雨降りがうっとおしいですね(;^_^A
でもここのところぐっすり寝られるようになってご機嫌のぜんきちです(‐^▽^‐)
さて今回は角帯に一箇所食べこぼしによる黄変です。
たいていの帯は先染めのもの(糸が染まった状態で織っていく)が多く
染めも甘い(染料の定着が悪い)のでこの手の処理ができないのですが、この角帯の場合は
水処理による縮みや色の流出もなかったので処理できそうです
早速作業にかかります
半分に折ってあるので裏側に薬品の影響が出ないように広げて作業します
最初に黄変の原因物質の洗浄を行ってから黄変処理の薬品を塗り加熱処理します。
その後色の流出のないことを確認して中和処理・水洗をします。
その後、よく乾かしてやります。
このときも完全に乾かさないと作業中に色の流出や生地のスレが起こってしまいます。
完全に乾いた状態です
黄変のところ薄くなりましたが完全には白くなってません。
というかしてません。
完全に白くしてしまうと糸の青色まで抜けてしまい後の作業が
まずは黄色をぼかしてやります。
黄色と同じ色を作ってムラにならないように白糸だけを塗っていきます。
ぼかし終わりました
これで真ん中の元黄変のところを地直ししても分からなくなります
それから、黄色を抑えるためにうす~い青紫色を塗ってやります。
このときもムラが出ないように白糸だけを塗っていきます。
黄変は均一に変色していないので濃いところはしっかりと、
薄いところはさっと塗っていき全体を見ながら作業を進めていきます。
青紫色を塗り終わった状態です
最終に地直しで使用した青紫色より少し濃い目の色を刷毛で塗ります。
今回はうまくいきましたが、帯はやはり触るのが怖いですね
最初の処理を間違うと修復不可能なことになってしまいます。
ですから織の具合や糸の状態・汚れの種類や表面加工の有無など調べることが山ほどあります。
それだけ調べて確認して作業にかかっても縮みや輪型・色の流出が起こることがあります。
そんなときは、慎重に作業しながら修復していかないといけないので着物にかかる10倍も20倍もの
時間が必要になってしまいます。
でも下手な推理小説を読むよりずっと面白いですよ
その帯に合った作業を見つけると、今までてこずっていたのがうそのようにスムーズに進みます
そのときはちょっとした探偵気分です
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