かつて、BLADEZONEで紹介されたブレードランナー究極試写版の記事(パート1)
以下は、世界的なブレードランナーのファンサイト「BLADE ZONE」で紹介された、拙作「ブレードランナー究極試写版(BLADE RUNNER THE ULTIMATE WORKPRINT)」のレビュー記事を翻訳したものだ。
こちらが実際のサイトの英語の記事
書き手は、この記事で親交を持つことになった、同サイトの管理人の一人、イギリス人のゲイリー・カーデンさんだ。
なお、記事が出たのは2009年だったと思う。(はるか昔だなあ…)
当時はまだDVDだったし、音声はドルビーステレオ、総尺は151分だった。
その後、ブルーレイ化にあたり、細かな微調整を繰り返し、映像もブラッシュアップ。
総尺は、現在153分で、音声は5.1chサラウンドになっている。
というわけで、最初期のバージョンのレビューをとくとご覧あれ。
なお、元の記事の中で明らかな勘違いがあった部分は、修正したのであしからず。
まずは、パート1です。
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ブレードランナー究極試写版(151分)
編集者:SHUWEST
レビュー執筆・編集:ゲイリー・カーデン
今回もファンエディットバージョンを紹介します。
今回は、作者Shuwest氏による、ブレードランナー究極試写版です。
この作品で一番感動したのは、その品質です。
このDVDは大容量の両面DVDに焼かれており、仕様を見ると、なんと7.55ギガものデータが詰め込まれているのです。
映像のクオリティはもちろんのこと、Mpeg端子の出力クオリティも重要な要素であることは、マニアならご存じでしょう。
Shuwest氏は、元になった映像素材に、最高品質のデータ変換(もしかしてブルーレイ?)を施し、両面ディスクに書き込んだことは、私にとって素晴らしい選択と思えました。
これにより、品質の損失が少なく(再生時のビットレートが高い)、純粋で、一見したところ何も手を加えていないように見える最終的なフィルムに仕上がったのです。
ワークプリントから引用されたカットは画質が向上し、(レオンに撃たれた後に)ホールデンが机の上でうつ伏さり、扇風機のファンが彼の頭の上をかすめるカットが追加されています。
デッカードが寿司バーまで歩いていくシーンでは、新しいボイスオーバー(Shuwestの注:ハリソン・フォードのナレーション)が追加されています。
ここでは(デッカードのセリフ)「ブライアント、俺はもう辞めたんだ。」と「二度とやる気はないね。」の間に、ガフがニワトリの折り紙を折る様子が追加されたことを確認できます。
延長されたブライアントとの会話シーンと、病院シーンが存在します。
登場人物を説明する追加シーンや、タイレル社のピラミッドビルの前をスピナーが飛ぶSFXシーンも存在します。
レオンのホテルのシーンが延長され、デッカードがさらに捜査する内容が組み込まれました。
デッカードと妻との2ショットも挿入され、未公開の飛行船のシーン(セバスチャンの家の外で、プリスがタバコに火をつけるシーン)も入りました。
続いて、Shuwest氏による”ユニコーンの夢のシーン”の再編集です。
オリジナル劇場版のシーンも使用しつつ、特別編集版として、ご覧のように映像をミックスしたもので、個人的に大好きなシーンです。
シーケンスの最初は、ヴァンゲリスのスコアを使った、劇場公開版のピアノのシーンになっています。
続いて、ユニコーンの夢を伴うファイナルカットバージョンの映像が完璧に編集されました。
さらに、上の最後の写真の段階では、映像は劇場公開版に戻っているのです。
さらにここで、デッカードがピアノに向かっている映像が別のアングルで追加され、それからエスパーシークエンスへと続くのです。
寿司バーの未公開映像や、ダウンタウンでの追跡映像も再編集されています。
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パート2に続く…。