まずは中国四川省での地震で被害に遭われてた方々に
一日も早い復旧と、被災された方々が日常生活に戻れるよう、お祈り致します。
さて、しばらくブログアップできていませんでしたが、いろいろな事故案件の調査や中国の各メーカー様の日本国内での構造計算や再設計協力やらを請け負いしておりました。
なかなか守秘義務契約の絡みがあり公表できないことなのが残念ですが、ノウハウとしては極力伝えていきたいとおもいます。
現在、なかなか公表されておりませんが事故が多発しております、異常気象も原因してはおりますが、根本的に問題になっているのは事業としての予算管理だと思われます。
例えば、フェラーリやランボルギーニ等のスーパースポーツに乗っててもタイヤが無メーカーのものだったり、性能がスポイルされてしまうものであったら、本来の性能も発揮できませんし、事故につながります。(ここはいろいろな意見があるので、あくまで個人的な思いとさせてください)
このように、いくら発電効率の良いパネルであっても架台が事故につながるようであれば本来の性能が発揮しきれないどころか、発電すらできなくなっていることもあります。
では、今現在発電所をお持ちの方も再度確認をしてもらいたいことがあります。
アルミは20年間でも50年間でもきちんと表面処理をしていれば持ちます。
それでは何が問題なのでしょう
それは、アルミ材の構成です。
構造計算と構成はまた別問題です。
構造計算での結束部は計算上問題なくても構成上問題があることが多々見受けられます。
結束部のボルトの取り付け方や、ブレースの角度等ほんのちょっとのことで事故は起こります。
JIS-C8955 2017の基準できちんと計算されているかどうかの判断と、もう一つは構成バランスの確認が必要だと思われます。
では、きちんとJIS基準に則り、日本で構造計算と強度解析を行っているにもかかわらず、倒壊してしまった事故例を説明してきます、この案件は多数の同じ案件の中なから、オーナー様に承諾を得て写真をいただいた案件になります。
まず、条件的にはJIS-C8955 2011にて構造計算と強度解析を行っており、部材強度も計算されております、なぜ倒壊してしまったのでしょうか。
50cm程度の雪で倒壊してしまったのですが、構造計算上は100cmにも耐えうる計算になっております。
それなのになぜでしょう
構造はあっているのですが、構成が不備なのです。
下記に倒壊シュミレーションを図にしたものを参考ください。
図1
上記の図1のように、1箇所でも可動部があるとそこからバランスを崩してしまうことにより、ドミノ崩しのようにガタガタと倒壊してしまいます。
この倒壊事故が何箇所も確認しました、ほとんどのところが同条件で倒壊しておりました。
ただし、他の案件と違うところは前足の結束部の違いとアルミの使用材料の違いがありました。
上記事故案件により最先端部分の突き出し部分はなるべく短くしないと、先端部分にかなりの点荷重がかかっていることがわかりました。
また、突き出し部分には横レールの重さとパネルの重さが全て先端部分で受け持っているため、構造計算では問題なくても実際の荷重は何tもかかっていることに気がつきました。
また、風の吹き方や雪の種類によっても状況は変わってきます。
補強例としてはアルミLアングルで斜め材と足材を連結していくだけでもかなり効果があります。
図2
また、図1のような倒壊の原因としてもう一つ考えられることは、サウンディング検査をせず、引抜き検査もせず、杭の長さや種類を選定せずに打ってしまうことにより、杭の落ち込みや構成バランスで無理がかかっているところが曲がったりしてバランスを崩すことも考えれます。
いずれにせよ、基礎はきちんと検査して杭の試打を行い引抜き検査を行うべきだとおもいます。
また、その際に杭の種類も選択する知識も持っていただきたいとおもいます。
全て数値に頼っていると落とし穴に落ちます。
それでは次にスクリュー杭についてですが
基本、コンクリート布基礎が一番有効と個人的には思いますが、スクリュー杭についての補強を考えていきたいと思っております。
図2のように高さをスクリュー杭で取っている場合、地面の中に杭が入っているとしても、杭頭はぶれることは多々あります、また独立基礎なので、1箇所が下がったり、曲がったりすると、上に乗っているアルミ架台のどこかに歪みが起きてバランスを崩し、劣化や倒壊につながることも考えられます、布基礎のようにつながっていれば、歪みはほとんど(無いとは言えませんが)ありえません、スクリュー杭でも極力布基礎のようにつなげて一体にすることができれば、効果としては倒壊を免れるとおもいます。
このような自在クランプで杭と杭を単管でつなぐだけでもかなり効果はあります。
または、地盤は硬いN値が貫入1mぐらいで取れる地盤であれば、転倒補強として斜めに入れることも効果があります。
その際はクランプだけは日本で調達できませんが、他の部材は日本国内で調達できますので、必要な分だけいつでもできます。
また、補強する方法は架台の構成にもより確認して必要最小限で行っていかないと架台の重量が増えて逆効果になることもありえますのでお気をつけください。
弊社では補強材の販売及び補強方法も業務として請け負っておりますので、ご心配な方はお問合せくださいませ。
現場調査費に関しては東京基準にて実費清算とさせていただきます。