組織力学。 

この言葉は経営の重要な一部を表していると思っている。


この組織力学をもっともうまく考察していると思える本の一つが

クレイトン・クリステンセン, マイケル・レイナー, 玉田 俊平太, 櫻井 祐子
イノベーションへの解―利益ある成長に向けて

イノベーションが大企業ほど起こせなくなるのは、必然であることを

豊富な事例、大胆な自身の予測も含めて表している。



で、身近に感じる組織力学をちょくちょく書いていこうと。


組織力学とは、人間の本質的な感情をコントロールする環境・圧力のことを

言うのだと思っている。



今回は、コミュニケーションに関すること。

組織力学かと言われると、少々外れるかもしれないが、会社内での人間の動きの表現を

書くので、大きな分類で組織力学として記す。

もしかしたら以前も書いたような内容かもしれない。



☆何故日本は飲みニケーションが多いのか?

 他の代替はないのか?


飲みでコミュニケーション図る = 普段人間的コミュニケーションが図りに

くいのではないか。


ここで関係する感情は

・共感

・他者認識による居心地の悪さ

・羞恥心

・外聞(他人に対する配慮、という意味)

・疎外感

あたりかな。


日本企業の社内風景でよく思うのが、

「障害物ない、平積み机が並んでるなー」ということ。

コミュニケーションとりやすいように、とのこと。

確かに、仕事話や、ちょっとした雑談は結構しやすい。壁が無いから。(仕事には集中しにくいんだけど。)

ただ、周りが非常に気になって、人の評価に関すること、プライベートに関することを

言いにくいのも確かだろう。ほとんどの人はそう感じると思う。

それの代替の場として飲みニケーションがある。


ただ、飲みニケーションの雰囲気が好き嫌い、が結構あると思う。

他にもできる限り用意すべきだろう。


それの一つは、タバコ部屋。これは強力な社交の場になっている。

一般から阻害されている、あえてタバコを吸っているやつら、という仲間意識。

ちょくちょく忘れるライターやタバコの貸し借りより発生する会話。

部屋に閉じ込められることにより、他の人がいると話さざるを得なくなるような環境。

これらが揃っている。


ただ、その他に有効な社交場は、ほとんど見当たらない。


食堂がある会社はある程度の役目を果たす。ただ、広いからあまり親しくない人は避けた場所に

座る。


自販機がある場。うちの会社は、1フロアが大きく2つのブロックに分かれていて、

それぞれに自販機が置いている。近くに座る場所はない。仕事場と隣接している。

これでは仕事場と同じ環境で、遠慮して話せない。話す前にさっさと席に帰ってしまう。


自販機も、タバコ部屋と同じような構成にしてしまうべきだ。

仕事場から離す。

そこに行かないと飲み物飲めないような決まりを作る、もしくはベンダーをその場にのみ置く。

くつろぐ場所を作る。

部屋を狭くする。

皆が飲みたくなるような、うまい一品を一つでもいいから置いておく。

タバコ部屋と同じ、もしくはそれ以上の効果が生まれるだろう。

(タバコ部屋より間口が広いため。)


こういったことをデザインするのは総務の人間だが、総務の目的の中にあまり

入っていないのではないかと思っている。

効率性が先に立つのだろう。

会社に、このような組織力学を考え、デザインする部門を専門に作るべきだと思っている。