※ 特別機動捜査隊 まえがき
捜査担当班の詳細については、wiki特捜隊-キャストを参照、また、(本放送)とはNETでの放送、(再放送)とは東映chでの放送を指します。出演者については配役名を略していますが、本文で書くこともあります。なお、出演者をもっと知りたいときは、リスト特捜隊で検索。
また(出演者)は、エンディングで、一列~三列で表示された男優・女優に限定しました。
【#461 私の愛した女】
(本放送)1970年9月2日
(再放送)2015年5月7日
(脚本)横山保朗
(監督)田中秀夫
(協力)警視庁、広島県警察本部
(協賛)広島市宮島町・大野町、大竹市観光協会、広島電鉄、中国醸造、宮浜温泉
(捜査担当)立石班+藤島班
西本捜一係長(鈴木志郎)、鑑察医(仲原新二)、鑑識課員(上田侑嗣)、
鑑識課員(新田五郎)、事務員(森るみ子)、関根部長刑事(伊沢一郎)、
橘部長刑事(南川直)、荒牧刑事(岩上瑛)、森田刑事(北原隆)、
桃井刑事(轟謙二)、岩井田刑事(滝川潤)、藤島主任(中山昭二)、
立石主任(波島進)
(出演者)
新田信二、川上大輔、仙波和之、池田純子、杉山登、三浦弘久、矢野純子、
磯野のり子、石田守衛、川辺修詩、伊藤正博、和田周、杉幸彦、亀井三郎、
篠由紀、浦里はるみ、星美智子
(あらすじ・予告篇から))※ナレーションをそのまま聞き写しています
特捜隊の桃井刑事は、
出勤時の街の中で棺桶を担いだ不審な男を目撃、
青年の部屋までつけていくと、そこには女の他殺体が!
そして、彼も刺し傷を受けていた。
捜査を開始した立石班は、青年が異常なまでに、
殺された女を愛していたことで、
そのために母親を憎んでいることに不審を抱くのだった。
一方、黙秘権を続け捜査の邪魔をする青年が、
殺された女との思い出の地・広島に向かった。
果たして彼は、広島に過ぎし日の追憶を求めに来たのか?
それとも・・・?
事件は水の都・広島を背景に、意外な方向へ・・・。
次回の特別機動捜査隊、「私の愛した女」に御期待ください。
(備考)
・「#458 白い心の旅路」「#461 私の愛した女」は、出演者から2本撮りと推察。
(視聴録)
「#458 白い心の旅路」に続いての広島ロケ2本撮り作品ですが、主要キャストでは林昌美が未出演、監督が龍伸之介から田中秀夫へと違いがあります。前者については、前作広島撮影不参加なのでスケジュールの問題かもしれません。後者については、前作と当作とで作品の出来といわないまでも質に差があるように感じました。
回想シーンについて、前作は人物・場所だけでなく犯行時に限定して、視聴する側に集中鑑賞してもらおうとするねらいがみえました。対して、当作は頻繁に回想することで、事件の根本が過去・大過去にあることを強調するねらいがみえました。これは好みの問題もありますが、前作よりストーリーに絡む登場人物が多い分、回想シーンの多用で物語を展開させていくことでスピーディーさを出せたこともあり、当作のスタイルは正解だったと思います。
また、前作は「広島=原爆」のイメージ強調が鼻につきましたが、当作はわずかに触れる程度で、ワサビをピリリと利かせたような演出です。。
>おまえはほんの子供じゃけ、決して責めとるわけじゃないんよ。ほんでもなあ、
>赤ん坊に罪は無いんじゃ、二度と過ちを犯さんためにも、時々来てお参りして
>あげんさいよ。
のくだりは、原爆ドームの
>安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから
の碑文をさりげなく思い起こすもので、この点前作と異なるところです。
トモエ(星美智子)は、後を縁戚の路子(池田純子)に託し仕えていた並木家を去る。これをきっかけに、長男の正男(川上大輔)、次男の栄二(新田信二)、そして母親(浦里はるみ)の間に軋轢が起こり、(あらすじ)に示した事件とともに舞台は広島に移るというもの。
ほぼ2年ぶりに再見しますと、あれだけロケ地を映し出しながら(たぶん前作より多い)、早い流れでラストの大団円までもっていったのは、後の三船班のパターンを先取りしていたのかと思うほど。この広島ロケ2作は、個性ある作品として記憶に残りそうです。
あと、前作・当作のキャストがガラリと逆転した位置づけ、であるのもポイント。
前作でヒロイン役の矢野純子が当作では大学生の1人、前作でカギを握るホステス役の磯野のり子が当作では同じく大学生の1人、なおも前作でキーマン役の和田周が当作ではホテルのフロント役と様変わり、セリフも少なくなるほどの扱いです(苦笑)
また逆に、前作で宮島のガイド役の池田純子が当作では路子役、前作で医者役の仙波和之が当作では無頼の門倉役、なおも前作で牡蠣工場の工員役の新田信二が栄二役と、脚光を浴びているのが面白い。ロケで複数作のときは、配役を比較するのも楽しむ方法かも(笑)
なお「掲示板特捜隊 4」によると、新田信二はその後の信実一徳と同一人物とのことです。また、冒頭で触れた林昌美は、東映京都制作の時代劇(特に結束信二脚本の作品)では、林昌子名義で出演しているのが目立ちます。
(2017年11月21日、全面追加)