朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~ -103ページ目

朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

現代社会では、のらりくらりと時代に合わせていける柔軟性が必要なのです。

250P

適応障害もうつ病もかかる時は誰でもかかるものですから、精神科医の診察を受けるのはまったく恥ずかしいことではありません。

 

適応障害とは、

4P

世の中が変わっていく時期には、自分が生まれ育ったり、教育を受けたり、経験してきたことと違う形で世の中が進んでいくため、これに適応することが困難になります。

適応障害とはその文字のごとく、自分の既成概念と世の中の現状とのギャップに「適応」していくことに「障害」が生じた病気と言っていいものです。

 

適応障害になりやすい人は、なりやすい思考パターンがあります。

「敵を知り己を知り戦えば……」

なりやすい思考パターンに当てはまらないかどうかと考えてみる。

なりたくなければそうならなければよいのだから。

 

グレーがあり。イエスかノーか白黒つけようとする「二分割思考」

合格点を取ればよい。100点でなければ0点と同じで意味がない「完璧主義」

他にもたくさんのやり方生き方がある。こうでなければならない、すべきである、しなければならないという考え「かくあるべし思考」

いつも、みんな、絶対にと、広く一般化してしまう「過度な一般化」

仕事上のミスのような自分の都合の悪いことは過大に捉え、逆によくできていることを過小に考える「拡大視・縮小視」

自分とは関係があるとは言えない出来事までもすべて自分に関係があるものとして考えてしまう「自己関連付け」

勝ち組、負け組などわかりやすいラベルを張って物事を判断する「レッテル貼り」

「あいつは内心で私のことを馬鹿にしている」など勝手に相手の心を決めつけてしまう「読心」

落ち込んでいるときは「何をやってもうまくいかない」など、その時の自分の感情に基づいて現実を判断してしまう「情緒的理由付け」

 

精神的に病気にならないためにすることや考えること、和田さんからの提言です。

「適当にやっていたって何とかなるさ」のタレント高田純次さんのように生きることがひとつのヒントになるでしょう。

和田さんの著書を逆読みしてみました。

 

257P

物事を決めつけずに、何事に対しても、「そうかもしれない」「いや違うのではないか」とさまざまな方向から考える思考の癖をつけることです。

234P

何事においても「こうしなければいけない」と思い悩むよりも、「できないものはできない」と割り切って、得意分野を伸ばせばいいのです。

読書をする際にも「全文読まなければいけない」とは思わず、目次を一通り眺めて面白そうな見出しのところだけ読めばいい。そのくらいの開き直りがないことには、世の中がいきづらくなるばかりです。

230P 「それもそうだな」受け入れてみる

200P 

精神科医として適応障害のリスクがある人に言いたいのは、「やりたくないことはやらなければいい」ということです。

「適当論」という本を出版したタレントの高田純次さんは精神科医から見ると“あんな風にいきたらいい”という見本のような人だ。

196P

適応障害にならないためには「この道だけでなくほかの道もあるじゃないか」「もっと楽な道はないのか」と考えることが大切です。

188P

受験も仕事も満点主義(完全主義)ではなく、合格点主義で物事を考えれば精神の負担やストレスが少なくなります。「失敗してもいい」「やってみなければわからない」

183P

適応障害やこれに類する神経症は「頑張りすぎなくてもいいのだ」「まあいいか」などと思えるようになる、ある種の開き直りや悟りによって治ることが多い病気です。

82P 「~すべからず」よりも「~すべし」

 

本人も周囲も気づきにくく、うつ病と診断されることが多い適応障害。

新型コロナで社会環境が激変するなか、患者の増加が予想されるこの病の兆候、対処法、治療法、接し方を精神科医が解説する。

精神医療現場の現状も伝える。(本の解説より)

 

 <目次>

はじめに 

第一章 適応障害とはどんな病気か?

第二章 こんな人は適応障害に要注意

第三章 「適応障害」大国・ニッポン

第四章 精神医療現場が崩壊している

第五章 ストレスを弱めるために

第六章 脳にいい生活習慣

 

精神科医。和田秀樹こころと体のクリニック院長。1960年大阪府生まれ。東京大学医学部卒業後、東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、浴風会病院精神科医師などを経て、国際医療福祉大学心理学科教授。受験アドバイザーとしても著名で、27歳のときに執筆しタ『受験は要領』がベストセラーとなり、緑鐵受験指導ゼミナールを創業。また、映画監督としても活躍しており、2008年に公開された『受験のシンデレラ』はモナコ国際映画祭で最優秀作品賞を受賞

著書に「70歳が老化の分かれ道」など多数。

絶滅が危惧される動作を取りあげていたのは面白い視点だと思います。

例えば、50年後、100年後、今使っている道具や物は残っているのだろうか。

過去の民芸品のように、資料としてはあるのだろうが、それを使わないので人の使う動作は忘れ去られていることでしょう。

チャンネルを回す、黒電話をかける、携帯の電波を探す、カメラのフィルムを巻くなどの昭和時代に行われていた動作など、時代とともに消えてしまう数々動作をとりまとめたという点がすばらしい。

例えば、小指で恋人を示す、ブラウン管テレビをたたく。ギョウ虫検査、扇風機の前でしゃべる、和式トイレで用を足す、アナログ携帯電話の電波を探す、ゲームカセットをフーフーする、腰に手をあてて牛乳を飲む、(重たい辞書を持って)辞書を引く、書店の棚から本を選ぶなどのうち、ギョウ虫検査などもうすでに無くなっているものがあります。語学を学ぶために辞書を引くなど無くなってはいけない動作もありました。

 

「絶滅」しそうな「動作」を集めた本です。

「絶滅危惧レベル」順に並べられています。

すべて私の主観で決めた曖昧な基準ではありますが、漫画やアニメの中で見たような、知識としてしか知らない動作から始まり、今は当たり前にやっているけれど、今後なくなるかと思う動作で終わる。という構成になっています。

 

すでに絶滅の危機に瀕しているものから、もうすぐなくなりそうなものまで約100種類の動作をイラストと言葉で解説しています。

 

 <目次>

まえがき

レベル5 やったことがない日常生活で見たこともない動作

レベル4 ちいさい頃に何度かやったことがある動作

レベル3 かつてはやったけど、今はやらない生活の中でもあまり見なくなった動作

レベル2 そういえば全然やってない動作

レベル1 ここ最近でだいぶ頻度が下がってきた動作

レベル0 今は普通にやっているけど、今後なくなってもおかしくない動作

巻末特別対談 自分も「絶滅危惧」かもしれない みうらじゅん×藪本晶子

 

グラフィックデザイナー。1994年東京都生まれ。2017年東京藝術大学美術学部デザイン科卒業。2019年同大学院修士課程修了

 

本番で自分のパフォーマンスを最大限に発揮するためメンタルが強くなるには、この本が伝えたいこと。

「自分の感情をコントロールすること、心の安定を最優先に目指すこと」

 

心に響いたことば

目線が下ではなく、前を向いている

夢は叶えなければいけないものではなく、人生を楽しく豊かにするものだ。

自分のためだけにやるのではなく、喜ばせたい誰かのためにやろう。

いつも前向きにでなく、最悪も想定しておこう。

嫌いな人は苦手だと避けようとするのではなく、「珍獣」だと思う。

自分が自分がとわがままに振る舞うのでなく、家族や周りの人のおかげさまと振る舞おう。

 

感情をコントロールする7つの大原則。

1 脳は思考よりも言葉を信じる 思考ではなく言葉を変える

2 脳は最後を記憶する 終わりよければすべてよし

3 楽しい・ワクワクすることしか続かない 脳内から快楽物質ドーパミンが発生する

4 イメージを現実として受け止める 成功のイメージトレーニングを重要視する

5 最悪を想定しておくと崩れにくい 平常心で臨む

6 喜ぶ人が見えるとやる気になる 脳を快にできる有効な手段

7 感謝のエネルギーは計り知れない 脳内にエンドルフィン(苦しみ・痛みの鎮痛効果あり)が発生する

 

心の浮き沈みの少ないメンタル・ブレない心を手に入れる。

あとに引きずらない。

気持をリセットして前を向って歩んでいく。

自分を否定しない。

がむしゃらに頑張らない。

行き先に迷わない。

勝負の場で焦らない。

他人の言動に左右されない等々。

マイナスからプラス言葉に言葉遣いを変えれば着実に好転していく。

 

自分の感情をコントロールし心の安定を目指すための要点を取りあげてみました。

 

 <目次>

はじめに 

第0章 自分の感情をコントロールする7つの大原則

第1章 自己肯定感のプラス言葉とマイナス言葉

第2章 やる気のプラス言葉とマイナス言葉

第3章 目標のプラス言葉とマイナス言葉

第4章 本番のプラス言葉とマイナス言葉

第5章 人間関係のプラス言葉とマイナス言葉

終章 感情をコントロールする百年メンタルノート

おわりに 

 

メンタルコーチ。銀座コーチングスクール認定プロフェッショナルコーチ。JADA(日本能力開発分析)協会認定SBTマスターコーチ。金沢大学非常勤講師。富山県高岡市出身。石川県金沢市にオフィスを構え、全国で活動している。メンタルコーチを務める高木菜那選手が平昌五輪女子スピードスケートで日本女子史上初めて同一大会で2つの金メダルを獲得、競泳の小堀勇氣選手がリオデジャネイロ五輪800mフリーリレーで1964年東京五輪以来52年ぶりとなる銅メダル獲得、女子テニス日比野菜緒選手がジャパンオープンで史上初シングルス・ダブルス優勝、名門野球部を復活させ24年ぶりの甲子園決勝へ導くなど、その実績は数えきれない。

部下には、それぞれ個性があります。仕事の進め方から言葉の受け取り方も違います。

伝え方はそれぞれ同じではなく、違ったアプローチで対応すべき。

なぜ部下が動かないのか?

それは能力の差でも世代のずれでもない。

ただ「伝わっていない」から。

 

自己のタイプを理解し相手のタイプを見極めて、相手の立場になってこころに響く言葉で伝えることができれば相手にしっかりと伝わるのです。

部下との関係をよくするだけでなく、わきまえて対応をすればストレスも軽減されプライベートな人間関係も円滑になると思います。

 

4P

タイプの違いを明確にし、コミュニケーション・ギャップを埋める方法を提示するのが、本書で紹介する「性格統計学」です。

これは私が16年間でのべ12万人のデータを集計、分析して体系化した新しいコミュニケーション方法です。

性格統計学では人を2つの軸で4つのタイプに分けています。

自分優先&計画重視なロジカルタイプ

自分優先&臨機応変なビジョンタイプ

相手優先&計画重視なピースプランニングタイプ

相手優先&臨機応変なピースフレキシブルタイプ

自分のタイプだけでなく、相手のタイプもわかるので、「相手に伝わらない理由」と「相手に合った伝え方」がわかります。

それを使って、部下一人ひとりに合わせたベストな伝え方をしていくことで、部下とのコミュニケーション・ギャップを埋めていこうというのが、本書の狙いです。

コミュニケーション・ギャップが埋まれば、伝わらなかった指示もすぐ理解され、響く誉め言葉でモチベーションを上げることが可能になります。

 

234P

プレイヤーとしてどんなに活躍できていても、チームを持った途端に成績を残せなくなる人はたくさんいます。

それは、現場とマネジメントでは、求められるスキルがまったく違うからです。私は身をもってそれを思い知りました。リーダーに必要なことは結果を出すだけではなく、チームメンバーの一人ひとりを理解して、成長を見守れる人になること。

 

 <目次>

はじめに

1 「伝え方」を変えるだけで部下が動く

2 仕事・指示を理解してくれないときの伝え方

3 自分から動いてくれないときの伝え方

4 モチベーションが下がっているときの伝え方

5 悪い癖を直してほしいときの伝え方

6 相互理解で「心理的安全性」をつくる

おわりに 

 

富山県生まれ。株式会社ジェイ・バン代表取締役。自身が人間関係の悩みに直面したことから、新しいコミュニケーションメソッドを探求し、16年間、のべ12万人から生のデータを集め「性格統計学」として体系化。以来、このメソッドを「一人でも多くの人に伝え、すべての人を笑顔にしたい」との思いで、セミナーや研修、コンサルティングを通して普及活動を行う。2018年には「性格統計学」にもとづくアプリ「伝え方ラボ」を開発。その後、さまざまな企業で導入され、職場の人間関係の改善や営業活動にも活用されている。2020年には、Web3時間で履歴書に書ける資格が取れる「伝え方コミュニケーション検定講座」のパッケージ化に成功。現在では認定コンサルタントや認定講師の育成も行う。時代のニーズに対応しながら、企業や自治体、学校まで、全国すべての人のコミュニケーション改善に貢献する活動を続けている。

元文部科学省事務次官の前川さんが安倍・菅政権の実態や課題などを私見を交えて赤裸々に述べていた内容だった。

歴史から学ぶべきだと思う。

時代や背景が違っても、ある普遍性はまったく変わらないのではないか。

同じ過ちを繰り返さないようにしたいものだ。

現代にも通じる警告を発している名言だと思う。

3P

「権力は腐敗する傾向を持ち、絶対的な権力は絶対的に腐敗する」

イギリスの思想家・歴史家ジョン・アクトンの言葉。

 

森友・加計問題ほか多くの不祥事が発覚してきたにもかかわらず、検証する間もないほどに次々と出てきたので、国民が次々に振り回されている間に前の不祥事が忘れ去られて逃げきってしまったように思われる。

我々は、ぜひ本を読んで学んだうえで賢明な主権者となるべきだと思った。

241-242P

図書館は、本を読んで学ぶところだ。

図書館は人類が蓄積してきた知の宝庫である。テレビ、ラジオ、ネット情報。映画、芝居、講演会など、あらゆるところに学びは存在する。

学ぶことによって国民は賢明な主権者となる。

賢明な主権者は賢明な政府を持つことができる。

賢明な政府は国民のために仕事をする。

学ばない国民は政府によって騙される。

愚かな国民は愚かな政府しか持つことはできない。

愚かな政府は腐敗し、暴走する。

 

 <目次>

はじめに 

第1章 安倍晋三氏による国政私物化―加計学園問題

第2章 私物化の継承と暗躍する官邸官僚

第3章 安倍・菅政権における政と官

第4章 人災だった全国一斉休校

第5章 奪われ続ける自由

第6章 主権者を育てる

おわりに 

 

1955年奈良県御所市生まれ。東京大学法学部卒業。1979年、文部省(現・文部科学省)入省。宮城県教育委員会行政課長、ユネスコ常駐代表部一等書記官、文部大臣秘書官などを経て、2012年官房長、2013年初等中等教育局長、2014年文部科学審議官、2016年文部科学事務次官に就任。2017年1月、退官。現在、自主夜間中学のスタッフとして活動するほか、講演や執筆も行う

著書に「面従腹背」など。

令和以降これからを生きていくためにはどうしていけばよいのかと想っていました。

まずは、現在までの把握です。

今までの直近の過去を振り返りその足跡を辿りなにをしてきたのか、何が起きてきたのかを理解することが大切です。

過去の出来事で悪かったことで謝ることは誤り、間違っていたことで反省すべきことは反省する、成功した事実は事実として将来に活かす、失敗したことから今後どうしたら成功するかなどと考えてみるのです。

荻原さんは、年金・消費税・金融機関というカテゴリごとにたどってきた歴史を紐解いていきます。昭和時代にどのように生まれ育ったのか、平成時代にどのような劣化が起こったのかなどとわかりやすく解説されています。

成功してきたとは思われない身近な話題を取りあげ説明されている荻原さんの主張は、理にかなったものであり時宜を経たものであると思いました。

 

14P

本書では、皆さんの生活に最も密着した「年金」と「消費税」が、なぜこれほどまでに“インチキ”を重ね、多くの人を欺いてきたのか。なぜ、日本経済のエンジンとも言える財務省が、公文書改竄などという官僚としてありえない犯罪に手を染める組織にまで落ちてしまったのか―。日本経済の栄光と衰退と軸に、「平成」という時代を見てみましょう。

スタートしたばかりの令和を襲った新型コロナ禍は、東日本大震災に肩を並べる死者を出しました。

死者、重症者の中には、政府が東京五輪開催のためか、入国規制を徹底しなかったことで蔓延した新型の変異ウイルスに感染した人も多くいて、失政の誹りは免れないのに、そうした声がない。

昭和の首相で「人命は地球より重い」とおしゃった方がいましたが、今や五輪よりも人命のほうが軽くなってしまった気がするのは、私だけでしょうか。

なぜ、私たちは、今こんな絶望的な状況に置かれているのか。どうすればいいのか。救いはどこになるのか。

 

126P 富める人は、より豊かになり、格差が広がった平成時代

 

安倍首相は幸運だったという「アベのラック」は、ひと言名言でありなかなか的を射た面白いお話です。

276P 「アベノミクス」は、実は「アベのラック」だった?

よく「運」も実力のうちと言いますが、私は、安倍晋三という首相は、他の首相にはない「強運」「幸運」に恵まれていた首相だったのではないかと思います。

歴代政権が「違憲」としてきた「集団的自衛権」の行使を「合憲」にしたことで非難を受ければ、北朝鮮からミサイルが飛んでくる。

「安倍は横暴だ」と言われ始めると、より横暴なトランプがアメリカ大統領になってボス感が霞む。

森友・加計問題で前原誠司率いる民進党が追及の手を強めようとすると、山尾志桜里議員の不倫が発覚して民進党がグダグダになる。それを見て、衆議院解散後の総選挙に打って出た強敵小池百合子が、新党を立ち上げて政権にダメージを与えると思いきや、「排除宣言」でオウンゴールして自滅する。

しかも、この選挙では自民党に投票した有権者は、投票しなかった人を含む全有権者に占める割合(絶対得票率)では、選挙区で4人に1人であるにもかかわらず、小選挙区のため自民党が7割の議席を占める圧勝でした。比例区でも自民党への投票は6人に1人でしたが、全体として465議席の6割を占めるに至っています。

さらに、選挙当日には奇跡的に台風まで来て、組織票が強い自公を援護射撃するというおまけ付き。

その後も、政権にとって数えきれないほどの不祥事が発覚したにもかかわらず、その不祥事が、検証する間もないほど次々と出てくるので、国民が次々に振り回されている間に、前の不祥事が忘れ去られ、逃げきれてしまうというラッキーさも……。

個人的には、安倍政権がこれだけ長期政権になったのは、「アベノミクス」ではなく、「アベのラック(幸運)」という側面が大きかったのではないかと思っています。

 

294P 「昭和」の日本は、世界で最も成功した社会主義国だった。旧ソ連の最高指導者ゴルバチョフがそう言ったと伝えられています。

お金持ちが激減したので貧富の差が小さくなり、額に汗して働くことが尊ばれる国になっていたからです。(社会保障、国民皆保険・年金などの充実)

 

298P 「昭和」の会社は、「カンパニー(会社)」ではなく「コミュニティー(運命共同体)」だった。

 

307P 「平成」に、一気に増えた国の借金

平成元年度には、国の公債残高(普通国債残高)は161兆円でしたが、令和元年度には、約5.5倍の898兆円にまで膨張しています。

家計も、貧乏になりました。(給料、退職金など減、消費税、社会保険料の増など)

 

最後に、日本が再び活力があり希望が持てる国として蘇るための提案がありました。

321P

私は、(縦社会、護送船団方式などの)愚かな過ちから脱しているのが、「上りエスカレーター」にも「下りエスカレーター」にも乗らず、多種多様な価値観を持ってネットの中を泳ぎまわる、「デジタルネイティブ」である今の20代以降ではないかと思います。

 

 <目次>

はじめに 

第1章 危うくなった年金

第2章 30年間、納税者を騙し続けた「消費税」

第3章 なぜ、みんな「シティバンク」に騙されたのか?

第4章 日本が「劣化」した平成という時代

第5章 日本の未来は、どうなるのか

あとがき

 

冒頭には、塔の断面図と立体図、そして登場人物名と職業、滞在する部屋があった。

雪深き森のなか、地上11階、地下1階、美しく燦燦と輝く巨大なガラスの尖塔で出来事が起こる。

刑事、料理人、医師、名探偵、メイド、霊能力者、小説家、編集者、執事等を集合させて、密室、クローズドサークルを作ってしまった。

実在の作家名や作品名も多く出てくる。

ミステリマニアならば、当然分かっているべき作品ばかりなのだろうがぼくには疎かった。

最初から犯人がわかっている謎解きものかと思いきや、思い知らぬところでいろいろと進み連続する事件。

密室の殺人に散りばめられた数々の伏線と遊び心がある。

期待を上回る面白さがあった。

終わりかと思われたラストのどんでがえしに驚愕した。

 

361-362P

九流間が「いい時間?」と首をひねった。

「それについてはすぐに分かります。さて、第二の事件の主な謎としては、どうやって犯人は密室を作ったのか、そしてどうやって密室内に火を放ったのか。この二点になります。また副次的な謎としては、『蝶ケ岳神隠し』というメッセージを私たちに読ませたかったはずなのに、なぜ一番燃えて消えやすいテーブルクロスに血文字を残したのかですね」

「その一つ一つの謎の答えに、君はたどり着いたのか?」

九流間が尋ねると、月夜は首を横に振った。

「正確には、一つ一つの謎ではありません。いま挙げた三つの謎は複雑に、そして有機的に絡み合って存在し、最終的には一つの事象へと集結するのです」

 

479P

「ああ、すみません。彼女は昨日、俺にこう言ったのです。名探偵は難事件が起きるのを待つしかできない受け身の存在、弱々しい存在なんだと。つまり、名探偵が存在するためには、その人物が解くに値する『難事件』が必要だということです」

 

 <目次>

プロローグ
一日目
二日目
三日目
最終日
エピローグ
『硝子の塔の殺人』刊行に寄せて 島田荘司

 

1978年、沖縄県生まれ。東京慈恵会医科大学卒、日本内科学会認定医。2011年、第4回島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を『レゾン・デートル』で受賞。12年、同作を改題、『誰がための刃』で作家デビュー(19年『レゾンデートル』として文庫化)。「天久鷹央」シリーズが人気を博し、15年『仮面病棟』が啓文堂文庫大賞を受賞、ベストセラーに。『崩れる脳を抱きしめて』『ひとつむぎの手』『ムゲンのi(上・下)』で、18年、19年、20年本屋大賞連続ノミネート

 

すべての始まりは何だったのか。

結末はいったいどこにあるのか。

表紙を捲ると冒頭に【本書の読み方】が書いてある。

まずは、このルールを摑まないといけない。

こんな小説は初めて。

途中、章ごと上下逆転して印刷されている。

「全六章。読む順番で、世界が変わる。

あなた自身がつくる720通りの物語。」

どの章から読み始めても、どこかで何かしら繋がっている不思議な連作短編集。

読む章の順番を変え、何回も読み返してみると感慨深くなるかもしれない。

 

「魔法の鼻を持つ犬」とともに教え子の秘密を探る理科教師。

「死んでくれない?」鳥がしゃべった言葉の謎を解く高校生。

定年を迎えた英語教師だけが知る、少女を殺害した真犯人。

殺した恋人の遺体を消し去ってくれた、正体不明の侵入者。

ターミナルケアを通じて、生まれて初めて奇跡を見た看護師。

殺人事件の真実を掴むべく、ペット探偵を尾行する女性刑事。

 

 <目次>

名のない毒液と花

落ちない魔球と鳥

笑わない少女の死

飛べない雄蜂の嘘

消えない硝子の星

眠らない刑事と犬

 

 

1975年東京都出身。2004年『背の眼』でホラーサスペンス大賞特別賞を受賞しデビュー。07年『シャドウ』で本格ミステリ大賞を、09年『カラスの親指』で日本推理作家協会賞を、10年『龍神の雨』で大藪春彦賞を、同年『光媒の花』で山本周五郎賞を、11年『月と蟹』で直木賞を受賞。その他の著書に『向日葵の咲かない夏』『鏡の花』『いけない』『雷神』など多数。

 

 

外資系コンサル時のエピソードなどを交えながら、共に創るディスカッションを成功させるため、想定する力など7つのスキルを事例を交えて詳細に整理し紹介されている。

気持ちよく人を動かすためには、繰り返し読みながら、具体的な方法で理解を深めて実践していくことが必要だと思う。

 

293P

この本は、壁を目の前にして、ちょっぴり足がすくみそうになりながらも、勇気を奮って壁を乗り越えたいあなたの背中を押す、そんな存在でありたいと思って書きました。

 

人に動いてほしい場面で思うように動いてもらえないという悩みがある。

こうならないためにゲストと共に創っていく「共創」が大事だという。

仕事とは、人に動いてもらうことそのものだ。

「なぜ正論だけでは人が動かないのか」

「どうしたら気持ちのよい合意ができ、人が動いてくれるのか」という問題意識に焦点を当てて考えを深めていく内容だった。

 

 <目次>

はじめに 

1章 どうしたら動いてくれるのか?

2章 共に創るディスカッション

3章 スキル1 想定する力

4章 スキル2 段取りする力

5章 スキル3 理解を深める力

6章 スキル4 見える化する力

7章 スキル5 思い込みを外す力

8章 スキル6 軸を動かす力

9章 スキル7 巻き込む力

10章 「気持ちよい合意」の先にあるもの

おわりに 

参考文献

 

TORiX株式会社代表取締役。東京大学経済学部卒業。外資系戦略コンサルティング会社を経て25歳で起業、企業研修のアルー株式会社に創業参画(取締役副社長)。事業と組織を統括する立場として、創業から6年で社員数70名までの成長を牽引。同社の上場に向けた事業基盤と組織体制を作る。2011年にTORiX株式会社を設立し、代表取締役に就任。これまで3万人以上の営業強化支援に携わる。年間200回以上の講演や研修に登壇する傍ら、「無敗営業オンラインサロン」を主宰し、運営している.

 

 

【No.960】気持ちよく人を動かす―共感とロジックで合意を生み出すコミュニケーションの技術 高橋浩一 クロスメディア・パブリッシング(2021/09)

 

月二回、午後5時開店午後8時閉店。子どもは0円、大人は300円。

家庭の事情などで満足にご飯を食べられない子に対して無料でごはんを出す食堂。

「クロード子ども食堂」

ここに来る子どもや大人の利用者たちとここで活動するボランティアスタッフが織りなす物語だ。

 

ほのぼのとする。温かい感じがする。ほっこりする。瞼がうるうるとする。

 

子ども食堂の存在は知っていたが、ボランティアとして活動しておられる方々には本当に頭が下がる。彼らの姿を垣間見ることができてよかった。

 

ベルガマスク組曲のピアノ独奏曲、月の光で有名なクロード・アシル・ドヴュッシーと場所を提供してくれた黒沼さんがかつて経営していたカフェ「クロード」。

この子ども食堂の名前は、彼らに敬意を表してクロードを取り入れて命名されたものだった。

調理器具や食器、消耗品類は、黒沼さんのご厚意で無償で借りることができたはラッキーだったと思う。

 

135P

ここは不思議な場所だ。元カフェなのだ、外から見たらお店。なかに入って見ても、お店。でもお店のようでお店じゃない。お店なら、店員さんは気軽に話しかけてこない。お客さんのほうが偉い、みたいになってしまう。だからって、食堂の人たちが偉ぶっているわけでもない。もしそうなら、誰も来ないだろう。牧斗くんも来ないだろうし、わたしも来ない。お父さんだって、わたしを行かせないと思う。

話かけられはするけど、わたし自身が話したくなければ話さなくてもいい。ほっといてもらえる。そんな感じもある。そういうのをひっくるめて、わたしみたいな子ども一人でも安心していられる。

 

138P

だからこそここに来て、堂々とごちそうさまを言えるのはいい。

さまが付く言葉がわたしは好き。お日さま。お月さま。神さま。仏さま。太陽と言うよりはお日さまと言いたいし、月と言うよりはお月さまと言いたい。

なかでも一番好きなのはやはり、ごちそうさまかもしれない。

 

生きるとは食べること。

食べることが体と心をつくる。

ここで大切なものをいただいた子どもたちは、未来への栄養を吸収し大人となって世間に羽ばたいていく。

いつかここでもらった温かさを思い出すに違いない。

暗闇のなかに電灯がパッと点いたような明るいラストに思わず笑顔と涙がこぼれた。

 

小説「ひと」や「まち」のほか、小野寺史宜さんらしさがいっぱい溢れる心温まる一冊だった。

 

 <目次>

午後四時 こんにちは 松井波子

午後四時半 おつかれさま 木戸凪穂

午後五時 いただきます 森下牧斗

午後五時半 ごちそうさま 岡田千亜

午後五十五分 お元気で 白岩鈴彦

午後六時 さようなら 森下貴紗

午後六時半 ごめんなさい 松井航大

午後七時 ありがとう 石上久恵

午後七時半 また明日 宮本良作 

午後八時 初めまして 松井波子

 

1968年千葉県生まれ。2006年「裏へ走り蹴り込め」で第86回オール讀物新人賞を受賞してデビュー。2008年『ROCKER』で第3回ポプラ社小説大賞優秀賞を受賞。2019年、『ひと』が本屋大賞第二位に選ばれ、ベストセラーに