自分の頭で考えろと、先日から言い出した訳だが、何か題材があった方が理解しやすいと思うので、本日は標記の本を採り上げる。石平、黄文雄両氏の対談形式の著書である。かつて同形式の著書が出され、シリーズ第4弾である。
人の知識を観察すると、テレビ・ラジオ・新聞・本・人の話・体験・考察といったもので占められている筈だ。そして自分の考察というものはごく僅かである。別にこれは恥ずかしいことではなく、知識というものがそういうものから蓄えられるという事を知っていればいい。
それでは外部から蓄えられた知識はどの時点で自分の知識と言えるのだろう。答えは時間の規制というものはなく、強いて言えば知った瞬間から自分のものであると考えてもいいだ。ただ、Bが今Aから聞いた話を自分の話として人に話し、巡り巡って最初に話したAにBの話しとして戻ってくるような事が無いわけではない。こんな場合、Bは恥を知らぬ人間だと言われかねないので、即座に自分の知識として披露するのは避けた方が無難だが、基本的には獲得してからの時間の規制・制限はないと考えて良い。
2020東京五輪のロゴ盗作ではないが、こういうブログや論文などでは、最初に主張した人が保護されるべきだと考えるので、きちんと誰々がとか、何々という著書にとか、出典を明記するのが大人のマナーである。中には最初とは思えないが特許を取ったのが早かった、論文の発表が先だったということで、巨万の富を築いたり、おおきな栄誉に浴する人もいるが。
だからおじさんは、その知識をどういう対象から〝仕入れる〟のかが重要だと言うのである。だから(1)にも書いたように、おじさんが推薦する人物の発言・著書・動画などから仕入れて貰えばほぼ間違いがないが、そこは自分で選択したいと多くの人は思っているはずだ。
SEALDs(シールズ)というどの政治団体とも繋がりのないと自称する学生団体が表に出たときも、デモをすること意見を表明することに関しては何も言わないが、幼稚な議会制民主主義のイロハを知らぬ主張は、どこかの政党の主張と寸分違わぬものだったのは何故か。
好意的に見ると、彼らは自らの意見を形成するに際し、その仕入れ先を間違えてしまった。煩い大きな声で物を言う人間の意見を初めに聞いたからだと言うことができる。日米安保条約がいかなるもので、どういう歴史があるかも知らず、『戦争させない』とプラカードに書いて歩行している様を見ると、基本的な部分は自由で純粋なのだろうが、社民、民主、共産は喜んでいるだろう。
つまり彼らの目に映る意見がすべてあの手の主張ばかりであったということなのである。いかに日本のマスコミが偏向しているかの証左である。
今回はこれ以上、この問題には立ち入らないけれども、師とする対象を間違えると事実・実態とかけ離れた意見を構成してしまうという悪い見本として肝に銘じておこう。
さて下記の本だが、この石平、黄文雄両氏の詳しい来歴はウィキベディアなどでお調べいただくことにして、二人の基本的な立場を説明すると、おじさんと同じ穏健保守と言っていいだろう。特に黄氏は出身が台湾なので、台湾、中国はもちろん、韓国、北朝鮮にも強く、石氏は天安門事件の被害学生の一人で、独自の情報網があると推測され、中国問題に詳しい。
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まず初めに特筆しなければならないことは、この二人の予想が悉く的中していることである。もちろん確かだからこそ次の執筆機会が与えられる訳だが、一昔前に中国が世界経済を飲み込み一人勝ちになるといった論者や、先のAIIB(アジアインフラ投資銀行)にしても、日本が参加を見送ったことで、船に乗り遅れたとか、日本外交の失敗だとまで言い切った評論家が多数いたことは記憶に新しい。
彼らは中国が得すること、日本が損することは何でも賛成する。そして自らの予測が外れても発言したメディアも追及しないし、当人も一切反省の言葉はない。腹に何か一物を隠して時勢時勢で都合のいい発言を繰り返すだけだ。
とっくにSEALDs(シールズ)以外の若者に見抜かれ、ダブルスタンダードよりひどいスライドするスタンダードで、まともな人間なら筆を折るほどの予測不適中なのに、評論家でございますと済まして生きている。よって彼らの目的は他にある。それをおじさんは、次々と成人するさらに若い層を欺す手先となる役割を担っていると考えている。
おじさんは『自分の頭で考えろ』と言ったばかりであり、これからシリーズ化してどのように考えればよいかを遺書代わりに書いていくつもりだが、結局、専門家を選ぶ力、本物と偽物を見分ける力を養うテクニックを伝授するつもりである。
人の意見は誰かからの受け売りにならざるを得ない。その誰かとは当該問題を専門とする専門家である。(1)にも書いたが、専門家を選んだ場合、その専門家の発言とその後の現実を見比べ、どれほど的を射ていたかを検証する努力を怠ってはならない。
続く
by 考葦(-.-)y-~~~














