警察を辞め法務技官に転身した安沼保夫さんの身バレ覚悟の警察職場実態のカミングアウトでした。
警察学校から交番、機動隊、留置係、組織犯罪対策係までの刑事としてのリアルな実体験を暴露しています。そこでは、やりがいもあれば、ガバナンス破綻明らかにこれはオカシイ!?上司・同僚がいました。
安沼さんは、公私にわたって悲喜こもごも、人として、警察官として世のため人のために働いてきました。
彼のような達観した心境になるときがくる、いつかそれぞれ人によって訪れるのではないかと思いました。
204P 大切な仕事
警察の業務は多岐にわたり、私の経験したことはその一部に過ぎない。それでも一警察官の喜びや悲哀を感じていただけたら幸いだ。警察官だった頃、自分の仕事が世のため人のためになっているのかと考えたことがある。警察を辞めた今改めて思うのは、すべての仕事が誰かの役に立っているということだ。
スカッとした痛快な逮捕劇や警察官同士の熱い友情話、勧善懲悪の物語がありませんでした。東野圭吾さんの小説「ガリレオ」のような大学教授や加賀恭一郎など映えある刑事がまったく出てきません。日々の警察でのリアルな生活感がひしひしと伝わってきました。殺人事件もまったく遭遇したことがない安沼さんのような警察官がいた世界の事実・実態を知ったことがよかったかな。
4P
東野圭吾の小説に「警察官は推理小説を読まない。現実の事件で小説のようなトリックが使われることはないし、動機も込み入ったものでなく、ついカッとしてといった短絡的なものがほとんどだ」という記述があり、膝を打ったことがある。
<目次>
まえがき 警察官は警察小説を読まない
第1章 ようこそ警察学校へ(某月某日 オリエンテーション:入校前日の腕相撲、某月某日 幸か、不幸か…:教場と、鬼助教 ほか)
第2章 配属ガチャ、ハズレました(某月某日 着任:「おんめぇもそう思わねえか?」某月某日 交番勤務の1日:日勤篇と夜勤篇 ほか)
第3章 事件は××で起きている(某月某日 社会不適合警官:久しぶりの交番勤務、某月某日 万引き処理:「被害届出さなくていいんですか?」 ほか)
第4章 さよなら、桜田門(某月某日 内規違反:郷に入っては郷に従え、某月某日 絶対的支配者:反抗的な者は… ほか)
あとがき 「パパの今の仕事って何?」
安沼保夫さん
1981年、神奈川県生まれ。明治大学卒業後、夢や情熱もないまま、なんとなく警視庁に入庁。調布警察署の交番勤務を皮切りに、機動隊、留置係、組織犯罪対策係の刑事などとして勤務
【No1812】警察官のこのこ日記 本日、花金チャンス、職務質問、任意でご協力お願いします 安沼保夫 三五館シンシャ フォレスト出版(2025/02)









