忍之閻魔帳

忍之閻魔帳

ゲームと映画が好きなジジィの雑記帳(不定期)


▼映画「ミッドサマー」カルトをメジャーに押し上げた傑作

 

公開中■映画:ミッドサマー

 

特報が出た時から注目していた「ミッドサマー」を初日に観てきた。

監督もキャストもそれほど知名度の高くないホラーにも関わらず、

東宝シネマズは3番シアター(3番目に大きなシアター)での上映と破格の待遇。

しかも超満員の盛況ぶりだった。

このヒットは、劇場で何度も流されていた予告編の出来の良さに尽きると思う。

変わった風習を今も受け継ぐ村を訪れた若者たちが、

次々と生け贄にされる恐怖を描いた異文化交流ホラー。

ホラーと言えば暗闇という既成概念をぶち破り白夜の村で展開する物語は、

美術も衣装もアートの域に達するほどの圧倒的な美しさを持っている。

美術・衣装を担当したヘンリック・スベンソンとアンドレア・フレッシュの名前は

今後の映画界で頻繁に見かけるようになるはず。今のうちに覚えておきたい。

主人公のダニーを演じたフローレンス・ピューは

日本でも間も無く公開される「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」で

アカデミー賞助演女優賞にノミネートされた注目の若手。

恋人役のクリスチャンを演じたジャック・レイナーは

「シングストリート」で主人公の兄を演じていたこちらも注目株。

共演には「リトルランボーズ」のやんちゃ坊主役が

いまだに記憶に残っているウィル・ポールターなど、

実に気の利いた配役がされている。

製作スタジオは、Appleとの提携も発表した私の大好きなA24。


妹と両親が急死してしまい、心の拠り所としていた彼氏のクリスチャンからも

距離を感じているヒロイン・ダニー。

ある日、ダニーはクリスチャンが民俗学を研究している友人らと連れ立って

スウェーデン旅行を計画していると知る。

ハルゲンと呼ばれる奥地の村では、今年「90年に一度の祝祭」が行われるのだという。

クリスチャンの知人のペレは、ダニーの喪失感を深く理解し

気分転換になると旅への同行を持ちかける。

しかし、ハルゲンへと到着した一行を待ち受けていたのは想像を絶する儀式だった。

 

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私的には文句のつけようがないほど最高に好みな作品ではあるのだが

この面白さはキャパ100人ほどの小劇場で絶賛されてきたタイプのものであり、

本作が大劇場を満杯にしていると言われると狐につままれたような気持ちになる。

作品のベースは1973年の「ウィッカーマン」であろうし

演出は「メランコリア」や「アンチクライスト」「ニンフォマニアック」など

次々にカルト的な作品を発表する鬼才ラース・フォン・トリアーに通じる。

日本においては非常に狭いところでしかウケなかったタイプの作品なのである。

「行ってみたい」と思わせる風景や「着てみたい」と思わせる衣装は、

美しい花を咲かせて獲物を呼び込む食虫植物のようなもので、

まんまとツアー客の一人と化した観客は、

ダニーと同じ目線で美しき悪夢を直視させられるハメになるのだ。

 

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私が単に見慣れているだけかもしれないが、本作で語られる(実行される)風習は

かつて「姥捨て」の風習のあった日本人にも共感しうる点もある。

道義的な理由で封印し、時代にそってアップデートしてきたはずの価値観は

実は何層にも重なっており、塗り込められた意識の下には古の記憶がかすかに残っている。

映画によって古い価値観が表層へと引きずり出されそうになる瞬間、

彼らの主張に「一理あるな」と思ってしまう自分自身に恐怖を覚える。

ツイッターでも「繊細で感度の高い方は危険」と書いた。

 

伝統を重んじるハルゲンの人々は、ダニーから全てを奪ったように見せて、

重荷でしか無かった家族や、薄々好かれてしないことを感じつつ

でも離れられなかったクリスチャンからダニーを解放するきっかけを作ったとも言える。

作中で人生の四季は、生まれてから18歳までを『春』、18歳から36歳までを『夏』、

36歳から54歳までを『秋』、54歳から72歳までを『冬』としていた。

夏至(ミッドサマー)を迎え、9日間続く儀式の最中にハルゲンを訪れたダニーも

人生のミッドサマーを歩いている最中。

人生の秋を迎えるにあたり、これから往く道筋を見極めて、

そのために不要な自分を縛る鎖を断ち切る必要があった。

断ち切るための精神的な強さを、ハルゲンの人々は様々な形でダニーに与え

やがてダニーは大きな決断をする。

燃え落ちる建物を見つめる彼女の表情は

悲しみからやがて晴れやかなものへと変化してゆく。

清々しいまでの笑顔は、ついに自由と解放を手にした喜びからのものなのだろうか。

 

フォーマットとしては前作の「ヘレディタリー 継承」と良く似ていて

前作のミニチュアが今作の絵といったように、

物語を暗示するアイテムの使い方や物語の〆方まで共通項は多い。

「ゲットアウト」から「アス」へと進んだジョーダン・ピールも同様で

スタイルの確立された二人が2020年代のホラー界を牽引するのは間違いない。

ただ、次はもう少し違う見せ方も期待したいところではある。

 

ダニーの妹や両親は本当にただの自殺だったのか、

スウェーデン行きを持ちかけたペレはどこまで想定していたのか

ターゲットと感情を同期する村人の習性などなど、

本当はもっと細かいところまで書いてしまいたいのだが

公開間もない新作なのでこのあたりで止めておく。

 

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「ニンフォマニアック」や「メランコリア」といった

ラース・フォン・トリアー作品がお好きな方には絶対にお勧め。

昨年リメイクされた2019年版の「サスペリア」がお好きな方にも。

「死霊館」ユニバースのジェームズ・ワン作品がお好きな方や

「IT」あたりの分かり易いアトラクション系ホラー映画をお求めの方は

若干ハードルが高く、解釈が難しい作品なので予め覚悟しておくこと。

 

映画「ミッドサマー」は現在公開中。


▼映画「ミッドサマー」をより深く味わうために観ておきたい作品

 

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▼アリ・アスターの衝撃のデビュー作「ヘレディタリー 継承」を振り返る

 

 

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【紹介記事】映画「ヘレディタリー 継承」流行に背を向けた超オカルトの怪作より抜粋。

 

祖母から”何か”を受け継いでしまった家族を襲う怪現象を描いた

アリ・アスターの記念すべき長編監督デビュー作。

主演は、この人が出るならまずハズレは無いと信頼しているトニ・コレット。

 

 

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ジェームズ・ワンが「死霊館」シリーズを大ヒットさせてから

アメリカのホラー映画界には

”家族愛や夫婦愛を盛り込み、怖いけど哀しい、怖いけど感動する”といった

ホラー映画をヒットさせるためのセオリーが確立されている。

本作はそういったヒットの条件からことごとく背を向け、

おふざけ無し・感動無しの超ド直球オカルトで挑んできた。

不穏な空気が漂う序盤からラストの伏線回収まで練り上げられたシナリオは

5年の歳月を費やして完成させたという。

突然大音量で鳴るBGMのようなコケ脅しを一切使わない上質な演出もお見事。

これを初監督作品でやってしまうのだから

ホラーが名匠を輩出するジャンルと言われるのも当然だろう。

アリ・アスターの名前をオスカーでも耳にする日も、そう遠くない気がする。

 

「ヘレディタリー 継承」に登場する悪魔は、

歴代の映画の中に登場してきた中でも特に身近で、かつ厄介な存在。

ヒステリックな言動を繰り返し精神が崩壊寸前のトニ・コレットと

少女らしからぬ名前のチャーリーの「コッ」という舌を鳴らす音に

劇中の家族はもちろん、観客の心も少しずつ蝕まれてゆく。

「怖い!」と感じるショッキングなシーンは(一箇所を除き)ほとんど無く、

小出しのヒントと共に「なんとなく不気味」なシーンが延々と続くだけ。

だからこそ余計に、まるで真綿で首を絞められているような息苦しさで

なんとも疲れる映画になっている。

現代の家族像や近代的なホラー的な演出を巧みに取り入れながら

本作を完成させたアリの出現は、ホラー映画界にとってサム・ライミ、

ジェームズ・ワン以来のターニング・ポイントとなるはず。

今後どの方向に枝葉を伸ばしていくかは不明だが、

もう1本ぐらいホラーを撮ってから他所のジャンルに行って欲しい。


▼映画「サスペリア」熱狂的ファンによる好意的拡大解釈の二次創作

 

*公開当時の記事からの抜粋。

 

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「決してひとりでは見ないで下さい」のキャッチコピーに

日本中が震え上がった名作ホラーが42年振りにリメイク。

監督は「君の名前で僕を呼んで」のルカ・グァダニーノ。

主演は「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」のダコタ・ジョンソン。

共演にティルダ・スウィントン、ミア・ゴス、クロエ・グレース・モレッツ。

カメレオン女優のティルダ・スウィントンはカリスマ振付師役を演じると同時に

ルッツ・エバースドルフなる俳優名で男性心理療法士役も演じている。

 

オリジナルをリアルタイムで鑑賞したルカ・グァダニーノの

純粋で熱烈で歪んだファン心理が生みだした二次創作といった趣き。

若手ダンサーの入団したベルリンの舞踏団で不審な出来事が相次ぐ、という

プロットの部分を除けばほぼ全面リニューアルされていて、

準新作と考えても差し支えないレベルになっている。

スラッシャー要素はほぼ無し、鮮血を思わせる赤を多用したドラッグ風ビジュアルは

落ち着いて格調高い色合いに整えられ、衣装はいずれも桁外れにハイセンス。

クラシックバレエは創作の暗黒舞踏へ、耳触りで焦燥感の付き纏うゴブリンのBGMは

トム・ヨーク(レディオヘッド)へと置き換えられて

1977年当時の政治や世相を反映した重厚な物語が展開する。

 

  

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アルモドバルの「私が、生きる肌」や

ベン・ウィショーのデビュー作にして傑作の「パフューム ある人殺しの物語」、

デル・トロの出世作である「パンズ・ラビリンス」など

美と狂気が高いレベルで融合したサスペンス・ホラーは数多く存在していて

本作はどちらかと言えばその部類に属する。

 

「キャリー」や「テキサス・チェーンソー」とは

全く異なるアプローチで作られた新しい「サスペリア」。

「私が、生きる肌」や「パフューム」あたりがお好きな方ならば観る価値あり。

ダリオ・アルジェントの大ファンで、あのノリを期待している方は避けた方が無難。

どちらも好きな私にとっては、「思ってたのと違うけど大当たり」だった。


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