人は、いずれ死に逝くのは確実なことだが、その心構えはいまからではできない。
夫婦のどちらが先に逝くのかわからないがあとに残された場合の心構えをしておきたいと思った。
どのような心境になるのか。失った悲しみはどうなっていくのか、独りどう生きていくのか、毎日は寂しくはないのか、日々何を思って生きていくのか……など、その時になってしかわからないことをここから学んでおきたいと高尚に思ったのだったが。
ぺこりーのさんからぼくの心に届いたことばたちを取り上げてみた。
7P
この本を読んでいるあなたに、今気づいてほしい。
あなたの夫が、あるいは妻が、恋人が、もしも元気で生きてくれているなら、あなたはそれだけで幸せ者だということを。
58P 食べて寝る、結局人間はこのふたつで生きている
食べて寝ればそれで幸せ
悲しくても……腹は減る
128P
亡くなった妻との長い結婚生活を振り返ってみて、幸せを実感したのはふたりで行った海外旅行でもなければ、贅沢な外食でもない。
毎日のささやかな日常だったのだ。
妻の手料理で晩酌をする、きょう一日の出来事をふたりで話す。ふたりで行ったワンコたちの散歩、休日に出かけた公園で飲んだビール。
140P 老後の心配は「そのとき」になってからすればいい
なくさないうちに当たり前が幸せなのだと気づけたのはよかったなと。
<目次>
はじめに ようやく妻が死んでくれた、ついに自由を手に入れた ほか
第1章 男の台所は秘密基地(男の台所は秘密基地、今日も台所から朝が始まる ほか)
第2章 築40年ボロマンションを城にする(今日から自宅は小さなテーマパーク、想像力は情報が少ないほうが鋭利になる ほか)
第3章 年金11万円で人生を楽しむ(老後の貯金、あなたは老後をどう生きる、年金11万、自由であることが一番の幸せ ほか)
第4章 老後は小さく豊かに暮らす(老いの美学、友だちはいらないとずっと思っていた ほか)
第5章 夫婦について(あなたの人生を後悔で埋め尽くさないために、タイムスリップ、贈り物、いつか天国で再会した時のために)
おわりに
思えばひどい妻だった
ぺこりーの さん
1957年生まれ、熊本県天草出身。長いサラリーマン生活を経て、60歳でフリーのコンサルタントとなる。現在は、東京で愛犬とふたり暮らし。好きな言葉は「人生とは今日1日のことである」
【No1675】妻より長生きしてしまいまして。金はないが暇はある、老人のひとり愉快に暮らす ぺこりーの 大和書房(2024/05)









