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MEMSマイク単一指向性化(オフマイク適正No3)
※ワイドカーディオイド2nd
「ProbeⅡ」形状で試作
あの伝説的なProbeⅡデザインで単一指向性*1 MEMSマイク。
前記事:2403と比較しマイク部の圧倒的な細さ6.0Φを実現、
単一指向性でありながらマイク先端部のこの細さは、DPA 4099の5.4Φに次ぐものとなるでしょう。
そして「ProbeⅡ」のトランスタイプ、「Probe-T」の単一指向性版となるでしょう。
Dual MEMSのサウンドはあなどれない。
*1 ここでは「ワイド単一指向性」をいう
「指向性と音質」
スリーブの軸移動により速度穴をふさぐと無指向性にもなります。
「指向性切替型マイク」特有の現象に、切替による「音色差」「感度差」が問題であり、単一指向性以外事実上使われない事も多い。
このマイクの場合も「ワイド単一指向性」で音作りしているので、「無指向性」はオマケ程度の位置付けとなります。
「MEMSマイク単一指向性」型のオフマイク適正を考えたとき最大の障壁は中域から低域にかけての減衰・エネルギー感の消失にあります。
2021年の記事「2103」でこの方式を初提案したとき不十分だったその問題、今回はそれを克服しています。
このサイズの単一指向性からは考えられない豊かな低域です。
仮想音圧傾度型単一指向性形式について
「音圧傾度」は「圧力傾度」「圧力勾配」という用語が「同義語」として用いられています。
アナログで「単一指向性」を実現する方式はこれ以外ほとんどありません、無指向性マイクの形状由来の指向性は除外されます。
筆者は「音圧傾度」型を2つのMEMSマイクによる「等価シミュレーション」=「仮想音圧傾度型」により「単一指向性」を実現させる方法を以前から提案してきました。
「Simulated unidirectional」方式の可能性を確実にしました。
(回路図)
※定数など変更する場合があります
(先端部実装構造)
6Φ t=0.2ステンレスパイプは藤野金属より調達使用。
速度穴は1.5Φ2個で試作したが、1個の方が特性良好となることが調整中判明し、1つをふさいだ。
このあたりが単一指向性でのイナータンス調整の肝だと思います。
(Tips)
◎2個のMEMSマイク動作による電圧降下対応、ブリーダー抵抗2.2Kを3KΩにしてVdd電圧+3.0Vを確保した。
◎回路部を最小化する為、2つのMEMSマイクそれぞれの「Differential」及び「Single」動作を成り立たせながら回路部の最小化をキープした。
◎トランスのピンNoの厳守。(メーカーのデータシート上の同相指示マークは誤りです)
◎マイクロトランス(SMD ED8)は電極ピンの黒い絶縁プラスチックの接着が弱く、それに伴って無理な力が加わると巻線は引き出し口で簡単に断線します。
したがって基板実装でない場合、電極ピン部分は力を加えて曲げたり形状変更することは危険です。
エポキシ接着剤でこの部分の構造を強化した。
◎ブレッドボードによる不安定な試作動作は高確率でMEMSマイクを破損させやすく、ここ数年の実用化経験にておすすめできません。
◎「単一指向性マイクの自作」は無指向性マイク自作の延長上にはありません。
最低限のマイク理論の習得がないかぎりうまくいきませんが、MEMSマイクのそれは、さらに原理原則の深堀りが鍵を握ります。
13年前の記事を今一度ご参考ください。
理論やアレンジが理解ができない場合は無理をせずあきらめてください。
その場合ECMの単一指向性なら比較的理解しやすいと思います。
さいごに
現在の回路、仕様にてボイス、自然音、楽器収音テストをおこなっています。音質・指向性・f特・位相特性ともに良好です。
測定器では不可能な「軸方向単一指向性コンデンサマイク」の「イナータンス制御」調整のデリケートな難しさを久しぶりに味わっています。
これはまだ開発の途中の姿ですのでご参考に。
「天国」は地獄の裏庭でその入口が発見できる事を信じて・・・
以上
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おしらせ
MEMSマイク使用、話題のProbeⅡ Probe-T L-730mems など、読者のみなさまからのご注文により優秀機種の手づくり製作・領布を承っておりますのでお問い合わせください
またFetⅡなど純正WM-61Aのファンタム式パナ改マイクも継続中
モノ作り日本もっと元気出せ!
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