※ 特別機動捜査隊 まえがき

捜査担当班の詳細については、wiki特捜隊-キャストを参照、また、(本放送)とはNETでの放送、(再放送)とは東映chでの放送を指します。出演者については配役名を略していますが、本文で書くこともあります。なお、出演者をもっと知りたいときは、リスト特捜隊で検索。

また(出演者)は、エンディングで、一列~三列で表示された男優・女優に限定しました。

 

【#479  浅草の唄】

 

(本放送)1971年1月6日

(再放送)2015年7月9日

(脚本)柳節也

(監督)田中秀夫

(協力)警視庁

(協賛)無し

(捜査担当)三船班+立石主任

西本捜一係長(鈴木志郎)、鑑察医(仲原新二)、鑑識課員(上田侑嗣)、

鑑識課員(新田五郎)、関根部長刑事(伊沢一郎)、岩井田刑事(滝川潤)、

山口刑事(山口暁)、畑野刑事(宗方勝巳)、荒牧刑事(岩上瑛)、

三船主任(青木義朗)

 

(出演者)

関敬六、西岡慶子、岩城力也、渡真二、守屋俊志、浅見比呂志、柴田秀勝、

花村えいじ、浅草陣太、駒一平、山田禅二、花岡菊子、村上不二夫、杉江廣太郎、

武藤英司、波島進

 

 

(あらすじ・予告篇から) 

※ナレーションをそのまま聞き写しています

 

隅田川に浮かんだ、労務者の手配師をしていた男の水死体。

被害者の足どりを追って、

特捜隊・青木班(註・そのまま記載)は浅草の街へと散って行く。

ふとしたきっかけで事件に巻きこまれた、「歌のおじさん」と呼ばれ、

子供たちに親しまれている動物園の飼育係の男。

その男には、底抜けの善良さゆえに自分の生活を顧みず、

動物たちに打ち込み、妻に逃げられてしまった暗い過去があった。

犯人を求め、ドヤ街に潜入する三船、立石の両主任、

事件の真相を追って捜査は進められ・・・。

ある殺人事件を通して、

底抜けに明るく、裸でぶつかりあう人間の生活を描いた、

次回、「浅草の唄」に御期待ください。

 

 

(備考)

・予告篇ナレーションの「青木班」は誤りで、「三船班」が正しい。

(追加: 同じ趣向(?)は、約1年半後放送の「#560 放浪への脱出」の予告篇でもなされました)

・オープニング映像・音楽、エンディング映像がニューバージョンとなる。

・のちの特捜隊・田中係長を演じる山田禅二が、屋台の主人役でゲスト出演。

 

 

(視聴録)

動物園・飼育員の関口圭太(関敬六)は動物に優しすぎるのが玉にキズ、妻・恵子(西岡慶子)はそれに愛想を尽かして出て行ってしまい、子・正太(梅地徳彦)と2人で暮らしている。

年明け早々の夜、労務者の手配師・名倉(守屋俊志)と労務者・宮本(杉江廣太郎)が口論、宮本は名倉を突き飛ばして逃走、そこに圭太が通りかかったところから、事件は始まる。特捜隊・三船班は意外なる人物の応援を借りながら、事件解決に向かうというもの。

 

事件よりも関敬六ワンマンショーという感じですが、正月番組ということもあり、肩の凝らない作品に仕上がっています。従来の特捜隊を期待すると肩すかしにあった気分ですが、刑事ドラマの体裁をとりながらも、ある家族を描いたもので好き嫌いは分かれると思います。

個人的には、突拍子もない展開だったら?がつくところですが、事件の背景に飼育員だけでなく出稼ぎ労働者の生活の悲哀をにじませ、因果関係も成立しているので、ちょっとした佳作だと思います。関敬六のキャラも充分に発揮されており、また、関敬六に合わせたかのように、某レギュラーも歌声披露と盛りだくさんですね(笑)

 

昭和40年代、東京23区にはまだまだ掘っ建て小屋があり、廉価な労務者用の宿泊所もありました。そういった風景が、当作で描かれていたことは懐かしく、ストーリー的にクローズアップされないものの、隠し味になっているようでした。ドラマとは関係ないですが、今の開発された新宿駅南口も、平成に入るまでは掘っ建て小屋、廉価宿泊所、得体のしれない飲食店がざらにあったものです。

その反面、場違いかと思われるかのように先帝陛下が新宿駅を御幸されたときの碑が、今のルミネ付近に建立されていたことなど知る人もいないのではと思います。

 

名倉役を演じた守屋俊志は、東映作品の常連悪役の存在で、特捜隊のサブレギュラーと言ってもいいでしょう。ただ、詳細はネット検索ではなかなか見つからず、四国新聞社のサイトで2008年12月16日に72歳で死去されたという項目くらいでしょうか。

脇役としてドラマを彩った男優・女優は、ネットが発達した現在でも、詳細となるとなかなかわからないところが多いのは残念です。

 

(2017年11月23日、全面追加)