【第4回再放送】が終わって市販された、

特別機動捜査隊 スペシャルセレクション<デジタルリマスター版> [DVD]

の作品から抽出しました。

市販品なのですが、東映chで再放送済みで、当方も視聴したことがあるため、過去のブログ記事に補足する形にとどめます。

 

 

※ 特別機動捜査隊 まえがき

捜査担当班の詳細については、wiki特捜隊-キャストを参照、また、(本放送)とはNETでの放送、(再放送)とは東映chでの放送を指します。出演者については配役名を略していますが、本文で書くこともあります。なお、出演者をもっと知りたいときは、リスト特捜隊で検索。

また、1963年公開の、映画版・特別機動捜査隊全2作とは趣が異なることに注意。

なお、オープニングやエンディングで配役名表記がされない作品については、従来の「発声のみの役名については平仮名表記」の原則だと平仮名だらけの文面となります。そこで役名・地名等は、検証本その他を引用、あるいは当方での当て字により、以下表記します。

配役名表記が有るため、従来の「発声のみの役名については平仮名表記」「オープニング・エンディングの表記と、劇中発声・表記が異なるときは、後者を優先」する原則に戻り、以下本文を表記します。例外は、その都度(備考)で示します。

 

☆・・・#704  人妻の虚像

特別機動捜査隊(第704回)人妻の虚像

 

 

 

(収録DVD)・・・VoL2、disc6、2021年1月13日発売

(本放送)・・・1975年5月7日

(脚本)・・・松本昭典

(監督)・・・天野利彦

(協力)・・・無し

(協賛)・・・無し

(助監督)・・・青木弘司

(劇中ナレーター)・・・無し

(捜査担当・オープニング表記)・・・三船班

田中係長(山田禅二)、鑑識員(田川勝雄)、鑑識員(西郷昭二)、

関根部長刑事(伊沢一郎)、石原刑事(吉田豊明)、水木刑事(水木襄)、

松木部長刑事(早川雄三)、畑野刑事(宗方勝巳)、三船主任(青木義朗)

 

(出演者・エンディング表記)

・・・配役名を省いた、ゲスト全出演者名を以下に表記

福田公子、萩原信二、長尾深雪、湯沢勉、伴藤武、吉沢信子、片山滉、木之元恵美、

山本浩司、佐川二郎、並木静夫、大平操、木村元保、外野村晋、渡辺千世、

村田知栄子、富田仲次郎

 

 

(過去のブログ記事)・・・

#704 人妻の虚像

 

 

 

(補足視聴録)・・・

当作は天野利彦監督作品で、時系列でいうと

(1) 青森ロケ=#669 転落の詩 、#676 母の湖 

(2) 名古屋ロケ=#673 ある 追跡の記録 

(3) 和歌山ロケ=#684 十津川絶唱 、#693 情熱の海 

とロケ作品があり、

(4) 正月番組=#687 オフ・リミットですよ 

とハードスケジュールの中、当作を演出したことになります。

 

自分は、天野利彦監督作品について、後年の特捜最前線の諸作品では成長をみせていますが、本来は地方ロケよりも腰をじっくり据えて撮り上げるタイプと考えています。その点でいえば、当作はわずか数分の「神奈川県秦野市ロケ(?)」らしき場面があるのですが、「東京」での撮影が大部分を占め、ストーリー的にも破綻したところが見当たらない面白い作品です。

詳細は、(過去のブログ記事)に書いた通りですが、当作が成功した要因は「対比」が上手くいったこと。さらに付け加えれば、「女性の心理」(恵子を演じた福田公子)、「男性の心理」(登を演じた萩原信二)、それぞれの役割・演技の妙ともいえます。

 

特に、登については、初見のときはチャラい当世風の若者のイメージしかなかったのですが、再見すると「ババア」と罵声をあげつつも、決定的な悪口は発言していません。電話での荒々しい発言でも、「なぜこのようなことを起こしたのか」を具体的には話していないのです。

とすると、実は登も本心では恵子のことを好きだった、「自分はこれからどうすればいいのか」という発言も額面通りでなく、これからの恵子のことを考えているのではないか、とも見えてきます(註・たか子の出演場面が皆無)。

そう考えると、予告篇の

>それをネタに、大金をせしめようと企んだ若い男女。

>そして、飽くまで彼女に接近を図る若いふたりが、思い描く夢とは・・・?

というのも、あくまで予告篇だけの感覚であり、複雑な男女の想い(恵子と登)の本筋は、視聴者の見方で多元化できるストーリーとも見え、奥深さを感じます。

 

刑事ドラマとしては物足りないかもしれませんが、これまた(過去のブログ記事)でも触れた演出・撮影技法で補い、人間ドラマで奥行きをみせるなど面白い作品です。天野利彦監督は、直後の#705 ドキュメント追跡 でも、東京の地下鉄を縦横無尽に駆け巡るアクション作品を演出。後年の特捜最前線での下地は、この頃につくられたのではないかと思います。