表紙に5人が描かれている。
会社員の實成は、同僚の塩田さん、その塩田さんの元彼の子で血の繋がりはない不登校の女子・熊らと夜の町を歩くようになった。気がつけば實成の元カノ伊吹さんやその伊吹さんが住んでいるマンション管理人松江さんが加わり深夜の散歩メンバーは増えていた。
例えば、實成は亡くなった父の「善く生きろ」という言葉の意味を問いながら頭から離れず葛藤している。
淡々とときがながれてもそれぞれに悩みや不安、問題を抱えている。その悩みなどを抱える人達が、夜道を歩くことで自分を開放的にした。あまり干渉しすぎずにもお互いを干渉し合うことにより、人情味あふれる雰囲気で温かでゆったりとした気持ちになった。
寺地はるなさん
1977年佐賀県生まれ。2014年『ビオレタ』でポプラ社小説新人賞を受賞しデビュー。『今日のハチミツ、あしたの私』が勝木書店グループ「KaBoSコレクション2020」金賞を受賞、2021年『水と縫う』で河合隼雄物語賞受賞。2023年『川のほとりに立つ者は』で本屋大賞9位入賞
