2019年版「終戦記念日」ということで | 忍之閻魔帳

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【関連記事】映像系サブスクリプションサービスまとめ2019(2019年7月18日最新版)

 

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▼2019年版「終戦記念日」ということで

 

 

【関連記事】「終戦記念日」ということで

 

 

 

BLOG開設以来、多くの戦争映画を取り上げてきた理由のひとつに

私の世代の使命だという気持ちがある。

母からは庭先に爆弾が落ちたことや

疎開先での暮らしぶりを聞いたことがあるが

実体験がない分、「歴史」としてしか認識できていない。

日本における「戦争を知らない子供たち」の第一世代と言っていい私達は

戦争体験を直接肉親や恩師から直接聞くことの出来る世代でもある。

であるならば、先人の遺した言葉や作品を後世に語り継ぐことが

私に課せられた使命であろうと思っているのだ。

 

しかしながら、戦争映画についてのまとめ記事は2006年まで遡らなければやっていなかった。

この10年ほどでも、戦争を題材にした映画はたくさん作られている。

徒らに戦意を駆り立てるだけの作品もあったが、

「この世界の片隅に」など素晴らしい作品も多数生まれている。

令和を迎えて初めての終戦記念日でもあるので、久しぶりにまとめをアップデートしてみた。

なお、今回は選別対象を邦画に絞っている。


●アニメーションで知る戦争

 

 

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【紹介記事】映画「この世界の片隅に」小さな小さな幸せを

 

衣食住の全てを切り詰めなければならなかった当時の生活をクローズアップし、

「戦時中でも日々の生活を楽しんでいた人達がたくさんいた」ことが

ほんわかしたタッチで描かれている。

召集令状も空襲警報も、人の死すらも日常の風景に溶け込み、

いつ終わるとも知れぬ戦渦の中、食卓に上るのが粗末なメニューでも

他愛も無い会話で笑い合う瞬間があったのだと教えてくれる。

そしてその小さな小さな幸せをも、根こそぎ奪っていくのが戦争なのだと。

 

この作品が持つメッセージは、私が戦争映画の頂点だと信じている

「TOMORROW 明日」を撮った故・黒木和雄監督の作品群に通じる。

黒木監督については後述するため、ここでは割愛。


●戦争の裏側を知る

 

 

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現在公開中の「アルキメデスの大戦」とも同系の

年表や教科書だけでは分からない、歴史の陰で活躍した人々にスポットをあてたドラマ。

往年の名作をリメイクすると現代では役所広司一択になってしまうようで

配役も似通ってしまうのが難点ではあるが、どちらも興味深い作り。

 

【関連記事】「日本のいちばん長い日」Blu-ray発売決定

 

「日本のいちばん長い日」は戦後70年を記念して製作されたリメイク。

公開時は「やはりオリジナル版にはかなわない」という感想が飛び交ってもいたが

小津安二郎や岡本喜八をどれだけ誉め称えたところで

モノクロというだけで現代の若者には届き辛い。

三船敏郎や笠智衆やどれほど素晴らしくても

見知った顔でなければ興味を抱かない人は絶対数として存在する。

現代の役者とスタッフで、出来得る限りの努力をしたリメイクは

後世に語り継ぐ上で意義があると私は思う。

 

岡本喜八監督の1967年版が8月14日と15日の2日間に集中して描いているのに対し

今作では終戦の4ヶ月ほど前から物語がスタートし

徐々に敗戦色が濃厚になる過程も描いている。

さらに、役所広司(阿南惟幾)、本木雅弘(昭和天皇)、

松坂桃李(畑中健二)、堤真一(迫水久常)、山崎努(鈴木貫太郎)の5人が

それぞれどのような立場からどんな気持ちで戦況を見守っていたのかを

テンポよく切り替えながらスポットを充てており、

スピード感や緊張感はむしろ1967年版よりも上と言えるだろう。


●戦争の厳しさ、生々しさを知る

 

 

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【紹介記事】「反戦」×「芋虫」×「死んだ女の子」=映画「キャタピラー」

 

江戸川乱歩の「芋虫」をベースに独自の解釈を加えた戦争映画。

制作費の少なさから、スタッフはわずか14人、撮影期間は12日で作られている。

原作の「芋虫」は、四肢を失った醜い夫と、かいがいしく世話をする美しい妻との

淫靡で倒錯した行為や愛憎劇に主題が置かれている(ように私は感じる)のだが、

「キャタピラー」の久蔵は、出征先で強姦行為に及んだ時の映像が頭から離れず

自責の念に駆られ続けている上に、出征前はシゲ子に対しても暴力三昧だったという設定。

食欲と肉欲だけで繋がっているようで、実は深いところで通じ合っている「芋虫」の夫婦と違い、

「キャタピラー」の夫婦は、表向き麗しい夫婦愛で繋がっているが

中身はけっこう冷えきっていて、「芋虫」とは真逆の夫婦像になっている。

 

【紹介記事】映画「野火」トラウマ覚悟で観るべし

 

大岡昇平による戦争文学の傑作「野火」を塚本晋也監督が映画化。

1959年に市川崑監督が船越英二主演で撮っている。

登場人物の心情に迫った市川版のリメイクではなく、

学生時代に出会い衝撃を受けた原作のイメージを忠実に再現したのだという。

構想から着手まで10年以上が経過しており

経済的な理由から何度も頓挫しかけたが、

戦後70年が経ち、世の中から戦争の記憶が薄れつつあることから

監督自らが主演する自主制作の形で公開まで漕ぎ着けた。

共演にはリリー・フランキー。

 

1944年10月20日から翌年の8月15日まで続いた

フィリピン・レイテ島での戦いの凄惨さを描いている。

大敗を喫するだけでなく、補給に失敗したため多くの兵士が餓死した

塚本監督は、どう転んでも感動には結びつかない当時の現場の様子を

可能な限り忠実に再現し、平和ボケの進んだ日本人に

「さぁこれを観ろ」と言わんばかりの熱量でスクリーンに焼き付ける。

極限状態で人がどうなってしまうのか。

そこには、映画的な嘘(綺麗事)の入り込む余地など一切ない。

空腹から来る飢餓感が理性や倫理観を呑み込み、

飛び交う弾丸によって兵士は一瞬で肉塊と化す。

耳を劈くほどの銃声や怒号が、私達を否応無しに目撃者にしてしまう。

人間らしささえも失い、「死んだら喰われる」恐怖がどういったものなのか、

想像を張り巡らせたところで、現実はその何百倍も過酷だったろう。

塚本監督の手法のひとつである容赦ない過激な描写は、

作中の人物の痛みに出来るだけ寄り添おうとした結果の嗚咽であると私は思っている。

愛情深い人なのだ。


●生活の中の戦争

 

 

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「黒い雨」は「夕凪の街 桜の国」や「この世界の片隅に」にも登場した

原爆の影響を描いたドラマ。

田中好子の女優としての評価が一気に上がった名作中の名作である。

 

「一枚のハガキ」は100歳で亡くなった新藤兼人監督が99歳で撮った引退記念作。

出演は大竹しのぶと豊川悦司。

戦争映画と言っても爆撃機が飛んでいるわけでもなければ

銃撃戦が出て来るわけでもなく、

戦争によって人々の生活がどう変わったのかに力点が置かれている。

戦死した長男の代わりに次男を呼び戻し、長男の嫁と結婚させる。

後継ぎのない農家が「家」を残すためには形振り構っていられない。

しかし、戦況が悪化する日本は、老夫婦の一縷の望みを打ち砕くかのように

次男にも召集令状を届ける。

テンポ良く繰り返される葬送の儀式は

まるでコントのようで、会場の片隅からは笑い声すら漏れている。

 

監督の実体験を元にしていながら語り口はとても静かで、

物語の抑揚の付け方も淡々としている。

全てを受け入れて、次の世代への遺言として作品を遺しているのが分かる。

スクリーン一杯に黄金に輝く稲穂が映し出された時、

私達はこの光景を守っていかなくてはならないのだ、と強く思った。

 

公開初日の舞台挨拶で、新藤監督は言った。

 

「新藤ってこんな映画作ってたんだなと、時々でいいので思い出してください。

 私は死んでしまいますが、それだけが望みです。」

 

戦争を経験する年寄りの多くは、あまり戦争について語りたがらない。

映画「ひめゆり」にも出演している、ひめゆり学徒の生存者・宮城氏も

戦後40年間は戦争について語る事が出来なかったと言っている。

語る気力を取り戻した時には、少女は「おばあ」と呼ばれる年齢になっていて

語り継ぐための時間もさほど多くは残されていない。

私達に出来ることは、戦争を経験した人々の声や作品に少しでも触れることだ。


●戦争映画の巨匠・黒木和雄の世界

 

  

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私が日本の戦争映画の頂点だと信じているのが

故・黒木和雄監督の「TOMORROW 明日」。

 

長崎に原爆が落される直前までを描いたドラマで

劇中には一機の戦闘機も一滴の血も映らない。

祝言を挙げる若いカップルや、出産間近の妊婦など、

市井の人々の暮らしぶりを淡々と追っている。

晴れ渡る空を女学生がふと見上げた瞬間、閃光に目を細めたところで映画は終わる。

その後の長崎がどうなったのかには一切触れていないにも関わらず

とてつもない喪失感と恐怖を感じる。初めて観た時の衝撃は未だに忘れられない。

 

私がコミック版の「この世界の片隅に」読んだ時に感じたのが

「TOMORROW 明日」に通じる黒木イズムだった。

ちなみに同じ黒木監督の「父と暮せば」は、

生き残ってしまった娘を励ますために亡くなった父が幽霊として登場する話で

「夕凪の街 桜の国」に通じる要素がある。

 

「紙屋悦子の青春」は戦争に翻弄されたひと組の男女の恋物語。

黒木監督の描く戦争映画には、ささやかなことに幸せを感じる人々が登場する。

何気ないことに喜んで、過酷な状況でも愛を育み、

支え合いながら生きるのが人間なのだと教えてくれる。

 

権利的な問題なのか、黒木監督の作品は数年前にようやくBlu-rayが出ただけで

配信関連にはほとんど入荷していない。

レンタルショップに置いているのも、賞レースに絡んだ「父と暮せば」ぐらい。

山田洋次監督もその辺を考慮して、敢えてジャニーズを起用して

アレンジ版の「母と暮せば」を撮ったのだろうが、

本年を言えばやはり黒木監督の一連の作品こそ、

NetflixやAmazonプライムなどを通して若い世代に観ていただきたい。

探すのは骨だろうが、少しでも興味を持っていただいた方はこの機会に是非。

 

「一本の鉛筆」美空ひばり

「腰まで泥まみれ」元ちとせ

「死んだ男の残したものは」石川セリ

「夏の終わり」森山直太朗

「戦争は知らない」カルメン・マキ

「伝える花」二階堂和美


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