妻がしばらく家を空けるときに高齢で食が細くなっているのに2食分を与え、腹痛を起こさせた。私のときにはかなり残し、元気がないと勘違いして、翌朝、ドリンク食を与えたところ、見事な水下痢。初めてである。復調までの2週間、パラディアを中止せざるを得なかった。そこから鼻血が悪化。そこら中に鼻血ボタボタ。止血用点鼻薬が効かない。すぐにレントゲン、腫瘍の拡大を確認した。パラディアの攻撃が弱まったと腫瘍が一挙に反撃に転じたのだ。妻には4年も育てて何をやってるんだとどやした。
大学付属病院での手術の時に電子線直接照射(マズル中央を走る骨を取り、プローブを内部に入れて鼻腔内面に)の放射線治療を受けている。そこまでしても再発。一般のγ線治療は間接的。効果がより高いはずがない。副作用や晩発もある。高齢で晩年を副作用で苦しませたくはないし、うまくいっても一時的で完治は程遠く、すぐにまた別の治療をするしかなくなるだろう。目が近く放射線による白内障悪化も避けたい。紹介元の病院も同意して頂き、別の治療を提案された。
丸山ワクチンと光化学療法の併用。
丸山ワクチン(正確な呼称はアンサー)はA, B2種を中1日空けて交互に1cc打つ。注射器の選択をして、実際に打ち方を教えていただいた。自宅でもう何度か打っている。痛みが比較的少ない首から背中にかけて適当な場所で皮を摘んで斜めに針全体を刺し込み、皮膚と筋肉の間に注入している。場所は毎回変える。慣れがいる。犬も慣れて抵抗しなくなった。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20190715/15/speedflex/8a/1b/j/o1920144014502977179.jpg?caw=800)
光化学療法は、5%糖質液を点滴しながら同時に光触媒剤を注入。触媒剤注入完了10秒後から近赤外線をマズル部に15分当てる。触媒剤が腫瘍に吸着し、近赤外線で熱反応を起こして腫瘍細胞を死滅させる。これを毎週末10週続ける。
元々この治療法は放射線治療や抗ガン剤治療が出来ないか有効性が見込めない患者向けのもの。金額的にはこちらの方が安いが、最初からというほどには確立していないようだ。2ヶ月後に希望が見えていて欲しい。
昨秋の術後、遠い神社まで行ってお参りもした。3ヶ月後には、手術前のような息苦しい症状が出てレントゲンを撮った。全く陰が無く安心して半年が経とうという直前に鼻血。鮮血だったので腫瘍ではないことを望んだが…
急遽、手術をして頂いた先生にメールし、CTを希望。他の予定があったようだが、直ぐに対応して頂いた。休みを取って検査の結果は前回より小さいが再発との判断。前の摘出部周縁からだという。
摘出した部位に浸潤していて、手術はもう有効ではなく、放射線治療が1番と言われた。手術の時点ではまだ抗ガン剤の有効な処方はなかったが、年末に有効な処方が得られたという論文が出たという。これでもう一つ手段は増えた。
放射線治療は30Gy(限界は50Gy)かけるという。この大学の放射線治療は最も有効であることは既に解ってはいるが、やはり晩発が怖い。それに老齢による白内障がかなり進んで来ており、放射線で促進させたくはない。
最初の予定通り、先ずはパラディアでと2週間分を処方、副作用を見るため血液検査を行い、続けるかどうかをレントゲンとで判断することにした。
パラディア処方で鼻血は直ぐに止まったままだ。副作用無くこのまま腫瘍が消えてくれるとありがたい。腫瘍がパラディアに耐性を持つまでの猶予は半年。何とかその間に腫瘍細胞を一掃したい。
手術可能な初期ステージに、あれだけ考え抜かれた手術をもってしても防げなかった。腫瘍というのは怖ろしい相手だ。
これを指摘しているところはないのではと思う。それはコントロールセンターの「夜間モード」(Night Shift)。英語環境で使っているので、正確な表示名は知らない。(使用機種はSE)
節電はいろいろと試して落ち着いている。
①節電モード未使用(メール通知が出ないため。バッテリー20%以下で自動でなるのは除く)ただし、メール通知間隔を15分
②重力センサーを切る(画像などの向きを変えたいときに効かす)
③画面の明るさは手動で暗め(Night Shift は内容が全く別)
④ロック画面とホーム画面の壁紙を暗めに
⑤モバイルデータを使うアプリ数をかなり限定(バックグラウンドジョブを防ぐ。アプリ間の連携も極力切る)
⑥アプリは使わないときは落とす(できるだけアプリはログアウト)
⑦時計を使い、時間参照には使わない(いちいち画面を光らせない)
⑧風呂と自宅で就寝中は機内モード(充電時間短縮には使っていない)
⑨音声認識を使わない(よほど運転時間が長くない限り不要)
⑩GPSを切る
⑪アプリを避けてSafari中心で広告ブロックアプリを併用
以上を基本としている。特に効いたと思えたのは③、⑤、⑧、⑨、⑩、⑪。画面とデータ処理だ。通信やアプリの制限はこれ以上の手段はないはず。それに加えたのが今回の画面の「夜間モード」。昼間でも画面はセピア色になる。ちょっとノスタルジックな雰囲気。壁紙によっては芸術的にできる。
LEDでもブラウン管でも同じだが、三原色の青を作るのには実はかなりのエネルギーが必要になる。なかなか実現しなかったのはこのエネルギーを出してくれる物質構成や安定して励起する仕組みを確立するのが大変だったわけである。エネルギー消費が激しい。およそ赤色の2倍のエネルギーを要する。「夜間モード」はその青色部分を減らして赤色へシフトさせる。夜間の眼に優しいものとするのが本来の目的だが(エネルギーの高さが眼を傷める)、節電もしてくれる。検証実験する気はないが、最初は1日も持たず、特に通話もほどほどで動画を見ないで頑張っても1日半だったのが、上記全体の合わせ技で2日半超えも珍しくなかった。「なかった」というのは詐欺OSのおかげでバッテリーへの充電能力率が抑えられてしまっているようだからだ。
iPhoneにしてから1年が過ぎた。ずっと、Battery Lifeのバッテリー消耗度の履歴は0か1%で経過していた。ところが、1年を過ぎた途端、8%と急降下して安定化(下の画像の右側が急激に落ち込んでいるのでわかる)。これが、噂のiOSが機種変更を促すための仕組みだろう。さもバッテリーが弱ったかのように騙している。依然としてiOS11に更新はしていない。最新にしたらどうなるかというところだ(Battery Lifeは最新。ブロッカーはアプリ内は無力でFacebookは広告)。それにしても露骨だ。バッテリーの寿命低下曲線はこのような突然の段差になって出てくることは水にでも落としたとか、機械的衝撃で傷めたとかいうことでもない限り起きない。まったくアップルは阿漕だ。
8%なら大したことないと思うかもしれない。しかし、メール通知が出ないと困るので、充電率20%が下限。一方、バッテリー寿命を持たせるため満充電もしていない。およそ90台前半。95として差引75%が通常の利用充電範囲になる(バッテリー充電率は下のグラフのバッテリー充電可能な有効量に対する比率のはずで、充電可能量92%×充電範囲75%=69%が私の通常のバッテリー実利用分)。1割近く突然使用禁止にされたことになる。事実、なぜか持ちが悪くなったと感じて調べたら、こういう事態だったわけである。なかなか実現できなかった2日以上のバッテリー持続が定常になったと思ったらこの様である。
※
画面関係は合わせ技で特に効くように感じたが(「夜間モード」追加してから意外に効果があがったよう)、実際のところどうかはわからない。調査する気はない。試すのは簡単で、やってみて実感できるかどうかそれだけのことなので。
フルに充電能力があり、完全充電からゼロまで使用すれば、3日は持つだろう。小型機種のSEとしてはそれが実質限界ではなかろうか。一度、節電モード+機内モード設定でどこまで持つかやってみれば限界がはっきりするのだが、仕事のやりとりがあるのでそうもいかないし、そんな暇もない。ガラケーが1週間ぐらい平気で持っていたことを考えるとスマホは使えない(GPSを使うとガラケーも格段に消費するが)。特に災害時や山に長く入るような場合は。
※※
こうしてバッテリーの無駄な消費を避けているのには基本的なサイクル数(何回充放電できるか)制約の中で、いかに長く使うか、できれば使い方でそのサイクル数自体も伸ばしたいという考えがある。ガラケーなら平気で10年レベルで使えたのに比べるとスマホは短い。もう一つは、充電プラグの問題。おおざっぱに充放電サイクルが1000回だとしよう。SEの下の孔に充電器のプラグを1000回挿して抜くことになる。摩擦回数は2000回。それほど堅牢なつくりには思えない。擦り減って接触不良で加熱されても困る。実は一番、嫌っているのがこれ。とにかく、ガラケーのラフな扱いへの強さに比べ不安がある。だから、こまめな充電ができずにいる。バッテリーとしてはいいかもしれないがプラグは傷んでいく。たぶん、バッテリーの交換よりもこっちの修理の方が断然お金も時間もかかるだろう。買い替えろと言われるに決まっている。それを避けるための妥協的なやり方が今の方法。
元々、あまり頭はよくなさそうではあったが、案の定、まんまとプーチンにやられた。
北方4島のうち2島返還の方向で進めるという。数からいえば半分だが、2島は小さく、話にならない。
プーチンは焦っている。さすがの長期政権で強権発動を続けていて、国内の不満が沸騰してきている。おそらく、側近的な企業関係者からも信頼が得られていないだろう。あまりの強権ぶりが知れ渡っていて、外資が入って来ないのだ。仇になっている。それは五輪スポーツで皆知っているはずだ。それで、成果を見せるために今回の話を公開の場でいきなり出してきた。異例のことである。それほど焦っていたということだ。それでも、都合のいいように「前提条件無しで平和条約締結」というのがあまりにトンデモすぎて跳ねられた。そこで、今度は2島返還をつけてきた。
2島に限定したのには、日米同盟で軍事基地については実質アメリカに主導権があり、日本は戦後70年を過ぎても植民地状態だからである(横田制空域は羽田と成田の合計ぐらいあり、日本は首都上にさえ空路設定が自由にできない。使用時間帯制限もできていない)。それで国後や択捉の軍事整備にプーチンは着手した。日本の経済協力の結果と思う(どうして政策的にジリ貧に持っていかなかったのか)。今回の2島なら、脅威とならないからである。後方支援することが容易ではなく、すぐに潰すことが可能だからだ。
2島返還にあっさりとその気を見せたボンボンのバカ首相。国税をばんばん使って飛び回って外交だけは目立つようにしていながら、こんなやりとりもこなせないとは。相手は経済で困っているのだ。内政的に苦しい状況なら、経済的に協力をするのは吝かではない、ただし、4島を返してくれればね。現在のロシア住人に直接的な不利益はかからないように配慮はするから、まずは返還してもらえないか。経済協力はそれ次第だとやるべきなのだ(実は南樺太も日本の領土である。日ソ不可侵条約を一方的に無視して侵攻してきた。さすがに今は土地で国境を保つのはあまりに大変である。だから、南樺太は大判振る舞いで譲ろう。北方領土はだめだ、が本筋)。仲がいいかどうか本当のところは知らないが、だとしたらそれが却って国益を損ねたことになる。プーチンのような冷徹な政治家にこちらから手土産を出す必要はない。
それに、北朝鮮の脅威を政府は取り上げるが、どうしてロシアが日本の領土に軍事基地を整備して、国民の安全として危険度がもっと高いのにそのことに触れないのか。曲がりなりにも核の超大国ロシアだ。千島の基地に核を持ち込まない保証なんかないし、クリミアのように北海道や東北に攻めてくることだって容易になった。基地というのはそのための拠点だ。何も対米軍だけに限る話ではない。北よりずっと危ないではないか。仲がいいからとそういう認識を持ってもいないとしたら、そもそも宰相として失格だ。加計や森友で安倍叩きをするより、こっちの方がもっと重要だろう。メディアや野党はなぜそこを突かないのか。
国内経済政策もダメで来年は増税。それも実行不可能なわけのわからない仕組みでごまかし。国家百年の計もない。天皇陛下とも反りが合わないこんな無能首相はもう御免である。
今回の件はさすがに頭に来た。すでに決めた経済協力(国税3000億拠出)で千島列島で好き勝手しているロシア人をさらに豊かにしようとしているうえに、その居住権まで認めようというのである。国土は一度譲ったら(今回のままいけば今後残り2島の交渉権さえ放棄が確実)、残る道は戦争でもぎ取る以外なくなる。自分から何故その道を選ぶのか。自分が何をしたのかわかっているのかバカ首相!ロシアがクリミアを奪ったようなことをやる気がないのならこんな交渉テーブルに乗るな!大体、ロシアのクリミア強制併合に対して直接関係しないウクライナになぜ国税1500億もの巨費を約束したのか。関係国の評価はお金を出してくれてありがとうなだけではないか(プーチンに対してはむしろ不信感を植え付け、北方領土問題を自ら難しくした)。ウクライナとの経済活動が一挙に高まった話もない。何をとち狂ったのか、アンポンタンの面子をよくするためだけにこんなお金を出しても意味はない。お金は忘れ去られるだけで感謝もされない。ODAで中国人が感謝してくれたことなどない。
※
北方領土なんか遠くの話で知らないというのがほとんどの日本人の感覚だろう。日本は実は国の面積としては世界6位の超大国で、海洋域が日本の重要な資源の大元なのである。石油やメタンハードレイトなどもあるが、何より人が生きていくうえで必要な良質の蛋白源を海から得ている。世界無形遺産の和食の根幹を支えているのである。土地しか見ていない人は料簡が狭い。千島のあたりはそのような資源が豊富である。世界の人口爆発は収まっていない。温暖化は加速していて食物生産を不安定にしている。水と食料の奪い合いはもっと激しさを増す。それに対処できるようにするためにも北方領土は重要な地域の一つなのだ。
※※
旧ソ連やロシアの政治的情報と言うと、佐藤優や鈴木宗男の名が浮かぶだろうが、彼らにはきちんとした情報は入っていないようだし、分析も不十分だった。二度のチェチェン紛争のときにわかっている。いや、分析できていてなおプーチンに阿ったのかもしれない(プーチンはチェチェン大統領側近にチェチェン人工作員を送り込み、慎重な大統領の目を盗んで携帯電話をすり替え、衛星で位置特定してミサイルで爆殺している)。どっちにしても2人は全く信用に値しない。
プーチンはノルウェー、中国、エストニアと領土問題を次々と解決している。北方領土についてもその意識があるからこうして話にあげている。その背景は、国境を明確にして軍事整備をしやすくし、不安定要素を減らして国境での対米軍事力の充実を進めることである。一方で経済的な発展を進めて、ドル基軸からルーブル基軸へのシフト。少なくともドル基軸を粉砕したい。それが根っからのアメリカ嫌いのプーチンの狙いである。軍事的・経済的にアメリカを引きずり下ろしたいのだ。そして、中国と仲良くしておけば、タッグで世界を牛耳ることが可能になり、覇権をロシアのものとできる。北極海を挟んでNATOだけでなく、中国と敵対していたのでは板挟みで身動きがとれない。今の非人道的国家の中国が経済を完全に牛耳っている。民主主義の西側陣営は日本含め屈した。昔と違って中露が蜜月関係にあるのはそういう意図からだ。
我が犬はもともと保護犬であることは書いてきた。飼うなら保護犬と前から決めていた。犬を多く助ける意味合いからは多頭飼いをすべきなのだが、我が家は避けている。
保護されたときの状態はよくなかった。
食事が悪かったのか、何本か歯が歯槽膿漏のようで抜歯をしているし、避妊手術までも保護団体が行っている。耳にも病気の痕がある。引き取るときに、かかった費用を出さなくてよいのか訊いたが、それには及ばないと固辞されたので、替わりに団体に寄付させて頂いた。「ハウス」といった最低限の躾はついていたが、基本的にはあまり身に付いていなかった。
保護団体の話では、持ち込まれた犬をも引き取っていたペットショップが倒産。その兆候を事前に捉えていて、倒産と同時に保護された犬たちの中の一頭が我が犬である。ショップの前は個人宅で飼われていたらしい。シニア犬をなぜペットショップが、とそのときは思った。
のちにボーダーコリーを多頭飼いしている知合いに我が犬を見てもらった。しばらく遊んだりして頂いたあとでの判断はこうだった。この子は狭い空間に押し込められて過ごしてきた時間が長く、誰からも大事には顧みられることもなかったように思える。虐待というよりは無視されてきた感じに近い。だから、家族で精いっぱい愛情をかけてやってほしい。もし、他の犬が同居したら、遠慮して寂しい一生で終わってしまうだろう、と。知合いは自分の犬を連れて来なかった。我が犬にストレスとなるかもしれないと配慮してのことだった。
我が家は動物との縁は全くと言っていいほどない。そのせいか、保護団体の話でも知合いの話でも、詳しく話をしても仕方がないといった雰囲気を感じた。今回の鼻腔内腫瘍への対応のきっかけを作って頂いたのも多頭飼いの人だった。そこで、ざっくばらんに手術後に訊いた。うちの犬への見立ては本当のところどうなのかと。その答えを裏付けるようなことが実は犬が我が家に来て間もない頃にすでにあった。
以前に書いた長距離散歩のときだった。片道9キロ超を一緒に歩き、帰路についてすぐ、山間のある小さな橋を渡っていた。前から軽トラが通り過ぎていった。と、その音が止り、そのままバックしてきて、視界の中に戻ってきた。橋のど真ん中に車を停めて、40ぐらいの男(1人しか乗っていなかった)が運転席からいきなり訊いてきた。「そのボーダーはオス?若いの?」 挨拶も何もなし。メスでもう8歳か9歳だと答えると、「ああ、残念だ。メスは一杯いるんだ。オスなら交配に貸りようと思ったんだけど。知合いにいませんか?」 いないと答えた。「いませんかぁ…わかりました。」とこれまた礼もなく、軽トラを走らせていった。3年前の初秋の頃の出来事。
知合いは答えた。
「初見のとき、ドッグ・ショー用の犬だと思った。見映えがする。メスとしては特別の特徴を有している。しかも、すでに高齢で、保護のときには避妊手術されておらず、歯も悪かった。これらのことは、ショー向けの犬を生み出してもらうための繁殖用の犬として生きてきた可能性が一番高い。今ではブリーダー管理はうるさくはなったが、厳しくなってまだ10年にもなっていない。どこかの怪しいブリーダーのところで、若いときから広くはない場所に隔離され、子作りを何度も繰り返させられた。そして、生めない年齢になると、いかがわしいショップに引き取ってもらったのだろう。母乳を何度も出すことになり、骨や歯が弱くなっている可能性がある。法律が厳しくなる前は、多くの怪しい個人ブリーダーがネットで子犬を販売していた。」(参考:https://ameblo.jp/mini-mums/entry-12222230101.html)
先の軽トラの男みたいのが一杯いたそうである。話は続く。
「ショーとかダンスとかアジリティとか、それぞれに適した個体がいる。その特徴をブリーダーは当然理解している。そして、よい個体をみつけると手元に集めて交配を続け、子犬を商品として売る。無理しているから元気に育たない子も出てくる。先の散歩のときに貴方の犬の特徴がいい商品になると思って男は声をかけてきたのだろう。秀でた特徴のある犬は幸せになれない。いい犬ほど幸せになれない。たぶん、ずっと小さいときから辛く過ごしてきたに違いない。自由なんか経験したこともないはず。だから、貴方のところに行き着いたことはあの子にとって残りの人生この上ない幸せなこと。家族で大事にしてやってほしい。」
全てがすべて悪いブリーダーということはない。今は厳しくなってきている。それでも、ペットショップであまりに多くの幼児期から売りに出ている犬や猫を見ると問題ではないかと思う。親と離され、社会性が養われず、結果、買われた先で手に負えなくなり、捨てられたり、虐待されたり、保健所送りになったり。
今の我が犬が亡くなったあと、はたして次の犬を飼うことができるかどうかは甚だ疑問だ。それほど家族から愛されている。喪失感は半端ではないだろう。二頭目は無理かもしれない。本当は困難に直面している犬を一頭でも救ってあげたい気持ちではあるのだが。。。
※
長いこと躊躇して飼っていなかったのに(飼うことはその命への重責を負う。生半可ではできない)、突如、飼うことに変わったのは母の死が大きなきっかけである。まだ、父親も生きていたので、躊躇してきたのを思い切って飼うことにした。そして、保護犬の里親募集を探して今の犬に。獣医さんも認める手がかからない我慢強い大人しい犬で初心者の我々は本当に助けられている。
※※
今の大量の保護犬が出ている状況はどうすればいいのか。先の参考では保護ボランティアを批判している。お門違いだろう。たしかに、悪質ブリーダーのサイクルの中に取り込まれている。では、ボランティアが活動をやめたら犬たちは助かるのか。結局は処分されるかどこかに捨てられるだろう。つまりは商売になっているから悪質ブリーダーが蔓延るのであって、保護ボランティアの行動で左右されなどしない。ペット売買を商業として禁止する以外に根絶など無理である。世のペットブームで大量商品化してしまっている限り、必ず売れ残りや不良品が出る。それが商売というものだ。全体流通量が多くなればなるほど、廃棄商品としての犬が増えるのは原理原則からしてどうしようもない。次善策として強い罰則と監視を行うぐらいが関の山。その場合、飼い主にも責任を持たせる必要がある。でなければ片手落ちだ。どっちが悪くて捨てられたのかわからないような制度は避けなければならない。しかし、それほど先のない独居老人が生きがいとして飼っていて、老人が亡くなることもあるし、病気で面倒を見れなくなることもある。あらゆる状況でなおかつ現実的ないい答えなど無いのかもしれない。
†
”いぬ”の語源ははっきりしていないようだ。縄文時代にすでに家畜化されており、相当古い呼称ではあるらしい。「要らぬ」が転じて「いぬ」になり、「犬死に」などとなったという説もあるが、大嘘だろう。縄文や古代の生活での犬は狩猟に欠かせない大事な存在だったし、他の動物からの襲撃から守る番犬として欠かせなかった。番犬を飼っている家は今もある。それだけではない、神社では狛犬が必ず入口の両側で控えている。起源はライオンのようだが、犬に転じたということは見下す意識はなかったといえる。干支にも使われている。むしろ、現代社会になるに従い、犬が使用物的になり、都合よく扱われる生き物となったという気がする。自分の幼児期を振り返っても犬の食事や生活は悪かったが、飼うことはいい加減な気持ちではやれないという社会認識は強かった。今のようにペットショップやネットで好きに選んで買って、それを気に入らなくなったと捨てるようなことは考えられなかった。昔は犬に触るのが怖かった。襲われかけたことがある。犬は番犬であり、牧場などの労働者だった。野性味あふれていた。しかし、今はほとんどが愛玩犬。自分の犬の飼い方も本当にこれでいいのかと自問するときがある。生い先の長くない犬の後見人の役目を自ら名乗り出たと認識はしているが。
史上一番愚かな米大統領のトランプは自分のiPhoneが中共に筒抜けになっていた。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181025-00000032-jij-n_ame
ということは貴方や私のiPhoneなんか簡単に情報を取れるということだ。いや、すでに雑多な情報収集の中に収められているのかもしれない。前にも書いたが、アプリの中にはバックグラウンドで何をしているかわからないものもある(新規アプリはモバイルデータ設定を外して試す。GPSは当然切っている)。Google Newsアプリでは大量のデータ転送問題が起きており、2日前のこの記事の段階でもまだ解決が着いていない。一体、何をそんなに通信しているのかユーザーどころかGoogle本体もまだ把握していないようである。
https://japan.cnet.com/article/35127473/
いい加減、iPhoneというかスマホの不便さ(便利な点もあるが自分は不便さが上回る)に頭にきているわけだが、そんな中、来月、auから昔に回帰した形で INFOBAR XV が発売される。買い替えようとすぐに考えたが、残念ながらスマホがあることが前提で、機能限定が多すぎで迷っている。ガラホでもない。
https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/news/1147252.html
INFOBARには以前にスマホ版があったが、速度が遅いなどで不評のようだった。それでも、この新製品は残念だ。それに、ここまでデザインにこだわるなら、新鮮味を出す意味と脳の加熱を防ぐ意味で是非アンテナを引き出し型にしてほしかった。初代みたいに。
ドコモも今日から新機種発売である。これは私が希望のガラケー一体タブレットに近い。子機の方をもう少しコンパクトにした方がいいように思うが、年配者向けなのだろう
http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/1810/23/news111.html
ドコモはカードケータイというのも出している。
https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/news/1147480.html
OSはどちらも独自だそうで、iPhoneのようなセキュリティの危険度は低いだろう。通信業界もやっと多様性が出てきた。
ちょっと違う話だが、多くの方はどうやって時間を確認しているのだろう。
PCに向かう仕事の人はPCの時間表示を見るだろう。そうでない人やPCを離れたときはどうするのか。例えば会議中など。スマホを表示し続ければバッテリーは減る。いちいちボタンを押して叩き起こすのだろうか。それを会議中に何回も他人に見られることに違和感はないのだろうか。人と何か談笑しているときなどはどうなのか。いつもスマホに手をかけているのだろうか。話してる相手よりスマホを大事にしているように映る。相手も同じでどっちもどっちなのか。自分は時計を使うように戻した。時計ならその不躾さがない。ちなみに Apple Watch を持ってる人に訊いたところ、一度振らないと表示しないので、その度に手を振らないといけないので面倒だと言っていた。しかも、毎日充電が必要な時計なのだという。光学発電機能がついていなかった。
個人使用で本当にスマホで便利になったことは一体どれぐらいのものなのかといつも疑問に思う。現状では、英語関係の辞典と自分なりのメモを作って連動して使える点が大きいがそれは今だけの話である。メールとカメラとときどきネットぐらいしか使っていない。必要最小限。ほかにやることはいくらもある。
スマホ依存で久里浜の専門病院に入る特に若年者が多いし、中には心肺機能低下で死んでしまった人もいる(生活上の危険であるから広い意味でセキュリティ問題の一つともいえる)。人生の多様性を言うのであれば、スマホを持たない生活を基準にした社会にしてもらいたいものだ。ネット世界は多様なんかではない。多様な世界を紹介しているだけで、ネットが多様化させたのではない。混ざり合っているだけで、むしろ寡占化を強いる。みな、一番のものを探して多くをそろえるアマゾンだけを巨大化させてしまっているのがいい例だ。日本も戦後、ラジオやTVの普及とともに地方も都会も差が無くなっていった。土地土地の文化が薄まっていった。標準語の普及がこれらのメディアで浸透していったことも大きかった。自由主義とうたっていても結局こういうことになっていく。中共のようにメディアだけでなくネットを事実上支配している国もあるし、ロシアのように国家的な影響をネットでのある意味破壊工作で引き起こす国もある。
前回、飼い犬の腫瘍について述べた。結果は放射線治療ではなく手術によって1回で終了。手術は3時間半に及んだ。術後2週間で抜糸し、次は半年後にレントゲンで再発していないかを診る(血液検査では現状でも判定不可)。1年後も検査して再発なければ腫瘍とおさらばだ。現在、長寿命化で犬の半分以上が癌で亡くなる。我が犬は特殊な事例になるが対処の内容は参考になるかもしれない。犬の鼻腔内腫瘍の手術例としては最新のものになると思う。人間の話も入れている。
まず、なぜ犬の異変に気付いたか。
久保俊治著『羆撃ち』を読んでいたからである。読んだ理由は全く別だが、狩猟を共に過ごした子犬から飼育していたアイヌ犬フチ(アイヌ語で「火の神」)が腫瘍で亡くなることで本書は終わる。問題になっていたのが止らない微かな鼻血だった。個人病院ではわからず、帯広畜産大に行ったときにはすでに手遅れの状態。鼻腔腫瘍で、知合いの小樽の獣医のところで最後の望みで手術を試みるが、しばらくして再発してしまう。当時は放射線治療は確立していなかったようだ。
我が犬の鼻から血が滲んでいるのを見つけたとき、これをすぐに思い出し、病院へ駆け込んだ。かかりつけの近くの病院はレントゲンはできるが手術とかCT検査はない。ネットで腫瘍では放射線治療が圧倒的とわかると(多くが末期で手術できないため)、レントゲンで腫瘍を見つけても、大きな病院でしか治療はできないから、大病院と繋がりがありそうなところを探すことにした。『羆撃ち』でも書かれているように、個人病院でははっきりしないこともあるので、知合いから数人で治療にあたっている病院を紹介してもらい、そこから繋いでいけるだろうと迷った末にかかりつけ医を外した。
1時間半車を走らせて行って、レントゲンを撮ると中央の骨は綺麗に残っている(末期では腫瘍に溶かされて消失)が左の鼻腔全体が薄く白くなっていた(何も無ければ真っ黒)。ショックだった。先生は一般に鼻炎の可能性が高いからと抗生物質と消炎剤投与を提案され、2週間様子見となった。
症状はすぐ改善。血は出なくなったし、鼾もほぼ消えた。これで済んでくれればと思ったがそうはいかなかった。薬が切れた途端、また鼻息がフガフガと音を立てるようになった。鼻で息をすることが難しくなり始めていて、鼾も酷くなった。腫瘍で詰まってきたのだ。再度のレントゲンでは影はよりはっきりとなってきた。CT検査からすぐ放射線治療に移れる大学病院に行くしかないと告げられた。抗がん剤の処置はできるが、効きが悪く副作用も大きいから最初の処置向きではないと言われた。後日、自分のスケジュールを見て、ある大学病院への紹介をお願いした。
病院選択はこう。
よい放射線治療ができそうなところをいくつか教えてもらった後、それらのサイトの治療内容と評判を探した。案の定、口コミは科学的にも信用上も当てにならず。ブログも少し見たが自分の希望と違う。治療内容を詳細に開示している大学病院は限られていた。そこから、放射線治療ではこの2つに尽きるというところまで行った。特にその1つは詳細な治療内容の記述と効果分析の記載があった。何とか通院可能な範囲であったことも理由ではあるが、最悪入院形式で渡すこともできる。決め手は治療内容。複合放射線治療で劇的に再発を抑制できる可能性があった。そこまで示しているのは他になかった。予約を取ってもらうと2週間超も後になった。鼾がますます酷くなり、毎日気が気でなかった。寝床をクレートの近くに移し、夜中に苦しむ犬の体を摩る日々が続いた。
大学病院での初日。CT検査(レントゲンは人間が押えて撮影、CTは麻酔)と鼻の孔から細胞採取。麻酔をかけたので引取りまで2時間半かかった。固くなった鼻糞でしたという笑い話なら歓迎だと願った。結果はステージⅠの鼻腔腫瘍。手術可能で1回で済むと言われた。しかし、推定年齢12歳の我が保護犬、難しいのではと訊くと、12歳なら全然、鼻腔部だけで、それに見ていて元気ですしと。全身麻酔に耐えられれば体力十分で、14歳や15歳あたりになると厳しいけれど、おたくの犬は大丈夫と言われ、一週間後と決まったというか決められた。早期発見が増えてはいるが、つい最近まで手術できるのは年に1例程度しかなかったという。それほど末期が圧倒的なのだそうだ。望みがつながった。そのときに、先生自らの最近の英論文を渡された。たぶん、サイトの治療内容でここにしたと言ったからだろう。手術日までの間、ノーベル賞で話題になったオプジーボと機能的に似た分子標的療法薬(パラディア錠)投与となった。細胞への直接攻撃はせず、腫瘍細胞特有の栄養補給機能分子に作用して弱める薬だ。なお、鼻腔内腫瘍については抗がん剤治療は確立していない。一般的に効くか効かないかはっきりとした相関が得られていないのだという。
自宅に戻ってからは論文を読み込んだ。専門医療用語だらけの上、一体どの部位のことを言っているのかわからないことしばしば。熟読したところ主要点は2つ。1つは手術ができるかが大きな分かれ目。もう1つは手術と放射線治療のどちらでも大学独自の処方が入っている。
放射線治療の場合、特殊な増感剤を同時に投与して腫瘍増殖を驚くほど抑えることが可能となっている。これが自分が選択した理由であった。我が犬は外科手術の方なので論文(2015年年末公開)はそれに関したもので、4つから構成される。切開後の腫瘍の切除、光学活性剤+可視光照射、電子ビーム照射、縫合後の放射線外部照射である(現在この照射はやめている)。つまり、治療は腫瘍本体から内面粘膜、そして内部組織へと徐々に内部深くを攻め、腫瘍細胞の根絶を段階的に図っていることがわかった。論文ではそれらの効果や再発についての考察も書かれていた。これ以上は原理的に望みようもないだろうと納得し、改めて大学選択が正しかったと思えた。
加えて、職場で自身の癌で放射線治療を経験した人物がいたので訊いてみた。基本的に火傷を起こしているようなもので、体内の粘膜がただれたり、摂食できず胃瘻一歩手前まで行って、辛くて大変だったという話だった。人間の場合、局所で66Gy(グレイという照射全量の単位)が限界で、それをできるだけ短期間に浴びせる。日にちを空けると腫瘍はすぐに復活し、効果を失わせるので、患者の体調を無視してでも浴びせ続けるのだという(犬の場合は論文で50Gyだった)。一度浴びせた所は再発してももう放射線は当てられない。正常細胞が癌化してしまうからである。そうでなくても2%の確率でそれが起きるため、訴えないよう治療前に必ず同意書にサインが求められるという。副作用は短期の火傷に限らず、長期的には浴びたことで体細胞の様子が変わり、何年もあとになって体の様子が変わっていくという(晩発と言われる)。場所によってはその後の生活にも制約が生じたりする。軽い運動でも禁止されることもある。
傷口は残っても手術だけで防げるなら、そっちの方が断然いいと本人の口から聴いた。詰まる所、人間と犬や猫に大差は無い。4つめの放射線外部照射はやめたいと思い、当日要望しようと決めた。こういうのは事前に電話やメールで済ますという類のものではない。直に面と向かって真剣に話すべきものだ。家族の一員の命がかかっているし、相手もそれなりの自負と覚悟を持って動物の治療に当たっているのだから。
いよいよ手術の日。起きてから犬はいつもと様子が違っていた。今日は特別の日だと察知でもしているかのようだった。ご飯をねだることも、散歩の催促もなかった。
長時間、車に揺られたあと、診療室に入る。先生の後ろには4人の医学生がいた。同席には同意書にサインを前回の段階で済ませている。今回の方が多い。前回の細胞検査の説明で、体細胞ではなく神経細胞の癌化という初めての例だと言われた。多くの症例を持つその大学病院でも前例がないという。ほかのところからの情報を得て、通常の処置で大丈夫と判断したとのことだった。また、出血が激しくなるので、両側の頸動脈を一時的に拘束。輸血の必要がないという(『羆撃ち』では他の大型犬を連れてきて貰っていた。犬の血は保存不可と聞く)。その上で、論文を元に内容を確認した。手術の場合の4つめの放射線治療をやめたいと伝えると、効果が見られないとしてすでにやめており、3つの処置だけで費用も下がるという。すでに論文の段階から進んでいた。その他、細かなことや術後のことなどいくつか伺い、納得して犬を引き渡した。合併症が怖いので二日後に引取りに行くこととなった。最初の受診票にはフードの銘柄を書く欄があった。お泊りに際しては飼い主からのものは一切受け付けていない。感染症防止のためだろうと思う。食事はどうなっていたかまでは訊いていない。
自宅に戻ったあと、16時前に携帯に電話があり、他の手術が伸びて遅れたが今から手術にかかると連絡があった。そして、20時前に手術が終わったとの連絡。術後は先生自ら朝と午後の散歩と食事を行い、様子をメールでわざわざご連絡頂いた。こういうのは昔ならあり得なかった。引取り時に、手術のときにはパラディア錠で腫瘍が縮小していた(手術前もたしかに鼾がとても静かに)と言われた。今後はこれまでどおりの生活をして問題ないこと。再発検査は半年後にレントゲンを撮ることなど、いくつかの確認をして、用意された薬を受け取った。薬には抗がん剤は入っていない。効いているのが治療か薬かわからないからである。投与した方がいいだろうが、後々治療法の改善のために、効果があるのかどうかをはっきりさせて処方選択をできるようにするのだろう。効くのであれば、再発から投与でも間に合うことは今回の手術ではっきりしている。
顔の中央に思いっきり切り傷が走り、縫合の糸が剥き出し。痛々しい。手術では左鼻腔内に広がっていた腫瘍と浸潤していた鼻腔内中央の骨はほぼ取られている。左前脚にも毛が剃られた部分があり、麻酔注射のためのものだった。家に戻ってからはクシャミの度にあちこちに薄い血が飛ぶ。それだけではなく、額のあたりが息の度に膨らむ。腫瘍除去で開けた目頭の下あたりの頭蓋骨の孔(ここが腫瘍発源の場所)から空気が皮膚下に入り込む。皮下気腫と呼ばれる。それが全身に回るのを防ぐのと、輸血回避で頸動脈を止めた2箇所の傷口保護のためにムチウチ症のように首に分厚い包帯のようなものが巻かれていた(骨と皮の癒着が進んで皮下気腫はいずれ消える)。当然のごとくに傷口を掻くようになり、急遽、エリザベスカラーをペットショップで購入。そのままでは広がり過ぎてクレートに引っかかって困るなどしたので、挟みでコンパクトに加工した。食事、散歩はいつもどおりだが、草むらには入れないように注意した。鼻は炎症しているわけだし、傷口にいろいろ触れるのもよくない。
皮下気腫が酷くなり、ボーダーコリーがチャウチャウのようになっていった(触るとぽこぽことBGM付きで頭が変形)。ただ、首の包帯が効いて、胴体には見受けられない。何もしないと柴犬が全身もこもことハムスターのようになることもあるという。傷口の動きも皮下気腫もだいぶ収まってきた2週間後、最後の訪問。抜糸をして(縫合は大まかに内外の2層で、表出の部分を除去。内部のはそのまま溶けていくのを待つ)、ようやく普通の生活に戻った。念のために抗生物質をもらい、我が犬の腫瘍騒動は一旦幕引きとなった。慢性鼻炎のようなものは相変わらずあるが、これは手術した以上は少なからず残ると事前に言われていた(同じ鼻腔で再発だと気付きにくいかもしれない)。手術時に剃ったところも毛が生えてきて、あとひと月ほどで普通になるだろう。それ以外は腫瘍からの回復のためのエネルギー補給で食事量を少し多目にしている(蛋白質と脂肪を増やし、炭水化物を減らした。腫瘍の繁殖を抑える構成)。やっと平穏が訪れた。この一連の過程を経たせいか、犬はより家族の一員のように振る舞うようになった。
ちなみに今回の2つの病院を梯子した全部の医療費は総額で50万弱。ガソリン代や高速代を考えると60万は越えているはずだ。保護段階で高齢だったこともあり、保険には入っていない。実際にはいろいろ制約があって1万円しか出なかったという話もあるし、ほぼ全額出た人もいるようだ。
放射線治療は一か月ほど続く。肉体的にも費用的にも大変だ。それに比べれば発見から2カ月、長いようで比較的短期間で勝負をつけたといえる。あとは再発が起こらないことを祈るのみ。(手術や放射線治療はまた可能だそうだが…)
さて、大学病院名をあげてないが、特にサッとブログを眺めて情報だけがほしいような人に限って何だと怒ることだろう。書いてきたように、今回のことでいくつもの局面を迎え、その度に重要でリスクを孕んだ決断を強いられてきた。かかりつけを無視し、治療法でどう大学を選ぶか、医者と話をして治療内容に納得できるか、術後の対応などなど。
今は自分はやるだけのことはやった、悔いはないと言える。実際にはここに書き切れない多くの葛藤が家族内で起きている。苦しみながら道を選んできた。それは飼い主の責務だし、納得してそれが完遂できるかは飼い主の努力にかかっている。家族の一員の命が決まる。それを他人の情報に委ねるなど考えもしない。たしかにブログで詳細に書かれているものもある。しかし、我が犬は手術になった。少例であり特殊な腫瘍だった。治療は他の腫瘍と同じだったかもしれないが、直接参考になるものはなかった。だから、中身についてはいろいろ書いたが大学については書いていない。内飼いで犬の寿命が大幅に延びて癌が死因の半分を超え、人間の治療と同等のものも受けられる現代、病院や治療の選択は飼い主が自力でやれる条件(送迎や金銭など)のもと、自分で調べて判断し納得するしかないのである。事実、最初の病院と大学病院と同窓でとても良い連携が取れていたけれども(メール内容を見せて頂けた)、全て細かく把握しているわけではないし、患者もとても多いから、今後について結局、自分で最初の病院にレントゲンを集めることにし(術後の1回含め、3回撮影)、受ける時期や見つけたときは有効だったパラディア錠で叩くとこちらの意志を伝えている。大学病院まで行かずに初期に押え込んで手術を回避する狙いだ。その頃、もう我が犬には移動と手術に耐える体力が残っていないと思うからである。
東京から京都へ新幹線通院した、札幌から藤沢の日大に北斗星で通った、逆に東京から北大にといった人の話もずいぶん知合いから聞いた。しかし、実際やってみると、ボーダーコリーでは肉体的精神的負担になり現実にはできない。少なくとも我が犬では無理だ。手術と移動のストレスか、術後の体力消耗(回復のために食事量は増やし気味がよい)か体調を一度崩してもいる。それでも、通院可能で一番納得できる病院で治療を受けることができた。あと2年も生きるかどうかだが、苦しむ姿を見続けながら死を迎えることに耐えられないと家族。妻が保護犬の我が老いた犬と顔を合わせて「おまえはいっぱい運を持ってるね。」と言ったのが全てを表している気がする。
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よく芸能人などで民間療法で、現代治療を拒否したような話を聞く。事実としたら愚かだ。手術による除去が何より効果的だし(とにかく原因の大元の腫瘍部を断つ)、放射線治療や抗がん剤などはあくまで補助的なものではあるが、それでも苦労した研究の結果考えられている。何も治療法がなかった時代は民間療法に頼るしかなかったが、癌というものが理解されてきた現代ではそれに見合った治療法を受けるべきだ。それは犬も人も変わらない。何より、今回の我が犬のように一にも二にも早期発見である。
(こんなのは飼い主失格http://www.mone-pet.com/blog/dogs/2015/06/)
一方で、犬よりも飼い主側が危機的状況になってしまっている場合の悲劇もある。犬および飼い主に幸あらんことを。
https://ameblo.jp/sora-chiisana-inochi/entry-12402924672.html
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病院に来られていた別のご年配の夫婦がゴールデンレトリバーを連れていた。担当医が同じだったので互いにお話しした。9歳でずいぶん元気な犬だったが、うちと同じく鼻血に気付いて最初の手術をしている。1年後にまた鼻血で再発。2度目の手術では鼻腔中央の骨を取って戻すという豪快な手術をしたという。それから3ヶ月でまた鼻血で今回再々来院。外観からは傷もわからず、とてもそんな風には見えなかったが、担当医からは手術も3度目はないと言われ(鼻腔だけの話ではもうないと判断したと思われる)、放射線治療を奨められたものの、副作用が後できつくなるので、抗がん剤を希望したという。人間に処方するようなものを使うので費用がとても高くなりそうだとのことだった。比較的近くの住人らしかったが犬の余命はまだまだあるから大変である。
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高速を使っても往復移動だけで半日以上が軽く潰れる通院だった(平日では休みを取った)。少しでも費用を抑えようとタイヤの空気圧を上げて燃費向上を図ったが、おそらくその効果は概算3千円か4千円程度。それよりはいかに渋滞をさけて運転時間を短くするかの方が有効。難しい手術や治療ができるところは全国をみても恐ろしく少ない。東大ですら学界は別にしても臨床として頭角を現せないでいる。医療費もさることながら、通院がネックになる可能性があることをペットを飼われている方は頭の隅においておく必要がある。加計学園はそういう中で空白域に中核となるように新設計画されたものである。理念としては間違っていない。残念ながら単に野党の道具と化してしまっているが。
休日の夕方、犬と散歩していると三世代に渡る家族が 我々の散歩と同じ方向で歩いていた。3歳ぐらいの女の子と5歳ぐらいの男の子がいて、2人とも、あ、わんわんだ、と直ぐに反応。
女の子が、わんわんに触りたい、と言うと、おじいちゃんが、危ないからダメだよ、と諭す。女の子は更にお母さんのところに行って、わんわんに触りたい、と言うが、お母さんは、また今度ね、とやはり認めない。
ほどなく、家族は家に着き、中に順に入って行った。我々が家の前を通り過ぎてしばらくして、後ろから女の子の声がまた聞こえてきた。わんわんどこに行くの?とお母さんに訊いていた。お家に帰るのよ、とお母さん。
女の子が1年後あたり大きくなった頃、自由に触らせてもらえるだろうか。我が犬はそのとき生きているだろうか。
実は我が犬は鼻腔に腫瘍の疑いが濃厚である。きっかけは滲むような鼻血。最初はどこから血が出ているのかわからなかった。いつも出ていたわけでもなかったが、あるとき、左の鼻水に血が混じっているのに気が付き、まさか腫瘍になるとはと絶望感に襲われた(鼻血は鼻炎の可能性が高いが、高齢犬での癌死亡率が高い最近は腫瘍を疑って病院直行がよい)。近くでは手術などできるところもない。すぐに同じくボーダーコリーを飼っている人に遠くの良い動物病院を教えてもらい、結局、遥かに遠い放射線治療の出来る大学附属動物病院を紹介されることになった。
東日本では北から、北大、酪農学園大、帯広畜産大、岩手大、日本獣医生命科学大、麻布大、日大のたった7つしか良い治療が出来ないそうである。東京農工大や東大は設備がいま一つとのこと。放射線治療では日本獣医生命科学大が強いということだった。日本一の最新鋭の設備で成果を出してきているのが北大(症例数も大変多い)。
治療用の放射性物質の管理が大変なせいか、個人病院では三重県まで無いという。東京や神奈川にも全く無いというのにはとても驚いた。我々は関東の大学病院の一つを紹介してもらうことにした。
鼻腔腫瘍は外科手術は出来ないことが多い。肺胞のように複雑だからだ。脳が近いので浸潤してしまってることも多く、気が付いたら手の施しようがないという例がかなりを占める(北大の最新鋭機でも成績はなかなか振るわない。https://www.vetmed.hokudai.ac.jp/VMTH/department/radiotherapy/info2.htm)。抗ガン剤は効きが弱い。あとは免疫療法があるが、もともと腫瘍になるのは老齢の犬が多く、必ずしも適用可能とは限らない。
放射線治療は進行具合で照射回数が異なる。麻酔をかけてから照射に入るため、麻酔に耐えられる体力が前提。根治か緩和かでも違うが、1ヶ月以内で終わらせる必要があるらしい。費用もそれで異なるが、検査に始まり50万はかかるようだ。症状が重いと100万越えも。
我が犬は保護犬で、あまり人間からよい待遇を受けて来なかったと推察されるが、大人しく愛嬌があるので本当に人気がある。ボーダーコリーという野性味は微塵も感じられない。ぬいぐるみに近い。家族や周囲に多くの笑みをもたらしている。平均寿命としては推定であと1、2年との見込みだが、長生きしてほしい。
たぶん、こんなに大人しく手のかからない犬はまずいない。どこの動物病院でもそう言われる。次は我々の手では余ってもう飼えないだろう。我が犬を保護してくれた団体関係者や、犬の飼い方を説いて頂いた方々にはいつも感謝している。