自分勝手に組織力学シリーズ。
その2は、意思決定者の重要性とデメリット。
ここでの感情、気持ちは
・反発
・責任逃れ、リスク回避
・遠慮
・無関心、極小関心
■■意思決定者を決定しないチーム■■
うちの会社で、社内の優秀な人材ばかりを集めて新規プロダクト開発をした。
だが、その割にはかなり進みが遅かった。
社内では失敗だと言われている。(まあ、社内の噂なんかえてしてブルーなものだから、
額面どおりには受け取れないが)。
ただ、その失敗と言われる要因の一つに、
「明確な意思決定者を置かなかったこと」があるのは確実だろう。
優秀な人材だし、一家言持っている人は多い。
ただ、明確な意思決定者がいないと(皆が「この人が最終決定者」というコンセンサス持つこと)、
議論が衝突した時、だれも収拾つけれなくなる。
「議論戦わせると、優秀な論が勝ち残る」という仮説は理想的過ぎ。
実際、それは議論戦わせている双方が論理力、理解力とも抜群かつ感性バランスいい必要がある。
そもそも議論して片方の論に決まるなら、「白熱した議論」になんかなるはず無い。
(ただ、「事実情報」を各人限りなく共通レベルまで持つことで、議論収集はしやすくなる。これは絶対。)
上記を感情レベルで言うなら、相手が同等だと思える相手の論を素直に飲むことは、
自身の脳レベルが相手より劣っているという解釈にもなる。
また、自分の方が正しい論だという自信がある場合、ひく理由が見つからない。
さらに、最終意思決定を誰かしようとしても、コンセンサスが無ければ誰にも最終意志決定権は持てない。
(組織内では、より地位の高い人が意思決定者を指名する。部長職などいわゆる人事)
ピラミッド組織が一般的になるのは、ようするに意思の代表者がいなければ、
皆遠慮して、もしくは反発して多人数の仕事を進めることが出来ないからだ。
(当然、弊害として過剰な意思決定権、既得権益、組織の柔軟性の欠如、イノベーションの欠如が起こる。)
「ライオンに率いられた羊の群れは、羊に率いられたライオンの群れよりも強い」
という。これは真理だろう。
この場合、ライオンは強い意思、羊は弱い意思と考えてもいい。
意思決定者が出来れば、多くの人は意思決定者を立てるために一歩ひく。大抵自然に能力が制限される。
これまた困り者。
■■意思決定者がいない事で、仕事の隙間が出来てくる■■
うちの会社は、現在部長職みたいな役割があるけど、人事権、をもたない。
(当然部門間相談はしてるが。)
また、定義された意思決定権を持っているわけでもない。
自分達で業務フローが必要なら作るが、基本的には決めていないことが多い。
もちろん、人の成長のためには「判断する」=「責任を負う」ことが重要なことなのだけど、
それがために犠牲にしている成果も多々ある。
その中の一つに、「誰の業務でもない横断的な仕事、業務フローを満たす人員がいないとき、
それの解決が限りなくおいて置かれる」ことがあり。
●Aさん問題見つけた
↓
●報告する相手は基本いない。基本は取締役。経営判断レベルなら話もしに行くが、
そこまで大きくない。
↓
●それでもとりあえずやってみよう。タスクチーム旗揚げ!
↓
●仲間集める。集まる。
↓
●調査、推進
↓
●皆、自分の仕事掛け持ちでタスクの仕事が後回し。推進遅くなる。
↓
●自然消滅
本当は、誰かが「これやりましょ」「次はこれ」「これできました!」といった感じで
ドライブしていけばいいのだけど、そこは人間(というか日本人?)、どんどん自分の
主張を出していくのがはばかられるのか、まだ其処まで関心を持てていないのか、
主張・行動が少ない。特に後から参加した人。
自分はそこまで情報ないし、何をやっていいのか、何をやってはいけないのか判断つけれない。
他に仕事もあるし。そんな気持ちを持っていたらまず確実中心メンバーにはならないだろう。
大抵、こういう自然発生的に作られて、正式な手続きがまだのものは、中心メンバーの
2、3人が頑張る。その中の一人でも萎えたら、もう終わり。
一つの理想を言えば、
○Aさん問題を見つけた
↓
○Aさんタスク申請
↓
○代表(社長・取締役・部長など。数少ない)が権限を公式に与える。
(現在の仕事をある程度抜けやすく出来るように。)
というフローで、横断的(=組織力発揮)な問題解決をどんどん行っていく。
前提条件は
☆権限を与えたというのが明示的に示される
☆代表は利益性・組織の価値観以外の判断はなるべくせず、広範にタスクを認める
☆その申請をしやすいようにする。(代表自ら問題意識ある人捕まえてリーダーにする、申請書や
メールなど色々な申請手段を用意)
が必要と思われる。
このプロジェクト・タスク型組織は問題が発生しやすく、性質の異なる、横断的な範囲の
問題が多い業界がより親和性高いだろう(小さい製品開発メーカー、BtoCのIT、コンサル等)が、
実際は腰の重い業界にこそ重要だろう。
(腰が重い=変更に対する影響が大きい=責任が重い=しり込み)。
かなり乱雑な頭の中身だな。。。
たぶん、まとめると
×意思決定者をバシッと決めると、・遠慮によるパフォーマンス劣化 ・イノベーションの欠如
×意思決定者決めないと、 ・意思統一されず仕事進まない ・仕事の隙間がどんどんほっておかれる
なので、
○問題解決のために、適度に柔軟な意思決定者の決定を。
○意思決定者であるというコンセンサスを作れるように。
ということ。
その構築のためには、組織力学を理解しておく必要があるよね、と我思う。