▼人生を切り拓くのは自分だ。映画「ヒア・アフター」
![ヒア・アフター 映画 セシル・ドゥ・フランス](https://stat.ameba.jp/user_images/20110215/15/sinobi/a3/cf/j/o0775050011051240861.jpg?caw=800)
(C)2010 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
御年80歳を迎えたクリント・イーストウッド監督の最新作が今週末より公開。
臨死体験をした女性や霊視能力を持つ男などが登場するため
粗筋だけ読むと「イーストウッド版の大霊界」と誤解されている方も多いかも知れないが
霊界云々の話はあくまでも装飾部分であり、中身はどっしりしたヒューマンドラマである。
制作はスティーブン・スピルバーグ。
主演はイーストウッドの前作「インビクタス」にも起用されたマット・デイモン。
共演は「スパニッシュ・アパートメント」
「ぼくセザール 10歳半 1m39cm」のセシル・ドゥ・フランス、
「ヴィレッジ」「マンダレイ」のブライス・ダラス・ハワードなど。
脚本は「クィーン」「ブーリン家の姉妹」「ラストキング・オブ・スコットランド」
「フロスト×ニクソン」など、実在する人物のドラマが得意なピーター・モーガン。
本作はピーター・モーガン自身の体験を脚本家した、言わば新境地である。
映画は大きく分けて3つのエピソードで構成されている。
一人目は、パリで人気ジャーナリストとして活躍中のマリー。
仕事のパートナーでもある恋人とバカンスを楽しんでいる最中に
大津波に襲われ、生死の境を彷徨うことに。
奇跡的に意識を取り戻したものの、夢の中で見た光景が頭を離れず
死後の世界について情報を集め始める。
二人目は、ドラッグ中毒の母を持ちながら
肩を寄せ合って生きるロンドンの双子、ジェイソンとマーカス。
ある日、兄のジェイソンが不慮の事故で他界してしまい
母親も矯正施設に送り込まれたマーカスは里親のもとで暮らすことに。
三人目は、サンフランシスコの工場で働く男、ジョージ。
かつては死者と交信出来る霊能者として人気を得ていたが
自分に与えられた特殊能力を「呪い」としか思えなくなり、今はひっそりと暮らしていた。
しかし、どれだけ逃れようとしても、どこからか彼を頼ってくる客は後を絶たず・・・
![ヒア・アフター フランキー ジョージ マクラレン](https://stat.ameba.jp/user_images/20110215/15/sinobi/97/a3/j/o0752050011051240862.jpg?caw=800)
(C)2010 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
冒頭でも書いた通り、物語の表面だけを追っていくと
「イーストウッドは死後の世界を信じている」
「イーストウッドの描く死後の世界はこうだ」と誤解されるかも知れないが
チラシの裏にイーストウッドのコメントとして
「死後の世界があるかどうか、真実は誰にも分からない。
ただ、人は誰も与えられた人生を精一杯生きるべきだと、
僕は常に信じている」
と書かれているように、この映画の肝は臨死体験や死者との交信をきっかけにして
人生を切り拓いていこうとする人間達への讃歌であり、
霊体験は人生のポイントを切り替えるためのきっかけに過ぎない。
主要の三人以外にも、過去にトラウマを持つ女性や妻を亡くした男性など、
何らかの形で人生の針が止まっている人間が多く登場し、
科学的根拠など何ひとつ提示出来ない体験を通して、自力で生きていこうとする力を得る。
*ブライス・ダラス・ハワード演じるメラニーだけは逃げてしまったようにも見えるが
ジョージに過去を見透かされたことで、初めて「きちんと泣けた」のだと思う。
マリー、マーカス、マーカスの母親、メラニー、そして手助けをしてきたジョージ、
皆の時間が一斉に、ゆっくりと動き始めるように束ねられていく脚本はお見事。
ジョージトメラニーのエピソードがやや冗長で、中盤中だるみがあるのが惜しい。
マリーとマーカスのエピソードを膨らませるか、
いっそ切ってしまった方がもっとテンポが良くなったのではないか。
舞台にロンドンブックフェアーを選んだのも、ロマンティックで良い選択だと思う。
インチキ霊媒師の下らなさや、手に負えないマーカスの行動に
思わず本音を漏らしてしまう里親など、多くの「やれやれ」な人間達に対し
決して怒りを露にしないイーストウッドらしさは本作でも健在。
あの世があるかないかはどうでもいい。
大事なのは今、息をしているこの場所なんだ。
80歳を超えて、100歳まで映画を撮ると宣言しているイーストウッドから
投げ込まれたボールは、とても優しくて温かかった。
ここ最近、万人を唸らせる作品を連発してきたので
合わない感じる人も出るかも知れないが、私はこの作品が好きだ。
「ヒア・アフター」は今週末19日より公開。
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![](https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fecx.images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F51guoHdC8RL._SL160_.jpg)
■BD:「チェンジリング」
■BD:「グラン・トリノ」
■BD:「インビクタス / 負けざる者たち」
▼映画ランキング。「太平洋の奇跡」が1位初登場
01位(-):太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男(1週目)
02位(1):GANTZ(3週目)
03位(-):あしたのジョー(1週目)
04位(2):RED(3週目)
05位(3):ウォール・ストリート(2週目)
06位(4):毎日かあさん(2週目)
07位(-):パラノーマル・アクティビティ2(1週目)
08位(5):ソーシャル・ネットワーク(5週目)
09位(6):僕と妻の1778の物語(5週目)
10位(10):相棒 劇場版II 警視庁占拠!特命係の一番長い夜(8週目)
初登場で1位を獲得したのは「太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男」。
「しゃべれども しゃべれども」「必殺剣鳥刺し」の平山秀幸監督が
太平洋戦争の激戦地サイパン島で”フォックス”と呼ばれ、
アメリカ軍に恐れられていた大場栄大尉の物語を映画化したもので
主演は竹野内豊。共演は唐沢寿明、井上真央、山田孝之、中嶋朋子、阿部サダヲら。
土日2日間の成績は動員21万6495人、興収2億5510万700円。
金曜を含む3日間では3億9045万円。
▼色々と酷い。映画「太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男」
![映画 太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男 竹野内豊 井上真央 山田孝之 唐沢寿明](https://stat.ameba.jp/user_images/20110215/17/sinobi/c7/d9/j/o0640042711051521637.jpg?caw=800)
(C)2011「太平洋の奇跡」製作委員会
私も公開前に観せていただいたのだが、周囲の評判が思いの外良いので戸惑っていたりする。
まず、日本側・アメリカ側でパートごとに監督を交代制にした弊害がモロに出ていて
ふたつの映画をザッピングしながら観ているようなチグハグ感がある。
制作費の問題か主要人物以外が露骨に現地調達のエキストラで、
芝居する気も無さげなのもトホホ。
山ごもりがどれだけ続いても、竹野内の格好は美しく凛々しい佇まいを維持し
山田孝之以下、部下や一般人だけが汚れていく違和感。
常に沈着冷静で、人一倍責任感が強かったとされる大場大尉が
映画本編ではどう見ても自己中心的な行動を繰り返し、
帰りたがる一般人を引き連れて山中を逃げ回っていただけのようにしか見えないのもどうか。
捕虜になったからといってペラペラ情報提供する中嶋朋子は
芝居はとても良いのに脚本のダメさ加減に押しつぶされてしまって不憫。
知名度の低い人物にスポットを当てて別の視点から反戦映画を作ろうという姿勢そのものは
否定しないが、せめてもう少し丁寧に作って欲しい。
これぐらいなら、「硫黄島からの手紙」「父親たちの星条旗」を見返した方がいい。
![](https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fecx.images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F51NQHxtGVfL._SL160_.jpg)
![](https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fimages-jp.amazon.com%2Fimages%2FP%2FB003GQSXJK.09.TZZZZZZZ.jpg)
■BD:「硫黄島からの手紙」
■BD:「父親たちの星条旗」
さて、ランキングに戻って2位は「GANTZ」。
公開16日間の累計興収は20億円を突破し、目標の40億の折り返し地点を過ぎたあたり。
3位はちばてつやの名作漫画を「ピンポン」「ICHI」の曽利文彦監督が
実写化した「あしたのジョー」。主人公・矢吹丈役を山下智久が演じる
キムタク古代に続くTBSのチャレンジ作だが土日2日間の成績は動員15万6877人、
興収1億9449万4250円。3日間では3億0232万円。
まさか「太平洋の奇跡」に破れるとは思ってもみなかったのでは。
公開3週目の「GANTZ」にも負けて泣きっ面に蜂。
7位には「パラノーマル・アクティビティ2」が登場。
2日間で動員5万7191人、興収7378万2800円は
日本人キャストで制作された「パラノーマル・アクティビティ 第2章
TOKYO NIGHT」の動員3万3349人、興収4163万3200円より良い出足。
やはり本家の強みか。
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▼貞子」が3Dで映画化!“最恐”キャラがスクリーンから飛び出す!
大ヒットホラー映画「リング」に登場する長い黒髪が特徴的なキャラクター「貞子」が
3Dとなって映画化されることが15日、角川映画より発表された。
原作者の鈴木光司は「テレビから貞子がはい出すシーン」が最大の見せ場とコメントを寄せた。
原作者・鈴木が完全オリジナルストーリーを手掛け、貞子は“悪魔的な美しさ”で
人々を誘惑し恐怖へと引きずり込むキャラクターとして描かれる。
公開は2012年を予定している。
貞子を3Dにするなら、当然そこ(TVから這い出る)が見せ場なのだろうが
粗筋を読む限り、貞子が富江に近づいたキャラクターになっている予感。
同日、角川から発表されたその他の新作は以下の通り。
・水無月すう原作アニメの劇場版「そらのおとしもの」(初夏公開予定)
・「ストライクウィッチーズ 劇場版」(来年公開予定)
・「ももへの手紙」(沖浦啓之監督・2012年公開予定)
・「Another アナザー」(綾辻行人原作・2012年公開予定)
・「キツツキと雨」(「南極料理人」の沖田修一監督・2012年公開予定)
▼今週発売の主な新作(ダイジェスト)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/f2/be/10024276661.jpg?caw=800)
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02月15日発売■DVD:「東野・岡村の旅猿 中国の旅 プレミアム完全版」
02月16日発売■DVD:「リンカーンDVD 2」
02月16日発売■DVD:「リンカーンDVD 3」
02月17日発売■PS3:「キャサリン サントラCD付き」
02月17日発売■360:「キャサリン サントラCD付き」
02月17日発売■PS3:「MARVEL VS. CAPCOM 3 Fate of Two Worlds」
02月17日発売■360:「MARVEL VS. CAPCOM 3 Fate of Two Worlds」
02月17日発売■PS3:「トゥーワールド 2」
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