司法試験 起死回生への道   -19ページ目

司法試験 起死回生への道  

屈辱の論文総合A落ちからどこまではい上がれるかを自己観察し続けるブログです



※ リンクは基本的にオッケイ。但し、アフェリエイトあるいは

それが主たる目的と推知されるような方の読者登録はお断りしま

す。他人の金儲けに協力する気はさらさらないんで。  

台風接近のため、天候が回復するまで
トレーニングは一旦中断、休養期間に。

前に予告していたとおり、以前の再現を
順に晒します。

評価はサイドバーのとこに書いてあるとおり
なんで(憲民商 刑民訴刑訴)そちらを参照
のこと。


一 小問1について

 1 再婚を希望する女性について再婚禁止期間規定(民法
  733条1項)を理由として婚姻届の受理を拒否するこ
  とは「性別」による差別として法の下の平等に反し違憲
  ではないか

 2(一) まず「法の下」とは法の執行機関たる行政権や
     裁判所だけでなく立法権も含むと考える。なぜな
     ら、内容が不平等な方をいくら公平に適用しても
     平等は達成し得ないからである。そして、「平等」
     とは、本条が個人の尊厳(13条)をうけて規定
     れている事から、絶対的平等ではなく合理的区別
     を許す相対的平等をいうと考える。そして、後段
     列挙事由は、歴史上特に不合理と認識されたもの
     を例示列挙したにすぎず、これ以外に基づく差別
     も禁止されていると考える。

   (二) では不合理な差別か否かをどのようにして判
      断すべきか、違憲審査基準が問題となる。
      思うに、前述のように後段列挙事由は歴史上特
      に差別することが不合理と認識されたものであ
      ることから、これに基づく差別が合憲とされる
      ためには目的がやむにやまれぬ目的に出たもの
      であり、目的達成のために必要最小限度である
      という厳格な審査基準で判断すべきと考える。
      これを女性にのみ再婚禁止規定を置く733条
      1項に当てはめる。

   (三) まず立法目的は、女性のみが妊娠・出産する
      という肉体的特質を有することから、直ちに再
      婚すれことを認めれば父性の推定が重なってし
      まうことにより子がどの男性に対して相続権を
      有するのか、あるいは扶養義務を負うのかが混
      乱することになるのであり、かかる事態を防止
      するためにもかかる方法はやむにやまれぬ目的
      に出たものといえる。そして、しかし、推定が
      重なるのは民法772条1項によればわずか一
      〇〇日にすぎず六ヶ月にも長期にわたって婚姻
      を禁止することは目的との関係で必要最小限度
      の手段とはとうていいえない。したがって七三
      三条一項は「性別」に基づく不合理な差別であ
      って違憲である
  
   (四) 以上より、七三三条一項は違憲であることか
      らこれに基づいて婚姻届の受理を拒否した処分
      も違憲である。

二 小問2について

 1 女子のみに入学を認める公立高校の受験を希望する者
  について、男性であることを理由に願書の受理を拒否す
  ることは一四条一項に反しないか

 2 (一) この点、本小問も男性であることを理由に受
      理を拒否されたのであることから「性別」によ
      る差別として厳格な審査基準によって判断すべ
      きとも思われる。
       しかし、女子高校は男性よりも早く肉体的・
      精神的に成熟し、より実質的な教育を施す目的
      で設置されているのであるから、かかる場合に
      まで厳格な審査基準を用いることは妥当でない
      。そこで、かかる実質的平等を達成する場合に
      は違憲審査基準をやや緩和して、目的が重要で
      あり、目的と手段との間に実質的関連性があれ
      ば足りるという厳格な合理制の基準によるべき
      と考える。
   
   (二) 女子校の設置目的は、少年よりも先に成熟する
      少女に対してふさわしい教育を施す目的に出たも
      のであり、目的は重要といえる。また、かかる目                  的を達成するために男子の入学を認めないという
      手段の間には実質的関連性もある

 3 以上より、女子のみに入学を認める公立高等学校の受験
  を希望する者に対し男性であることを理由として願書の受
  受理を拒否することは一四条一項に反せず合憲である。 



一 本問法律は、党首が党員の選挙により選出されている
 ことを条件に政党助成金の交付 を認めるものである。
 そこで、かかる法律は政党内部自治を侵害するものであ
 って結社 の自由(21条1項)を侵害し違憲ではないか

二1 政党とは政治的意思・思想を同じくする人々により政
  権の獲得を目的として結成された団体ほいう。そしてか
  かる団体を結成する自由は21条1項の「結社」の自由
  として保障されていると考える。もっとも、かかる自由
  も絶対無制約ではなく人権相互の矛盾・衝突の調整原理
  たる公共の福祉(12条・13条)による制約を受ける

  では、本問のような法律により党内民主制を間接的に強
  制することは政党の内部自治 を侵害し、違憲ではないか

 2 確かに、比例代表制選挙に代表されるように個人ではな
  く政党本意の選挙制度も採用されていること、そして憲法
  が独裁の危険を回避すべく直接民主制的規定を限定し代表
  民主制(前文・43条1項)を原則としていることに鑑み
  れば、政権獲得をねらう団体たる政党については団体の民
  主制を義務づけることも許されると思われる。

   しかし、政党もあくまで任意団体であり、その内部自治
  は様々なものがあってしかるべきであると考える。そこで、
  党内民主制を直接強制する法律は「結社」の自由を侵害す
  るものであって違憲になると考える。

 3 本問の法律は、党首を党員の選挙によって選出していな
  い選挙には助成金か交付されないだけにすぎないのであり、
  活動に必要な費用は党員による寄付等によりまかなうこと
  も可能であるから、間接的な強制にとどまるといえる。し
  たがって、本問法律は政党のない内部自治を侵害するもの
  ではなく21条1項の「結社」の自由を侵害し  ないか
  ら合憲である


                    以上
  

                   
これにて終了。誤字脱字とか改行がややこしくて
見にくいとかのクレームは勘弁。まああの追い込
まれた状態で書けるのはせいぜいこの程度なんやっ
てことです。


刑事訴訟法第2問

一 小問1について
 1 本小問の調書を裁判所が証拠として採用することができるため
  には、これに証拠能力が認められることが必要である(317条)。
  もっとも、当該調書は伝聞証拠であり、原則として証拠能力が認め
  られない(320条1項)。その趣旨は、供述証拠は知覚・記憶・
  表現・叙述の過程を経るためその各過程に誤りが混入するおそれが
  あり、これについて被告人の反対尋問(憲法37条2項)によって
  チェックする必要があるからである。
   そこで、当該書面に証拠能力が認められるためには伝聞例外の要
  件(321条~328条)の要件を満たす必要がある。
   では、Bの供述の証明力を争うためにCの署名押印のある書面を
  用いることができるか。328条の「証明力を争う」に別人の不一
  致供述を含むかが問題となる。
 2 この点、328条の文言には何らの制限もないことから、証明力
  を争うためであればいかなる伝聞でも証拠能力が認められるとする
  見解もある。しかし、かかる見解によれば検察官が弾劾の名目であ
  らゆる伝聞証拠を法廷に提出することが可能となり、裁判所は証拠
  能力のない証拠で事実上心証を形成してしまうことになるから、被
  告人の反対尋問権は無意味に帰してしまうことになり妥当でない。  
   思うに、328条の趣旨は同一人の不一致供述を弾劾目的で使用
  する場合には伝聞法則の適用がないことを注意的に述べたにすぎな
  いと考える。すなわち、伝聞法則の適用が問題となるのは供述内容
  の信用性が問題になる場合だけのところ、328条の場合は同一人
  が不一致供述をしたことを要証事実とするものであって供述証拠を  
  非供述的に用いるに過ぎず内容の真正は問題とならないから、伝聞
  の問題はそもそも生じない。これに対し、別人の不一致供述を弾劾
  目的で利用する場合にはその前提として当該別人の供述の内容の真
  正が前提となってしまうから、伝聞法則と抵触を生じることになる。
 以上より、328条の「証明力を争う」証拠とは同一人の不一致供
  述に限ると考える。
 3 本小問では、Cの署名押印した調書はBとは別人の不一致供述で
  あるから、328条によって証拠能力を認めることはできず、裁判
  所は証明力を争うための証拠として採用することはできない。

二 小問2について
 1 では、警察官が作成したBの供述を録取した調書で、Bの署名・
  押印がないものを328条により証明力を争うために証拠として
  採用することができるか。
 2 この点、Bの供述が録取されている以上、同一人の不一致供述と
  して328条により証拠能力を認めてもよいとも思える。
   しかし、供述者の署名押印が要求された趣旨は二重の伝聞を除き
  去る点にあるところ、供述者の署名押印が欠けていれば本当に供述
  者がそのとおりに供述したのかどうかわからなくなる。とすれば、
  供述録取書に供述者の署名押印がない場合、これを供述者の供述と
  認めることはできず、録取者の供述として扱うべきと考える。
 3 本小問においては、供述者Bの署名押印がないため、これを録取
  した警察官の供述証拠として扱われる。とすれば同一人の不一致供
  述とはいえず、328条により証拠能力を認めることはできないか
  ら裁判所は証拠として採用することはできない。

三 小問3について
 1 では、小問2と同じ内容のBの供述を警察官がテープに録音して
  いた場合、328条により証拠能力を認めることができるか。
 2 まず、テープそのものが伝聞証拠にあたるか否かが問題となるが、
  テープはその性質上音声を機械的・磁気的に正確に記録するもので
  あるから知覚・記憶の過程を経るものではなく、誤りが混入する可
  能性は低い。とすれば一般的関連性の問題とすれば足り、伝聞証拠
  ではないと考える。
   もっとも、テープにはBの供述が録音されているもののBの署名
  押印が欠けているため、同一人の不一致供述とはいえないのではな
  いか。
   前述のように、署名・押印を要求した趣旨は二重の伝聞性を除き
  去るためである。そして、テープの場合、これを再生すれば供述者
  が供述していることはわかるのだからあえて署名押印を要求する必
  要はないと考える。
 3 本小問についてこれを見ると、テープを録音した警察官が一般的
  関連について証言し、かつ音声から供述しているのがBであること
  が判明すればBの供述といえる。とすれば同一人の不一致供述とい
  え、328条により証拠能力を認めることができるので裁判所は証
  明力を争うために証拠として採用することができる。

                       以上
          再現率90パーセント
令状記載の適法性って問われていた
のだろうか?

刑事訴訟法第1問
一 来意告知せずにマスターキーで立ち入った行為について
 1 警察官が来意告知せずにマスターキーでドアを解錠して客室内に
  立ち入った行為は適法か。
 2 まず、捜査官が捜索差押の場所に立ち入るにあたっては、あらか
  じめ来意告知するのが原則であると考える。なぜなら、来意告知せ
  ずに立ち入れば居住者から無用の抵抗を受けたり、恐怖感を与えた
  りするおそれがあるからである。
   もっとも、常に来意告知を必要とすれば捜査官が来たことを察知
  した居住者によって罪証隠滅などが行われ、捜査の必要性が損なわ
  れることになり妥当でない。そこで、来意告知を行えば証拠隠滅が
  行われる高度の蓋然性がある場合には、これをさけるために相当な
  行為は「必要な処分」(222条1項・111条1項)として許さ
  れると考える。
 3 本問では、被疑事件は覚醒剤所持事件であり、覚醒剤はその性質
  上トイレや洗面所に流すなどして証拠隠滅を図ることが容易な物証
  である。とすれば、警察官が来意告知をすれば警察官が入室する前
  に覚醒剤を処分することは当然予想されることである。そして、マ
  スターキーを使って解錠して入室する行為は、物理的に錠前を破壊
  するような行為に比べれば相当性を欠くとまではいえず、「必要な
  処分」にあたるといえる。
   したがって、警察官が来意告知せずにマスターキーを使って入室し
  た行為は適法である。

二1 では、警察官が許可状を示す前に、トイレに駆け込もうとした甲を
  制止させて覚醒剤を取り上げた行為は適法か
 2 まず、捜査官が令状を執行するにあたっては、まず令状を呈示する
  のが原則である。その趣旨は、無差別・恣意的な捜索差押による不当
  な人権侵害から被処分者を守り、被処分者に不服申立の機会を与える
  点にある。
   もっとも、常に執行前に呈示を要求したのでは捜査の必要性を不当
  に害するおそれがある。そこで、証拠隠滅や逃亡が予想される高度の
  蓋然性がある場合には、これを防止する措置を講じることは現場保存
  行為として222条1項・111条1項の「必要な処分」として許さ
  れると考える。
 3 本問では、甲はビニール袋に入った覚醒剤をもってトイレに駆け込
  もうとしていることから、執行にあたる前に令状を呈示していたので
  は覚醒剤をトイレに流されて証拠隠滅が図られる高度の蓋然性がある
  といえる。そこで、これを防止するために甲を制止させて覚醒剤をと
  りあげる行為は現場保全行為として222条1項・111条1項の
  「必要な処分」として適法である。

三1 乙のボストンバッグを捜索して中の覚醒剤を差し押さえた行為は適
  法か。
 2 まず、乙は甲の知人と思われる人物にすぎず、甲と同じホテルの住
  人あるいはこれに準ずる地位にある者ではない。そして、捜索差押の
  対象となった場所の居住者あるいはこれに準ずる地位にある者以外の
  携帯物については、捜索差押の対象にできないのが原則である。なぜ
  なら、このような者の携帯物の中に被疑事実に関連する物がある蓋然
  性は低いし、またこのような者の携帯物について裁判官の事前の司法
  審査を経たとは言い難いからである。  
もっとも、居住者あるいはこれに準じる地位にある者以外であって
  も、この者が差押の目的物を隠し持ったと疑う相当の蓋然性がある場
  合にまで捜索・差押ができないとすることは捜査の必要性を不当に害
  し妥当でない。そこで、差し押さえるべき物を持っていると疑うに足
  りる相当の理由がある者の携帯物を捜索することは、原状回復措置と
  して222条1項・111条1項の「必要な処分」として許されると
  考える。
 3 本問では、警察官は乙に対してボストンバッグを任意提出するよう
  求めたが、これに応じないばかりでなく同バッグを抱え込むような態
  度をとっており、甲が所持しており捜索差押の対象だったであろう覚
  醒剤を隠し持ったとの相当の理由があるといえる。そこで、警察官が
  乙のボストンバックを取り上げてこれを捜索し、覚醒剤を発見して差
  押行為は適法である。 
                     以上
                    再現率90%                       
民事訴訟法第2問

一 小問1について
1 補助参加人Zがなした控訴は適法か。
 2 Zがなしたのは補助参加訴訟である。ここに補助参加訴訟とは、
  訴訟の結果に利害関係を持つ者が当事者の一方を助太刀すること
  によって自己の権利を守ることを目的とする訴訟である。そして、
  補助参加人は被参加人を勝訴させるために訴訟について攻撃防御
  方法の提出、異議の申立等、一切の訴訟行為をすることができる
  (独立性 45条1項本文)。もっとも、補助参加人は当事者では
  なく被参加人の勝訴により間接的に自己の権利を守る者であるた
  め、被参加人がなしえなくなった訴訟行為について行うことはで
  きない(従属性 45条1項但書)
 3 これを本問についてみると、控訴期間は判決書の送付を受けた
  ときから2週間の不変期間内になすことが必要である(285条)
  そして、Zに判決正本が送達されたのは平成20年7月5日であ
  り、Zが控訴状を提出したのは同18日であるから、控訴期間内
  に提出があったものとして適法とも思える。しかし、被参加人Y
  に判決書の正本が送達されたのは同3日であり、Yが何もしなか
  ったことにより17日に判決が確定してしまっている。とすれば
  Yが確定判決に控訴することはもはやできないため、補助参加人
  Zもこの時点で控訴することはできなくなる。
   したがって、Zの控訴は45条1項但書に抵触し、不適法であ
  る。
二 小問2について
 1 Y敗訴の判決が確定した後に、ZがYZ間の訴訟において主債
  務の存在を争うことができるか。
 2 補助参加がなされた場合の補助参加人について生じる裁判の効
  力(46条)については争いがある。
   この点、既判力が生じるとする見解もあるが、46条各号にお
  いて裁判の効力が生じない旨規定されているため、条件付既判力
  なる概念を認めてしまう点で妥当でない。
   思うに、被参加人が勝訴した場合に補助参加人との間で判決の
  効力を争う事態は想定しがたい。とすれば、46条の「効力」と
  は、被参加人が敗訴した場合に敗訴責任を分担すべきという禁反
  言に基づくものであり、判決主文のみならず理由中の判断にも生
  ずる特殊な参加的効力と考える。
   そして、保証債務は主債務の存在を前提とするから、Y敗訴の
  判決理由中たる主債務の存在にも参加的効力が及び、ZはYZ間
  の訴訟において主債務が存在することを争えなくなるのが原則で
  ある。
   もっとも、46条4号では例外的に補助参加人に参加的効力が
  及ばない旨規定されている。その趣旨は、補助参加人が訴訟行為
  をできないような場合にまで参加的効力を及ぼすことは公平を欠
  く点にある。
   本小問では、Yは主債務の存在を宇田川占める重要な証拠であ
  ってZの知らないものを所持していたにもかかわらず、XY間の
  訴訟においてその提出を怠っていたのであり、これは46条4号
  の事由に該当する。
   したがって、Zは46条4号の事由があることを理由に、例外
  的にYZ間の訴訟において主債務の存在を争うことができる。
                        以上
               再現率90%
民事訴訟法 第1問
 
一 弁論準備手続とは、争点および証拠の整理を行うため必要がある
 と裁判所が認めるとき、当事者の意見を聴いた上でなす準備手続を
 いう(168条)。
二 特徴について
 1 弁論準備手続はあくまで準備手続であり口頭弁論ではない。そ
  こで、口頭弁論に適用される諸原則、すなわち双方審尋主義や口 
  頭主義、公開主義、直接主義が必ずしもそのまま適用されている
  わけではないが、諸原則のもたらす利益を不当に損なわないよう
  一定の配慮がなされている
2 まず、弁論準備手続は双方が立ち会うことができる期日におい
  て行われる(169条1項)。これは当事者から対等に言い分を聞
  くという双方審尋主義の現れである。
   弁論準備手続は口頭弁論ではないものの、そこで行われる手続
  次第ではその後に実施される口頭弁論において準備の不十分な当
  事者が不当に扱われることのないように、一定の配慮がなされて
  いる。
 3 さらに、裁判所は相当と認める者の傍聴を許すことができると
  し、当事者が申し出た者についても手続に支障を生じるおそれが
  あると認める場合を除いて傍聴を許さなければならないとしてい
  る。
   弁論準備手続は口頭弁論ではないのだから必ずしも公開が要請
  されているわけではないが、手続を公開することにより国民の信
  頼を確保するという公開主義(憲法82条1項)の趣旨を可及的
  に及ぼそうというものである。

 4 そして、裁判所は弁論準備手続を実施するにあたり、準備書面
  を提出させることができる(170条1項)。これは弁論および
  証拠調べを口頭で行うという口頭主義の例外にあたる。口頭で行
  われた弁論や証拠調べは裁判所にとって新鮮であり与える印象が
  強く、事案を把握するのに適しているため口頭主義が採用されて
  いるが、複雑な事実や法律構成が口頭で述べられればその把握が
  難しいため、準備書面であらかじめ提出することが求められてい
  る。
   そして、弁論準備手続においてもその全てが口頭で行われれば
  事態の把握が困難となってしまい、ひいては口頭弁論の準備のた
  めに弁論準備手続を実施した意味が損なわれてしまう。そこで、
  弁論準備手続においても準備書面の提出を求めることができると
  されている。
 5 さらに、弁論準備手続においては受命裁判官に弁論準備手続を
  行わせることができるとされる(171条1項)。これは、判決
  はその基本となる口頭弁論に関与した裁判官がするという直接主
  義の現れでもある。その趣旨は、弁論や証拠調べを行った裁判所
  がもっとも事態を把握していることにある。もっとも、口頭弁論
  においては直接主義の例外として受託裁判官による証拠調べ等が
  認められているのに対し、弁論準備手続においては受命裁判官に
  よるものしか認められておらず、直接主義により配慮されている
  といえる。
 
三 終了の効果
 1 まず、手続終了後の口頭弁論期日において、当事者は弁論準備
  の結果を陳述することが求められている(173条)。これは上述
  のように弁論準備手続は公開が制限されているため、これに配慮
  する目的でなされるものである。
 2 さらに、弁論準備手続の終了後に攻撃防御方法を提出した当事
  者は、相手方の求めがあれば終了前に提出できなかった理由を説
  明しなければならなくなる(174条・167条)。これは弁論
  準備手続を経たにもかかわらずさらに攻撃防御方法の提出を許し
  たのでは準備手続の意味がなくなるから、当事者に緩やかな制裁
  を認めたものである。
   
                      以上
   再現率85%
刑法2

一 甲の罪責について
 1(一) 甲がXから指輪を盗み出した行為について窃盗罪(235条)
     が成立するか。当該指輪はXがYから盗み出してきたものであ
     り、Xの所有物ではない。にもかかわらず「他人の財物」(24
     2条)といえるのか、奪取罪の保護法益が問題となる。
  (二) たしかに、財産罪の保護法益は究極的には所有権その他の本
     権である。しかし、資本主義が高度に発達し財産関係が複雑化
     した現代においては、本権を保護する前提としてまず占有を保
     護する必要がある。したがって、奪取罪の保護法益は占有その
     ものであり、「他人の財物」とは他人が占有する財物と考える。
  (三) 本問では、当該指輪はXによって占有されているから「他人
の財物」といえる。そして、甲は乙とともに二人で指輪を盗み 
     出しており、占有侵害の事実・故意・不法領得の意思もある。   
      したがって、甲には窃盗罪の共同正犯(60条・235条)
     が成立する。
  (四) もっとも、親族相盗例による刑の免除(244条1項)を受
     けないか。
      そもそも244条1項の趣旨は、法は家庭に入らずという政
     策的根拠に基づく一身的処罰阻却事由にある。そして、占有者
     所有者双方が本犯者と親族関係になければもは家庭内の処理に
     委ねるわけにはいかないから、親族関係は占有者所有者双方に
     必要と考える。
      本問では、甲はX・Yの直系血族にあたるからその刑が免除 
 される(244条1項)
 2 次に、甲は指輪が盗品であることを秘して売却したいと丙に告げて
  いるため、かかる行為は詐欺罪(246条1項)の実行行為に該当す
  る。
   そして丙は指輪を買い受けているが、丙は指輪が盗品であることを
  見破った上でこれを承知して買い受けているため、1項詐欺罪は未遂 
  (250条・246条1項)となる
 3(一) さらに、指輪の代金10万円を乙に渡さず全額を遊興費とし
     て使った点につき横領罪(252条)が成立するか。乙には代
     金を受け取る権限がないため問題となる。
  (二) 思うに、私法を規律する民法と、社会秩序を規律する刑法と
     で法解釈を一致させる必要はない。そして、不法な領得行為か
     ら保護に値するのであれば、横領罪は成立すると考える。
  (三) 本問では、10万円については乙に受領権限はないものの、
     甲の領得行為から保護されるには値するといえる。そして、1
     0万円を遊興費として使い込むことは不法領得の意思の発現行  
    為といえ、横領罪(252条)が成立する
 4 以上より、甲には窃盗罪の共同正犯(60条・235条 但し刑は
  免除)、1項詐欺罪の未遂(250条・246条1項)、単純横領罪
  (252条)が成立し、これらは併合罪(45条)となる

二 乙の罪責について
 1(一) 前述のように、乙には窃盗罪の共同正犯が成立する(60条
     ・235条)。
       そして、親族相盗例による刑の免除を受けるか否かが問題
     となるが、占有者Xとは直系血族の関係にあるも所有者Yとの
     間には何ら親族関係になく、刑の免除は受けない。
      もっとも、乙は指輪がX所有と誤信していたため、かかる誤
     信が故意に影響を与えないか。
  (二) そもそも親族相盗例は、前述のように政策的に設けられた一
     身的処罰阻却事由であるため、故意の認識対象ではない。とす
     れば、親族の所有と誤信していたとしても故意に何ら影響しな
     いと考える。
  (三) よって乙の誤信は何も影響はなく、刑の免除はない。
 2 次に、乙は甲に盗品であることを秘して指輪の売却をするよう命じ
  ているが、かかる行為は1項詐欺罪の教唆犯の未必の故意ありといえ
  る。もっとも、前述のように甲は丙に指輪が盗品であることを見破ら
  れた上で買い取られているため、1項詐欺罪は未遂に終わっている。
   したがって、乙には1項詐欺罪の未遂犯の教唆犯(61条1項・2
  50条・246条1項)成立する。
 3 以上より、乙には窃盗罪の共同正犯(60条・235条)と1項詐
  欺罪の未遂犯の教唆犯(61条1項・250条・246条1項)が成
  立し、これらは併合罪(45条)となる。

三 丙の罪責について
 1 丙は甲に対し、指輪の価値を100万円ではなく10万円と偽って
  買い受けているため、1項詐欺罪(246条1項)が成立するか。
   まず、指輪について甲にはなんの権限もないが、指輪は甲の占有下
  にあるため、「他人の財物」といえる。
   さらに、指輪は甲の所有物ではない以上、甲に財産上の損害は発生
  せず1項詐欺罪は成立しないのではないかが問題となるが、1項詐欺
  罪は個別財産に対する罪であるから、欺罔されなければ交付しなかっ
  たという関係があれば1項詐欺罪は成立すると考える。
   本問では、甲は丙の言葉を信じて10万円で指輪を売却しているた
  め、丙には1項詐欺罪(246条1項)が成立する
 2 さらに、丙は指輪が盗品であることを知って買い受けているため
  同時に盗品等有償譲受罪(256条2項)も成立する。       
 3 以上より、丙には1項詐欺罪(246条1項)と盗品等有償譲受罪
  が成立し、これらは一個の行為で行われたため観念的競合(54条)
  となる。
                          以上
                 再現率80% 
丙から検討しろよ、、、

刑法第1問

一 乙の罪責について
 1 乙は殺意をもってゴルフクラブでXの頭部を数回殴打してお
  り、これは人の死の現実的危険性を有する行為といえるため殺
  人罪(199条)の実行行為に該当する。そして、その後Xは
  失血死しているが、かかる結果との間に因果関係が認められる
  か。
 2 思うに、実行行為と結果との間に条件関係さえ認められれば
  因果関係が認められるとすれば、不当に処罰範囲が拡大しする
  ため妥当でない。そこで、実行行為と結果との間に相当因果関
  係が認められる場合に因果関係を肯定すべきと考える。そして
  因果関係は構成要件該当性の問題であり、構成要件は社会通念
  を基礎に当罰行為を類型化したものであるから一般人が認識ま
  たは予見しえた事情を基礎とすべきである。さらに構成要件は
  違法有責類型でもあるから、行為者が特に認識予見していた事
  情も基礎とすべきと考える。そして、行為後に発生した事情に
  ついては一般人が予見しえれば相当性を認めてよいと考える。
 3 本問では、Xが病院につれていかれ、その後病院前の路上に
  車から下ろされ、さらに丙によって植え込みの影に隠されて治
  療が遅れたことは行為後の事情であるが、かかる事情は一般人
  には到底予見しうるものではない。よって、かかる事情は基礎
  事情から外される。もっとも、ゴルフクラブで頭部を殴りつけ
  ることにより人が死ぬことは、なおも相当性を有するといえる。
   したがって甲の行為とXの死の結果との間には因果関係が肯
  定される。
   以上より、甲にはXに対する殺人罪(199条)が成立する。

二 甲の罪責について
 1 重傷を負ったXを病院前の路上に放置させて死亡させた点に
  つき、保護責任者遺棄致死罪(219条)が成立するか
 2 まず甲はXの子であり扶養義務(民法877条1項)を負っ
  ていることから、保護責任者にあたる。そしてXは重傷を負っ
  ていることから「病者」にあたる。そして、遺棄罪は抽象的危
  険であるから、たとえ発見の容易な病院前であってもXを路上
  に放置することは「遺棄」したといえる。
   では、その後のXの死の結果との間に相当因果関係が認めら
  れるか。
   この点、丙が後に現場に戻ってきてXを植え込みに隠したこ
  とは行為後の事情にあたるが、一般人はかかる事情を予測しえ
  ず基礎事情から外される。とはいえ、重傷を負ったXがそのま
  ま失血死することはなお相当性をかくとまではいえず、甲の行
為とXの死の結果との間には相当因果関係が認められる。
   したがって、甲には保護責任者遺棄致死罪(219条)が成
  立する。
   そして、後述のように、丙との間で同罪の限度で共同正犯(6
  0条・219条)となる。

三 丙の罪責について
 1 丙は殺意をもって甲とともにXを車から病院前の路上におろ
  しているため、殺人罪(199条)の成否が問題となるが、一
  般人が発見することの容易な路上に放置することは客観的に殺
  人罪の実行行為性がなく、殺人罪(199条9は成立しない。
   もっとも、丙は甲とともにXを病院に連れていこうとした者
  であるから事務管理に基づく作為義務が発生しており、これに
  反してXを路上に放置したのであるから保護責任者遺棄罪(2
  18条)が成立する。
 2 さらに、丙はXが救命されないようにするため再度病院前に
  戻って人目の付かない植え込みの陰に放置してXを死亡させて
  いるため、殺人罪が成立しないか。不作為の実行行為性が問題
  となる。
   そもそも実行行為とは構成要件結果発生の現実的危険性を有
  する行為をいうところ、不作為であっても構成要件結果発生の
  現実的危険を発生させることは可能であるから、不作為でも実
  行行為たりうる。もっとも、あらゆる不作為が実行行為足りう
  るとすると処罰範囲が不当に拡大してしまい妥当でない。そこ
  で、①作為義務の存在②作為の容易性可能性③作為との同価値
  性を要求すべきと考える。
   本問では、①丙は前述のようにXに治療を受けさせるため病
  院に運ぼうとしたものであるから事務管理に基づく作為義務を
  負っている。②そして、目の前に病院がある以上Xに治療を受
  けさせることは容易といえる。さらに、③作為との同価値性に
  ついては、丙は通行人に容易に見つからないような植え込みの
  陰にXを隠しており、排他的支配を設定しているため、同価値
  性も認められる。
   よって、丙の不作為は殺人罪(199条)の実行行為性が認
  められる。そして、その結果Xは死亡しており因果関係も認め
  られる。
   以上により、丙にはXに対する殺人罪(199条)が成立す
  る。
 3 そして、殺人罪(199条)と保護責任者遺棄罪(218条)
  は同一の客体に向けられており時間的にも接着しているため、
  後者は前者に吸収される。そして、殺人罪と保護責任者遺棄致
  死罪は軽い後者の限度で重なり合いが認められるから、甲と丙
  は保護責任者遺棄致死罪(219条)の限度で共同正犯となる。
                     以上
   再現率85%
商法第2問
 
一 小問1について
 1 乙社がなした株主名簿の閲覧請求権を甲社が拒否することは許
  されるか。
 2 ここに株主名簿とは、株主に関する事項が記載された書類をい
  う。そして株主が株主名簿の閲覧を請求した場合、会社側は12
  5条3項各号の事由がない限りこれを拒むことはできない。その
  趣旨は、少数株主権の行使の要件を満たす必要がある場合等に株
  主名簿を参照する等、株主の利益にかかわるものだからである。
   もっとも、各号の要件を満たす場合には会社は株主の請求を拒
  むことができる。甲社は、125条3項3号の要件を満たすこと
  を理由に乙社の請求を拒否することができないか。
 3 3号の趣旨は、請求者が当該株式会社の業務と実質的に競争関
  係にあったり従事する場合には、株主名簿の閲覧を許すことによ
  り当該会社の利益が不当に損なわれるおそれがあることにある。
   本小問では、乙社は甲社と事実上の競争関係にある丙株式会社
  の議決権の70%を有しており、丙株式会社の支配権を握ってい
  るからこれを意のままに操ることができる。とすれば、乙と丙と
  は事実上同視することができるので乙は「実質的に~事業を営み」
  にあたる。
   したがって、甲社は3号の要件を満たすことを理由に乙社の閲
  覧請求を拒否することが許される。

二 小問2について
 1 乙社は甲社の募集株式の発行を差し止めることができるか。
   募集株式の発行を差し止めることができるためには差止事由が
  存することが必要である(210条)。そして株主からの差止請
  求権が認められた趣旨は、募集株式の発行によって会社には損害
  が生じなくても株主が損害を被ることがありうるからこれを未然
  に防止するためにある。
   では、甲社の株式発行が210条の「著しく不公正な方法」と
  いえるか。
2 この点、会社に資金調達目的がなければ「著しく不公正な方法」
  とする見解もある。しかし、休眠会社でもない限り大なり小なり
  資金調達目的があるのが通常だから、かかる見解は妥当でない。
そこで、「著しく不公正な方法」にあたるか否かは、資金調達目
  的と特定株主の持株比率の低下のうち、どちらが主要な目的であ
  ったかで決すべきと考える(主要目的ルール)
 3 これを本小問についてみると、まず議決権行使の基準日は既に
  甲社と業務提携関係にある丁社に有利なように設定されている。
  そして、払込金額については時価よりも10%も安い価格で設定
  されており、丁社にとって引き受けやすい価格に設定されている。
  さらに払込期日も定時株主総会開催日の一週間前であり、あから
  さまに総会決議において丁社に有利なように設定されている。し
  かも発行が実施されれば乙社が保有する甲社株式の支配率は20
  %から15%に低下する一方で、丁社は45%にまで増大するこ
  とになる。とすれば、本小問の募集株式の発行目的は乙社という
  特定株主の持株比率を下げることが目的であったと評価できる。
   以上により、本小問の甲社の募集株式の発行は210条2号の
  「著しく不公正な方法」による発行であり、乙社は発行を差し止
  めることができる。
                       以上
    再現率85%
商法第一問

一 小問1について
1 Bは、Y株式会社に対して本件不動産の譲渡が事業譲渡(467条
  1項2号)にあたり、しかも株主総会決議を経ていないことを理由と
  して譲渡の無効を主張し、移転登記の抹消を拒めないか。
 2(一) まず、467条1項に掲げられている事業譲渡は21条以下
     の事業譲渡と同一の意義を有するのか。
  (二) 思うに、ともに事業譲渡という同一の文字を使用している以
     上、別異に解する必要はない。そこで、21条以下の事業譲渡
     と467条1項のそれとは同一であり、事業の全部または重要
     なる一部を受け継がせることにより譲受人が事業を承継し、こ
     れに応じて譲渡人が競業避止義務を負うものをいうと考える。
      そして事業譲渡は会社の存立基盤に重要な影響を与えるもの
     であるから、株主総会での特別決議を要するとしている(30
     9条2項11号)
(三) これを本小問に付いてみると、X社の貸借対照表の資産の部
     に計上されている金額のうち、ほとんど全てが本件不動産の帳
     簿価格で占められている。とすれば、本件不動産は重要な一部
   といいうる。
      もっとも、Yはレストランの営業ではなく本件不動産建物を
     改装して電化製品の販売店にすることを予定していたのであり、
     営業の譲り受けがあったとはいえない。よって事業譲渡(46
     7条1項2号、21条以下)とはいえず、株主総会の特別決議
     (309条2項11号)はそもそも不要である
 3(一) もっとも、本件不動産の譲渡については取締役会の承認も欠
     けていることから、重要な財産の譲渡(362条4項1号)に
     あたり、承認を欠いたため無効であると主張できないか
  (二) 362条4項1号を重要な財産の譲渡を取締役会の承認にか
     からしめた趣旨は、重要な財産の譲渡が会社に与える影響が大
     きく、包括的代表権を有する代表取締役の判断に委ねることは
     適当でないからである。
      そして、何が「重要な財産」かは会社の規模等によっても異
     なるのであるから、その価格、従来からの取り扱い、会社の財
     産に占める規模の割合等を総合考慮して決すべきと考える。
  (三) これを本小問についてみると、前述のように本件不動産がX
     社の会社財産に占める割合は相当大きい。そして、対価として
     得られた5000万円はそれなりに高額ではあるが、これを使
     って最初からレストランの営業を始めることは著しく困難にな
     ると思われる。とすれば、本件不動産の譲渡は「重要な財産の
     譲渡」にあたる。
 4(一) では、本件不動産の譲渡が「重要な財産の譲渡」にあたると
     して、取締役会決議を欠いた場合の効力はどうなるか。
  (二) この点、民法93条但書を類推適用して、取締役会決議を欠
     いたことにつき相手方が悪意有過失であれば譲渡の無効を主張
     できるとする見解もある。しかし、取引の安全を重んじる商取
     引にあっては、悪意や重過失ある相手方の保護は格別としても
     軽過失の者すら保護されないというのは取引安全を害し妥当で
     ない。そこで、取締役会決議を欠いた重要な財産の譲渡も有効
     だが、欠いたことにつき悪意・重過失ある相手方が有効を主張
     することは信義則(民1条2項)に反すると考える。
  (三) 本小問では、Y社が、X社において本件不動産の譲渡につい
     て取締役会決議を欠いたことにつき悪意・重過失であった場合、  
     信義則条有効であることを主張できないことを理由として、所
     有権移転登記の抹消請求をすることができる。

二 小問2について
1 Cが運転資金を融資したのはX社であり、Y社ではない。よって、
  Cは何ら契約関係のないY社に対して融資金の返済を求めることはで 
きないのが原則である。
   もっとも、Y社は「リストランテL」の名称をX社から引き続いて
  使用していることから、商号譲受会社の責任(22条1項)の責任を   
  追及することにより返済を求めることが出来ないか。
 2 そもそも22条1項の趣旨、商号の続用があれば債務も移転したと
  の債権者の信頼を保護する点にある。
   本問では、Y社はX社が用いていた「リストランテL」の名称を引
  き続いて用いており商号の続用ありといえる。また、運転資金の融資
  は譲渡会社Xの事業により生じた債務といえる。よって、Cは22条
  1項に基づいてY社に対して運転資金の返済を求めることができる。
 
                         以上
再現率95%
539条落としは不覚



民法第二問
 
一 小問1について
 1 設問前段について
 (一) BA間においては、BC間における絵画の売買代金再建を
    甲債権の弁済のために支払う代物弁済契約(481条)が成
    立している。もっとも、甲債権を発生させた売買代金債権が
    Bの錯誤のため無効となるから、Aの80万円の受領は法律
    上の原因がなく不当利得(703条・704条)であるとし
    て、CはAに対して80万円の支払いを求めることができる
    か
 (二) まず、甲債権の発生原因たるAB間の売買契約はBの錯誤
    (95条本文)により無効である。にもかかわらずAはCよ
    り80万円を代物弁済をとして受け取っておりこれは「利得」
    といえる。そして、無効である以上CはAに払う必要はなか
    ったのであるからCにはこれに対応する「損失」がある。そ
    して、かかる利得と損失との間には社会通念上の因果関係も
    認められる。
     では、「法律上の原因がない」といえるか。
     思うに、「法律上の原因がない」とは形式的には正当視され
    る財貨の移動が実質的には正当でないことをいう。
     前述のとおり、AB間の売買契約が錯誤無効となる以上、
    これを原因とする代物弁済契約も無効となるから、CのAに
    対する80万円の支払いは「法律上の原因がない」といえる。
 (三) したがって、CはAに対して不当利得(703条・704
    条)に基づき80万円の支払を求めることができる。
 2 設問後段について
     では、CはBに対して不当利得に基づき80万円の支払を
    求めることができるか。
    思うに、前述のようにAB間に置いて錯誤無効があったと
    してもBは何ら受領しておらず、「利得」がそもそもない。
    したがって、CはBに対して不当利得に基づいて80万円の
    支払を求めることはできない。

二 小問2について
 1 設問前段について
 (一) CはAに対して、BC間の売買契約を詐欺取消(96条1
    項)により遡及的に無効になった(121条本文)になった
    として、不当利得(703条・704条)に基づき80万円
    の支払を求めることができるか。
 (二) まず、Aは80万円を受領しており「利得」がある。さら
    にこれに対応する「損失」がCにあり、この間には社会通念
    上の因果関係も認められる。
     では、「法律上の原因がない」といえるか。
     この点、Aは代物弁済(481条)として受領しているた
    め、AがBC間の詐欺について善意であれば詐欺取消前の第
    三者(96条3項)として保護され、CはAに対して詐欺取
    消を対抗できない。この場合には、「法律上の原因がない」
    とはいえない。
     したがって、AがBC間の詐欺について善意であれば不当
    利得(703条・704条)に基づいて80万円の支払を求
    めることはできない。
     もっとも、AがBC間の詐欺について悪意であれば詐欺取
    消前の第三者として保護されることはないから、この場合は
    「法律上の原因がない」といえ、不当利得(703条・70
    4条に基づいて80万円の支払を請求できる。
 2 設問後段について
 (一) まず、AがBC間の詐欺について善意であり、AにBC間
    の詐欺取消を対抗できない場合にはAB間の代物弁済契約は
    有効となるため、甲債権は消滅することになるからBに利得
    があり、「法律上の原因がない」ともいえる。 
     したがって、CはBに対し、不当利得(703条・704
    条)に基づいて80万円の支払を求めることができる。
 (二) これに対し、AがBC間の詐欺について悪意の場合にはA
    は96条3項で保護されず、甲債権も消滅しない。とすれば、
    Bにはそもそも「利得」が存在しない。
     したがって、この場合にはCはBに対して不当利得に基づ
    いて80万円の支払を求めることはできない。
                
                  再現率80%