前回 の続きです。

 

挙げました通り、立石班、立石主任(波島進)関連の放送回は

(1) 立石班単独***全22回

(2) 立石班に藤島班が協力***全2回

(3) 立石班と三船班との合同***全1回

(4) 三船班に立石主任が協力***全1回

となりますが、刑事ドラマとしてのメリハリから単独回ばかりだとマンネリになりがちですので、別の捜査主任と協力(どちらが主体となるかも含み)、あるいは複数の捜査班で合同するとかの工夫をしたものと思います。あるいは、立石班自体のメンバーがガラリと変わることがありますが、立石主任以下、橘部長刑事(南川直)・桃井刑事(轟謙二)がほぼ固定、荒牧刑事(岩上瑛)・岩井田刑事(滝川潤)が準固定といったところでしょうか。

そして、上記の区分けでは、捜査主任が補助の意味で協力したものの、一転こちらが主役となってしまうケースもあります。特に、三船主任(青木義朗)が主役となってしまうことが多い。

 

さて、上記の区分けの各話で、印象に残った回はいろいろあります。

 

 

(1)の印象回

#451 雨の中の慕情

【第3回再放送】で初めて実見した回です。主演ゲストが「どこかで見たような・・・」と思いながら観賞していたところ、中盤で小林幸子とわかったときの驚きがありました。そして、殺人事件と並行して描かれる恋愛ストーリー、今ではベタとなる展開ですが、50年近く前に先取りしていたという発見もありました。そして、2作連続再放送ということもあり

#452 母恋し1,500キロ

での、一転したスピーディーな流れ・展開に引き込まれてしまいました。北村秀敏監督は「仮面ライダー」の特撮監督でしかない、と考えていた自身の偏見を吹き飛ばした作品です。特に、多彩な登場人物を上手く整理する器用さには、感心させられました。この2作を、2015年4月2日に続けて観たことから、特捜隊を追っかけてみようと思い立った思い出の作品です。

 

#462 幸せになりたい

当作は、アメンバー限定記事にも書きましたが、傑作、秀作のひとつです。ツッコミどころを大きく包みこむほどの、悲劇性を謳いあげた元持栄美の脚色、鳥取ロケを有効活用した龍伸之介の演出には、頷きながら観賞していました。

#470 苦い十五年

スピーディーさに加え、今では使い古された「どんでん返し」に驚いたラスト15分。東映の映画本篇では、悪役オンリーしかできない吉田義夫のイメージが一変した作品でもあります。また、特捜隊常連女優、美弥たか子もいい味を出しています。

#485 蒸気機関車と女

協賛・協力が無い岩手ロケですが、これがストーリー分散破綻を免れた一因となり、最後まで面白く観れました。柵も無い雪の積もる線路を走る蒸気機関車、その脇で犯人追跡を続ける立石班の映像も新鮮です。そして

#498 女の縮図

では、個人的に身につまされる内容であり、立石班最終話にふさわしい作品でした。また、以降の特捜隊は三船班を中心に、事件よりも人間を描くことに軸足を置く刑事ドラマであることを宣言したものと感じました。

 

 

(2)の印象回 以下2作は(立石班+藤島班)でしたので訂正します(R4.11.24)

これは2作しかないのですが、いずれも広島ロケ、横山保朗脚本で、龍伸之介監督が*#458 白い心の旅路 を担当、田中秀夫監督が*#461 私の愛した女 を担当しています。これは、両監督の特捜隊への思いというより、世界観が現われた対の作品といっていいでしょう。人によりけりですが、両作の評価は分かれると思います。

 

 

(3)の印象回 

これは1作のみですが、立石主任を三船主任が食ってしまった*#466 十年目の事件 です。地道な捜査、部下を気遣う立石主任、勢いをもっての捜査、部下を叩いて動かす三船主任の対比が非常に面白い。ラストもなかなか良いのですが、辻褄が合わない展開が少し残念。

 

 

(4)の印象回

これも1作のみですが、三船主任を意外な形での応援する立石主任の*#479 浅草の唄 です。1971年の正月放送ということもあり、いつもよりのんびりしたストーリーでありますが、出演者・関敬六の歌う「浅草の唄」はYouTubeで聞くことができます。

 

 

そして、立石主任こと波島進が映像の世界から姿を消してから数十年、東映chでの特別機動捜査隊が2006年6月8日【第1回再放送】開始、同じく2009年10月15日【第2回再放送】開始、でその存在が再認識されます。さらに、波島進の娘であり女優でもある小倉加代が、2014年3月25日のテレビ東京の「開運!なんでも鑑定団」に出演しましたが、残念なことに波島進本人は1995年に亡くなられていたことが明らかになりました(wikiより)・・・。