「量子力学」という学問がありますよね。
あれって本当に理解しようとすると、めっちゃくちゃ難しいんですよ。
スピ系の話には量子力学がよく出てきますけど、実は死ぬほど難しい。
大学で物理学科だったので、必修でやったんですが、初めはさっぱり理解できない。
同級生達も大苦戦で、単位を落とす人続出。
全然意味がわからないけど、とりあえず数式を丸暗記して、なんとか単位を取った記憶があります。
あまりにもわからなすぎたため、
そもそも「わかる」とは一体何なのか?
「わかる/わからない」って簡単に言うけど、「わかる」ってどういうこと?
という哲学的な考察に発展しました(笑)。
そのとき思ったのが、
新しいことを学んで、それが「わかる」というのは、
その新しいことを、自分が既に知っている何かに当てはめることができた
ということなのではないかと。
要は、
コレって、前から知ってるアレと似たようなモノだよね?
と理解するということです。
例をあげると、
例えば、「株価が高い低い」って表現がありますよね。
株価がピークで最高値をつけて、その後急落した
とか言いますよね。
これって、別に株に詳しくなくても、聞けばなんとなくわかりますよね。
ここでよく考えて欲しいのですが、
株価が高い低いという、この「高い低い」っていう言葉、
元々の意味は「地面からどれだけ離れているか」ということですよね?
高い山っていうのは、地面と頂上が離れている山、ということですね。
低い山は、地面から頂上までが近い山ってことですね。
私達は「高い低い」という概念に、普段から慣れ親しんでいます。
だから、株価が高い低いと言われると、すぐに頭の中にイメージが浮かびます。
しかし、当たり前ですが、株価って地面からの距離は関係ないですよね。
高い株って、別に地面から離れている株ではないですよね。
しかし、株価が高い低いと言われると、すぐにイメージがわいて理解できます。
それは、
本来は地面からの距離を表す高い低いという概念を、株の値段にあてはめて、
株が高い低いっていうのは、山が高いとか低いとかいうのと、似たようなものだよね
株が高いと山になって、低いと谷になるんだよね
という感じで、元々自分が知っていた概念に無意識に当てはめて、理解しているのではないでしょうか。
もし、重力のない星に住んでいて、高い低いという概念がない種族がいたら、株価が高い低いと言われても、さっぱりわからないはずです。
すぐにわかるということは、既に知っていることに、言われたことを瞬時に当てはめて、理解しているということではないでしょうか。
さて、量子力学に話を戻しますね。
量子力学が理解できなかったのは、それがまったく新しい概念で、過去の知識に似たようなものがなかったからだと思います。
例えば、量子力学ではなくて、普通の「力学」という科目がありますが、それは理解できるんです。
普通の力学って、
「物を落としたらどのくらいの速度で落ちるか」とか
「物同士をぶつけたらどんなふうに跳ね返るか」とか
そういうことを説明する学問です。
そういうことは、経験的になんとなくわかっているので、イメージしやすくて理解できるんです。
ところが量子力学が扱う世界は、ミクロな目に見えない世界なので、経験的にわからず、イメージができないんです。
過去の経験、知識に当てはめることがまったくできない。
似たような事象もない。
だから理解できない。
このように、新しい事を理解する時って、
既に知っているアレと似たような事だよね
という感じで理解することが多いです。
似たような事をまったく知らない、完全に新しい概念は、多分「わかる」という感覚が起こらないはずです。
わかるのではなく、よくわからないけど、こういうものなんだよね
という理解しかできないんです。
このことは、非常に深い意味があると思います。
あぁわかった
ってすぐ思う時はだいたい、既に知っていることに当てはめているということです。
けど、それってもしかして勘違いかもしれませんよね?
アレと似たようなことだね、って思ったけど、実は全然似ていないかもしれないです。
早合点なのかもしれないです。
過去の知識があればあるほど、大人になればなるほど、
あ~昔のあれと一緒ね
というように、簡単に物事を理解するようになります。
しかし、それがかえって新たな学びを邪魔するかもしれません。
過去のことに当てはめすぎて、早合点してしまうかもしれません。
時には、過去の事に当てはめず、まっさらな気持ちで学んでみることも必要でしょうね。
募集中の講座一覧はこちら↓