曲大賞にて金賞、優秀作曲者賞を受賞する。 現在は、主に企業プロデュースやWEBサイト、動画、ポスター、パンフレットの作成など、デザイン関係を中心とした活動を行っている。

 

 なんと、みなさん私に近い年齢層の方々ばかり。

 この演目「東京へつれてって」は我々おじさんのために制作したのかな、と改めて感慨深くなる。ひとみさんが我々おじさんにウケがいい理由のひとつが分かった気がした。

 

平成30年11月                       ライブシアター栗橋にて

 

 

黒井ひとみさん(栗橋所属)について、H30年9月結のライブシアター栗橋での公演模様を、演目「ヤクルトレディ」を題材に、「ギャグセンスが光る」という題名で語りたい。

 

 

H30年9月22日(金)、ライブシアター栗橋に顔を出す。

今週の香盤は次の通り。①玉(TS)、②黒井ひとみ(栗橋)、③本城ナナ(道劇)、④沢村れいか(ロック)、⑤倖田李梨(ロック)〔敬称略〕。倖田李梨さんが栗橋初乗り。

 

 ひとみさんとは5月中の大阪晃生以来、約四か月ぶりになる。実は、あのときに演目「さゆりメドレー」の観劇レポートを書いていて、早くお渡ししたいと思っていた。今回ようやく実現した。ひとみさんはストーリーものでない演目にレポートしてくれたのと驚いてたし喜んでくれた。

 

 さて、今週の演目は1,3回目に演目「エレベーターガール」、2,4回目に新作「ヤクルトレディ」。

 新作は初めて観た。一目でヤクルトレディと分かる。その内容がひとみさんらしいギャグセンスに満ちている。演目「エレベーターガール」と同じ路線と言えるかな。とにかく、面白いのでご紹介したい。

 

 ヤクルトレディのお決まりの制服姿で登場。白い長袖ブラウスの上にグレイのチェック柄のベスト。胸元に「黒井」の名札。襟元にはエンジ色のネクタイを締める。下は水色のキュロットを履き、お金の入った黒いポーチを腰に巻く。足元は紺の靴下、青いズックを履く。

今から職場の朝礼が始まる模様。上司が営業成績についてヤクルトレディ達、いや特に黒井さんにハッパをかける。舞台左側に、各ヤクルトレディ達の営業成績表が掲げられている。見ると、赤井さん、青井さん、白井さんと頑張っている数字が続き、最後に黒井さんの情けなく低い数字が並んでいる。黒井さんはかなりの落ちこぼれ。

 まずは恒例のラジオ体操から始まる。

 音楽が「ラジオ体操第一」からSHISHAMOの「明日も」(作詞:宮崎朝子、作曲:宮崎朝子)に変わる。SHISHAMO(シシャモ)は、日本のスリーピースロックバンドである。女子高生にすごい人気がある。歌い出しがサラリーマンの哀愁が漂う。♪「月火水木金 働いた まだ分からないことだらけだから不安が僕を占めてしまう 時々ダメになってしまう」

 ラジオ体操が終わってすぐに、前の籠にYakultの札が付いた、黄緑の自転車(ママチャリ)に乗り、外回りに出かける。

 盆前のお客に、ヤクルト製品を販売する。一本100円。みんな快く買ってあげる。

 それでも、なかなか営業成績が上がらず苦悩する。

 いしだあゆみの懐かしの名曲「あなたならどうする」(作詞:なかにし礼 作曲・編曲:筒美京平)が流れる。この曲は、1970年3月25日にリリースされたいしだあゆみのシングルである。いしだあゆみのシングルとして最大のヒット曲である「ブルー・ライト・ヨコハマ」以来のオリコンチャートで首位獲得こそならなかったものの、40万枚を超えるセールスを記録し、いしだにとって2番目のヒット曲となった。

「あなたならどうする?」の自問自答の結果、製品袋からヤクルトタフマンを取り出す。そして盆の上で服を脱ぎ始める。ヤクルトが売れないので身体で稼ごうというのか。

 ベッド曲は「ヤクルトレディがやってくる」の曲。なかなかコミカルな曲で面白い。

 ベージュのパンティを半脱ぎ。

 最後に、「ありがとう」と叫んで、領収書をもらい、にこりと笑う。

 その結果、営業成績表が断トツのトップになる。

 立上り曲は、ポニーピンクの「LOVE IS BUBBLE」(ラヴ イズ バブル)で盛り上がる。この曲は、BONNIE PINKの20枚目のシングル。2006年5月10日発売。発売元はワーナーミュージック・ジャパン。東宝配給映画『嫌われ松子の一生』テーマ・ソング。この映画で、BONNIE PINKはソープ嬢役で映画初出演をしている。

この曲は聴いたことがあったが、私はBONNIE PINKを始めて知った。すごい才能を感じた。BONNIE PINK(ボニー・ピンク、1973年4月16日 - 現在45歳)は、日本のシンガーソングライター。女性。本名、浅田 香織(あさだ かおり)。

 

 この作品の発想(妄想に近い?)、構成、選曲、演出、全てギャグセンスに満ちている。知っての通り、私の童話もギャグをたくさん取り入れている。ギャグは世界を明るく平和にする特効薬。劇場のお客さんが大喜びしている。お陰で、ひとみ人気は今や鰻上りだ。

 こういう作品をさらりと作り上げてくるところに黒井ひとみさんの才能が光る。

 

 

平成30年9月                        ライブシアター栗橋にて

 

 

黒井ひとみさん(栗橋所属)について、H30年5月中の大阪晃生ショー劇場での公演模様を、演目「さゆりメドレー」を題材にして語りたい。

 

 

H30年5月中の大阪晃生ショー劇場に顔を出す。

その週の香盤は次の通り。①雪乃舞(小倉A級)、②黒井ひとみ(栗橋)、③KAERA(TS)、④桃歌(道劇)、⑤浜崎るり (晃生)〔敬称略〕。今週は桃歌さん晃生初乗り。今週前半5/15まで浜崎るりさん、後半5/16から蘭あきらさん。

 

今週は三個出し。1,4回目は「さゆりメドレー」、2回目は「エレベーターガール」、3回目は「TOKYO」。

最後の演目「TOKYO」は着物が光る演目で、初めて観たような気がした。そうしたら「‘TOKYO’は東京の夜空をイメージした、年末に作った演目です。」ひとみさんから「どこかで観ているはずよ」と言われてしまった。実際に観ているのかもしれないなぁ。私の場合はレポートしようと思った時とそうでない時の集中力が全く違うので(笑)。

そう云えば、復帰以来、演目「マッチ売りの少女」「エレベーターガール」「上海バンスキング」の観劇レポートを書いてきたが、どれもストーリーもの。ストーリーというのは人を感動させられる、と改めて感じた。

今回レポートを書こうと思った「さゆりメドレー」であるが、たまたま偶然であるが、ストーリーに感動した話をさせてもらう。NHKの番組「ブラタモリ」が好きでよく見る。今週たまたま伊豆の天城峠を二回に分けて特集していた。天城峠というと石川さゆりの名曲「天城越え」(1986年7月21日リリース、作詞:吉岡治/作曲:弦哲也/編曲:桜庭伸幸、第28回日本レコード大賞金賞受賞)を思い出す。司会役のタモリが最初に、友だちにこの曲を聴くたびに泣く奴がいると笑いながら話していた。それほどに、この曲は人の心を惹きつけるものがある。

番組はこの曲に沿って話を進めていた。観たばかりなので、内容について軽く触れる。伊豆半島は元々日本列島から離れた南洋の海底火山が2000万年前から大陸移動してきて日本列島にくっついたもの。元々の海底火山が隆起した上に天城山が重なったので高くなり険しい天城峠ができあがる。そんな険しい峠をなぜ昔から人々は超えたがったのかというと、わさびがたくさん採れたから。伊豆半島は海底火山からの湧き水のお陰でわさびが生育する土壌になっている。

特に、天城トンネルの話が感動的だった。このトンネルは、天城峠の下で、静岡県伊豆市と、同県賀茂郡河津町を結ぶ。川端康成の小説『伊豆の踊子』や、松本清張の小説『天城越え』で有名なこのトンネルは、正式名称を天城山隧道(あまぎさんずいどう)と称し、1905年(明治38年)に完成。全長445.5メートル。アーチや側面などすべて切り石で建造された日本初の石造道路トンネルであり、日本に現存する最長の石造道路トンネルでもある。南伊豆の人々にとって、このトンネルがどれほど熱望されたものだったかを上手にストーリー立てて解説していた。私は「天城越え」のストーリーに感動した。この唄は単なる恋愛の唄でない。南伊豆の人々の情念がこもったものだった。最後に、南伊豆の河津町にある「河津七滝ループ橋」が紹介される。このループ橋が出来る以前は、「天城越え」の唄にもあるように、山肌を行ったり着たりのつづら折りの道となっていたが、人間の英知がそれを克服したわけだ。名曲「天城越え」に沿った話の展開がじわじわ感動を呼んだ。

話がだいぶ脱線してしまったが、石川さゆりの歌にたまらない魅力を感じていたところに演目「さゆりメドレー」が来たわけだから、観劇レポートしたいと心の虫が疼いた。

 

この演目「さゆりメドレー」は石川さゆりの曲が四曲登場する。「酒供養」「ちゃんと言わなきゃ愛さない」「ほめられた」「ほんとうのこと」

私はどの歌も知らなかった。初めて聴いた。石川さゆりの声は独特なこぶしがあるので演歌調の「酒供養」は彼女の声であるのがすぐ分かった。何度か聴いているうちに「ちゃんと言わなきゃ愛さない」も彼女の声じゃないかなと感じた。しかし、「ほめられた」「ほんとうのこと」は最後まで石川さゆりと気づかずにいた。全曲が石川さゆりと知って、いやぁ~驚いた。こんな唄まで歌っていたのかと改めて感激した次第。

今回、観劇レポートをどうしても書きたいと思ったのはラスト曲「ほんとうのこと」が頭から離れなかったからだ。それほど、この歌詞には人を惹き付けるものがある。ひとみさんも「ベッドの曲が私がみなさんに伝えたいメッセージって感じです。」と話してくれた。

 

さて、作品「さゆりメドレー」の内容を紹介しよう。

 最初の曲は「酒供養」。2004年アルバム『さゆりⅡ~十曲十色~』収録。作詞:吉岡治、作曲:杉本眞人。アップテンポの楽しい曲で、酔い気分で歌いたくなりそうな感じ。

 すごく斬新な着物姿。右半分は赤い。それを左からかぶせるように花柄の衣装を羽織る。何という花柄か気になったのでひとみさんに尋ねてみた。「最初の着物、柄の名前分からない・・・ごめんね・・・ただ結構珍しい感じみたいで、前バーレスクダンサーさんに褒めてもらった柄だよー! 」裏地が金色。また金の帯をしている。裸足で舞う。

 二曲目は「ちゃんと言わなきゃ愛さない」。この曲は、アニメ「新TVシリーズ ルパン三世」エンディングテーマで、ヴォーカル 石川さゆり × 作曲 / プロデュース 大野雄二というコンビ。作詞:つんく / 作曲・編曲:大野雄二。2015年10月21日(水)発売。大野 雄二(1941年5月30日 – 現在76歳)は、日本のジャズピアニスト、作曲家、編曲家。『ルパン三世』などのテレビアニメ・映画のテーマ音楽を数多く手がけている。2015年だから最近の曲だがほんと若々しい。さゆりさんは歳をとらないなぁ~と感心しちゃう♪

 ステージで徐々に帯を解いていく。金の後は、紫→ピンク→白と続く。

 内掛けを取ると、ピンクの襦袢姿になる。青い帯をしている。

 三曲目は「ほめられた」。2017年7月19日発売『X -Cross III-』収録アルバム。作詞:矢野顕子 作曲:矢野顕子。えーっ! 石川さゆり X 矢野顕子の組み合わせにまたまたビックリ。

矢野 顕子(1955年2月13日 – 現在63歳)は、日本のシンガーソングライター。アメリカ合衆国ニューヨーク州在住。言わずと知れた元夫は坂本龍一。「矢野」の姓はデビュー当時に矢野誠と婚姻関係にあったため、当時の本名を芸名に使い、それが世に知れ渡ったために離婚後も使っている。2人の子供の母親。前夫とのあいだにできた長男は客室乗務員。歌手の坂本美雨は再婚相手の坂本龍一との間に生まれた長女。2015年7月に、娘の美雨が長女を出産した際、前年秋に長男に第1子が誕生していたことを公表した(なお、美雨の長女は元夫の坂本にとっては初孫である)。

そのままベッドへ。近くでアクセサリーを追う。純金のネックレス。左手首にガラスのブレスレットがきらきら光る。

立上り曲が「ほんとうのこと」。作詞作曲は里花。2017年7月19日発売『X -Cross III-』収録アルバム。初めてステージで聴いたとき、なんという素敵な歌詞、曲だと感じた。感動して涙があふれる。どうしてもこの歌を記念にメモしておきたくて、この観劇レポートを書いた次第。

 すぐに、この曲を作った里花さんのことをネットで調べた。里花さんはMISIAさんなどに楽曲提供をされるシンガーソングライターで、知る人ぞ知る存在。サン=テグジュペリ『星の王子様』の中に「ものごとはね、心で見なくてはよく見えない。いちばんたいせつなことは、目に見えない」という有名な言葉があるが、「ほんとうのこと」は、まさにそんな大切なことを問いかける素敵な曲。本レポート外で、調べたことを詳細にメモしておいた。

 

 最後に、石川さゆりさんについて触れておきたい。

ネットでは「石川 さゆり(1958年1月30日 - 現在60歳)は、日本の演歌歌手。本名・石川 絹代(きぬよ)。熊本県飽託郡飽田村(現・熊本市南区)出身。堀越高等学校卒業。」と出てくる。もう60歳になったんだぁー。

さゆりさんは私の一学年上で、私の青春時代とぴったし重なる。さゆりさんが1973年「かくれんぼ」でアイドル歌手としてデビューしたのを覚えている。しかし、歌手デビューから暫くは「花の中三トリオ」(森昌子・山口百恵・桜田淳子)の影に隠れた事も有ってか、大きな人気を得るには至らなかった。その後1977年に「津軽海峡・冬景色」で大ブレイクを成し遂げ、今や演歌の第一人者としてNHK紅白歌合戦のトリを何度も務めていることは、日本人なら誰もが知っている。

最近では演歌だけでなく、新しいアーティスト達とのコラボに挑戦。シリーズの最新作『X-CrossⅢ-』(クロス スリー)が2017年7月19日に発売。過去には、椎名林檎、奥田民生、宮沢和史、岸田繁など、意欲的な作品を数多く発表してきた同シリーズ。その第三弾となる今作『X-CrossⅢ-』に作品提供したのは、矢野顕子、大江千里、小渕健太郎(コブクロ)、細野晴臣、森友嵐士、レキシ、里花だ。しかもボーカリスト石川さゆりと作品提供アーティストとが素晴らしい化学反応をしている。今回取り上げた里花の曲「ほんとうのこと」もそのひとつである。

 

 このレポートを書く前日、西城秀樹さん死亡のニュースが飛び込んできた。・・・「傷だらけのローラ」「YOUNG MAN」などのヒットで知られる歌手の西城秀樹(本名・木本龍雄=きもと・たつお)さんが16日午後11時53分、急性心不全のため横浜市内の病院で亡くなったことが17日に分かった。63歳だった。広島市出身。2003年と11年に脳梗塞を発症、右半身麻痺の後遺症が残っていた。4月25日に入院し、そのまま帰らぬ人となった。・・とのニュースに唖然とした。

 西城秀樹さんは、いうまでもなく郷ひろみ、野口五郎とともに「新御三家」と呼ばれるトップアイドルで、先ほどの「花の中三トリオ」と一緒で、私の青春そのもの。彼らの歌は私のカラオケ十八番。西城秀樹のコンサートを観に行き、生歌に感動したことを思い出す。

 だからこそ、自分の青春時代を重ねられる方々の中で、石川さゆりさんのように若々しく、現役で活躍されている姿を拝見することは、同世代を生きる者にとって、本当に強い励みになる。

 

 最近、つくづく感じるのだが、踊り子というのはステージを通して客に対して歌や歌手との橋渡しの役割を果たしている。新しい歌や新しい歌手との出会いを演出してくれる。

 演目「さゆりメドレー」を通して、こんな最高の気分にさせてくれた黒井ひとみさんに心から感謝する。

御礼として、この観劇レポートをプレゼントさせて下さい。

 

 

平成30年5月中                          大阪晃生にて

 

 

 

 

 

 栗橋の踊り子・黒井ひとみさんについて、H29年11月結のライブシアター栗橋での5周年の公演模様を、周年作「上海バンスキング」を題材にレポートします。

 

 

 H29年11月結のライブシアター栗橋公演の初日21日(火)に顔を出す。昨日の寒さから一転、日差しのあるよい天気になったが、肌寒さが増し、冬の気配を感ずる。

今週の香盤は次の通り。①西園寺瞳(ロック)、②新條希(道劇)、③黒井ひとみ(栗橋)、④御幸奈々(栗橋)、⑤小宮山せりな(ロック) 〔敬称略〕。

 

周年作「上海バンスキング」を観たまま感じたままを紹介する。(まずは、演目名も知らずに観劇した状態で、私の感性に従って書いてみる。)

最初に、チャイナドレス姿の女性が登場。昭和初期のクラブかキャバレーをイメージ。

チャイナドレスの定型で丸い襟元に袖なし、緑色を基調にして金の刺繍が散りばめられた豪華な衣装である。特徴的なのがスカートの裾部のみ透け透けの生地になっている点。

頭には、長いロングのウイッグをかぶり、左側頭部に黒・赤・青の羽根飾りを付ける。

赤い大きな羽扇子を振り回し、銀のハイヒールを履いて華麗に舞い踊る。

インスト曲に変わり、チャイナドレスを脱ぐ。下にはコルセット状の赤い衣装が現れる。胸元に銀の刺繍が入った華やかな衣装である。

楽しく踊っていたところ、突然、銃撃の音。逃げ惑う観衆。ピストルの単発が次第にマシンガンの連射へと激しくなり、最後は飛行機の音が聞こえ建物ごと爆破される。

場面は変わり、波止場の風景。

カーキ色の軍人服を肩に羽織って、女性が登場。金色の煙管をくわえている。吸っているのは煙草か、それとも阿片か。きっと軍人相手の娼婦になったのだろう。

そのまま、盆の上でオナニーショーを始める。

軍服と絡みだしたので、このまま軍人とハッピーエンドになるのかと思い気や、途中から、女性の表情が険しくなる。

軍人に捨てられたのか、軍人と死に別れたのか、はては阿片で身体がボロボロになったのか、その辺の事情は分からないが、軍人との関係は続かず破局を迎える。

最後に、明るい曲に変わる。女性が白く明るいキラキラした布を身体にくるりと巻いただけの姿で登場。布は左肩のところに結ばれて、足元まで流れる。白い羽扇子をもって裸足で優雅に踊る。そこは天国なのか。彼女は死んで天国で舞っているのだろう。

 

 ここまで書いた後に、演目名になっている元ネタの「上海バンスキング」というミュージカルを調べ、また、ひとみさんから解説を加えてもらった。私の最初の印象がどう変わっていったかを述べていきたい。

ミュージカル「上海バンスキング」は、斎藤憐の戯曲。1936年(昭和初期)の上海を舞台にジャズのバンドマンとダンサーの物語を描いた音楽劇で、オンシアター自由劇場により1979年に初演された。これまでに複数回、舞台化や映画化がされている。バンスというのはギャラの前借りのことである。

次のようなあらすじ。

日中戦争が開戦する1年前の1936年の初夏、クラリネット奏者である波多野は、妻であるまどか(マドンナ)と上海にやって来る。軍国主義が広まりつつある日本を離れ、ジャズを自由に演奏できる上海に行くために、波多野は妻をパリに連れて行くとだましたのである。

2人を迎えたトランペット奏者の松本(バクマツ)はギャンブルが好きで、つねにクラブ「セントルイス」のオーナーのラリーから前借り(バンス)をしている。やがて松本はラリーの愛人であるリリーと恋に落ちる。松本に怒りを表すラリーを仲裁するまどかと波多野も、彼らとともにクラブのショーに出演することになる。

松本とリリーが結婚して間もなく日中戦争が始まり、日本の軍隊が上海にも侵略の手を伸ばすことで、上海からは自由もジャズも消えていく。やがて戦争が終わり、再び自由が戻って来た時には、波多野は阿片中毒で廃人となり、戦争に駆り出された松本は戻って来る途中で死んでしまう。

 

実際のミュージカルでは、以上のストーリーになる。ここまでの知識をもって再度ひとみさんのステージを拝見すると、改めて彼女の迫真の演技に胸を詰まらせる。

今回の演目では、音楽は全部サントラからとっている。ちなみに、劇中に使われる楽曲としては「ウエルカム上海」が唯一のオリジナルで、他は映画などのスタンダードナンバーが数多く使われている。

なお、最後の部分が原作と違うので質問してみた。ひとみさんの演目では少し変えているのが分かった。「ストーリーは元ネタのミュージカルをちょっとひねっていて、上海のキャバレーの女の人が戦争で恋人を失い、哀しみから阿片中毒になって幻覚をみながら死んでしまう・・・(レイプ) 最後は天国で幸せになる・・です。」

ひとみさんは、ジャズのバンドマンとダンサーが戦争という時代に翻弄される姿にやるせないものを感じて、どうしても最後は天国で幸せになってほしいという思いを込めたようだ。「私なりの反戦ものです。」

彼女の表現者(アーティスト)としての真骨頂を見た思いがする。素敵な作品と出会わせてくれたことを心から感謝したい。

 

 

平成29年11月                        ライブシアター栗橋にて

 

 

 

 

 前回H29年10月結のシアター上野公演で、演目「エレベーターガール」を題材に、童話「エレベーターガール」をプレゼントさせて頂きました。

 ところが、あのあと徒然に、自作の童話「エレベーターガール」を読み返してみました。殆んど観た翌日に勢いで書いたので、よくよく考えてみると、何がテーマで、何が面白いのか、自分で納得がいかなくなる。もう一度練り直そうと思いました。

 たまたま、あの上野公演の後に、大阪東洋で荒木まいさんが3周年を迎え、周年作の「天女」を披露していた。童話の中で、天国に連れていったエレベーターガールのことが天女に思えた。

 もう一度、頭を整理して、地上と天国と地獄、そして天女と踊り子と現実の女房を、エレベーターガールに絡めて話を創ってみようと思いついた。

 

 今回、推敲した際のポイントをまとめてみたので、参考まで終わりに添付しておきます。童話を読んだ後に見てもらうと私の推敲課程が分かると思います。

 

 

 今まで、童話はある意味、ステージからのインスピレーションを受けて勢いで書いていました。前回、黒井ひとみさんの演目「マッチ売りの少女」をネタにして童話「踊り子になったマッチ売りの少女」を書いたときに、その後もずーっと内容にこだわって推敲しました。あんなことは今までなかったことです。

 しかも、今回も同じことを繰り返しています。

黒井ひとみさんは私の童話を心から愛してくれてます。だから期待に応えたいという気持ちがそうさせるのだと思います。

黒井ひとみさんの存在は、私にとって、かけがえのない大きいなものと実感しています。

 

 

平成29年11月                      ライブシアター栗橋にて                      

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                              H29.11

『エレベーターガールが誘(いざな)うところ』

~黒井ひとみさん(栗橋所属)の演目「エレベーターガール」を記念して~

 

 

  ボクはしがない中年男。いちおう仕事も家庭も持ってはいるけれど、趣味はストリップ通いで、人にはたいして自慢できることのない普通の男。仕事や家庭でたまったストレス解消に毎週のようにストリップ劇場に通う。いつしかそれが生活のリズムになっていた。

 今週も休日に、妻の目を盗んで、こそこそとストリップ観劇にやってきた。ここは地方都市で、ストリップ劇場としてはここ一軒だけ。今週のお目当ては、お気に入りの踊り子である黒井ひとみさんで、新作「エレベーターガール」を初披露。

 目的の劇場は、大きなデパートの中に入っていた。映画館など娯楽施設も充実。その中でもストリップ劇場は併設している成人ピンク映画と同じ扱いのようだ。

 

一階入口からエレベーターに乗ると、デパートの制服を着た綺麗なエレベーターガールが立っていた。制帽を深くかぶっているので顔をよく拝見できなかったが、今回お目当ての踊り子の黒井ひとみさんに似ているような気がした。最近は客寄せのアルバイトとして開場前に踊り子がエレベーターガールをやるケースもあると聞いている。ひとみさん本人かどうか確認したいと思ったが、声が出ない。ボクは今までひとみさんと話したこともない。たまたまエレベーターに乗った客はボク一人しかいないにもかかわらず、気が弱くて声がかけられない。本当に情けない。こんなことだから一人でこそこそストリップなんか観に来るわけだ(苦笑)。

 

「本日は当デパートにお越し頂きありがとうございます」とのお決まりのアナウンスの後、「何階にお連れしましょうか?」と丁寧に声を掛けられる。彼女の顔は帽子の影に微笑みを浮かべているような気がした。

ボクは恥ずかし気に「ストリップ劇場に行きたいんだけど・・・」と返答した。

エレベーターガールは「了解しました。あなたを天国にお連れ致します。」と言う。

「えっ!? 天国って・・?」一瞬聞き間違えたかと思ったが、再度ストリップと念押しするのも恥ずかしかったのでボクは黙っていた。

 

エレベーターはなかなか到着しなかった。

「いったい何階まで行くのだろう?」エレベーターガールは後ろ向きのまま何も話さない。ボクはいらいらしてきた。早く大好きな踊り子さんを観たいな。気が焦った。

 

漸くエレベーターが止まった。

「あなたを天国にお連れしました。」とエレベーターガールは言う。

ボクはそこがストリップ劇場と思い、そそくさとエレベーターから降りようとした。すると、エレベーターガールがボクの手を掴んで離さない。帽子の下の顔がはっきり見えた。憧れの踊り子、黒井ひとみさんだった。少なくともボクにはそう見えた。そう思った瞬間、逆にボクは言葉を失い、なにを話していいか分からなくなった。

すると、彼女はおもむろに衣装を脱ぎだした。<踊り子さんに手を出してはいけない> それはストリップの常識である。ボクは慌ててエレベーターから降りようとした。

しかし、エレベーターのドアは開かない。

エレベーターガールは一糸まとわぬ全裸になった。ビーナスの裸体。もともと彼女のストリップを観たいと思っていたわけで、彼女のヌードを見たら勝手に心がときめいた。

「ここは天国ですから、あなたの好きなようにして下さいね。」

そう言って、彼女はボクの服を脱がせた。動揺のあまり身体が金縛りにあったよう。ただボクの身体は素直に反応していた。彼女は恥ずかしがるボクをなだめて、ボクのものを口に咥えた。思わず彼女を抱きしめた。

「前から後ろから、お好きなようにどうぞ!」

ボクはそのまま、まさしく天国を彷徨った。

 

一体どれくらいの時間が経ったのだろうか?

気付いたら、エレベーターガールはそこに居なかった。ボクは慌てて服を着た。

そして、階下に戻るためのエレベーターの操作盤を探した。エレベーターの押しボタンを見て、ボクはギョッとした。地上一階の次は「天国」になっていたのだ。

ボクは今まで地上のエレベーターには細かい階数表示されているのが当たり前だと思っていた。人生にはいくつもの段階がある。進学、就職、結婚、出世などなど。しかし人生は上るだけでなく下ることもある。上がり下がりをひとまとめにして「地上一階」があるべきなのかもしれない。あまりにも細分化しすぎるから、その上下に一喜一憂しながら人はストレスをためてしまうのだ。ふと、そんなふうに思えた。

このまま天国にいれば、地上ではボクは死んだことになってしまうだろう。早く地上に戻らなくては・・・

ボクは急いで地上一階のボタンを押した。

 

なかなか地上一階に着かない。

天国に来たときよりはるかに時間がかかっている。

エレベーターの押しボタンをよく見てみたら、地上一階の下に「地獄」とある。

ボクは青ざめた。きっと間違えて「地獄」行きのボタンを押してしまったのだ。<踊り子に手を出してはいけない>というストリップの掟を破ったボクに一体どんな地獄が待っているというのだろうか。

 

地獄の扉が開いた。

なんと、そこにはお気に入りの踊り子である黒井ひとみさんがエレベーターガールに扮して立っていた。地獄は怖いところと思ってドギマギしていたが、あぁ~彼女が一緒なら地獄でも耐えられるよ。まさしく彼女こそ地獄に救いだ! 一瞬そう思った。

いや、ストリップは天国かと思っていたが、地獄なのかもしれないな。現実逃避としての異次元トランスと考えれば、天国も地獄も同じようなものか。我々は地上だけでなく、度々天国や地獄を行き来しているのかもしれない。ストリップはその入口のひとつなんだ。改めてそう思えた。

ともあれ、さっそく地獄のストリップ観劇としようか!私は気分が良くなった。

ところが、エレベーターから出ようとするボクを黒井ひとみさんが押しとどめる。彼女は言葉を発しない。しかし、彼女の目が「あなたはここに来るべき人ではありません。地上に戻られた方がよろしいですよ。」と言っているように見えた。

そんな!せっかくストリップを観に来たのにー↓ もしかしたらエレベーターガールに手を出してしまった罪から、私はストリップ出禁になったのかなぁ~。

いや、彼女が地獄で舌を抜かれてしまっている現実を今こうして目にしたわけだ。彼女はエレベーターガールに扮してボクと性関係をもってしまった。踊り子と客の関係を越えてしまったことに対するストリップの掟が彼女を地獄に落としたのだろう。

しかし、先ほど述べたように、誰もが地上と天国と地獄を行き来していると考えれば、元通りになってすぐに地獄から抜け出せることだろう。

彼女はエレベーターの押しボタンを「地上一階」に押し直してから黙って扉を閉めた。

 

ボクは今、こうして地上一階に戻るべくエレベーターの中にいる。

 地上には、また誰かエレベーターガールが待っているのかな。思えば、これまでの人生の節々に誰かしらエレベーターガールが待っていたような気がしてきた。ボクはそのエレベーターガールの指示に従って人生を送ってきた。そんな気がした。

エレベーターガールは、地上の世界ではエレベーターガール職という働く女性でありながら、天国では天女にもなりうるし、一転して地獄の使者になる。同様に、黒井ひとみさんは踊り子という現実の仕事をしていながら、我々男性からは天女的な存在であり、一転して我々を惑わす小悪魔になりうる。女房は現実に大切な存在であるがゆえ、時に天女にもなり地獄の閻魔にもなりうる。確かに、女房は唯一無二のエレベーターガールだろう。初めて女房に出会ったときボクは彼女を天女だと思い、彼女と結ばれたときは天国を彷徨った。しかし結婚したら地獄の閻魔様になることも度々ある(笑)。

 そう考えれば、彼女たちをあえて地上だの天国・地獄だのと区割りせず、彼女たちは現実と天国と地獄を流動的に動き回る存在と捉えるのが正しいように思える。

 

少しして地上一階の扉が開いた。

そこには女房が閻魔様のような怒った顔で待っていた。ボクはびくっとした。

「しばらく大好きなストリップにも行けないなぁ~。こっちの方が地獄だよぉ~」

ボクはうなだれて現実の世界に戻っていった。

                                 おしまい

 

 

 

 

 

 

【参考】本童話作成における推敲課程

 

 本童話を推敲するに当たって、次のようなことがテーマとして頭を過ぎる。

 

・まずは、現実という地上と、現実ではない天国と地獄という三つの区分をつけて、それぞれの位置付けをしてみる。

 

・最初のエレベーターガール、踊り子としての黒井ひとみさん、女房、それぞれの女性の位置づけをはっきり分かるようにする。

 例えば、最初のエレベーターガールは現実の世界ではエレベーターガール職という働く女性でありながら、天国では天女になる。黒井ひとみさんは踊り子という現実の仕事をしていながら、我々男性からは天女的な存在であり、我々を惑わす小悪魔や地獄の使者にもなりうる。女房は現実に大切な存在であるがゆえ、時に天女にもなり地獄の閻魔にもなりうる。

 そう考えれば、あえてどこそこの存在と区割りせず、彼女たちは現実と天国と地獄を流動的に動き回る存在と捉えたくなった。

 

・一般的に、エレベーターには細かい階数表示がなされると思いがち。しかし、現世の今を「地上」一つにまとめてみることも出来そう。人生というのは、生まれてから、小学校、中学校、高校、そして大学と進学する。就職して、家庭をもって、子供たちを社会に送り出し、老後を迎え、死を待つ。そうした段階をひとまとめにしてしまうわけだ。

 最初のうちは常に成長していると思うかもしれないが、途中から後退してくる。高齢化した私も実感する。いや、一方的に上ったり下ったりするのではなく、ちょこちょこと上ったり下りたりしているのかもしれない。そう考えれば、地上での細かい階数表示にどれだけの意味があるのだろうとも考えられる。

 そうした、細分化された上下のために人はストレスを抱えるのだ。

 

・ストリップというのは現実逃避である。

 男は仕事や家庭など現実生活の中でストレスを抱える。それを女の裸を見ることで一時的にストレスを忘れられる。

 男が女を求めるのは本能。ストリップはお小遣い程度のお金を払えば、絶世の美女のヌードを心置きなく観れる。朝から晩まで入場料だけで観ることができる。まさに竜宮城である。しかし、劇場から一歩外に出ると何も変わらない厳しい現実が待っている。

 

・ストリップ劇場は、男を現実逃避から、竜宮城に連れていく。それは異次元トランスであり、そこはきっと天国でもあり地獄でもある。ストリップ劇場は異次元世界への入り口である。

 今回の話は、ストリップ劇場を求めて行くわけであるが、その移動手段としてのエレベーターがあり、エレベーターガールが登場する。

                                   などなど

 

 今回は、栗橋所属の踊り子・黒井ひとみさんについて、演目「エレベーターガール」を題材に語ります。

 

 

H29年10月結のシアター上野に顔を出す。

今週の香盤は次の通り。①黒井ひとみ(栗橋)、②相田樹音(フリー)、③玉(TS)、④多岐川美帆(道劇)、⑤新條希(道劇) 〔敬称略〕。

 

黒井ひとみさんとは7月中の渋谷道劇以来3カ月ぶり。4月頭の栗橋で書いた童話「踊り子になったマッチ売りの少女」は私の中でエキセントリックなものとなった。今回も童話のネタにならないかというつもりでステージを拝見していた。

新作となる演目「エレベーターガール」は見ていて楽しく刺激的な内容だった。

 

暗い中「本日はご来店頂きまして誠にありがとうございます。大変お待たせしました。ご利用階数をお申し付け下さい。」とのアナウンス。

エレベーターガールに扮した黒井ひとみさんが登場。

黒い帽子。赤い上着と黒いスカートという制服。胸元のリボンと手袋の白がまぶしい。エレベーターガールの制服なのだが、私にはどこかマジシャンの面影を感じ、これから黒井ひとみワールドに連れていかれるような錯覚にかられた。楽曲は、椎名林檎の「目抜き通り」(2017年4月20日公開 - 椎名林檎とトータス松本(ウルフルズ)とのデュエット曲)。

「5階紳士服売り場です」とのエレベーターガールの声にもかかわらず、客は降りずにエレベーターガールにセクハラ悪戯をする。

 楽曲が畑中葉子の「モア・セクシー」('81年リリース)に変わる。赤い制服を脱ぐと、白いシャツ姿に。更に楽曲が畑中葉子の懐かしのヒット曲「前から後ろから」('81年リリース)に変わる。黒いスカートを脱ぐと、赤いガーターとパンティが現れる。更に、白いシャツを脱ぎ、赤いブラジャーへ。

 4曲目はMONDO GROSSO(モンド・グロッソ)の曲「ラビリンズ」(2017/06/05公開、女優の満島ひかりさんのボーカル)に変わり、ベッドショーへ。

 立上りは、しばたはつみの懐かしの名曲「マイ・ラグジュアリー・ナイト」(1977年7月リリース)でしっとり盛り上がる。

 最後に「本日はご来店頂きまして誠にありがとうございます。またのお越しをお待ちしております。」というアナウンスで終わる。

とてもステキな作品構成に仕上がっている。

 

平成29年10月                            シアター上野にて

 

 

 

                              H29.10

エレベーターガール』 

~黒井ひとみさん(若松所属)の演目「エレベーターガール」を記念して~

 

 

 

  大きなビルにストリップ劇場が入っていた。

 

入口からエレベーターに入ると、綺麗なエレベーターガールが立っていた。

「何階に行きましょうか?」と声を掛けられる。

ボクは恥ずかしそうに「ストリップ劇場に行きたいんだけど・・・」と返答した。

エレベーターガールは「了解しました。あなたを天国にお連れ致します。」

「天国って・・?」ボクは一瞬聞き間違えたかと思ったが、ストリップと念押しするのも恥ずかしかったので黙っていた。

 

エレベーターはなかなか到着しなかった。

「いったい何階まで行くのだろう?」

エレベーターガールは後ろ向きのまま何も話さない。ボクはいらいらしてきた。早く大好きな踊り子さんを観たい。気が焦った。

 

漸くエレベーターが止まった。

「あなたを天国にお連れしました。」とエレベーターガールは言う。

ボクはそそくさとエレベーターから降りようとした。すると、エレベーターガールがボクの手を掴んで離さない。そして、おもむろに衣装を脱ぎだした。ボクはそんな気はなかったので慌ててエレベーターから降りようとした。

しかし、エレベーターのドアは開かなかった。

 

エレベーターガールは一糸まとわぬ全裸になった。まるでビーナスの裸体だ。もともとストリップを観たいと思っていたので、彼女のヌードを見たら勝手に心がときめいた。

「ここは天国ですから、あなたの好きなようにして下さいね。」

そう言って、彼女はボクの服を脱がせた。ボクの身体は素直に反応していた。彼女は恥ずかしがるボクをなだめて、ボクのものを口に咥えた。ボクは思わず彼女を抱きしめた。

「前から後ろから、どうぞ!」

そのまま天国を彷徨った。

 

一体どれくらいの時間が経ったのだろうか?

気付いたら、エレベーターガールはそこに居なかった。

ボクは服を着た。

エレベーターの押しボタンを見て、ボクはギョッとした。

一階の次は「天国」になっていたのだ。

ボクは急いで一階のボタンを押した。

 

なかなか一階に着かない。

天国に来たときよりはるかに時間がかかっている。

エレベーターの押しボタンをよくよく見てみたら、一階の下には「地獄」とある。

ボクは青ざめた。きっと間違えて「地獄」行きのボタンを押してしまったのだ。「踊り子に手を出してはいけない」というストリップの掟を破ったボクに一体どんな地獄が待っているのだろう。

 

地獄行きの扉が開いた。

なんと、そこには黒井ひとみさんがエレベーターガールに扮して立っていた。

あぁ~彼女が一緒なら地獄でも耐えられる、彼女こそ地獄に救いだ! そう思った。

エレベーターから出ようとするボクを押しとどめるようにして、彼女が「あなたはここに来るべき人ではありません。地上に戻られた方がよろしいですよ。」と言い、エレベーターの押しボタンを「地上一階」に押し直して扉を閉めた。

 

少しして地上一階の扉が開いた。

そこには女房が閻魔大王のように怒った顔で待っていた。

「しばらく大好きなストリップにも行けないなぁ。こっちの方が地獄だよぉ~」

ボクはうなだれて現実の世界に戻っていった。

 

                                 おしまい 

 

 

今回は、H29年4月頭のライブシアター栗橋で贈った童話「マッチ売りの少女」の改訂版を持参しました。

 

あのときにレポートと一緒に書き上げてお渡ししてから、すぐに色んな発想が頭の中を回り出し、栗橋から出た後も手を加えてみました。文量も倍以上の長さになってます。

書き出すまで苦戦しましたが、一旦書き出してからは次々と話が展開していきました。

4月頭の週のうちに大半の加筆を終え、その後もこの童話にこだわって何度も微修正し、最終的にはGW週に自分なりに納得のいく作品にしました。もしかしたら、私の童話の中でも最高傑作になるかも(?)。そうでなくても、かなりこだわりの深い作品になりました。

この童話を書くきっかけを頂いたひとみさんに深く感謝します。

 

先に渡した原稿との違いが分かりますか。

加筆部分と訂正した部分を列記しておきますね。

・主人公の名前を「ひとみ」にさせて頂きました。

・‘マッチ一本、ワンコインの遊び’を印象的な書き方にしたくてポエムにしました。

・少女の生い立ちを加筆しました。

・「本当のエロスって何かしら?」にとことんこだわり、これをテーマにしました。

・マッチの炎に対して、ろうそくの炎を付け加え、次の話の展開に含みを持たせました。

 

以上の変更点を味わって頂けたら嬉しいです。

 

この改訂版を早くひとみさんに届けてあげたいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

                               H29.5

踊り子になったマッチ売りの少女 

~黒井ひとみさん(若松所属)の復帰を記念して~

 

 

  ある呑んべえ横丁に「マッチ売りの少女」と呼ばれている女の子がいた。

彼女の名前はひとみ。ひとみはまだ幼くて、とてもかわいい顔をしていた。

「マッチを一本買って下さい」

ひとみは甘え声でそう言って、呑んべえ横丁でお酒を飲んでいる客に声をかけて歩いた。彼女に500円を払うと、店の奥にある「ピンクの個室」で、マッチが一本燃え尽きる短い間だけ彼女の性器を見ることができた。彼女の性器はまだ毛も生えていなく、とてもきれいなパイパンだった。人によっては、性器でなく、おっぱいやお尻を見たがる人もいた。ひとみは嫌がらずにどこでも見せた。

 吞んべえ横丁の人々は彼女のことを可愛がった。ひとみには身寄りがなかったので、呑んべえ横丁の人たちがみんなで世話をしていた。店によっては客集めのため彼女専用の「ピンクの個室」を設けているところもあったが、たいがいは店の奥の隅っこやトイレを借りて‘マッチ一本、ワンコインの遊び’は行われていた。

 

 暗がりの中でマッチを擦る

 マッチ特有のにおいがする

 ぶわっと炎がつき明るくなる

 少女の穢れないパイパンが見える

 この世で最もかわいいもの(男にはそう思える)

 男の表情(かお)はほころびる

 あぁ~この一瞬よ 永遠であれ!

 しかし線香花火のようにマッチは儚く消える

 つんとくる火薬の残り香

                    

 ひとみには不思議なところがあった。小さい頃からエロスに興味があった。しかし、それは性行為とか売春とかではなかった。だから、マッチの遊びはただ見せるだけで、それ以上のことはいくらお金を積まれても拒んだ。

 ひとみは自分の性器を見せて、男の人が喜んでいる顔を見るのが好きだった。そんな男の人の表情がとてもかわいく思えた。「本当のエロスって何かしら?」ひとみは小さい頃から、そんなことを考える変な女の子だった。

 マッチの炎が、エロスの炎に見えた。マッチの灯りで、自分の性器を眺める男の人の瞳の中にエロスの炎が見えた。ひとみは自分の性器を見詰められただけで、まるで舌でちろちろ舐められているように気持ちがよくなり身体の奥からじゅわっと濡れてくるのが分かった。こうして、ひとみはマッチを売りながらエロスを売っているのでした。

 

「本当のエロスって何かしら?」

 ひとみがそんなことを考えるようになった事情を話しておかねばなりませんね。

 彼女は、見詰めるマッチの炎の中に、お父さんとお母さんが浮かぶのでした。

 実は、ひとみには仲の良い両親がいました。まだ、ひとみが物心つかない幼い頃の思い出です。

 夜中にふと目が覚めると、隣の部屋から灯りが漏れていて、お父さんとお母さんがいるのが分かりました。彼女は襖の隙間からこっそりと二人の様子を眺めました。

 ろうそくの灯りが見えます。全裸の二人はろうそくの火を使って遊んでいました。お母さんの顔が時に歪んで見えましたが、仲のいい二人のこと、お父さんがお母さんを虐めているようには見えませんでした。とても楽しそうに思えました。その記憶が、ひとみの深層心理に、ろうそくの炎の中に両親の思い出を作りました。

 ある日のこと、ろうそくの火のせいか、家が火事になり燃えてしまいました。その事故で両親は亡くなり、ひとみだけが助かりました。それからは近所の人達みんなが一人ぼっちになったひとみのお世話をすることになりました。

 いつしか、ひとみはマッチの火をじっと見つめるようになりました。マッチの火を見ていると心が安らぐのでした。炎の中に優しかった両親の面影が見えるのかもしれません。

 

 そんな彼女がストリップと出会った。

 ある日、呑んべえ横丁の客がひとみを劇場に連れて行ったのだった。彼はストリップ劇場通いの常連で、彼女の性癖はストリッパー向きとピンときた。案の定、ひとみの瞳は輝いた。「私が求めているものはここにあるわ。本当のエロスを見つけたい。」彼女はすぐに劇場の扉を叩いた。ひとみはまだ未成年だったが、劇場経営者は若くて可愛い彼女を一目で気に入った。

 さっそく踊りの基礎を教え、二か月間の研修を経て、デビューすることになった。

 

 舞台の上から客席を見ると、観客の頭がまるでマッチ棒の芯のように見えた。

 彼女は嬉しくなって彼らの頭を撫で擦った。客は踊り子に触られるのを喜んだ。

 マッチというのは先端の芯の部分にはガラス粉(塩素酸カリウム)と燃えやすい薬品(硫黄)が塗られている。箱の側面(摩擦面)には赤燐が使われている。その二つを擦ると摩擦熱で発火する仕組み。

 その点、観客の頭にはエロスの炎が湯気を立てている。頭が禿げ上がっている方が男性ホルモンの効用からか油がのっている感じで発火しやすいよう。

 彼女はオープンショーで、観客の鼻先に性器を近づけ腰を激しく振ります。今では立派に陰毛が生えているせいか、まるでやすりのような摩擦熱を放ちます。直接の接触は無くてもエアのままで客が立てる湯気に発火しました。客の頭が激しくエロスの炎を立ち昇らせます。盆周りのかぶり席のお客から発火したエロスの炎はみるみるうちに後部座席まで燃え移り、場内がエロスの炎に包まれました。圧巻の眺めです。ひとみは劇場が燃え出す様に、ろうそくで家が燃え上がった様を重ねて異常な興奮を覚えていました。ふつうならば両親を奪った火事なので逆の反応をするところでしょうが、彼女の場合は炎の中に優しかった両親の面影を見出しているのでしょう。彼女の求めていた光景はまさにこれでした。

「ここに本当のエロスがある」とひとみは思いました。エロスとは、男と女がお互いの魅力を感じ合い燃え上がる愛の営み。そこには必ずしもSEXは伴わない。いや、むしろ身体を触れ合わないSEXというものがあるのかもしれない。

 その瞬間、ひとみの身体の奥からじゅわっとしたものが吹き出ました。彼女の性器は激しく潮を噴き上げました。まるでエロスの炎を消火する放水ポンプのようです。しかし、エロスの炎は消えずにますます燃え上がります。というか、火と水が仲良く共存している不思議な空間がそこにあるのです。

 観客はひとみの潮を浴びて、メガネも顔も濡れ、ワイシャツがびしょ濡れ状態。しかし、お客の顔は最高に幸せという表情を浮かべていました。それはまさしく彼女の愛を浴び一体となっている恍惚感なのでした。

 燃え盛るエロスの炎と降り注ぐ愛の滴(したた)り、そこにはエロスの極致がありました。

 こうして、マッチ売りの少女は、エロス売りの踊り子として一世を風靡しました。

 

 その後、マッチ売りの少女が踊り子の先に何を求めるか興味があるでしょうね。ひとみの関心はマッチの火からろうそくの火に展開していきます。次なる話を期待して下さい。

 

                                    おしまい