前回：【特殊な指当て】ライオンズ源田モデルでのオーダーグラブの話へ戻る
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話は2018年1月に遡る
澤木の元に大学時代の先輩からLINEが届く。
澤木が大学１年のときの４年生の先輩(神様)からの連絡だ。
「ZETTでオーダーグラブを作りたいんだけど、全部澤木に任せるから」
・・・一瞬、自分の耳を疑った。
いや、LINEでの連絡なのでこの場合は自分の目を疑ったと書くべきだろう。
本来オーダーグラブとは自分の好みに合わせて自分で配色を決め、いろいろ悩みながら地球上で唯一無二のグラブを作成する。
この『どうしようか考えている時間』こそがオーダーグラブの醍醐味でもある。
それを任せられたのだ。
さすがに大学時代の先輩でも一言、申さずにはいられない。
『オーダーグラブは自分で考えた方が面白くないですか？』
するとすぐにオーダーグラブの条件が書かれたLINEが届く。
「基本モデルはZETT源田モデル、ウェブはジョイントチェッカー、その他の仕様や配色はすべて澤木さんにお任せします。」
・・・いや、この『その他の仕様や配色』こそ一番センスが問われるカテゴリーではないか。
しかも『シミュレーション内容は見せなくていい』という条件も追加された。
つまり納品するまでどんなグラブが出来上がるかお客様は知らないということになる。
大役を仰せつかったからには満足して頂けるオーダーグラブを作らないといけない。
そこからは毎晩、シミュレーションサイトと【にらめっこ】が続いた。
そしてそのグラブは完成した。
(※現在、この写真と同じ指当て構造は選択できません)
この完成したオーダーグラブを先輩に納品したところ大変喜んで頂いた。
以前にブログなどでこのオーダーグラブを紹介した途端、とても反響が良く、全く同じ配色で作成したいというお客様が数名いらっしゃった。
なんとかお客様に満足して頂けるオーダーグラブを作ることができた。
これで私の仕事は終わった。
それから半年が経った頃。
たしか8月下旬だったように思う。
そんな大学時代の先輩から再びLINEが届いた。
「アイピーセレクトの十河モデルでオーダーしたかいから宜しく！」
何か嫌な予感がするが一応LINEで聞いてみた。
『あのぅ～、配色は・・・』
すぐに返信があった。
「細かい仕様は任せるから」
・・・やっぱりだ。
先輩の言うことは絶対だ。
今回、提示された条件は２つ。
①十河モデル（Ip.1050-15）でオーダー
②テーマは『名手が使いそうなグラブ』
以上
…②の条件に関してはザックリしすぎだ。
幸いと言うべきか現在、アイピーセレクトではHQ(ハイクオリティ)オーダーは受け付けていない。
つまり十河モデルでは必然的に単色でのオーダーになる。
そのおかげで今回はすんなり決まった。
そして発注してから３ヶ月後、オーダーグラブは完成した。
Ip select
(アイピーセレクト)
十河モデル
型番:Ip.1050-15
カタログにも記載されているが十河モデルは２種類ある。
今回は2015年に最初に発売された15年モノの十河モデルとなっている。
本体カラー:オレンジ
レースカラー:タン
ハミダシ: 玉ハミ(ホワイト)
ヘリ革: ホワイト
『名手が使いそうなグラブ』
という条件を満たしているかどうかは分からないが、シンプルで格好良いグラブに仕上がっている。
先日、ご注文頂いた私の先輩に納品を終えた。
今回も大変喜んで頂いたので良かった。
この瞬間がとても好きな時間だ。
定番の十河モデルにはクロスウェブが付いているが、今回は敢えてHウェブを選択。
今回はアクアフィット加工も一緒にご注文頂いたのでオーダー用紙にそのように記入した。
アクアフィット加工を施したグラブという証が平裏部分に刻まれている。
T.Suzuki
この刻印が入るだけで格好良さが３割増しになる。
(調子が良いときは4割増しになることもある)
写真左が【15年モノ】
写真右が【18年モノ】
若干、【18年モノ】の方が大きい。
【15】か【18】か・・・
これはどちらが良いとかはなく、完全にプレイヤーの好みになる。
実際、オーダーグラブのご注文はどちらも多いので少し大きめが良ければ【18】を選択するのもアリだ。
Ip select（アイピーセレクト）【十河モデル2018年Ver.】
前述した通り
今回の十河モデルは【15】となっている。
ん！？
背景のGLOVE-BULLPEN（グラブブルペン）のレリーフに何かが乗っている・・・
何だ！？
もう少し寄ってみよう
何かが乗っている・・・
【デューク東郷】
依頼を受けた仕事を完遂するために最大限の努力をしているプロフェッショナル
なるほど・・・
これは【15】でも【18】でもなく
【13】だ。
今回の十河モデルを納品してから１週間が経った頃・・・
その先輩から再びLINEが来た。
「息子のコーチをするときに使うキャッチャーミットを作りたいんだけど・・・」
『え・・・・！？笑)』
「今回も任せたから！」
・・・まだまだこの話は続きそうだ。
(次回：配色はお任せ！？ZETT小林モデル（読売ジャイアンツ）のキャッチャーミットに続く)
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