「階段垂直マラソン」についての考察~vol.3 | 青梅の里山から世界を目指す!~階段王に、俺はなる!~

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「日本一の階段屋」横森製作所サポートアスリート・渡辺良治です。スカイランニングの都市型種目「階段垂直マラソン」で、アジア初のワールドシリーズチャンピオン、「階段王」を目指しています。

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こんにちは。

 

ずいぶんと間が空いてしまいまいたが、ようやく連載再開ですグッド!

 

階段垂直マラソンについてこの間体感してきたことをまとめていきたいと思います。

※RUN+TRAIL38号にも詳しく掲載していただいてるのでそちらも併せてご覧ください。

 

 

以下、本文です。

 

 

 

4.階段垂直マラソンのフォーム

前章でも少し触れたように、ただの「階段ダッシュ」ではこの競技はゴールまでたどり着けない。

いかに「効率的」で「疲れない」フォームで駆け上がるかがタイム短縮のカギになる。

 

ざっくり言うと、

「ピョンピョン跳ねない」ということ。

いくつかポイントを挙げると・・・。

A.やや前傾姿勢だが猫背にならない

 

B.ふくらはぎを必要以上に使わないで太もも裏側やお尻の筋肉を意識して使う

 

C.体重移動をしっかり意識して行う。

 

 

それぞれポイントごとに詳しく説明していこうと思う。

A.やや前傾姿勢だが猫背にならない

坂道を駆け上がる際と同じように前傾姿勢が基本になる。

だが・・・。筋疲労が激しい為腰が曲がりやすく猫背になってしまいがち。

苦しいからと言って猫背は厳禁。理由は呼吸がしづらくなりますます苦しくなるからである。

腰から上はピンと伸ばし一直線になるイメージを持つ。

※この姿勢を保つためには腹筋と背筋が大事になる。

 

B.ふくらはぎを必要以上に使わないで太もも裏側やお尻の筋肉を意識して使う

ここでいう小さな筋肉とはふくらはぎの筋肉のことで、大きな筋肉とはお尻の筋肉や太もも裏側の筋肉のことである。

人間は小さい筋肉の方が使いやすいらしく、ついそちらに頼ってしまうのだが、小さい筋肉はすぐに力を使い切ってしまうという弱点もある。

よって「ダッシュ」のような時やラストスパートには大いに活用するのだが、数分間続く動きの場合は小さい筋肉は最期まで温存させて大きな筋肉、特にお尻の筋肉をメインで使うことが大事になる。

その際、Aで述べたように前傾姿勢をとったほうが、お尻に体重を載せやすい。

 

 

C.体重移動をしっかり意識して行なう

階段をのぼる=身体を上に引き上げるということなのだが、上に「跳ぶ」ことを意識してはいけない。

「跳ぶ」ようにぴょんぴょんと登ると余計な力が必要になる上にふくらはぎ等の小さい筋肉に負荷がかかる。

ここで大事なポイントは「体重移動」を利用してのぼることである。

 

(例):階段の段差分すれすれに引き上げた足(右足)を階段に着地する瞬間にそちら側(右)に体重を全て乗せる。

⇒反対側の足(左足)を引き上げて段差分すれすれに着地させ、その瞬間に反対側(左)に体重を乗せる。

⇒再び反対側の足(右足)を段差分すれすれに引き上げ着地、その瞬間そちら側(右)に体重を乗せる

・・・以上をリピートする。

自分はこれを滑車の理論と呼んでいる。

 

 

以上の3点が階段を登る際の基本フォームである。

 

近所の屋外階段などで練習する際にはこれらを意識して登ってみてほしい。

スピードを意識した「ダッシュ」ではなく、「階段垂直マラソン」のレースを想定したペースで行い適切なフォームを身に着けてほしい。

 

以上

 

※次回は手すりを使ったのぼり方を解説したいと思います。

 

 

それではまた。

 

 

渡辺良治