10数年前、とある方を講演会の

講師としてお呼びいたしました。

須藤晃さん。

あの尾崎豊を育てた音楽プロデューサーです。

今まで会った方の中で最も眼光が鋭く

控え室でお会いした時の衝撃は

今でも鮮明に思い出されます。

 

その眼光よりも印象に残っているのが

須藤さんのお話。

須藤さん曰く、

人生はボートを漕ぐのと同じだ。

 ボートは後ろ向きに漕いで前に進む。

    人生もそれと一緒。

    一寸先は闇って聞いたことある? 

 人生はどんなに前を見ても

 未来はわからない。

 人間っていうのは、

 自分のしてきた過去を見ながら、

 見えない未来を予測して進むもんなんだ。

 ボートの航跡を見て漕ぐようにね。

 後ろはネガティブな感じもあるけど、

 自分のやってきたことに向き合って

 一生懸命やればそれが結果的に

 前に進むことになる。

 

それまでの自分には全くない考えで、

しかしながら妙に納得しました。

それからは生徒に「前を向け」とか言わなくなり

おりを見ては須藤さんの話を紹介しています。

 

【須藤晃氏インタビュー記事】※ボートの話は載っていません

 

ここからは私の勝手な解釈ですが、、、

ボートって一人で漕ぐばかりではないですよね?
二人の時もあれば、

多い時だと9人で力を合わせる競技もあります。

つまり、人生も一人で進むわけではなく、

時には二人、

あるいは何人もの助けを借りながら進む

のだと思います。

漕ぎ手が互いに寄り添い、

そして息を合わせて同じ方向に向かっていく。

波風ある時は特にそれが必要だし、

頼っていいってことなんだと。

 

人生は不安定な航海だ」と

シェイクスピアは言いました。

でも隣の人がいれば、

仲間がいればその航海も怖くはないはずです。

生徒にはそんな出会いがあればいいと

常に願っています。

 

宮澤賢治北海道(苫小牧)を訪れてから

今年で100周年です。

 

なぜ突然この話題?

と思った方もいらっしゃいますよね?

 

実は新陽高校には宮澤賢治の研究者がいます。

 

国語科の髙橋励起

彼には色々な#(ハッシュタグ)がつくのですが、

それは後日のお楽しみに。

 

2022年、彼の影響を受け、

宮澤賢治に興味を持った生徒(当時2年生)

高校生が考える宮澤賢治展」を札幌市内で開催。

 

 

 

そして昨年はついに盛岡市に上陸

聖地岩手での開催は、

どれほど新陽生の活動が注目されたかを意味していると思います。

 

 

時が過ぎ、当時2年生だった生徒たちも今は大学生

まだまだ宮澤賢治の研究は続いており、

今月20日(月)、21日(火)の2日間

宮澤賢治 来道100年展

札幌市役所1F 市民ホールで開催します。

彼らの研究の成果をぜひご覧ください。

各教室には先生の「」が表れます。

それは時に生徒に対する「願い」や「メッセージ」だったりします。

 

 

本気で挑戦する人の母校」と言うスローガンを咀嚼し、

その先生なりの想いが込められて表れます。

それが言葉である場合もあれば、掲示物の場合もあります。

この教室にはこのようなメッセージが。

人生は逆走するエスカレーター

大人が見てもハッとさせれます。

先生たちも完璧ではありません。

生涯、学習を続けます。

特に新陽の先生たちが意識しているのは最新学習歴

まさに生徒と学び、共創していくのが新陽高校です。

 

新陽高校には「クラス」の代わりに4つの「ハウス」を置いています。

 

(すでにお読みいただいた方、ありがとうございます)

 

4つのハウスは、

Bleu(ブルー)

Green(グリーン)

Red(レッド)

イエロー(Yellow)

4色となっています。

 

4つのハウスに名前をつけるにあたり、

実はすんなり決まったわけではありません。

他に候補にあったのは、

スペード、クラブ、ダイヤ、ハート

▶️言いづらいし、ジェンダーを想起させるのでボツ

風林火山

▶️武田信玄みたいなのでボツ

東南西北

▶️麻雀みたいなのでボツ

 

結局上記の4色に落ち着きました。

この4色にはきちんと由来があります。

そう、Googleの4色です。

 

 

 

実は新陽高校Googleとは深い繋がりがあります。

 

1. 生徒全員にクロームブック配布

 iPadではなくクロームブックというノートパソコンを配布しています。

 そのクロームブックはGoogleの様々なサービスが使用できる端末です。

 

2. 先生に認定トレーナーがいる

 なんと日本国内ではまだ数が少ないGoogle認定トレーナー

 リアルGoogle先生がいます。

 

3. Google for education 事例校に認定されている

 新陽高校全国に41校認定を受けている高校の一つです。

 2021年に当時20校に満たない事例校の一つとして認められました。

 ※事例校とはGoogleが提供する教育ツール、Google for educationをうまく活用している学校が事例校として認められます。

 日本には13,000以上の高校がありますので、認定されているの高校はわずか0.3%

 ちなみに先日文部科学省が発表した高等学校DX加速化推進事業、

通称DXハイスクールにも新陽高校採択されました。

今後さらにデジタル人材の育成加速します。

 

ハウスの色の話から

新陽高校のICTの話になりましたが、

Google新陽高校の関係って面白いんです。

7月12日(金)、13日(土)の2日間で行われる「新陽祭」。

新陽高校の学校祭は今年で64回目を迎えます。

 

今年の新陽祭は今までとちょと違うかもしれません。

 

今年からは全学年が「単位制」になりました。

「⚪︎年⚪︎組」ではなくなり「」となりました。

そこで、従来型の学校祭ではなく、

新しい形の学校祭を作ることにしました。

 

年次関係なく

自分がやりたいカテゴリー

自分がやりたいアイデアを出し

賛同者を募り(またはやりたいと思うアイデアに賛同し

チームを作って計画・準備・実行まで持っていく。

カテゴリーは「ステージ」「模擬店」「装飾」です。

 

言わば、企業のスタートアップのような取り組みをやろう、

ということです。

 

クラスに割り当てられる従来型ではなく、

やりたいことに

やりたい生徒たちが集まる

自主創造型です。

 

新しい取り組みなので、成功するかわかりませんが、

初回の準備の様子を見てみると不安よりもワクワクの方が勝りました。

(初回はどんな新陽祭にしたいかブレストします。)

(1年次はYOSAKOIに全力投球しているため、活動の中心は2,3年次です。)

(2,3年次が混ざってアイデアを出します。)

(いろんなアイデアが出ました。)

 

自分たちで創る学祭、絶対楽しいですよね!

 

準備が進み次第、続報をお伝えします。

以前お伝えした『新陽にしかない授業 Vol.1』

 

に続き、Vol.2をお届けします。

 

ズバリそれは

e-sports研究」です。

アウトドア探究」と並んで人気の高い授業です。

自ら選択している授業なのでモチベーションの高い生徒が集まっています。

 

もちろんただゲームをしているわけではありません

ゲームのスキルを伸ばすことは必然的に起こりますが、

1.情報収集・情報分析・リテラシーというようなICT活用スキル

2.社会人基礎力(アクション・シンキング・チームワーク)

獲得するという大真面目な目標があります。

 

ではどのようなやり方でそれを達成するのでしょうか。

 

e-sportsは個人競技ではなく、チーム競技です。

チーム競技ですので、チームメイトとの連携は欠かせませんが、

ゲームは常に進行しているので、

瞬時に必要な情報やり取りし、

チームが勝つために考え行動しなければなりません。

まさに上に書いた1と2が連続して起こり続けるわけです。

これはe-sportsやスポーツ特有のことかもしれませんね。

 

また「e-sports研究」では(でも)

一般企業と連携した授業を展開しています。

テーマは

なぜ御社はe-sportsに携わっているか。

 e-sportsを通してどのように社会貢献したいか」などです。

生徒の手順は

1. e-sportsに携わっている企業を自分で見つける。(NTTやコカコーラなど)

2. インタビューの許可をメールまたは電話で取り付ける。

3. 対面またはオンラインでインタビューする。

4. インタビュー内容を発表する。

というもの。

 

情報収集、電話の掛け方、メールの書き方、インタビュー原稿の作成、

挨拶の仕方、話の聞き方、所作など

これこそ社会人基礎力トレーニングです。

 

教科担任に話を聞くと

授業スタートの時よりも手を挙げての発言や、協働する姿が増えた。

アンケートの結果を見ると自己肯定感も上がったように見える」とのこと。

 

 

 

e-sports 🟰 ゲーム のみならず

e-sports 🟰 社会人基礎力 なんですね!

 

 

 

生徒会担当教員の号刀です!

 

 

今回の記事では、新陽高校の生徒会について紹介させてください。

 

 

新陽の生徒会では、「生徒自治」を掲げて活動しています。

 

 

「生徒自治」とは?

 

 

様々、解釈はあるかもしれませんが、

 

一言で表すのならば、「教師ではなく、生徒による学校生活の運営」だと思います。

 

 

私の教員生活を思い返すと、「生徒がやっている風」なことは今までもたくさんありましたが、本当に生徒がやり切れていることはどれくらいあっただろうかと考えてしまいます。

 

 

新陽高校では、本気で「生徒自治」を全員で目指しているため、先生たちの生徒への携わり方も絶妙です!

 

私自身もこれを目指したい!

 

 

そのため、まずは生徒会役員が最も「自治」できる集団であって欲しいと願い、様々求めています。

 

 

例えば、生徒会役員が行事の要項を作り、定例会議の進行・アジェンダ確認・議事録の作成、プロジェクトに向けてガントチャートの作成など行っています。

※ある日の会議のアジェンダ(super good meetings使用)

 

まさに「プロジェクトマネジメント」を行っております。

 

これは我々大人でも難しい。

 

新陽の先生たちは、これがものすごくできていると思いますが、去年来たばかりの私にはとても難しい。

 

 

今は「プロマネ」を、私含め生徒会役員と共に学び、生徒会運営に励んでおります。

 

 

素晴らしい役員たちの活躍を、今後もお伝えしたいと思います。引き続き、ご愛読よろしくお願いします!

※2月に生徒会役員が福井大学で探究を学んできました

ぞうたん」と聞いてなんのことだかわかりますか?

最近の生徒の中でのちょっとした流行り言葉です。

ただし、これは新陽高校でのみの話です。

 

漢字で書くと「増単」。

そうです、「増加単位」のことです。

 

例えば、

生徒「先生、それ持ちます!」

先生「ありがとう」

生徒増単ね、増単!

とか

 

生徒「先生、お菓子ちょうだい! あ、増単欲しい!」

とかとか、こんな具合です。

※去年はまでは「単位欲しい」だったのですが、

 今年はさらに貪欲になっているようです。

 

増加単位とは

検定資格取得学外での学修

インターンボランティア体験

決められた科目の単位にプラス増加)することです。

例えば英検準2級を取得すると、

英語の科目に2単位プラスされます。

 

法律上、卒業に必要な単位数は74単位

もちろん様々な条件があるのですが、授業での単位修得のほか、

学外での学びや活動、資格を取得して「増単」することによって、

卒業に必要な単位を「稼ぐ」ことができます。

つまり学校で受ける授業を少なくすることができるわけです。

 

22年度からスタートした単位制。

同時に増加単位の仕組みもスタートしたわけですが、

22年度該当者2名のみ

23年度該当者15名(17件)!!

こんなに浸透するとは予想外でした。

 

23年度の「増単王」は6単位を獲得した男子生徒。

255時間のボランティアを行い、

ボランティアの増単としては学校が

認める上限の「6単位」を獲得しました。

学外での学修「5単位」を獲得した生徒もいます。

まさに増加単位のシステムをうまく使って

グラデュエーションポリシーにもある、

自ら学習を設計し、学び続けられる生徒」を体現しています。

 

 

 

いわゆる「ギャル」っぽい生徒たちと

いわゆる「フツー」っぽい生徒たちとの間で

最も使われる「共通単語」が

単位」や「増単」です。

 

日常会話で「単位」や「増単」なんて単語が出てくる高校生います?

 

単位修得増加単位についての

意識の高さは日本一だと思います。

新陽高校には87名の教員・顧問・事務職員がいます。

年齢層も様々ですが、とにかく個性豊かです。

 

毎年、職員が自己紹介するスライドを作ります。

一見して自分のことを伝えるために

「#」(ハッシュタグ)

を付けて自分を表すトピックを書きます。

指定はありませんが、なんと平均して1人10個ほどの「#」を書いています。

(職員紹介スライドの雰囲気はこんな感じです)

 

例えば、

#スペイン留学

#初登山がヒマラヤ

#バリスタ

#大型特殊免許

#お坊さん

#現役女子大生(←男性教員です

#ヨボヨボ

などなど全く「先生」という職業に関係なさそうで、

「なにそれ? 気になる!」というような「#」が多数。

言わずもがな、先生は皆、各教科の専門家です。

ディープでマニアックな専門性を持っています。

その専門性以外に(それを引き立てる?)スパイシーな「#」

をたくさん持っている新陽の先生って

個性豊かなのが想像できますよね?

 

(個性派集団の部屋「職員室」も個性的)

 

さらに言うと、70名ほどの先生のうち、

15名を超える先生が民間企業経験者です。

これも全日制高校ではかなり多いのでは思います。

新陽の教員集団の経験値をより豊かにしている要因の一つです。

生徒にとっても色々な経験をしている先生から話を聞ける、

相談できると言う環境はプラスに作用しています。

 

高校教育の再創造を目指し、

今日も先生たちは本気で挑戦しています。

 

 

 

 

新陽高校には兄弟・姉妹・いとこ在籍している、または在籍していた

と言う在校生が多数います。

その数56名

自身の親叔父叔母がOBOGだというように範囲を広げると

70名ほどに上ります。

これは在籍数の約10パーセント

 

高校としてはかなり多い数字だと思います。

平均してクラスに3人くらいはいる計算です。

※クラスはありませんので、24クラス(3学年8クラス)を仮定した場合の例えです。

 今の新陽の仕組みはぜひNewsPicksの記事をお読みください。

 

 

3兄妹ともに新陽!双子で新陽! と言うケースも少なくありません。

実際に兄妹の声を聞いてみると

Q.「お兄ちゃんが入学していることが自分の入学に影響あった?」

妹「やっぱり兄の知り合いがいることで安心感があった」とのこと。

兄「自分のやっていることで妹にも迷惑がかかるかもって思うとヘタなことできないなと笑」

  「あと新陽はボランティアやプロジェクトがたくさんあって、自分も結構やってすごい成長を感じていたので、妹にも新陽に来てやった方がいいよ、とアドバイスしました!」

(兄妹ならではのやり取りをしつつ仲良く写真を撮ってくれました)

 

学年でハッキリ分かれている一般の高校と違い、

上下のつながりが多い新陽のハウス制も影響しているのかもしれません。

 

 

リピーター」が多いということは

新陽高校が支持されてるいるのだと理解しています。

手応えと喜びを感じると同時に

さらにいい教育を、さらに多くの人へ

と気持ちが高ぶります。