小学校での英語の教科化が目の前に迫ってきたからか、子どもに英語を習わせている家庭もだいぶ増えたようですね。
家庭内で英語の取組みをする方も、SNSでの印象ですが増えた感じもします。そして そんな取組みをしている方から受ける相談の中に、
「『どうして英語を話さなきゃいけないの?』と子どもに聞かれた」
というものがあります。「どうしてもよ!」では決して片付けられない、とても奥深い疑問ですよね。
以前も関連した内容で記事を書きましたが、
おうち英語やバイリンガル育児を続ける上で非常に大事な要素は、
子どもへの動機付けと親の動機(関連記事『誰のための英語?』)。
「親の動機」とはつまり、
何のために英語をやらせたいのか。
ということ。
その部分をしっかりお母さんなりお父さんが
掘り下げて考え、子育ての軸として持っていれば、
英語の取組みも長期的な視野で捉えられ、上のような質問にもちゃんと答えてあげられるのではないでしょうか。そして英語の取組みも長く続けられるのかなと思います。
子どもが主体的に且つ能動的に英語を話そうとしたり、英語の本を読もうとしたり、行動してくれるようになるまでは周りのサポートがとても大切になってきます。
そういう意味で、バイリンガル育児もおうち英語も長期戦。
2-3歳くらいまでは、子どもにとってはお母さんとの世界がメインなのでそこまで親の動機の重要性は感じないかもしれませんが、子どもが外の世界と繋がり始める時期に
上のような疑問が出てくるのはある意味 自然なこと。
日本に住んでいて、日常は日本語に囲まれている。
幼稚園や小学校のお友達とも日本語で意思疎通ができる。
英語の必要性を感じなくなるのは成長の過程。
そして子どもがそう感じ始めたときに大事になってくるのが、
なぜ英語の取組みをするのか
あるいは
なぜ英語を習わせているのか
ということを親がしっかりと分かって、子どもに接しているということだと思っています。
もちろん、英語教室に通わせているのならば、子どもが英語を習う動機付けをするのは講師の大切な役割でもあると思います。
だけれどお父さんやお母さんの英語に対する姿勢もとても大事。
将来、いい大学に入ってもらいたいから?
英検で高い級をとってもらいたいから?
自分自身が英語のコンプレックスを持っていたから?
これからの時代、英語くらいできないとやっていけないと思うから?
海外で活躍して欲しいから?
世界を広げて欲しいから?
家族や親戚が使っている言葉だから?
将来、英語圏に住む可能性があるから?
・・・などなど、家庭の数だけ考え方はあると思いますが、その動機が子どもへの押し付けになっていないかということも今一度 考えてみるのもいいかもしれません。
というのも、「英語を話せたら、将来 役に立つよ」と言われても、子ども自身は「ぽかーん」ですよね。そんな10年以上先のことを言われても 分からないのは当然のこと。
「英語でお友達と話せて楽しい!」とか、「英語の本を読むのが楽しい!」とか、「もっともっと色んなことを知りたい!」と子ども自身が思ってくれるのはとても良いこと。
そして そうなってくれるように環境づくりをする周りの大人も、
何のためのバイリンガル育児(あるいは教育)なのか
というのを考えてみるのもいいのかなと思います