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「なかなか、勉強できない」

「なかなか、掃除ができない」

 

そんな、「なかなか、xxできない」を改善して、習慣化するための方法を考えてみましょう。

 

 
「やりたくない」という状態

 

「やりたくない」「気持ちが向かない」という時は、以下が関係します。「行動をやめさせるもの」でもお話をしましたね。
  • 嫌子出現
    (嫌なことが起きる。気分が悪くなる。)
  • 好子消失
    (うれしいことがおきない。)
ということです。
 
 
これらは意識で「嫌なこと」「うれしいこと」と認識していなくても、影響を受けます。思考とは別のもっと原始的な脳の部分が制御しているからです。
 
むしろ意識で考えたことは、直接は行動に影響しません。
 
 
「なかなか、勉強できない」という例で、考えてみましょう。
 
嫌子出現
  • ゲームやテレビが見れない
  • 面倒な気持ちになる
  • うまくできなくて、困った気持ちになる
好子消失
  • 面白くない
  • 気持ちよくない
というのが考えられますね。
 
注意が必要なのは、この考えが影響するのではなく、そのような感覚が行動に影響するということです。
分かりづらいかもしれませんが、重要な部分で、また勘違いの多いところでもあります。
 
 
やる気にさせる2つの方法

 

何かを「やりたくなる」とか、「習慣化する」にする方法は、大きく2つに分けられます。

 

  • 嫌子消失による強化
    叱られたり、ペナルティーを避けるための行動
    ルールを破る気持ち悪さを避けるための行動
  • 好子出現による強化
    うれしいことを起こさせる行動
    気分が良くなる行動

「嫌子消失による強化」は、身の回りにイヤなことを増やし、緊張やストレス増加につながります。

 

ゲームができない不満足を感じる上に、ペナルティーのプレッシャーを感じるわけです。

 

「嫌子消失による強化」を多用すると、にっちもさっちもいかなくなり、行動の総量が減って消極的になります。

(参考:「行動をやめさせるもの」の嫌子の副作用)

 

 

「好子出現による強化」の方は、楽しみ期待感が増え、その他の行動も積極的になるように影響します。

 

ですから、「好子出現による強化」で習慣化するのが望ましいということになります。

 

 
親が子供を躾けるとき

 

親が子供に「歯磨きの習慣」を教えることを考えてみましょう。

 

子供の心が感じる感覚にどんな影響があるかを想像しながら、読んでみてください。

 

やり方を2つに分けて考察します。

  • 嫌子消失による強化
    「歯を磨かないとダメでしょ」
    「歯を磨かないと虫歯になっちゃうぞ~」
    「歯を磨かないと気持ち悪いでしょ?」
  • 好子出現による強化
    「上手にできたね~、お利口だね~」
    「歯磨きすると気持ちいいでしょ~?」
詳しく説明すると
 
「歯を磨かないとダメでしょ」
母親から叱らこと(嫌子)をさける(消失)ために行動をします(強化)。
この方法は習慣化しづらいです。
習慣化した場合は、心の中に自分を叱る存在が出来たときです。
 
「歯を磨かないと虫歯になっちゃうぞ~」

虫歯になる不安(嫌子)を避ける(消失)ために行動をします(強化)。

※これは、「虫歯になる」を嫌子ととらえて、「嫌子出現阻止の強化」というとらえ方もあります。

 

「虫歯になる不安」が、刷り込まれると習慣化しやすくなります。

 

「歯を磨かないと気持ち悪いでしょ?」

歯磨きをしない気持ち悪さ(嫌子)を避ける(消失)ために行動をします(強化)。

これは、上の「虫歯になっちゃう」の例とよく似ていますが、「歯磨きしない」ことが、生物学的に気持ち悪いのかは、よくわかりません。

親から思い込まされたのかもしれません。

 

いずれにしても、「歯磨きしないと気持ち悪い」が、刷り込まれると習慣化します。

 

 

「上手にできたね~、お利口だね~」

誉められる(好子) を得る(出現) するために行動をします(強化)。
このとき、歯磨きをする行動と "誇らしさ" のような気分がくっつく(レスポンデント学習)と、習慣化します。
 
「歯磨きすると気持ちいいでしょ~?」

気持ちい(好子)を得る(出現)するために行動をします(強化)。

歯磨きを気持ち良いと感じるようになると習慣化します。
 
これも、歯磨きが気持ち良いのか、歯磨き粉が気持ち良いのかはわかりませんが、いずれにしても習慣化しやすくなります。
 
 
 
さて、この親の役を自分ですれば、自分で習慣を変えることができるはずです。
これをヒントに、次の記事で習慣化の方法を考えます。