2016年にも導入が検討されているのが、電力会社の「協力金」制度です。
工場や大規模施設などの電気使用量が多い事業所に対して、真夏の日中はみんながエアコンを使用したりするので、大量に電気が必要になりますが、いきなり大量に使い始めると、電力会社が天候や気温などから想定使用量を計算しながら発電・供給している電力量に、利用者の使用電力量が予想以上だった場合に、電力会社の発電量が追い付かず、停電する恐れも生じてきます。
それを防ぐ為に、そんな時に電力会社からの要請に応じて電気使用量を削減すれば、その節電量に応じて「協力金」が支払われるという制度です。
一度故障や修理・点検に入れば、数か月~半年は動かない発電所を、電気が足りないからといきなり動かして発電させるのは無理ですが、工場やオフィスビル等でエアコンの設定温度や照明機器類を調整するなどすれば、1割や2割使用量を下げるのはそれほど難しい事ではありません。
節電は発電と同じ効果があるというのが「ネガワット(NegaWatt)」ですね。
ウィキぺディアではこのように解説http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8D%E3%82%AC%E3%83%AF%E3%83%83%E3%83%88
関西電力と新電力会社のエネットが、2012年6月に企業の自家発電量を増やして電力融通を図る「ネガワットプラン」というのを始めましたが、今回経済産業省が考えている協力金制度は、発電しなくても節電した分を発電したとみなして協力金を支払う、ネガワットプランの応用型なのでしょうかね。
「ネガワットプラン」の記事はこちら
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1206/04/news031.html
現在の政府や経済産業省内に力が大きな推進派がいるからか、前政権が段階的にゼロにする方向で「閣議決定」したのにもかかわらず、莫大な事故時のコスト負担と、安全面での不安が大きな原子力発電を、なぜか稼働ゼロでも“基幹電力”とする事を発表したのには驚きましたが、そんな原子力発電所の輸出や国内推進に方向転換したように感じられる中でも、未だ3年半前の原子力発電所の事故は収束出来ず、地下水の汚染水漏れ対策も、新しい技術であれば補助金がジャブジャブ使えるからなのかの、税金垂れ流し以外の何ものでもない愚策を延々と続けている電力会社のやりかたには呆れてしまいます。
電気で地中の水分を凍らせては原子炉の周りに凍土壁を作って汚染水の元になっている地下水流入を防ぐ・・・これがどうも土が冷えなくて固まらないからと毎日氷を8トン投入?それでも凍らないのに、理屈ではできるからと言い張っているのですと。
こんなことは、小さな水槽か何かを使って実験室でやって欲しいですね。
それはさておき、節電が発電と同じだけの効果がある事を、現在稼働したくてもなかなか稼働しない稼働ゼロ状態で夏場の電力需要ピーク期間を過ごすハメになった“基幹電力”原子力発電所が、どうやらアテにならないから、仕方なく「ネガワット」という「節電所」効果を認めざるを得なくなってしまった経済産業省や政府の原子力推進派、といった感じでしょうか。
現在の日本国内では、地震や火災・落雷などの災害や送電線に関わる事故など、よほど深刻な事態でもなければ、停電する事などありませんし、仮にあったとしても、たいていは数十分から数時間で停電状態は解決します。
それだけ日本の電力会社の送電線網や管理体制は素晴らしいものだと思っていますが、それを維持管理する以上に必要なのが、電力需給バランスの維持です。
電気は、最近家庭用でも普及し始めた蓄電池みたいに、ある程度使用量が限定している場合はともかく、何万人もが使える大容量の電気までは作り置きをする事ができません。
いくら大量に電気を作って送電線に流しても、それを使う人がいなければ消失してしまいますし、燃料を使って発電したところで、誰も使われなければ電気料金が発生しないので余計に作った分だけ無駄になります。
反面、発電量が足りなければ停電してしまうのですから、電力会社は常にどれくらいの使用量があるか、監視しながらそれを見越して発電量を調整しているのです。
常に一定以上の電気を発電・送電し続けないと、私たちは電気を使えなくなるのです。
これは、長いホースの途中に穴が開いてしまうと、ホースの先から水は流れてきませんが、少し蛇口を開いて勢いを強くすると、途中に空いた穴から水を吹き出しながらも、先端のホース口から水は出てきます。
送電線網には、電気を不自由なく使う為に、ホースの中の水のように常に一定の電気を送る必要があるのです。
その一定量を確保する問題がエネルギー問題で対峙するのが、需給バランスをどうやって確保するかです。
再生可能エネルギーは安定性に欠けるという懸念がありますが、太陽光発電は確かに発電する時間帯が限られますし、天候にも左右されますからムラもありますから、24時間365日安定的に発電するわけではありません。
これは風力発電も同様です。
一方、今でも現役で有効に使われている揚水(水力)発電や、温泉を利用した温度差発電、地熱発電、バイオマス発電は規模の大小はあっても安定的に稼働する事が可能です。
本来、これら再生可能エネルギーの比率を高めれば、安全でかつ燃料の心配が減るのですから、もっと推進して欲しいのですが、目先の発電コストばかりが割高と指摘されているのはよく理解できません。
発電設備等を製造・販売するメーカー等は需要が増えて大量供給ができれば価格は下げられます。
太陽光発電に欠かせない発電パネル(モジュール)が、ここ5年位で半分近くまで価格が安くなったのは、国内市場が大きくなって国内外の企業が参入、競争した結果でしょう。
しかも、電気料金明細を見ると、再生可能エネルギー推進の為に電気料金に上乗せされている負担金より、為替や燃油高で負担している燃油調整費の方が3倍も高いのです。
我が家の2014年5月の明細を見てみると・・・
電気料金14,349円の内、再生エネルギー発電賦課金が501円なのに、燃料費調整が1,699円17銭です。
再生可能エネルギーが普及して再生可能エネルギー賦課金が増えても、その分燃料費調整が減るのですから、原子力発電に頼らず再生可能エネルギーをどんどん普及させていくと電気代が今の倍以上になる、なんて云うのは半ば脅かしで、電気使用量も今まで同様に使う事が前提の、節電を全く加味しない机上の論理にしか思えません。
電力会社が供給する電力の8割は企業や工場などで消費されているのに、電気代として収益を得ているのは売り上げの1割で、残りの売り上げの9割は、電力の2割しか消費していない一般家庭の電気料金なのですからね。
電気料金は政府が認可するのですから、産業支援という名目で、大手企業や工場など一部を優遇、小規模事業者や国民に高い負担を押し付けているのです。
エネルギーの90%以上を輸入に頼る日本では、為替・政治・社会情勢・資源相場やマネーゲームに左右される天然ガスや石油に頼らない方が、将来的には国も産業も安定すると思いますけど
実は、中東などの石油輸出大国が再生可能エネルギー分野に石油マネーを惜しげもなく大量投入して設備投資等を行っているのを、日本が石油をどんどん輸入して石油輸出国の外貨獲得に貢献する国策だったりして?
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