題名のとおり、退職金、公的年金、失業給付、健康保険、税金、再就職、資産運用など、定年前後に押さえておきたい要点が幅広く整理されている一冊である。
定年後の生活イメージが具体的に描けるため、老後のお金に対する不安を和らげ、第二の人生を迎える際の安心材料にもなる。
本書の中から、問い合わせの多い点や気になった箇所、重要だと感じた部分をいくつか抜粋する。
■老後の家計の基本姿勢
現役時代のような収入は期待できない前提で、毎月入ってくるお金の範囲でやりくりすることが大切になる。支出を減らすために、何かをやめたり、倹約を取り入れたりする工夫も有効である。
3P 老年期にお金に困らないための3原則
収入の範囲内で生活する
借金をしない
この二つを生涯にわたって守り続ける
■定年後の3つの収入源(12P)
公的年金(国民年金・厚生年金)
資産所得(預貯金、貯蓄型保険、運用資産など)
労働所得(働いた対価として得る収入)
これらに加えて、節約の姿勢が家計を支える柱となる。
■65歳以上の夫婦無職世帯の家計(69P)
平均的には、
収入:約26万円
支出:約23万円
となり、約3万円の赤字になる計算。医療費や介護費は別途準備が必要となる。
■65歳以上で働いている人の割合(79P)
約55%が就労しており、週5日・35時間以上働く人が最も多い。
働く理由として、
収入のため
体によいから
老化防止
自身の知識・能力を活かせるから
などが挙げられ、今後も就業率は高まる見通し。
■定年後の健康保険の選択肢(117P)
国民健康保険(前年所得で保険料が決まる)
任意継続制度(勤務先の健康保険を継続)
家族の健康保険の被扶養者として加入
■年金は「自動的」ではない(138P)
受給要件を満たしていても、自分で請求手続きをしなければ支給は開始されない。
請求しない場合は、自動的に繰り下げ受給を選択したとみなされ、請求するまで繰り下げ状態が続く。
■年金を増やす3つの方法(144P)
年収アップ:給与水準に応じて将来の受給額が決まる
勤続年数を伸ばす:長く働くほど受給額が増える
受給開始時期の繰り下げ:最大75歳まで繰り下げ可能で、一定の率で年金額が増える
■60歳以降の働き方(169P)
継続雇用:同じ環境で働き続ける、安定重視
転職:新しい職場で挑戦
フリーランス・起業:成果も責任も自分次第
■目次
タイプ別・最強家計プラン
定年後の生活を支える3つの収入源、「年金+労働+資産」の収入はどれくらいか
数字でわかる定年前後のリアル
60代の月の生活費、平均給与、赤字額など
定年前後のToDoリストと受け取れるお金
50代からのライフプランニング、定年前後にやるべきこと
定年後の働き方と生き方
60歳以降の働き方の選択肢、就ける仕事
定年前後にやっておきたいお金の増やし方
将来の年金は増えるか減るか、必要な老後資金はいくらか
■著者紹介
井戸美枝さん
ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)、社会保険労務士、経済エッセイスト。社会保障審議会企業年金・個人年金部会委員を歴任。国民年金基金連合会理事。講演・執筆・テレビ・ラジオなどを通じ、生活に身近な経済・年金・社会保障の解説を行っている。









