人口減少社会 | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
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一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

現状のままでは、日本の人口が減少していくことは避けられない事実のように思われます。その現実を前に、デメリットだけを強調するのではなく、人口減少がもたらす可能性やメリットにも目を向ける必要があると感じました。

 

日本社会の現状を正しく把握すること、そして過去にどのような取り組みをしてきたのかを振り返ることはとても大切です。そうした視点を積み重ねることで、これからどのような社会を目指すのか、どのように生きていきたいのかが、少しずつ見えてくるのではないでしょうか。

 

本書では、現場業務、人材育成、地域や組織との関わり、人材採用・定着、事業継続、地域連携、日々の業務や経営判断、そしてキャリア形成まで、多岐にわたる視点が示されています。著者の寺坂さんは、人口減少社会を見据えるうえで「変化を恐れず、一つの正解に囚われない柔軟さ」が必要だと指摘しています。

 

人口減少社会の基礎知識から現在の課題、これから起こりうる社会の変化までをわかりやすく解説した入門書でした。

それぞれの立場で読み、考え、行動していくことが求められているのだと感じました。個人としてどのように生きていくのか、その方向性を考えるうえでも大切な示唆が得られた一冊でした。

 

 

目次

はじめに 私たちは人口減少とどう向き合うか

1 人口減少を正しく理解するために(日本社会に何が起きているのか―人口減少の全体像、生まれる子どもが減るということ―少子化の実態を読み解く ほか)

2 暮らしに起きている変化を知る(物価・賃金・サービス―暮らしのコストが上がる、災害時に頼れる人がいない?―地域の防災力を考える ほか)

3 人口減少と共に進む地域の実践と工夫(都道府県別に見る人口変動とその特徴、行政・大学・地域が共につくる実践型アイデア ほか)

4 企業と人の実践知―人口減少社会を生き抜くために(企業の現場から学ぶ実践知と挑戦1 共感と多様性を活かした採用戦略、企業の現場から学ぶ実践知と挑戦2 働きやすさが人材を引き寄せる職場づくり ほか)

5 価値観の変化と私たちの選択(働き方・キャリアのこれから1 自律的キャリア形成と「働く理由」の問い直し、働き方・キャリアのこれから2 組織と個人を両立するためのキャリア戦略 ほか)

用語解説

索引

おわりに 

 

著者紹介

寺坂絵里さん

1994年兵庫県生まれ。広島大学総合科学部卒業。在学中にタイのチュラロンコン大学へ交換留学。大学卒業後、総合電機メーカーに入社し、イタリア勤務を含む国内外の鉄道事業における調達業務に携わる。

2023年度、事業構想大学院大学ネクスト地域イノベーター養成プログラム修了。東北でのフィールドワークを通じて、地域課題の多くが人口減少に起因していることを実感。以降は地域の総合計画やまちづくり活動を通じ、人口減少社会における持続可能な地域や組織づくりに取り組んでいる。

 

 

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