90歳のジャーナリストの田原総一朗さんと86歳の解剖学者・養老孟司さんによる初対談。
交わされる少なめの言葉のなかにも、お二人の蘊蓄の深さを十分伺うことができた。
示唆に富んだ対話はとても勉強になる。
本は知識のままで失敗の経験は知恵になるに目が開かれる思いがした。
214P
養老 五月病とかいうやつですね
田原 実は僕、それはとてもいいことだと思っているの。
養老 昔は少なくとも3年は勤めるべきだ、とか言われていましたけどね。
田原 そう、昔はね、会社を辞めるというのは、生きるうえで損だと考える人が多かったね。でも今ね、ここは違うと思ったら、すぐに辞めていいと思う。そうするうちにやりたいことが見つかるかもしれないじゃない。失敗するかもしれないけど、それでも発見できることもあるから。僕ね、本を読んで覚えたのは知識で、失敗から得たものは知恵になると思っているんですよ。だから、若いうちはいろいろな体験をして失敗もして、どんどん知恵を身につけていってほしいね。そのためにも、すぐに辞めることは悪いことだとは思わない。
いまここを楽しみ生きていくを最近の課題として。
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田原 避難するときに持っていくものを用意しておくとか、しなくていい?
養老 そのときに考えればいいんですよ。まだ起きないことをあれこれ悩んだり、準備に余計な時間をかけたりするより、「今ここ」に集中して生きることのほうがよほど大事だと思います。
<目次>
はじめに 田原総一朗
第1章 少年時代を振り返る 僕たちはこうして生きてきた から第5章 90歳の壁を超える 生きることも死ぬことも考えない
おわりに 養老孟司
