朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~ -31ページ目

朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

 

13P

お金を貯める(ストック)ことで不安を解消できないなら、いったいどうすればいいのでしょうか?

それはリタイア後も入ってくるお金(フロー)をつくることです。

リタイア後も、年金以外のフローがあればいいということです。

 

リタイア後にも、できるだけ手元にお金がある方が気持ちは安定するのは間違いありません。でも、どれだけあってもまだ欲しいまだ欲しいという風に人の欲にはキリがありません。節約してお金を貯めるのも……。

この本のように賃貸の家賃収入等の不動産関係の所得があればよいのですが、なかなか真似できないものです。また、現役のようにバリバリには働くことはできません。

ぼくは、健康に留意しながら、できるだけ細く長く世の中で役に立ち働くことによって、年金のほかに定期的に少しでもわずかでもお金が入ってくるような仕組みがあれば、裕福ではないけれども「ほどほどに」がよいと思っています。

 

 <目次>

はじめに 

第1章 お金の不安はどこから来るのか?

第2章 お金に「働いてもらう」方法

第3章 もう、老後のために、お金を貯めなくてもいい

第4章 何もしないことは、「損をし続ける選択」をしているのと同じ

第5章 お金が増える「仕組み」をつくったら、人生がこんなに激変した

第6章 お金が増える「仕組み」は、こうつくる!

おわりに 

 

白岩貢さん

世田谷で工務店経営者の次男として生まれる。大学在学中に世田谷区内にて、珈琲専門店を経営していたが、世の中のバブルに浮かれて株式投資の信用取引に手を出し、バブル崩壊と共に人生も崩壊。夜逃げ、離婚、自己破産を経てタクシー運転手になり10年、個人タクシー事業許可を取得したが、父親の急死により、土地の相続を受けアパートを新築。20年余で累計400棟を超える。現在、7棟60部屋の大家でもある。その経験を活かし、セミナーや講演会を不定期で開催。賃貸併用住宅、ガレージハウス、小規模旅館、無理のない身の丈に合った小さな不動産投資を提案している。

 

【No1665】お金が増える「仕組み」の作り方 貯蓄ゼロ&世帯年収500万からできる 白岩 貢 アスコム(2024/08)

金融の仕組みを理解するなど金融の基礎を知ってから応用を行うべきかと。

 

最強のお金をつくる五本柱です。

しっかり「稼ぐ」、上手に「貯める」、大事なお金を自ら「守る」、賢く「使う」、長期的に「育てる」

 

66P 投資リスクの種類

価格変動、デフォルト、流動性、カントリー、為替の各リスク

投資している商品や国に関する情報取集は欠かさないことが大切です。

 

リスクを取らないことが、最大のリスクだと教わりましたが、お金を分散して積み立て長期的に考えることが成功の秘訣かと。

68P リスクを抑える投資方法

・分散投資(資産、銘柄、地域等組み合わせて投資する手法、一つの投資先が大きく値下がりしてもほかの投資先でカバーできる)

・積立投資(決まった日に一定金額を投資しそれを続ける手法、短期的な値動きに左右されない)

・長期投資(長く保有すればするほど元本割れリスクを軽減することができる)

 

 <目次>

はじめに 

1 金融の超基本(お金を融通する仕組み「金融」、お金の3つの役割とお金の種類 ほか)

2 金融投資の基本(現在のお金と将来のお金の価値の違い、投資・投機・ギャンブルの違いを知ろう ほか)

3 投資商品の種類(投資商品にはどんな種類がある?銀行預金 ほか)

4 金融の現状とこれから(金融の未来はどうなる?金融機関の未来はこうなる ほか)

おわりに 

用語集

 

塚本俊太郎さん

金融教育家。慶應義塾大学総合政策学部、米国シラキュース大学大学院国際関係論卒業。20年超外資系運用会社で勤務したのち、金融庁の金融教育担当として高校家庭科での金融経済教育指導教材や小学生向けコンテンツ「うんこお金ドリル」の作成を担当。現在は金融リテラシーや資産形成について講演等を行う。NHK Eテレ「趣味どきっ!今日から楽しむ“金育”」講師

 

【No1664】サクッとわかるビジネス教養金融学 見るだけで金融の仕組みがわかる!塚本俊太郎 新星出版社(2024/06)

兄の滋朗から古書店を継いだ珊瑚、大学院の国文科を卒業しその店で働く姪孫の美希喜、ありし日の滋朗を含めご近所さんたちが登場してくる6つの話が収められている。

ごぼう天うどんなど食べ物の描写が秀逸であった。本との話が融合した楽しい読書時間が過ごせた。

珊瑚と美希喜は、古書店にカフェスペースを作った。

店主がお客様にコーヒーと一緒に本を紹介できる環境が整った。

文庫本とコーヒーは誠に合っているものだ。

その場をいとも簡単にまろやかにして、他人同士が親しくなってしまう魔法がある。

人情味あふれる登場人物たちの心情や境遇に共感することができた。

本とともにほろ苦い思い出が寄り添うものだな。

人生を楽しく豊かにしてくれる本の魅力がたくさん詰まっていた。

読んだことがない色々な本の紹介があったのでそれらを読みたくなった。

読書好きにはたまらない短編集だったと思う。

 

 <目次>

第一話 森瑤子「イヤリング」と川端康成「掌の小説」と日本で一番古いお弁当屋さんほか、最終話 「京都『木津川』のおひるご飯」と中華料理店のカレー

 

原田ひ香さん

神奈川県生まれ。2005年「リトルプリンセス2号」で第34回NHK創作ラジオドラマ大賞受賞。07年「はじまらないティータイム」で第31回すばる文学賞受賞

新選組、沢村栄治。歴史が積み重り、時代が交差する街、新旧が織りなす京都であるならば、こんな奇跡と出会えるかもしれない。

女子全国高校駅伝、都大路で繰り広げられる戦いは、別の争いも呼んできてじんわりと優しくなんとも切ない感情を呼び起こした。

京都御所グラウンドでの早朝野球、ファンタジー感溢れる話に面白く楽しく途中で止まらず次から次へともう一気読み。また五山の送り火から深く胸に沁み儚くも限りなくいとおしく感じた。

 

 

 <目次>

十二月の都大路上下ル

八月の御所グラウンド

 

万城目 学さん

1976年大阪府生まれ。京都大学法学部卒業。2006年にボイルドエッグズ新人賞を受賞した『鴨川ホルモー』でデビュー

 

ビーバーイーツの配達員が持ち込む謎を、餃子の飛車角、タイ料理専門店ワットポー、カレー専門店コリアンダー、本格中華珍満菜家、元祖串カツかつかわ……などのゴーストレストランのシェフが解き明かしていく。

 

ここの表現が気に入ったし、この物語を端的に示している箇所だった。

28P

溢れんばかりの熱気と、渦巻く欲望と、ある種の無常観。

官能的で、享楽的で、刹那的。

(不夜城)東京、六本木。

その片隅で、怪しげな“裏稼業”に勤しむ特別な自分。

信号が青になる。

めいっぱいペダルをこぎ、高揚感と優越感-そして、もしかすると一抹の背徳感に背中をおされながら、僕は暗闇の中を明日に向かって駆けていく。

 

真実を知らなくとも生きてはいける。知らなければ知らなくてよいように過ごしていける。

解釈を知ってしまってもどうにもならないし何も結果は変わらないのだが。

自己満足のためなのだろうか。

知りたくなるのは、やはり人間の心理なのかと思った。

342P 「ニーチェの言葉に、こんなものがある。『事実というものは存在しない。存在するのは解釈だけである』と」

344P

知りたいなら、教えてやる。

渇いているなら、満たしてやる。

「ただし、真実など放っとけ」

347P

これらのメニューを注文する客には一つの共通点がある。

そう、彼らはみな、おしなべて求めているのだ。“真実”を―“真実”というオブラートに包まれた“解釈”を。そうして空きっ腹を見たしたがっているのだ。その腹は満たされるべきなのか、それとも飢え死にさせるべきなのか。

 

 <目次>

転んでもただでは起きないふわ玉豆苗スープ事件

おしどり夫婦のガリバタチキンスープ事件

ままならぬ世のオニオントマトスープ事件

異常値レベルの具だくさんユッケジャンスープ事件

悪霊退散手羽先サムゲタン風スープ事件

知らぬが仏のワンタンコチュジャンスープ事件

 

結城真一郎さん

1991年神奈川県生まれ。東京大学法学部卒業。2018年『名もなき星の哀歌』で第五回新潮ミステリー大賞を受賞しデビュー。2021年「#拡散希望」で第74回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞。2023年#真相をお話しします』が本屋大賞にノミネート。その他の著書に『プロジェクト・インソムニア』『救国ゲーム』がある。

「大衆性を押さえた作品」

コロナのパンデミックを背景に書かれた6つの短編集

ついこの前のような気がするパニック状態に陥って、マスクの買い占め、消毒液騒動、自粛警察など人間性が問われているような時期だった。そんなころに犯してしまったことや犯罪に至らないまでもそれに近い行為もあったのかなと。

 

調理師の職を失った恭一は、家に籠もりがち。ある日、小一の息子・隼が遊びから帰ってくると、聖徳太子の描かれた旧一万円札を持っていた。近隣に住む老人からもらったという。翌日、恭一は得意の澄まし汁を作って老人宅を訪れると「特別縁故者」

 

前向きに生きて行こうとする人を丁寧に拾い救い上げて紡いでくれる作品集だった。

 

 <目次>

違う羽の鳥

ロマンス☆

憐光

特別縁故者

祝福の歌

さざなみドライブ

 

一穂ミチさん

2007年『雪よ林檎の香のごとく』でデビュー。『イエスかノーか半分か』などの人気シリーズを手がける。2021年『スモールワールズ』が大きな話題となり、同作は吉川英治文学新人賞を受賞、本屋大賞第3位。『光のとこにいてね』が直木賞候補、本屋大賞第3位。直木賞受賞。

今回は「安楽死」をテーマとした物語だった。

ドクター・デスこと雛森めぐみは塀の中にいたが、JKギルドというドクター・デスの模倣犯のような安楽死事件が発生していく。積極的安楽死の是非が問われて、国会で生きるか死ぬかの権利の主張の提示がされた。

現状では安楽死に至るまで、自殺ほう助や嘱託殺人とされる可能性が高い。

この世でいつか法制化されるかどうかはわからない。

安楽死をする方、される方いろいろな立場の意見を踏まえて、コンセンサスを得て俎上に乗るまでも簡単ではない問題だ。

 

犯人らと犬養隼人との心理戦が白昼堂々と繰り広げられた。

今回も一気読み。面白かった。

簡単には終わらない物語だ。

大どんでん返しがあったこと、やはり流石だな。

まさか!これも中山七里作品だったとして納得した。

 

 

 <目次>

更に受け継がれた死

女神の死

信念の死

倫理の死

ドクター・デスの死

 

中山七里さん

1961年、岐阜県生まれ。2009年「さよならドビュッシー」で第8回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、翌10年にデビュー

人生の主人公はあなた自身である。

人生を楽しもう!

自営、自衛、自立、自律、そして自由に生きていくため。退職金と年金と小さな個人事業を構築して生きていくという方向性には納得できた。

この本は、人生100年時代における概ね65歳以降から始まる「第二の人生を早期にデザインし、準備するための考え方やツール」を提供するものです。

 

「自分の得意なこと、人の役に立つこと、自分の好きなこと」に人生の重要な目的があることを元スターバックスCEOの岩田松雄さんから学んだことを思い出しました。

この本のなかで気になった個所を取り上げます。

 

94P 仕事・ビジネス領域と特技・プライベート領域を掛け合わせることで「希少性を高める」 代わりが利かないようにする。

 

96P キャリアを磨くことも、お金も、手段であって、目的ではありません。ライフキャリアの最終目的は、その人本人が幸せな気持ちで毎日を過ごせる環境を作ることです。

 

 

230P あなたの人生の主人公はあなた自身である。

幸福であることの前提条件は、自己決定権の領域を持つこと、特技を人に教えること、本当にやりたいことに時間を割くことです。人生はその人の命が生き生きと輝くためにある。

 

第二の人生の方向性へのモヤモヤを払拭できる内容でした。書かれてあった内容をぜひ参考にして行動をしていきたい。

 

 <目次>

はじめに 本書の目的、特徴、想定読者、構成、使い方

第1章 再起―ワークキャリアからライフキャリアへ(登場人物相関図、プロローグ―見えてきた将来の限界 ほか)

第2章 再現―まだ見ぬ自分を創り出せ(ライフキャリア研究所、魔法のツール:キャリア・ビルディング・ブロック ほか)

第3章 再考―会社の新しい意味を見出そう(早期退職制度の衝撃、ライフキャリアの視座ですべてを見る ほか)

第4章 再認―ライフキャリアの秘めたる宝(思いがけない依頼、プライベート領域の重要性 ほか)

第5章 再生―「福」業を資産融合で築く(未来の資産作りとしての決心、未来への最終講義 ほか)

おわりに 

巻末付録

補足資料1 ビジネス創造資産トレーニング・アイデア

補足資料2 ライフキャリア研修ワークシート

 

 

原尻淳一さん

株式会社HARAJIRI MARKETING DESIGN代表取締役。一般社団法人みつかる+わかる代表理事。龍谷大学客員教授。事業構想大学院大学事業構想研究所客員教授。1972年埼玉県生まれ。龍谷大学大学院経済学研究科修士課程修了。大手広告代理店入社後、エイベックスグループに転職。多くのアーティストのマーケティング、映画の宣伝戦略、アニメの事業計画立案を行う。現在はレコード会社、芸能プロダクション、飲料メーカーや広告代理店等、幅広い業界でマーケティングコンサルタントとして活躍している。また、大学教授として、マーケティング・エンタテインメント・教育を掛け合わせた活動もしている

 

千葉智之さん

合同会社GENSO代表。キャリア未来地図研究所共同所長。1973年広島県生まれ。広島大学経済学部卒業後、鹿島建設株式会社に新卒入社し大規模プロジェクトを手掛ける。31歳で総合メディア企業へ転職するという異色のキャリア。美容業界向け経営支援スクール部門およびリサーチ部門の責任者として会員7万人の業界最大規模の経営支援スクールを設立し、講師としての延べ受講者人数実績は1万人を超える。2011~2017年、立教大学経営学部兼任講師

 

【No1658】ライフキャリア 人生を再設計する魔法のフレームワーク 原尻淳一 千葉智之 プレジデント社(2024/04)

 

タイトルに引かれたならば、途中であきらめずに最終章を読んでほしい。

「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」!答えがあるから。

 

全身全霊で毎日働きすぎると、こころの余裕がなくなり文字が読めなくなるものだ。

仕事はほどほどにして、週3で働き残りは休みながらこころの余裕を持つべきか。

 

情報を得るように直接的な答えを迎えにいくのではなく、読書はノイズがあり回り道や寄り道をして行く、物語が少しずつ回りくどく展開しながらたどり着けるところ。

 

読書は仕事と両立できる楽しい場所だとぼくは感じた。

 

◎234P 働いても本が読める社会

本を読むことは、自分から遠く離れた他者の文脈を知ることである。しかしそれは遠く離れているとはいえ、自分と完全に切り離されているわけではない。いつか自分につながってくる文脈なのかもしれない。

本が役に立つかどうかなんて関係ないという人がいるが、あなたの今の文脈にすぐつながるかどうかは分からないくらい遠いかもしれない、と述べているにすぎない。だが私は、この世の知識はいつかどこかで自分につながってくると思っている。他者とは自分と違う人間だが、それでも自分に影響を与えたり、自分が影響を与えたりするのと同じだ。

遠く離れた他者もまた、いつかあなたとつながる文脈にいるかもしれない。

働きながら、働く以外の文脈を取り入れる余裕がある。それこそが健全な社会だと私は思う。

働いていても、働く以外の文脈というノイズが、聴こえる社会。

それこそが、働いても本が読める社会なのである。

 

 

 <目次>

まえがき 本が読めなかったから、会社をやめました

序章 労働と読書は両立しない?

第1章 労働を煽る自己啓発書の誕生―明治時代

第2章 「教養」が隔てたサラリーマン階級と労働者階級―大正時代

第3章 戦前サラリーマンはなぜ「円本」を買ったのか?―昭和戦前・戦中

第4章 「ビジネスマン」に読まれたベストセラー―1950~60年代

第5章 司馬遼太郎の文庫本を読むサラリーマン―1970年代

第6章 女たちのカルチャーセンターとミリオンセラー―1980年代

第7章 行動と経済の時代への転換点―1990年代

第8章 仕事がアイデンティティになる社会―2000年代

第9章 読書は人生の「ノイズ」なのか?―2010年代

最終章 「全身全霊」をやめませんか

あとがき 働きながら本を読むコツをお伝えします

註・参考文献一覧

 

三宅香帆 さん

文芸評論家。1994年生まれ。高知県出身。京都大学大学院人間・環境学研究科博士前期課程修了(専門は萬葉集)

著作に『(読んだふりしたけど)ぶっちゃけよく分からん、あの名作小説を面白く読む方法』、『推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない―自分の言葉でつくるオタク文章術―』、『文芸オタクの私が教える バズる文章教室』、『人生を狂わす名著50』など多数。

 

既読スルー、無視する、被害者ポジションをとる、サボる、ため息でアピール、わざとミスをする、弱さを武器にする、しつけという名の支配をするなどの「ずるい攻撃」とは、「目に見えにくくわかりづらい、遠回しな攻撃」だ。

 

これらは、受動攻撃行動とよばれるもの。不満や怒り、否定といった感情を直接相手にぶつけず、遠回しで受け身でいながらわかりにくい消極的で否定的な態度や行動を示すことです。他人から攻撃されるように扱われないための心構えは参考となる。

 

なぜSNS上でよってたかって一人の人物を誹謗中傷するのか気になっていた。

これは、怒りの置き換えであって、無抵抗な人に対しての自分のストレス解消のためだった。

 

23P SNSで匿名で他人を誹謗中傷する人たち

攻撃する人の多くは周りの人に対して、不安やストレスを強く感じています。嫌われる恐怖や排除されたり、否定されたり、見下される恐怖を人一倍強くもっていますから、周りから攻撃されないように身を潜めています。

だから抑制的に振る舞い、敵を作らないように、気を付けているわけですが、抑圧している我慢している分、周りに対する不満や怒りや敵意や憎しみを強く腹の底に抱きがちです。

そのたまった怒りの矛先は、自分よりも無抵抗な人に向けられるのです。

自分の妻や夫、子ども、同僚、友人など、自分に対して近い親しい人に対して向ける傾向があります。また、「反論できないSNS上の人物」に向くことも多いです。

無抵抗な人物に向けて、お門違いの怒りをぶつけてストレスを解消しようとする心理を「怒りの置き換え」といったりします。

置き換えとはまさに誰かに対する怒りを関係のない人にぶつけることによって、自分を守る防衛メカニズムの一つです。

 

 

35P 見えない攻撃に苦しみ続ける人たち

見えにくくわかりにくい「ずるい攻撃」に悩む苦しむ人たちに必要なことは、ずるい攻撃をする人たちの心理を知ること。攻撃する人たちの言動を俯瞰して客観視できるようになることです。相手の攻撃に圧倒されてのまれてしまうのではなく、冷静に分析判断して、攻撃から抜け出すための知識を身につけ、対処できるようになりましょう。

 

66P 「笑顔、穏やかに過ごす」対処法が関係を悪化させる

ずるい攻撃の矛先は、必ず自分より弱いものに向かいます。

絶対に攻撃してこない立場の弱い人を無意識に選んでやっているからです。

 

182P ずるい攻撃をする人たちは正面からの攻撃を恐れる

抵抗して最初からノーと断る人にはそういう嫌がらせや攻撃をする人は近寄らない。

とにかく一番よくないのはあいまいな態度となあなあで済ませること。

 

 <目次>

はじめに 

第1章 「ずるい攻撃」に苦しむ人たち

第2章 見えにくくわかりにくい「ずるい攻撃」

第3章 「他人より優位に立とうとする人」の心理

第4章 「支配しようとする人」の心理

第5章 何度も攻撃やいじめに遭うあなたへ

第6章 攻撃から自分を守るにはどうすればいいか

おわりに 

 

大鶴和江さん

心理セラピスト、心理分析・心理セラピー講師。一般社団法人日本リトリーブサイコセラピー協会代表理事。大分県生まれ。両親の離婚後、児童養護施設で8年間過ごす。幼少期のつらい経験がさまざまな苦しみを生むことを知り、心理学や心理療法、心理分析、脳科学を学び、2005年に心理セラピストとして独立。延べ1万人以上の心の問題解決に携わり、現在は東京と長野を拠点に活動中。独自の考え方に基づく心理療法「リトリーブサイコセラピー」を考案。問題の利得にフォーカスしたセッションは、「悩みがリバウンドしなくなる」と評判。YouTube「カズ姐さんの面白い心理学」では、実践的で役立つ心理学の解説動画を配信

 

【No1656】既読スルー、被害者ポジション、罪悪感で支配「ずるい攻撃」をする人たち 大鶴和江 青春出版社(2024/04)