【No1836】悪意の日本史 大塚ひかり 祥伝社 (2025/04) | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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道鏡事件における称徳天皇のように、誹謗中傷が歴史書を見ていくと古来ずっと行なわれてきたことが分かった。真偽の由は分からないにしても、これでもかこれでもかと金槌で叩くようにして貶めるような酷い行為であろうかと。

日本人のDNAに刻まれているかのようで悍ましい。

現代におけるSNS上、よってたかって炎上させていく行為は、それらに通ずる内容であった。

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SNSを舞台とした現代特有と思われがちな現象も、実は昔からあったことがわかるのだ。

その底にあるのは人間の「悪意」である。

相手の性別や年齢、地位や生死、世間の空気から判断し、「この人は攻撃してもいい相手だ」と見極めた上で、誹謗中傷を展開し、溜飲を下げるという、人間の欲望がある。

そんな人間の悪意と欲望に基づく営みを古典文学や歴史の中で見ていく。

日本人は悪意とどう付き合ってきたのか。それを利用し、どう生かしてきたのか。人はなぜ悪意を人にぶつけるのか。それによって何を得ているのかなどを探っていきたい。

 

 

 <目次>

はじめに 昔からあった匿名掲示板的誹謗中傷

1 悪意極まれば人間扱いしない―容貌描写と悪意

2 悪意をうたう古代歌謡

3 古代の大罪、呪詛

4 嘘の告発と悪意

5 公正であるはずの歴史書に秘められた悪意

6 言霊が信じられていた古代なればの罰としての改名

7 弱者へ向けられる悪意、強者へ向けられる悪意

8「悪霊」化の瞬間

9 女性蔑視と悪意

10 中世の大罪・悪口

11 近世の悪口祭と、古代の大祓

12「普通の人」がよそ者へ向ける悪意

13 悪意を利用した支配

14 家族の中の悪意――日本版シンデレラ『落窪物語』の場合

15 七代祟る――一定の家筋への悪意

16 まじないとわらべ歌の悪意

17 悪意をぶつけられた歴史上の人物

おわりに 正義に見せかけた悪意の怖さと、悪意の自覚の大切さ

 

 

大塚ひかりさん

古典エッセイスト。1961年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部日本史学専攻を卒業