2409 :便利工具 ミニルーター(mini router)考 | ShinさんのPA工作室 (Shin's PA workshop)

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管理人Shinは知財保護において個人による「特許」のようなものを好まず、「全公開」を旨とします。

 

 

2010年の記事 1028:これはイイ!金属加工ツール「ミニルーター」 で一度書いたことがありますが、あれから14年、この小さな電動工具はすっかり私の相棒になっています。


 

 

 

それはMEMSマイクの単一指向性化で再び火が付いた

 

米粒なみのMEMSマイク、その内部構造 メンブレンなどに一切傷つけることなく、そのケース裏側に自由な大きさの小穴を開けるという必要に迫られた。

 

まったくはじめての難題だが、業界初のMEMSマイクによる「音圧傾度単一指向性マイク」を実現にこぎつけたのはこの小穴をきちんと設けられるかどうかにかかわっていた。

 

センターポンチなど使えないので僅かな「ためらい傷」は許容、

それでも穴径は自在で全部問題なく正常動作。

 

 

この魔改造は

ICS-40730 にリード線を付け、無改造での正常動作を確認後におこないました。

 

ミニルーターに0.8mmドリルを付けて一発で成功したが、2回目は内部破損した。

あきらめる必要はないがドリル刃ではとりあえず危険と判断した。

 

ここ一番は手に馴染むミニルーターに円錐ビット、微小ボールビットならより安全と見た。3個目、4個目は円錐ビットと微小ボールビットを使用、穴径はドリル刃をスケールにして確認、案外簡単に作業を終えた。

 

穴あけ後、試聴確認は必須事項である。

「全部出来てから試聴確認」というバカげたMEMSマイク自作手順などあり得ません。

前例のないことをおこなう研究開発者が現状を読み取りながら、次へと進む「音と向き合って安全に導く」という最低限のルールです。

 

 

この穴あけは、まかり間違っても切り粉がケース内部に落ちることは許されない。

ミニルーターのボールチップでは穴あけ部の材料は、常に外側に、外側と遠心力で飛ばされる、これがいい。

材料はリード線が付いたままの方が持ちやすい、手に持てば穴あけ部分を上に向ける必要もないから上写真のようなことが余裕をもって自在にできる。

 

 

3個目、4個目、そしてまさかの「IM-73A135V01」でも同様に、あの裏側に音穴を安全に開けるという超難問がクリアできた。

もちろん裸眼でなければできないので、高性能ミニルーターなしには成り立たない「夢を超越した現実」がその先へ、その先へとと進んでいます。

 

 

1028 :これはイイ!金属加工ツール「ミニルーター」の記事から14年、ミニルーターではずいぶんいろんなモノを加工してきました。

今回、当時と同一機種の在庫新品が入手でき、いよいよ近日持ち替えます。

 

 

 

ところでこの電動工具、「ミニルーター」=「mini router」ですよね

「リューター」とはどこから来た名前なんだろう、日本だけの呼び方らしいが、

各国の発音例からそれは見当たらないですね。

https://ja.forvo.com/word/router/#nl

 

日本ではどちらでも通じますが「ルーター」「rútər」が正しい呼び名です。

 

 

(ちなみにウィキペディアには次のような記載があります)

1938年に時計やカメラの精密部品のメーカーとして設立した日本精密機械工作株式会社が、1954年に開発したハンドグラインダーに「リューター2型」と名付けたのが始まりとされる。

リューターと言う名前は同社の創業者の名前伊藤「龍太郎」にちなんで命名された。

 

とあります。

 

 

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マイクロ作業定番ツールであり続けてほしい

 

 

2010年から14年間使い続けたミニルーター

 

「Mr.Melster PT-α」

14年間使い続けてきたミニルーター「PT-α」今の姿

 

 

 

 

(朽ちたケースと中の様子)

割れたケースフタは強引な補修しながらでも現役としては原型に価値があることをしみじみと。

 

星 ACコードは「8の字巻」で収納しているためヨレヨレになることはありません。

 

 

 

 

 

「こんなモン普通に買い換えればいいじゃないか」とか?

 

 

第1には、後継機の「Mr.Melster PT-αⅡ」がずいぶん前に出たが、ACアダプター式のためガッカリして、選択肢から消えた。

 

ここから自分にとってのミニルーターは「どうあるべきか」探しが始まった。

 

 

 

2019年の記事  1913:のときの写真

 

ハンドツールの王道、PROXXSONのACタイプを購入、使い始めたが、2台目は「2代目」となることはなく、結局すぐ今までの「PT-α」に前戻らざるを得なかった、Proxxsonに持ち替えられない理由は「バカでかく、トルクが強すぎる怪物」という印象です。

 

PROXXONは力で切り裂くタイプ、自分の手の延長としては怖く、別次元の工具です。

 

中華モノはトルクバランスの点やわずかな芯ブレなど、自分の手には馴染めず使っていません、その為ケースを補修しながらでも初代PT-αを使い続けてきた。

 

 

 

 

私にとってミニルーターに必須な事項

 

1.AC100V式であること。ACアダプターは死ぬほど邪魔だ

 

2.手になじむ太さ、形状

 

3.回転数可変式、片手ですべての操作ができる

 

4.コンパクトな透明ケース付きであり、ビットを含めてすべてが収納できる

 

5.突撃型ではなく、ビットへの力のかけ方で回転が落ち、それでも止まらないバランス

 

6.精度の高い三爪チャックを使用、コレットとは無関係になれ、ビット軸径選択が広くなる

 

7.ルータービット(ダイアモンドビット)はスリ減るまで使わない

 

8.仲間である「充電ドリル・ドライバー」とシームレスになれる相互関係

 

9.さいごに、「過負荷で発熱の大きいの場合」のみ「PROXXON」を使うこともある

 

 

 

 

2代目ミニルーター

 

2代目は歯科用ルーター(マイクロモーター)に良いものがあるような気がする、と意識していたが・・・

そんなとき、15年くらい前の「Mr.Melster PT-α 在庫品」があるというニュースを受けた、これには1も2もなく飛びついた、この機種の良さは身に染みている。

 

 

 

先日、当時の新品在庫品が入手できた。

 

Mr.Melster「小型ペンタイプツール PT-α」

 

値段も2010年当時ほぼ同額の6,800円、PROXONの半額以下。

 

 

そしてニ代目は同一機種で引き継がれることになった。

 

 

 

強い回転力(高トルク)が良いわけじゃない

ミニルーターが充電ドリルと決定的にちがうのは、「チカラでぶち抜く」必要はなく「押し当てる力のかけ方でトルクも落ちる」という、弱さを兼ね備えて、それは回転数との関係できわめて微妙なバランスの上に成り立っているデリケートなハンドツールだということ。

 

PROXXONの突撃型や中華製品の偏心と読みづらいトルクバランスなど、その選択は簡単ではなくどちらも自分の手の延長工具としては成り立ちにくい製品でした。



 

結論

電動手工具は「作業者」にとって馴染むかどうかにかかわっている。

それは他人とは違うかもしれない、常識とは異なるかもしれない。

あまた存在するミニルーターでもこうして自分の手の延長となる工具は結局1つしかなかった。

 

これは他のどなたにもあてはまることではないですが、超微細作業を目的とする場合のミニルーターはどうあるべきか、判断される一助となれば幸いです。 (Shin)

 

 

 

 

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