元々、あまり頭はよくなさそうではあったが、案の定、まんまとプーチンにやられた。
北方4島のうち2島返還の方向で進めるという。数からいえば半分だが、2島は小さく、話にならない。
プーチンは焦っている。さすがの長期政権で強権発動を続けていて、国内の不満が沸騰してきている。おそらく、側近的な企業関係者からも信頼が得られていないだろう。あまりの強権ぶりが知れ渡っていて、外資が入って来ないのだ。仇になっている。それは五輪スポーツで皆知っているはずだ。それで、成果を見せるために今回の話を公開の場でいきなり出してきた。異例のことである。それほど焦っていたということだ。それでも、都合のいいように「前提条件無しで平和条約締結」というのがあまりにトンデモすぎて跳ねられた。そこで、今度は2島返還をつけてきた。
2島に限定したのには、日米同盟で軍事基地については実質アメリカに主導権があり、日本は戦後70年を過ぎても植民地状態だからである(横田制空域は羽田と成田の合計ぐらいあり、日本は首都上にさえ空路設定が自由にできない。使用時間帯制限もできていない)。それで国後や択捉の軍事整備にプーチンは着手した。日本の経済協力の結果と思う(どうして政策的にジリ貧に持っていかなかったのか)。今回の2島なら、脅威とならないからである。後方支援することが容易ではなく、すぐに潰すことが可能だからだ。
2島返還にあっさりとその気を見せたボンボンのバカ首相。国税をばんばん使って飛び回って外交だけは目立つようにしていながら、こんなやりとりもこなせないとは。相手は経済で困っているのだ。内政的に苦しい状況なら、経済的に協力をするのは吝かではない、ただし、4島を返してくれればね。現在のロシア住人に直接的な不利益はかからないように配慮はするから、まずは返還してもらえないか。経済協力はそれ次第だとやるべきなのだ(実は南樺太も日本の領土である。日ソ不可侵条約を一方的に無視して侵攻してきた。さすがに今は土地で国境を保つのはあまりに大変である。だから、南樺太は大判振る舞いで譲ろう。北方領土はだめだ、が本筋)。仲がいいかどうか本当のところは知らないが、だとしたらそれが却って国益を損ねたことになる。プーチンのような冷徹な政治家にこちらから手土産を出す必要はない。
それに、北朝鮮の脅威を政府は取り上げるが、どうしてロシアが日本の領土に軍事基地を整備して、国民の安全として危険度がもっと高いのにそのことに触れないのか。曲がりなりにも核の超大国ロシアだ。千島の基地に核を持ち込まない保証なんかないし、クリミアのように北海道や東北に攻めてくることだって容易になった。基地というのはそのための拠点だ。何も対米軍だけに限る話ではない。北よりずっと危ないではないか。仲がいいからとそういう認識を持ってもいないとしたら、そもそも宰相として失格だ。加計や森友で安倍叩きをするより、こっちの方がもっと重要だろう。メディアや野党はなぜそこを突かないのか。
国内経済政策もダメで来年は増税。それも実行不可能なわけのわからない仕組みでごまかし。国家百年の計もない。天皇陛下とも反りが合わないこんな無能首相はもう御免である。
今回の件はさすがに頭に来た。すでに決めた経済協力(国税3000億拠出)で千島列島で好き勝手しているロシア人をさらに豊かにしようとしているうえに、その居住権まで認めようというのである。国土は一度譲ったら(今回のままいけば今後残り2島の交渉権さえ放棄が確実)、残る道は戦争でもぎ取る以外なくなる。自分から何故その道を選ぶのか。自分が何をしたのかわかっているのかバカ首相!ロシアがクリミアを奪ったようなことをやる気がないのならこんな交渉テーブルに乗るな!大体、ロシアのクリミア強制併合に対して直接関係しないウクライナになぜ国税1500億もの巨費を約束したのか。関係国の評価はお金を出してくれてありがとうなだけではないか(プーチンに対してはむしろ不信感を植え付け、北方領土問題を自ら難しくした)。ウクライナとの経済活動が一挙に高まった話もない。何をとち狂ったのか、アンポンタンの面子をよくするためだけにこんなお金を出しても意味はない。お金は忘れ去られるだけで感謝もされない。ODAで中国人が感謝してくれたことなどない。
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北方領土なんか遠くの話で知らないというのがほとんどの日本人の感覚だろう。日本は実は国の面積としては世界6位の超大国で、海洋域が日本の重要な資源の大元なのである。石油やメタンハードレイトなどもあるが、何より人が生きていくうえで必要な良質の蛋白源を海から得ている。世界無形遺産の和食の根幹を支えているのである。土地しか見ていない人は料簡が狭い。千島のあたりはそのような資源が豊富である。世界の人口爆発は収まっていない。温暖化は加速していて食物生産を不安定にしている。水と食料の奪い合いはもっと激しさを増す。それに対処できるようにするためにも北方領土は重要な地域の一つなのだ。
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旧ソ連やロシアの政治的情報と言うと、佐藤優や鈴木宗男の名が浮かぶだろうが、彼らにはきちんとした情報は入っていないようだし、分析も不十分だった。二度のチェチェン紛争のときにわかっている。いや、分析できていてなおプーチンに阿ったのかもしれない(プーチンはチェチェン大統領側近にチェチェン人工作員を送り込み、慎重な大統領の目を盗んで携帯電話をすり替え、衛星で位置特定してミサイルで爆殺している)。どっちにしても2人は全く信用に値しない。
プーチンはノルウェー、中国、エストニアと領土問題を次々と解決している。北方領土についてもその意識があるからこうして話にあげている。その背景は、国境を明確にして軍事整備をしやすくし、不安定要素を減らして国境での対米軍事力の充実を進めることである。一方で経済的な発展を進めて、ドル基軸からルーブル基軸へのシフト。少なくともドル基軸を粉砕したい。それが根っからのアメリカ嫌いのプーチンの狙いである。軍事的・経済的にアメリカを引きずり下ろしたいのだ。そして、中国と仲良くしておけば、タッグで世界を牛耳ることが可能になり、覇権をロシアのものとできる。北極海を挟んでNATOだけでなく、中国と敵対していたのでは板挟みで身動きがとれない。今の非人道的国家の中国が経済を完全に牛耳っている。民主主義の西側陣営は日本含め屈した。昔と違って中露が蜜月関係にあるのはそういう意図からだ。