朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~ -115ページ目

朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

ハマの用心棒と呼ばれている暴対係長の諸橋と暴対係長補佐で相棒の城島。

本物の暴力団と見分けがつかないような浜崎やパソコンマニアでインターネットに強い八雲、合気柔術の達人であり秘密兵器の倉持など、異色で多彩な才能を持つ人間味のある班員たちに囲まれて彼らは数々の事件を解決していくスピンオフ集。

7つの章それぞれに諸橋班のメンバーたちの魅力が描かれています。

地元のヤクザ神風会組長の神野の存在が、山椒の実のように短編集にぴりりと効いていてよい味を出しているのは確か。

 

257P

倉持の言葉が続いた。

「心技体は、すべてを充実させる必要などはない。どれか一つを選んで延ばせば、他の二つのレベルも上がる。自分は勝手にそう解釈しているんです」

諸橋はうなずいた。

 

 <目次>

タマ取り

謹慎

やせ我慢

内通

大義

表裏

心技体

 

 

1955年北海道生まれ。上智大学在学中の78年「怪物が街にやってくる」で第4回問題小説新人賞を受賞。東芝EMI勤務を経て専業作家となる。2006年『隠蔽捜査』で第27回吉川英治文学新人賞受賞。08年『果断 隠蔽捜査2』で第21回山本周五郎賞ならびに第61回日本推理作家協会賞長編及び連作短編集部門をダブル受賞。17年「隠蔽捜査」シリーズで第2回吉川英治文庫賞受賞。著書多数

高校入学を目前に孫の菜緒と祖母の和が東京タワーから昭和に突然タイムスリップする物語です。

時はオリンピック前年です。和ばあさんがまだ若い15歳だったときです。

口が悪くて愛想ないばあさんを相棒にした菜緒が東京タワーから始まる思わぬご縁・出会い。

電車やお店などの町並みの描写や着物など人物の表現力は秀逸であり、昭和に生きる人々を仕草や言葉をうまく表現しています。

装画・挿画(石川えりこさん)から、当時の様子に想像力が膨らみます。

お節介焼きがそれなりにいた昭和のよき時代の笑いあり涙ありのお話が主です。

二人が過去に戻る意味がありました。

ばあさんの封印された過去があきらかになります。

ばあさんの取り返しのつかない出来事を菜緒がうまくリカバーできるかどうかは楽しみです。

 

1953年、東京生まれ。慶應義塾大学文学部西洋史学科卒。エッセイスト、作家。99年、檀ふみとの往復エッセイ『ああ言えばこう食う』で講談社エッセイ賞、2000年、『ウメ子』で坪田譲治文学賞、08年、『婚約のあとで』で島清恋愛文学賞を受賞。12年、『聞く力―心をひらく35のヒント』がミリオンセラーとなった。14年、菊池寛賞を受賞。

当たり前の話ですが、犯人は機械ではなく人間であり、それを捕まえる刑事もマシーンではなく人間なのです。

「生まれながらの犯罪者なんていない」という元警視庁捜査一課の大峯さん。

彼は、犯罪者たちの人生について家族などから丁寧に聞き出して理解しようとしていました。

幼女誘拐殺人犯の宮崎勉などのように、愛情の薄い家庭環境や惨めな境遇がその後の犯罪に結びついてしまった可能性が高いことを知っていたからです。

 

ロ(サンジェル)ス疑惑、地下鉄サリン事件、宮崎勉幼女殺人事件など数多くの大事件の捜査に携わった大峯康廣さんは、体育会系の厳しい人物でしたが、部下に対して気配りができる少年のようにやさしいハートを持った人でした。

 

本物の刑事の体験談でしたので、取調室内での犯人との対峙する臨場感や「完落ち」自供時のリアル感が伝わってきてワクワクドキドキして緊張しながら面白く読めました。

 

生涯のうちに自分だけで体験できることは多くないものだと。

仄聞することができればそれはそれでよいと考えています。

そこで、他人の経験が役に立ちます。

読書は自分が経験しなくともその手段となります。

そこから学んで自分の腹で咀嚼して、何かで誰か人のためになればこれが幸せだと思います。

 

 

 <目次>

序章 疑惑

ロスアンゼルス市ホテル内女性殺人未遂事件 1985

ロス疑惑捜査の思わぬ“挫折”が、名刑事の原点にあった

第一章 KO

首都圏連続ノックアウト強盗致死事件 1981

「不審死」で処理された遺体。そこにある惨劇が隠されていた。

第二章 警官

宝石商強盗殺人事件 1984

退職した“理想の警察官”は、なぜ取調室で激昂したのか。

第三章 猥褻

宮﨑勤 首都圏連続幼女誘拐殺人事件 1989

宮﨑が何気なく口にした地名。その一言に背筋が震えた。

第四章 強奪

練馬社長宅三億円現金強奪 1990

「証拠を残さないためには皆殺ししかない」。犯人の冷血。

第五章 信仰

オウム真理教 地下鉄サリン事件 1995

黙秘を貫く“天才信者”を、築地署の屋上に連れ出した。

第六章 自演

証券マン殺人・死体遺棄事件 1996

「あいつこそ真のワルだ」。危険な男との取調室の対決。

第七章 遺体

阿佐ヶ谷女性殺人死体遺棄事件・檜原村老女殺人事件 1997&1998

第八章 迷宮

世田谷一家四人殺人事件 2005

問題続出の捜査に絶望した大峯は、ある決断を下す。

終章 動機

ひとはなぜ罪を犯すのか

伝説の刑事が最後に辿りついた真実とは。

あとがき 

 

1970年生まれ。ジャーナリスト。日韓関係、人物ルポ、政治・事件、スポーツなど幅広い分野で執筆を行う。著書に「韓国人、韓国を叱る」がある。

愛は技術であった。

系統だって考えたことがなく一読しても理解することができず含蓄が深い内容であった。

恋に落ちるのは初期段階に訪れる人の感情として、愛はその後にも継続する気持ちとして、愛するには成熟した人間でなければならない。

愛の一部についてしか、理解していなかったためであった。

 

15-16P 愛は技術である。学ぶためには三段階を経なければならない。

まずは愛の理論に精通すること。修練に励むこと。そして技術を習得することだ。

41P 愛は能動的な活動であり、受動的な感情ではない。

愛は何よりも与えることであり、もらうことではない。

44P 自分のなかに息づいているものを与える。自分の喜び、興味、理解、知識、ユーモア、悲しみなど自分のなかに息づいているものすべてを与えるのだ。

67P 成熟した愛は「愛するから愛される」、「あなたを愛しているから、あなたが必要だ」と言う。

76P 愛する対象によって、友愛(人類全体に対する愛)、母性愛(無力な者への愛)、恋愛(対等の者同士の愛、排他的な愛)、自己愛(自分を愛することと他人を愛することは不可分)、神への愛(宗教的な愛、孤立を克服して一体感、合一を達成したいという欲求を満たす)などの種類がある。

128P 愛が比較的まれにしか見られず、さまざまな偽りの愛にとって代わられている。偽りの愛は、愛の崩壊に表れだ。

133P 現代人にとって、幸福とは楽しいということだ。商品、映像、料理、酒、タバコ、人間、講演、本、映画などなんでも手に入り消費できることだ。

142P たがいの性的満足としての愛と、チームワークとしての愛(孤独からの避難所としての愛)は、現代西洋社会における崩壊した愛、現代社会の特徴である病んだ愛の正常な姿だ。神経症的な苦しみをもたらす。

149P 偽りの愛の一種に偶像崇拝的な愛がある。愛する人を至高善として、すべての愛と光と幸福を持った者として偶像化しがち。

154P 二人の人間が自分たちの存在の中心と中心で意志を通じ合うとき、はじめて愛が生まれる。自分自身と一体化することで相手と一体化するということだ。ふたりの結びつきの深さ、それぞれの生命力と強さが実ったところにだけ愛が生まれる。

161P 愛の技術の前提条件として、愛の技術へのアプローチ方法と習練方法を述べるのみ。規律、集中、忍耐、技術の習得などの条件が必要だ。

167P ひとりでいられる能力が愛する能力の前提条件だ。

169P 悪い仲間を避ける、相手の話を聞く、変化に気付く、理性や客観力をつける、自分を信じる、信念、能動性、

184P 自分の愛は信頼に値する者であり、他人のなかに愛を生むことができる、と信じることだ。

197P 私が証明しようとしたのは、愛こそがいかに生きるべきかという問いにたいする唯一の健全で満足のいく答えであるということだ。

 

これは、単なる恋愛マニュアルだとか恋愛の指南書ではなかった。

深い含蓄の言葉から自分の未熟さに気づかせられた時間だった。

また読み返して自分の糧にしたい。

 

 <目次>

はじめに 

第1章 愛は技術か

第2章 愛の理論(愛、それは人間の実存の問題にたいする答え、親子の愛、愛の対象)

第3章 愛と現代西洋社会におけるその崩壊

第4章 愛の習練

原注

訳者あとがき

 

 

エーリッヒ・フロム [Fromm,Erich]

1900年、ドイツ・フランクフルトに生まれる。ハイデルベルク、フランクフルト、ミュンヘンなどの大学で学んだのち、ベルリンで精神分析学を学ぶ。フランクフルト社会研究所を経て、1933年アメリカに渡り、のちに帰化。イェール、ミシガン州立、ニューヨークなどの大学で教鞭をとり、さらにメキシコに移住。1980年没。フロイト理論にマルクスやヴェーバーを接合して精神分析に社会的視点をもたらし、いわゆる「新フロイト派」の代表的存在とされた。また、真に人間的な生活とは何か、それを可能にする社会的条件とは何かを終生にわたって追求したヒューマニストとしても有名である。しだいに、禅や東洋宗教へも関心を深めた。著書多数.。

 

鈴木晶

1952年、東京に生まれる。東京大学文学部ロシア文学科卒業、同大学院人文科学研究科博士課程満期修了。法政大学名誉教授。専攻は文学批評、精神分析学、舞踊学。著書・訳書多数

あまり語られなかった坂本龍馬の錬金術の一面を知ることとなる。

あの西郷隆盛から「龍馬ほど度量の大きな人間を見たことはない」と言われている。

薩摩や長州など土佐藩以外の志士をはじめ、松平春嶽などの大名や勝海舟などの幕臣たちとも懇意にできたのは、彼の行動力や社交力、人間力の深さの賜物だと思う。

 

いろは丸との衝突沈没に際して相手方の紀州藩から法外な賠償金を訴えて実際にお金を分捕った交渉術を兼ね備えている。

 

脱藩浪士の身であったが薩長同盟を成功させて大政奉還を提言した龍馬からすれば、王政復古が成りたっても、旧幕府側と戦争になるかもしれないという疑念持ち続けた。

 

龍馬は、海援隊でも亀山社中でもいつでもどこでもお金が必要ということが分かっていた。

お金がなくては、何もすることができない。

金座、銀座などでの貨幣鋳造益が重要だ。

土佐藩には軍資金がなかった。

そこで、土佐藩を助けたのは、龍馬が藩政の後藤象二郎に語った偽金を製造する計画だったのだ。

 

 <目次>

はじめに 

第1章 誰とも繋がる「史上最強の浪人」(明治の元勲に、なぜ幕末の浪人が少ないのか?、武士の身分が買える金持ちのボンボンだった龍馬 ほか)

第2章 幕末を制した「瀬戸内海の海上王」(龍馬が脱藩を許される一方、京都で薩長対立が激化、「禁門の変」のあおりを食って海軍塾が閉鎖される ほか)

第3章 私設艦隊「海援隊」とは何か?(薩摩と距離が生じ、経営危機に陥った亀山社中、孤立無援の中で海援隊はどのように誕生したか ほか)

第4章 「龍馬の偽金」で倒幕を果たした官軍(後藤象二郎に語った龍馬の「偽金製造計画」、なぜ龍馬は、偽金の製造を思いついたのか? ほか)

第5章 明治新政府を支えた「龍馬マネー」(龍馬が「大政奉還」を献策した理由とは?、将軍職はそのままに、金座、銀座を接収せよ! ほか)

あとがき

参考文献

 

 

元国税調査官。国税局に10年間、主に法人税担当調査官として勤務。退職後、ビジネス関連を中心としたフリーライターとなる。単行本執筆、雑誌寄稿、ラジオ出演、「マルサ!!」(フジテレビ)や「ナサケの女」(テレビ朝日)の監修などで活躍している。学生のころよりお金や経済の歴史を研究し、別ペンネームでこれまでに30冊を超える著作を発表している。

 

 

【No.777】龍馬のマネー戦略 教科書では絶対に教えない幕末維新の真実 大村大次郎 秀和システム(2021/04)

卑劣な凶悪犯罪には絶対に屈しないと決意した企業があったことを知ることができたのはよかったと思う半面、企業収益を考えて表に表れない裏取引で犯人側に安易にお金を渡していた企業もあったかのように書かれていたのは驚きだった。

 

社長の拉致監禁や食べ物に青酸カリを入れた脅迫などのグリコ森永事件。

戦後の未解決事件として国民の心に深く刻まれている劇場型の事件だった。

犯人に辿れそうな証拠品などの痕跡が多く残されている。

147通にも及ぶ膨大な脅迫状や600点以上の遺留品があり目撃者や尾行までされたが犯人は未だ捕まらずに時効をむかえていた。

現金引き渡しの場面での誤認逮捕など初動捜査からのミスが重なった。

県警と警視庁などの縄張り意識、情報を秘匿していたため末端の警察官まで情報が行き届かない不徹底状態とキツネ目のほか少なくとも6人はいたという犯人グループの用意周到な準備があったが、ミスを裏返して見ると、相当の運が犯人側に味方したようだった。

 

かつてのダイエーが新規オープンした店や関連施設で数々の犯行が行われてきたという事実は新しい面白い視点だった。

犯人は、所縁のある土地で、周辺の地理や交通量、抜け道などを知っている関係者であって土地勘があったということになる。

早期にこの関係に気付いていて本腰を入れた内偵を進めていれば……。

ミスや失敗はそのままでなく、今後の同様の機会に生かすことができれば失敗のままでなく成功に導く教訓となるのだ。

 

遺留品のひとつにサハリハットがあった。

そこには5,5センチの1本の髪の毛が残っていた。

最新のDNA鑑定技術では、いまからでも特定するのは可能である。

犯人は、たとえ時効をむかえていても、これからもずっと身元が割れる恐怖を抱えて怯えながらこの世で暮らさなければならない。

 

 <目次>

序章 

1 堤防道路 運命の15秒

2 けいさつの あほども え―147通の手紙

3 「キツネ目の男」登場

4 天国から地獄―森永製菓の闘い

5 滋賀県警の一番長い日

6 虚勢の果て

7 キツネ目と仲間たち

終章

あとがき

事件関連年表

参考文献・引用文献一覧

 

 

1955年、和歌山県生まれ。ジャーナリスト。2004年、『年金大崩壊』『年金の悲劇』(ともに講談社)により講談社ノンフィクション賞を受賞。同年「文藝春秋」に掲載した「伏魔殿 社会保険庁を解体せよ」で文藝春秋読者賞を受賞。2020年、『裁判官も人である 良心と組織の狭間で』(講談社)によって日本エッセイスト・クラブ賞を受賞した。

(ぼくは知らないけれども)日本人が長い年月をかけて育んできた日本語には、美しいことばがたくさんあります。

 

例えば、「雪を欺く」は、その白さが雪に引けを取らないほど非常に白いさまを表しています。

「岡惚れ」は、親しく交際していない人を、脇からひそかに恋い慕う、また他人の愛人にひそかに思いを抱く片想いの一種です。

「顰(ひそみ)に倣う」は、ことの良し悪しをあまり考えずに、いたずらに人まねをすることや、ひとのまねをして何かをすることをへりくだっていう時にも使います。

 

美しい日本語や後世に残したい素晴らしいことばを101に厳選し、詳しく解説したものを書きたいという思いから著者さんが執筆されました。

選んだ言葉の意味や語源からは、著名な作家が作品の中でそのことばをどう使っているか解説しています。

文学作品から使用例を紹介しているため、そのことばをどんな状況時にどのように使えばよいかわかり、語彙力を鍛え磨くことにつながります。

美しい日本語に触れあえてよかった。

 

 <目次>

はじめに

第1章 自然描写

第2章 美の表現

第3章 文章表現

第4章 感情表現

第5章 人間の性質

第6章 人間関係

出典・参考文献一覧

 

辞書編集者。元小学館辞典編集部編集長。1956年、千葉県生まれ。80年、小学館の関連会社尚学図書に入社。93年、小学館に移籍。尚学図書に入社以来、37年間ほぼ辞書編集一筋の編集者人生を送る。2017年2月に小学館を定年で退社後も『日本国語大辞典 第三版』に向けての編纂事業に参画している。

 

【No.775】辞書編集者が選ぶ 美しい日本語101 文学作品から知る100年残したいことば 神永 曉 時事通信社(2021/03)

技能実習生を受け入れる国があれば、送り出す国がある。

技能実習制度という名のもと、受け入れ先から逃亡する者、ビザが切れて不法滞在する人、野菜や果物などの大量窃盗事件!?などの社会問題が噴出してきている。

日本の零細企業がある都市では同様な現象が起きているのだろう。

 

以前は、すれ違うときに聞こえてくる言葉に中国語が多かった。

今では、ベトナム語を話す会話で通り過ぎていくのだ。

極めて低賃金で働いている、学歴や年収が低くて日本語もろくに喋れず専門知識もない外国人が増えてきている。

非熟練労働に従事している外国人たちは、日本人の仕事を奪ってはいないだろうか。

そもそも日本人が嫌がる賃金が低くてやらない業務だからだろう。

彼らが日本社会に定住して多数を占めるようになったら、ヨーロッパの先進事例のように、いままで住んでいる人たちが住みづらくならないようにならなければよいと思うのだが。

ふと考えてみると、ずっとデフレの中で、社会が必要とし望んでこのように依存しているということになろう。

負のスパイラルか。

「低度」外国人材から、非正規社員などで低い賃金で働いている日本人がいるという裏返しに繋がるのではないかと。

 

 

 <目次>

はじめに

第一章 コロナ、タリバン、群馬県―隣人は平和な「イスラム原理主義者」

第二章 「兵士」たちの逃亡と犯罪―主役は中国人からベトナム人へ

第三章 頼りなき弱者―ベトナム「送り出し」業者に突撃してみれば

第四章 「低度」人材の村―ウソと搾取の「破綻した制度」

第五章 「現代の奴隷」になれない中国人―稼げない日本に見切りをつけるとき

第六章 高度人材、低度人材―「日本語だけは上手い」元技能実習生

第七章 「群馬の兄貴」の罪と罰―北関東家畜窃盗疑惑の黒い霧

おわりに

主要参考文献

 

1982年滋賀県生まれ。ルポライター。立命館大学人文科学研究所客員協力研究員。立命館大学文学部東洋史学専攻卒業後、広島大学大学院文学研究科博士前期課程修了。2018年に『八九六四「天安門事件」は再び起きるか』(KADOKAWA)で第5回城山三郎賞、19年に第50回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞

自転しながら公転しているというのは、印象に残るよい表現だ。

30歳を超えたアウトレットモールのアパレルショップで働く都。

都の親が病気になったと思えば、職場では上司からのセクハラが起こる。

父親が癌になり母親の更年期障害が快復するかと思いきや簡単に治らない。

恋人の貫一との恋愛がギクシャクしてきて、職場の空気も悪くなってしまう。

もう山あり谷あり繰り返しだった。

これがとある人物の当たり前の日常なのだろう。

 

エピローグの結婚の状況下、戻ってまたプロローグを読むと納得する。

 

それぞれが与えられたその場所でそれなりに懸命に生きてがんばっている姿があった。

応援したくなるようなピソードがちりばめられ丁寧に描かれていた。

その時々の心の揺れや周りの人たちからの反応が手に取るように伝わってきた。

一緒になってこちらも苦しくなるときがあった。

ずばりこうなんだと腹を割って言ってくれる親しい友人の存在がいたことが救いとなっていた。

広島にボランティアに行くなどの行動を起こさずに都がひとりだけ問題を抱え悩んでいたならば、ハッピーな結果にはならなかったのかもしれない。

 

1962年神奈川県生まれ。OL生活を経て作家デビュー。「恋愛中毒」で吉川英治文学新人賞、「プラナリア」で直木賞を受賞。ほかの著書に「なぎさ」など。

スマートにうまく断るとチャンスをつかめるというのです。

それはどうしてなのかと思いました。

女性向けの「断る」ためのやり方・方策に気付ける内容でした。

しかし男性にとってもそのエッセンスは役立ちます。

何かをお願いされたり誘われたら受けることができればそれにこしたことはありません。

その人のことを思って誘ってくれたから。

頼んできてくれたから。

これは一般的にはチャンスです。

チャンスは、そのままにしていると目の前をすぐに通り過ぎていきます。

ささいなきっかけから自分の可能性が広がるものなのです。

 

断る時はあいまいにせずはっきりと断ることです。

チャンスを回して相手のためになります。

巡り巡って自分のためにもなります。

断る時は言葉だけでなく、相手に対して誘ってくれてありがとうという意味を込めて笑顔で相手の目を見て断るのです。

相手によい印象が残ります。次に繋がります。

どうしても断らざるを得なかった理由を伝えるため直接相手先に出向いて返事をする。相手に精一杯の心意気が伝わります。

断る時は、断るだけでなく代替案を示すことです。今回は日程が難しかったが、別の○○なら大丈夫と調整の可能性を残すのです。

 

このような事例から、ぼくにも十分に活用できるヒントが得られた、里岡さんの光り輝くCA経験から人生が好転する「大人の上手な断り方」を教えていただきました。

 

 <目次>

はじめに 

第1章 上司や同僚、取引先の誘いを「断る」ときのルール

第2章 仕事の依頼を「断る」ときのルール

第3章 仕事の依頼を「断る」ためのテクニック

第4章 キャリアアップのチャンスに正面から向き合う

第5章 プライベートの誘いを「断る」ときのルール

第6章 異性からの誘いを「断る」ときのルール

第7章 身近な人の誘いを「断る」ときのルール

おわりに 

 

24年間、ANA国内線、国際線のチーフパーサーとして、またそのうちの15年間は(2021年現在の)天皇皇后両陛下、上皇上皇后両陛下、マーガレット・サッチャー英国元首相をはじめとする各国の国家元首のVIP特別機の担当として活躍。24年間のCA業務、また現在の仕事において一貫してこだわっていることは「高いクオリティー」。つねに客観性をもち、心身の管理を含めて質の高い接遇を行うよう心がけている。2010年のANA退職後は、それまでの経験を生かし、一般企業や病院に人材育成のコンサルタントとして「コミュニケーションの素晴らしい世界」を提案。企業や医療法人で人材育成顧問に就任。また個人のクライアント向けに“パーソナルクオリティーコンサルタント”として個人のもつ能力、魅力をさまざまな分野において遺憾なく発揮できる人材育成を行っている。

 

【No.772】「断る」ほどチャンスをつかむ女(ひと)のルール 里岡美津奈 秀和システム

(2021/03)