朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~ -4ページ目

朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

「勉強とは生きるための目的ではなく手段です。

学んだことを自分の強みとして、いかに人生を豊かにしていくか。

そのために使ってこそ価値があるのです。」(78ページ)

 

本書は、60歳以降の学びは「知識を増やすこと」よりも、

思考力とアウトプットを中心に据えるべきだと説いています。

中高年にはすでに豊富な経験と知識があり、それをどう活かすかが重要。

多様な視点に触れながら、自分の頭で考え、柔軟に判断する力こそが、

定年後の人生を豊かにする“勉強”だと述べています。

 

読んでいて、

「学ぶことは“増やす”より“使う”へ」

という転換が、今の私にとってとても腑に落ちました。

 

これまで積み重ねてきた読書や経験を、

ただ蓄えるだけでなく、

自分の視野を広げるために使うこと。

そして、異なる意見にも耳を傾けながら、

最終的には自分の頭で考えて選択していくこと。

 

ブログを書いたり、読書メモを残したりする行為そのものが、

まさに「アウトプット重視の勉強」なのだと感じました。

これから定年後に向けて、

“柔らかい頭”で生きていくためのヒントをもらえた一冊でした。

 

 

中高年になると、それまでに培ってきた知識や経験という大きな蓄積があります。本書では、そのリソースを活かしながら学んでいくという方向性が示されており、私自身も大いに納得できました。人生の選択肢を広げ、より広い視野で物事を考えるために学び続ける姿勢の大切さにも共感します。

 

また、多様なものの見方や他者の意見に触れながらも、最終的には「自分の頭でしっかり考えて判断する」ことが欠かせないと改めて感じました。

 

〈78ページ 新時代は思考重視・アウトプット重視に切り替える〉 

勉強とは本来、生きる目的ではなく人生を豊かにするための手段です。学んだことを自分の強みとして活かし、人生をより楽しく、幸福なものにしていくために使ってこそ価値があります。

 

勉強を通じて、多様な視点や考え方が存在することを知り、自分自身も幅広い可能性を思い描けるようになる。これこそが勉強の意義であり、得られる最大の果実だと著者は述べています。

 

幅広い視野で物事を捉えられる人は、それだけ人生の選択肢も豊かになります。異論や反論を排除せず、「なるほど、そういう見方もあるのか」と耳を傾けられる柔軟さこそが、頭のよさにつながるのだと思います。既存の知識にとらわれない姿勢は、精神の自由にもつながるのでしょう。

 

✦ 目次

はじめに

序章 なぜ「勉強しない勉強」が必要になるのか

第1章 新時代に知識依存型人間はもういらない

第2章 思考とアウトプットを重視する新しい勉強法

第3章 定年後を充実させる「思考」の極意

第4章 定年後を充実させる「アウトプット」の極意

第5章 前頭葉を意識しながら生きる習慣

 

 

✦ 著者紹介

和田秀樹さん 

1960年大阪府生まれ。和田秀樹こころと体のクリニック院長。国際医療福祉大学心理学科教授、川崎幸病院精神科顧問、一橋大学経済学部非常勤講師。

1985年東京大学医学部卒業後、東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローなどを経て現職。

 

 

 

再読 【No2030】60歳からの勉強法 定年後を充実させる勉強しない勉強のすすめ 和田秀樹 SBクリエイティブ (2018/11)

世相を皮肉りながらも、どこかクスッと笑わせてくれる短編集。SF、コミカル、風刺と幅広いのに、どの作品にもきちんとした落としどころがあって、読後にふっと肩の力が抜けるような安心感があった。

 

なかでも「モンクコング対ゴネラ2021」はとくに印象に残った。

飲食店で注意されても頑なにマスクを拒む“ゴネラ”。

一方で、公園で遊ぶ小さな子どもにまで不織布マスクを強制し、声高に糾弾する“モンクコング”。

あの頃、実際にこういう人たちがいたよなあ……と、思わず記憶の底がざわっとする。

 

コロナ禍で、社会全体が精神的に追い込まれていた時期の空気が、ユーモラスな筆致の中にそっと滲んでいる。

重くなりすぎず、でもどこか切ない。まさしく荻原さんらしい作品だと感じた。

 

目次 

陰謀論百物語

ハードボイルド・ルール

サクマ型ロボット2号

パスワードを入れてください

ああ美しき忖度の村

モンクコング対ゴネラ2021

戦争過敏シンドローム

 

著者紹介 

荻原浩さん

1956年埼玉県生まれ。成城大学経済学部卒業。広告制作会社勤務を経てフリーのコピーライターに。97年『オロロ畑でつかまえて』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2005年『明日の記憶』で山本周五郎賞、14年『二千七百の夏と冬』で山田風太郎賞、16年『海の見える理髪店』で直木三十五賞、24年『笑う森』で中央公論文芸賞受賞。20年『人生がそんなにも美しいのなら』では漫画家としてもデビュー。

物事には必ず悪い面と良い面の両方がある。その両面を見る習慣を持つことで、「自分の心の持ちよう」で安心感が生まれてくる。

本書では、不安の多くは外側の出来事ではなく、自分の受け止め方によって大きく左右されると述べている。

 

■ 5ページ

「不安感」のほとんどは物事の考え方や心の持ち方をちょっと変えてみるだけで、少しずつ解消していくものです。

 

不安の原因は、実は自分の中にあることが多い。

しかし同時に、解決策もまた自分の心の中にある。

外の世界を変えることは難しいが、心の向け方を少し変えるだけで、不安は和らぎ、状況の見え方も変わっていく。

 

だからこそ、自分が好きなように生きられる方向へ、少しずつ舵を切る努力をしたい。

年齢を重ねたからこそ、心の自由度を高めることができる。

 

■ 92ページ 「人がどう思うかを考えても意味がない」

他人や世間の目を気にして生きていると、心はいつまでも落ち着かない。

著者は、第二の人生ではその視線を外し、「自分がやりたいこと」「自分が心地よいこと」だけに焦点を当てていいと言う。

 

人はそれぞれ違う価値観で生きている。

だから、他人の評価を気にしても答えは出ないし、そもそも他人は自分が思うほど自分のことを見ていない。

むしろ、自分の人生を自分のために使うことこそ、60歳以降の生き方の基本になる。

 

目次

はじめに

第1章 60歳からの合言葉は「頑張らない」「無理をしない」(定年後も途方もない時間が残されている、努力するのは「どうにかなること」だけでいい ほか)

第2章 人間関係は「いい加減」なくらいがちょうどいい(いくつになって何をめざそうが恥ずかしいなんてことはない、とにかく取り越し苦労はやめよう。いいことはひとつもない ほか)

第3章 「老後うつ」の危険信号を見逃さないためにできること(気が晴れないときはどう対処したらいいのか、「ひとり老後」だからといって怖がる必要はない ほか)

第4章 軽い運動と食事で元気な暮らしをあと20年!(「計るだけダイエット」はこんな効果も期待できる、シニアにうってつけの入浴方法とは ほか)

第5章 気をつけたいお金への対し方「老後の落とし穴」にご用心(経済的不安とどう向き合うべきか、「退職後に数千万円必要」という言葉に惑わされない ほか)

 

 

著者等紹介

保坂隆さん

1952年山梨県生まれ。保坂サイコオンコロジー・クリニック院長。慶應義塾大学医学部卒業後、同大学精神神経科入局。1990年より2年間、米国カリフォルニア大学へ留学。東海大学医学部教授(精神医学)、聖路加国際病院リエゾンセンター長・精神腫瘍科部長、聖路加国際大学臨床教授を経て、現職。また実際に高野山大学大学院で密教学修士号を取得するなど仏教に造詣が深い

 

 

【No2028】60歳からは悩まない・迷わない・へこまない 精神科医だから知っている「老後うつ」とは無縁の暮らし方 保坂 隆 主婦と生活社(2024/06)

「死ぬまで読書、死んでも読書だ!」

この一言に、思わず胸を打たれました。自分自身を鼓舞するような、強い心意気が感じられます。

 

読書に関する著者の考え方――「おすすめ本」「多読」「理解できない本」など――は、私自身が日頃感じていることと重なる部分が多く、深く共感しました。これからは迷わず、自分の読書を信じて進んでいきたいと思います。

 

■ 67ページ 読みたい本は自分で見つける

「おすすめの本はありますか?」と聞かれたとき、著者はこう答えると言います。

「そんな本はありません。あなたが面白そうだと思う本を読めばいいんですよ」

 

人の価値観は、年齢や立場、考え方や感じ方によって大きく異なります。私が面白いと思う本でも、他の人には響かないかもしれない。逆に、世間で高く評価されている本でも、私にとっては良いとも悪いとも言えないこともある。

 

著者自身は、誰かに勧められた本ではなく、「今読んでいる本」から次に読みたい本を探していくそうです。

50代になったら、人の評価に左右されず、自分の趣味に合う本、「これはよさそうだ」と思える本だけを選べばいい。

60代になったら、読むたびに「次に読みたい1冊」を探していく。その積み重ねで関心のあるテーマを深めてもいいし、別のテーマへ広げていくのも楽しい――そんな読書の自由さが語られています。

 

■ 83ページ 多読にこだわらなくていい

冊数を競うように読む必要はありません。人生の持ち時間は限られているのだから、読みたい本だけ読めばいい。

 

すべての本を精読する必要もなく、内容によっては飛ばし読みでも構わない。必然的に精読すべき本もある。読み方は本に応じて自分で決めればいいという、肩の力が抜ける言葉です。

 

■ 84ページ 理解できない本には見切りをつける

いくら読んでも理解できない本は、書き手の伝える技術や配慮が足りない場合がある。

ある程度読書経験がある人が読んでも理解できないなら、著者や翻訳者に問題があることも多い。

 

歳を重ねるほど読める本の数は限られてくるのだから、時間は大切にしたい。評判だからといって無理に読み続ける必要はない、という姿勢に強くうなずきました。

 

■ 99ページ 好奇心や知識欲に蓋をしない

既成事実であっても疑ってみることが大切。

情報を受け身で取り続けていると、自分の頭で考え、吟味し、判断する力が弱くなり、フェイク情報に振り回される危険もある。

 

誰かの意見を安易に取り入れてしまうのは、若い世代だけの問題ではない――という指摘は、年齢を問わず響く言葉です。

 

■ 目次

はじめに 六〇歳からは「自由自在の人生」だ

第1章 老いの変化を受け入れる

第2章 身体はマイナスになる、でも頭はプラスにできる!

第3章 最大の悩み―定年退職後をどう生きるか

第4章 私たちはどう働くのか

第5章 人生の価値は最後に決まる

おわりに Do your best!

主な参考文献

 

■ 著者紹介

丹羽宇一郎さん

1939年、愛知県生まれ。名古屋大学法学部卒業後、伊藤忠商事に入社。

1998年社長、2004年会長に就任。

不良資産約4000億円の一括処理や最高益更新など、経営改革で知られる。

その後、内閣府の諮問会議委員、日本郵政取締役、WFP協会会長などを歴任。

2010年、民間出身として初の駐中国大使に就任。

現在は日本中国友好協会会長、福井県立大学客員教授などを務める。

「実るほど頭が下がる稲穂かな」

この言葉に象徴される“謙虚さ”は、歳を重ねても大切にしていきたい姿勢だと感じました。

 

■ 181ページ 謙虚で損をすることはない

著者のポリシーは「年齢や立場に関係なく、ふだんから敬語を使う」こと。

相手が自分より若くても、むしろ積極的に敬語を使う――その理由は、「謙虚な心」の大切さを痛感しているからだといいます。

 

弘兼さんは、第二の人生のスタートを“小学一年生”にたとえています。

一年生はみんな対等で、どんな境遇の子も同じ机を並べる。そこで協調性や連帯感を学び、周囲と良い関係を築こうとする。

そのときに必要なのは、やはり謙虚さ。

 

「人間、謙虚になって損をすることはない」

この言葉は、人生の後半をどう生きるかを考えるうえで、静かに心に残ります。

 

■ 目次

はじめに 「老春時代」という考え方

1 人生後半「愉しく、快適」こそが最大のテーマ

2 人生後半「自分は自分、家族は家族」で生きてみる

3 人生後半「死ぬまで床に働く」ための11のポイント

4 人生後半「なりたい自分」と他人との新しい関係

5 人生後半「愉快なフィナーレ」まで覚えておきたいこと

 

人は老い、そして必ず死を迎える。もし延命治療で苦しみながら最期を迎えるのだとしたら、病院ではなく、自宅で静かに眠るように逝きたいと思う。

家族と同じ空間で過ごし、看取られることができれば、家族は「死」をより身近に感じるだろう。「ありがとう、いい人生だったよ」と穏やかに旅立つ姿を見れば、死生観は大きく変わる。死は、そこまで恐れるものではないのかもしれない。

 

歳を重ねると、治療が必ずしも最善とは限らない。治療したからといって長生きできるとは言えず、治療中は入院や生活制限が伴う。好きなものを食べられず、行きたい場所にも行けない。

人は「がんが大きくなって死ぬ」のではなく、老いて弱っていき、やがて老衰で亡くなるのだと著者は語る。

 

信頼できる在宅医を見つけるのは簡単ではないが、本書には、がん患者を中心とした緩和ケアの経験、延命治療を望まない患者が穏やかに亡くなるまでの過程、そして家族の姿が丁寧に記されている。

「病は気から」という言葉があるように、気持ちが大きな要因になることを改めて感じた。

 

心に残った箇所(4ページ)

歩くために必要な力は、実は「根性」と「気力」です。決して筋力だけの問題ではなく、自分の頑張りで歩くことができるのです。「がんばれる」ことは気力があること、つまり脳の若さです。

歩けるうちは、人は死にません。人間は気力によって、弱っていくのを遅らせることができる、余命を延ばせるのです。

 

歩くという行為が、単なる身体能力ではなく「生きる力」そのものだと示されている。老いと向き合う上で、気力の重要性を強く感じた。

 

✦ 目次

はじめに

第一章 歩ける人は死なない

第二章 がんばって背筋を伸ばそう

第三章 人は病気ではなく老化して死ぬ

第四章 「がんと闘うな」はほんとうか?

第五章 一人でも、いや一人のほうが大往生できます

おわりに

 

✦ 著者紹介

萬田緑平さん

「緩和ケア 萬田診療所」院長。1964年生まれ。群馬大学医学部卒業後、同大学附属病院第一外科に勤務し、手術・抗がん剤治療・胃ろう造設などに携わる中で医療のあり方に疑問を抱く。

2008年から9年間、緩和ケア診療所に勤務し、在宅緩和ケア医として2000人以上の看取りに関わる。現在は自身の診療所を運営しながら、「最期まで目一杯生きる」をテーマに全国で年間50回以上の講演を行っている。

知の巨人である著者が、定年前後の生活設計について、お金・勉強・仕事・交友関係・家族・趣味・健康の観点から要点をまとめた一冊。自身の経験と蓄積された知識が随所に生かされている。

 

これまで読んできた定年後やセカンドライフに関する本は、著者それぞれの生き方や考えが綴られていた。自分に合うもの、そうでもないものがあったが、40代のころから「先を歩く人のどれを参考にするか」を考えながら読み続けてきた。

趣味・スポーツ・芸事を続ける行動、規則正しい生活、健康的に生きて社会に貢献する姿勢など、自分の感覚に合うものを実践してきた結果、概ねよい流れで今の自分につながっている。

 

健康最優先という点は、著者と全く同感である。そして定年後は、利害関係ではなく、家族をはじめとした「心からつき合える関係」を深めていきたい。

 

■人間関係と生き方

26P 残された人生をストレスなく生きる方法

 

嫌いな人にまで交友範囲を広げる必要はない。残された時間を、良心に従いストレスなく生きることに集中すべき。

 

経験値や人生観を踏まえ、自分の行動範囲・趣味・人間関係を適度に限定し、残りの人生を有意義にするという指摘は納得できる。

 

42P 人生の折り返し地点を越えた時の人間関係

 

仕事に使っていたエネルギーを、家族や友人、趣味や勉強へ移行させてゆく。

 

まずは健康が大事であり、何かを行うには体が資本である。人とのつながりも大切だが、特に家族はこれからの生活の大きな支えになる。

 

■健康と家族

56P 最強の投資先は健康と家族

 

健康に生きる自分を保つことが最優先。家族との楽しい体験や思い出づくりへの投資は、定年後の豊かさを増す。

 

健康と家族を「投資先」と捉える視点は、これからの生き方を考えるうえで非常に示唆的だ。

 

■読書の価値

74P 読書習慣のあるなし

 

読書は最も安価で確実な情報源。他人の成功だけでなく失敗からも学べる。

 

読書のメリットについては、まさにその通りだと思う。多くの人生を疑似体験できることが、読書の大きな果実だ。

 

■定年後の仕事

102P 定年後の仕事は趣味や嗜好で選べる

 

興味のある仕事、趣味の周辺の仕事など、定年後の仕事はバラエティに富む。時給ではなく、勤務地の近さや短時間労働を優先すべき。

 

定年後に「仕事を選べる自由」があるのは大きな利点だ。ストレスの低い働き方を選ぶという鉄則も心に留めたい。

 

■孤独と直観力

122P 賢者の時間―孤独の時間が大切

 

意図的に孤独な時間を作り、自分の内面を見つめる。ひらめきは孤独の時間に生まれる。

 

直観力を磨くためにも、意識的に一人の時間を確保し、心を整えることの大切さを改めて感じた。

 

 

目次

まえがき 「自分が本当に幸せだ」と感じる条件が揃う日本

第一章 定年後のマインド「リセット」

第二章 定年後のおカネ

第三章 定年後の勉強

第四章 定年後の仕事

第五章 定年後の交友関係

第六章 定年後の隠れ家

第七章 定年後の家族関係

第八章 定年後の恋愛・趣味・健康

あとがき 他人と比較してものを考えるのは致命的な習慣

 

 

著者等紹介

佐藤優さん

1960年、東京都に生まれる。作家、元外務省主任分析官。1985年、同志社大学大学院神学研究科を修了。外務省に入省し、在ロシア連邦日本国大使館に勤務。その後、本省国際情報局分析第一課で、主任分析官として対ロシア外交の最前線で活躍。2002年、背任と偽計業務妨害容疑で逮捕、起訴される。2009年、最高裁判所で執行猶与付き有罪が確定し、外務省を失職。2013年に執行猶予期間が満了し、刑の言い渡しが効力を失った。

 

(再読)

少子高齢社会のなかで、これからどのように生き、そしてどのように死んでいくのか――その問いを避けて通れない時代になってきたと感じていた。

 

本書では、過去の土葬から火葬への移行、江戸時代から続く檀家制度、寺院の経済的基盤として生まれた葬式仏教など、歴史的・社会的背景を踏まえながら、現代の「死のかたち」を多角的にとらえている。

 

家族葬の増加、孤独死・無縁死の広がり、核家族化やおひとりさまの増加といった状況のなかで、先祖代々の墓を守り続けることが難しくなっている現実が浮かび上がる。

子どもや孫が自分や先祖を供養するという前提が成り立たなくなり、1970年代までのような三世代同居や「皆が結婚する」社会ではなくなった今、伝統的な供養の形は継承されにくくなっている。

そもそも先祖に親しむ機会が減り、供養という行為自体が生活のなかから遠ざかっているのではないか――そんな問題意識が示される。

 

本書が扱うのは、これからの日本人の「生と死」の最前線であり、さらにその先にある“行き止まりの風景”でもある。

 

「0葬」とは、火葬後の遺骨を一切引き取らない葬法を指す。遺骨を持たないため、墓を建てる必要もない。

葬式や墓のあり方は近年大きく変化し、死に方、さらには死生観そのものが変貌してきたと言える。

死生観が変わるということは、死を迎えるまでの生き方が変わったということでもある。

 

私たちは今、自分たちの生と死をどのように考えればよいのか――その手がかりを探ることが本書の目的である。

 

人の死と、その後の扱いについて、必要なものと不必要なものを見極める。その視点が全編を貫いている。

 

「どう死ぬか」を考えることは、「どう生きるか」を見つめ直すことでもある。

本書は、その静かな入口を示してくれた。

いずれ迎える最期を、どのように託すのか。

その問いを、これからの自分の生の一部として

ゆっくり育てていきたいと思う。

 

目次

はじめに 日本人の生き方が変わったから死生観も変わった

第1章 なぜ仏教式の葬式をしなくてもいいのか

(多くの人が仏教式葬儀を「時代にそぐわず面倒」と感じている/道元と曹洞宗が葬式仏教を生む契機となった ほか)

第2章 墓を建てることが強制されてきた

(檀家とは何か?/家によって異なる墓の形とその歴史 ほか)

第3章 無縁仏にまっしぐら

(墓石の注文が激減――日本人は墓を作らなくなった/無駄になる終の棲家 ほか)

第4章 無縁仏こそ私たちの願い

(Nスペ「無縁社会」制作者たちの心象風景/サラリーマン社会の競争と、その代償としての無縁 ほか)

第5章 最後は誰もが野垂れ死に

(「それで生きていけなかったら死ね」――ヤマギシ会の「野垂れ死に研鑽」/かつて無数にあった野垂れ死にと現代の孤独死は、一人でよく生きた証 ほか)

おわりに

 

著者紹介

島田裕巳さん

1953年東京都生まれ。作家・宗教学者。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。

放送教育開発センター助教授、日本女子大学教授、東京大学先端科学技術研究センター特任研究員を歴任。現在、東京通信大学非常勤講師。

日本は深刻な人口減少と労働力不足に直面している。2030年代後半には、年間約100万人規模で労働人口が減り続けるとされ、外国人受け入れは避けて通れない課題となっている。女性就労者の増加にも限界があり、前期高齢者人口の減少も重なるなか、AIの進展だけでこの穴を埋められるのかは不透明だ。結局のところ、外国人を受け入れる規模を拡大しなければ、社会の維持が難しくなるのではないか。

 

しかし昨今の議論は、全体のわずか2%にすぎない「不法在留外国人」に集中しがちだという。むしろ98%を占める正規の外国人をどう位置づけ、日本の利益につながる外国人政策をどう構築するかが本質ではないか。欧米など外国の事例から学べる点も多いはずだ。

 

 

本書を読みながら、これまで自分が「外国人受け入れ」を語るときに、どこかミクロな視点にとどまっていたことに気づかされた。治安や不法滞在といった“2%の問題”ばかりが強調される一方で、残り98%の正規に暮らす外国人をどう位置づけるのかという本質的な議論は、ほとんど聞こえてこない。そもそも私たちは、日本社会をこれからどう維持し、どう豊かにしていくのかという大きな問いを共有できていないのではないか。

 

地方の過疎や社会保障の支え手不足、産業構造の転換といった個別の課題は、どれも人口減少という一本の線でつながっている。人口減少が確実に進むなかで、外国人受け入れは単なる労働力の補填ではなく、社会のあり方そのものに関わるテーマだと感じた。

 

日本をどうしていくのか──その問いを避けたままでは、外国人政策もまた表面的な議論に終わってしまうのだろう。

 

 

目次

序章 

やばい!危ない!でも人手が足りない…。

(タブーだった外国人論争が突然花盛りに/2%の不法滞在より98%の正規外国人を考える ほか)

第1章 あなたの身の回りの外国人は危ない人なのか? 

(不法滞在者は全外国人のわずか2%/国政選挙なのに「2%の話」ばかり。98%の方はどうする? ほか)

第2章 日本人だけでやってこれたから、今後も大丈夫? 

(非ホワイトカラー職務で絶望的な人手不足/少子化でも大卒人材は増えている。減っているのは高卒・短大卒・専門卒 ほか)

第3章 企業は外国人を低賃金で酷使し、儲けているのか? 

(すでに労働者の4%を外国人が占める/外国人はどのような形で仕事に就いているのか ほか)

第4章 外国人材戦略が大金を生み「世界制覇」を狙える! 

(世界に親日・知日網を張り巡らす構想/外国人材対応の大金を捻出できる ほか)

おわりに

 

著者紹介

海老原嗣生さん 

サッチモ代表社員。大正大学表現学部客員教授。1964年東京生まれ。大手メーカーを経てリクルートエイブリック(現リクルートエージェント)入社。新規事業の企画・推進、人事制度設計に携わる。その後、リクルートワークス研究所で雑誌『Works』編集長を務め、2008年にHRコンサルティング会社ニッチモを設立。

将来に向けた「お金」への危機感は、年々強まっている。

お金を多く稼ぐ人が“偉い”とされる風潮が広がる一方で、どれほど資金があっても、それを動かすヒトがいなければモノは作れず、サービスも成り立たない。社会は人の営みで支えられているという当たり前の事実が、いつの間にか見えにくくなっている。

 

数十年前から少子化対策が叫ばれてきたにもかかわらず、人手不足の問題は放置されたままだ。

金至上主義や「自分さえよければいい」という空気が強まり、社会全体の脆さが露呈している。

 

著者は、こうした社会の危機を“他人事”ではなく“自分事”として捉える必要性を説く。

人と人が助け合い、不安を共有できる仲間がいれば、お金にまつわる孤独感は確実に薄まる――その視点が本書の核となっている。

 

●印象に残った一節(p.250)

お金の不安は孤独だ。

しかし本当に私たちを苦しめるのは、不安そのものではない。

その不安をたったひとりで抱え込んでしまうことだ。

 

生きている限り不安は消えない。

けれど、不安を分かち合い、ともに考える仲間の存在を感じられれば、そこに希望が生まれる――この言葉は、今の社会に必要なメッセージだと感じた。

 

目次

はじめに どうして、お金の不安が増えるのか

第一部 整理する―「外」に侵されない「内」の軸(その不安は誰かのビジネス―焦りを生む空気からどう抜け出すのか?投資とギャンブルの境界線―成功者を真似てもなぜうまくいかないのか?)

第二部 支度する―「内」に蓄える資産(「会社に守られる」という幻想―労働と投資、報われるのはどちらか?愛と仲間とお金の勢力図―お金以外の何に頼ればいいのか?)

第三部 直視する―変えられない「外」の現実(「あなたのせい」にされた人口問題―なぜ「稼く人が偉い」と思われるのか?「お金さえあれば」の終焉―いつまでお金に支配されるのか?)

第四部 協力する―「内」から「外」を動かす可能性(「仕事を奪う」が投資の出発点―どうすれば仕事を減らせるのか?「子どもの絶望」に見えた希望―“大人”の常識はこれからも通用するのか?)

おわりに

参考文献

 

著者等紹介

田内学さん

社会的金融教育家。お金の向こう研究所代表。2003年東京大学大学院情報理工学系研究科修士課程修了後、ゴールドマン・サックス証券株式会社に入社。日本国債、円金利デリバティブ、長期為替などのトレーディングに従事。日本銀行による金利指標改革にも携わる。2019年に退職し、執筆・講演活動を通じて「お金と社会の関係」を伝える活動を始める。

 

【No2021】お金の不安という幻想 一生働く時代で希望をつかむ8つの視点 田内 学 朝日新聞出版(2025/10)