民事訴訟法第2問
一 小問1について
1 補助参加人Zがなした控訴は適法か。
2 Zがなしたのは補助参加訴訟である。ここに補助参加訴訟とは、
訴訟の結果に利害関係を持つ者が当事者の一方を助太刀すること
によって自己の権利を守ることを目的とする訴訟である。そして、
補助参加人は被参加人を勝訴させるために訴訟について攻撃防御
方法の提出、異議の申立等、一切の訴訟行為をすることができる
(独立性 45条1項本文)。もっとも、補助参加人は当事者では
なく被参加人の勝訴により間接的に自己の権利を守る者であるた
め、被参加人がなしえなくなった訴訟行為について行うことはで
きない(従属性 45条1項但書)
3 これを本問についてみると、控訴期間は判決書の送付を受けた
ときから2週間の不変期間内になすことが必要である(285条)
そして、Zに判決正本が送達されたのは平成20年7月5日であ
り、Zが控訴状を提出したのは同18日であるから、控訴期間内
に提出があったものとして適法とも思える。しかし、被参加人Y
に判決書の正本が送達されたのは同3日であり、Yが何もしなか
ったことにより17日に判決が確定してしまっている。とすれば
Yが確定判決に控訴することはもはやできないため、補助参加人
Zもこの時点で控訴することはできなくなる。
したがって、Zの控訴は45条1項但書に抵触し、不適法であ
る。
二 小問2について
1 Y敗訴の判決が確定した後に、ZがYZ間の訴訟において主債
務の存在を争うことができるか。
2 補助参加がなされた場合の補助参加人について生じる裁判の効
力(46条)については争いがある。
この点、既判力が生じるとする見解もあるが、46条各号にお
いて裁判の効力が生じない旨規定されているため、条件付既判力
なる概念を認めてしまう点で妥当でない。
思うに、被参加人が勝訴した場合に補助参加人との間で判決の
効力を争う事態は想定しがたい。とすれば、46条の「効力」と
は、被参加人が敗訴した場合に敗訴責任を分担すべきという禁反
言に基づくものであり、判決主文のみならず理由中の判断にも生
ずる特殊な参加的効力と考える。
そして、保証債務は主債務の存在を前提とするから、Y敗訴の
判決理由中たる主債務の存在にも参加的効力が及び、ZはYZ間
の訴訟において主債務が存在することを争えなくなるのが原則で
ある。
もっとも、46条4号では例外的に補助参加人に参加的効力が
及ばない旨規定されている。その趣旨は、補助参加人が訴訟行為
をできないような場合にまで参加的効力を及ぼすことは公平を欠
く点にある。
本小問では、Yは主債務の存在を宇田川占める重要な証拠であ
ってZの知らないものを所持していたにもかかわらず、XY間の
訴訟においてその提出を怠っていたのであり、これは46条4号
の事由に該当する。
したがって、Zは46条4号の事由があることを理由に、例外
的にYZ間の訴訟において主債務の存在を争うことができる。
以上
再現率90%