街中で「生きものめぐり」をしたいなら…(恵比寿・六本木・神谷町+α) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

この写真を見てどこだかすぐにわかる方は

中々いらっしゃらないのではないかと思われます。

公園ではなく、ある大型施設のオープンスペースなのですが

草地あり花あり樹木ありと、実質的に都市公園。

実際、多くの生きものが暮らしています。

 

 

 

 

 

では、この写真ならどうでしょう?

多くの方がテレビ等で一度くらいは

目にしたことがあるかと思います。

恵比寿ガーデンプレイスです。

 

トップの写真は、この建物の裏手にあたる広場。

足を運ぶ人自体がそもそも少ないのですが

単に植物が多く植栽されているのみでなく

花の蜜などを求めて色々な昆虫が飛来するため

都市の生物多様性に一役買っていると言えます。

 

 

 

 

 

 

ヤマトシジミ(左)にシオカラトンボ(右)。

いずれも恵比寿ガーデンプレイスの敷地内で

遭遇した昆虫です。お世辞にも珍種とは言えませんが

個体数は結構多く、この日は断続的に雨が降って

観察・撮影に適さない天候でしたが

それでも探すのに苦労しないくらい見られました。

 

レア種を期待してはいけませんが

どういう生きものが都市化に適応して

生き残っているのかをチェックするには

こうした街中を歩くのが一番です。

 

ちなみに恵比寿ガーデンプレイスだけでも

アブラゼミ、アメンボ、イチモンジセセリ、

シオカラトンボ、ツマグロヒョウモン、ナミアゲハ、

ミンミンゼミ、ヤマトシジミと、約30分の滞在で

8種類の昆虫を撮影できております。

 

 

 

 

 

 

場所を移動します。ここは檜町公園

六本木の名所 東京ミッドタウンのすぐ隣。

ミッドタウンから続く歩道橋の上より

撮影しております。ここは「公園」とある通り

かなりの広さと緑の濃さを誇り

六本木では恐らく最も「生きものめぐり」に

適した環境ではないかと思われます。

 

 

 

 

 

 

左写真の奥に見えるのがご存知東京ミッドタウン。

ちなみにミッドタウンは三井不動産

檜町公園は港区の管轄する公園なので

単に隣り合っているだけで厳密には別の場所です。

多分「ミッドタウンの中にある公園」だと

かなり多くの方が誤解しているとは思いますが……。

なので「三井のすずちゃん」のCMに檜町公園は登場しない

 

公園自体は池だけでなく渓流まであり

その美しさは六本木界隈でも随一です。

 

 

 

 

 

 

アジアイトトンボ(左)とニホントカゲ(右)。

いずれも檜町公園内で撮影したものです。

トカゲの方は結構数が多かったですが

ここの公園は石組を多く用いているため

そうした「すき間」を棲み処にしているものと思われます。

 

 

 

 

 

池には、妙に大きいカモの仲間が……。

どうやらバリケンのようですね。

厳密にいうとノバリケンでしょうか?

何気に初めて撮影した鳥だったりします。

 

遭遇率・・・2 (定着したと聞く割にはあまり見ない)

インパクト・・・4 (かなり大型)

美しさ・・・4 (明るい場所に出てくるとかなり綺麗らしい)

俊敏性・・・3 (この個体はずっと寝てました)

知名度・・・3 (外来種として知られる鳥)

 

 

どうやら昨年の初夏あたりからずっとここにいるらしく

Web検索をかけてみると結構写真がヒットします。

外部から意図的に持ち込まれたのか

どこかから勝手に移動してきたのか

その辺はちょっと不明です。

(あえてコレを1羽だけ移入させるというのは変な話なので後者でしょうが)

 

外来種としてある程度名の知れた鳥ですが

その割には公園等で目にする機会はあまりなく

私自身も上記の通り、これが初顔合わせです。

(少なくとも「アヒル」の方が多い)

 

 

 

 

 

こちらは東屋に貼り付いていたアブラコウモリ

コウモリを撮影したのはこれが2回目になります。

前回のアレはアブラコウモリではないのでは?という

指摘があり、その場合はコレが初顔合わせということに……。

 

昼間なので眠っており、微動だにしません。

体長はせいぜい5センチ程度と非常に小型でした。

 

目の前が池なので、夜間はここから発生する

蚊などの小昆虫を食べているものと思われます。

蚊を食べる益獣ととらえるか?

感染症を媒介する害獣として見るか?

私はもちろん前者ですが、病原菌を多く保有するのも

事実なので、不用意に近づき過ぎないよう気を付けています。

 

 

 

 

 

六本木ヒルズの毛利庭園へ。

ちょうどカルガモの親子が姿を見せています。

以前訪問した際はここでカワセミを撮りましたが

この日は残念ながらお留守のようでした。

 

 

 

 

 

餌付けされているのかもしれませんが

人が近くにいてもあまり逃げ出そうとはしません。

親鳥の方は、散策路に上がってきて

堂々と人の前を歩いてしまうほどでした。

 

 

 

 

 

 

こちらは東京ワールドゲート

前回の六本木散策記録では紹介していない

新しいビルの公開空地です。

せせらぎや雑木林風の樹林帯があり

既にシオカラトンボなども飛んでいました。

 

昆虫ほか生きものが定着するには

まだ少々時間がかかるかもしれませんが

港区の新しいグリーンスポットということで

今後に期待しております。

 

 

 

 

 

城山ガーデンで見つけたアブラゼミ

ちなみにここまで紹介したスポットは

どこも樹木の数がそれなりに多いからか

どこへ行ってもアブラゼミの鳴き声を聞きました。

 

 

 

 

 

 

アークヒルズの緑地。緑被率が高く

山野草も多く植栽されています

天気が悪かったせいもあるのでしょうが

この日はあまり昆虫の姿を見かけませんでした。

 

 

 

 

 

こげらの庭。こちらもアークヒルズの一角で

六本木を散策する際には必ず立ち寄っています。

たまにシジュウカラなどの鳴き声が聞こえるほか

写真の水場はスズメなどの水浴び場になることも。

 

「自然度」という観点では

六本木界隈だと恐らくここが一番です。

(ただし生きものとの遭遇率が高いとは限らないので注意)

 

 

 

 

 

高低差のある草原があるからか

ショウリョウバッタが姿を見せてくれました。

もう少しじっくり時間をかけて歩いていたら

他にも色々見つかったかもしれません。

 

 

 

 

 

虎の門ヒルズにも足を運びました。

上記の東京ワールドゲートほどではないですが

こちらも比較的新しいビルで、緑地の面積も広く

水と緑が織り成す美しい広場となっています。

 

ただ、これまた天候のせいもあるのでしょうが

昆虫の姿はほとんど見られませんでした。

(花が少ないのもあるのかも?)

 

 

 

 

 

ザ・プリンス パークタワー東京

ここはバラと広い芝生広場が見所です。

 

結局、当初は六本木界隈だけを巡る予定が

恵比寿、神谷町、虎ノ門と色々足を運ぶことに。

(一応ガーデンプレイス以外は港区内で統一しています)

ただ、実際に歩いてみると大した距離ではなく

いくつかの施設を「ハシゴ」するのも割と簡単です。

 

もちろん、上記施設を1日で全部回るとなると

ハンパない体力が求められる(というより筋肉痛必至)ので

無理せず地下鉄やバスに頼りましょう(汗)

 

 

 

 

【おまけ】

今日、原宿の東郷神社で見かけました。

上でも登場しているアブラコウモリです。

こちらはちゃんと起きており、橋の上を歩いていました。

飛ぶ力は非常に優秀なコウモリですが

歩くのは本当に苦手らしく、踏まれてしまいそうで

端から見ていて心配になりました。

 

1時間半後、打合せを終えて戻ってくると

いなくなっていました。踏まれた跡(爆)などはなかったので

無事どこかに避難したものと思いたいところです。

 

 

 

 

 

【8/12 恵比寿・六本木・神谷町で撮影した生きもの】

鳥類・・・オナガ、カルガモ、ノバリケン、ムクドリ

昆虫類・・・アジアイトトンボ、アブラゼミ、アメンボ、イチモンジセセリ、キマダラカメムシ、クロウリハムシ、シオカラトンボ、ショウジョウトンボ、ショウリョウバッタ、ツマグロヒョウモン、ナミアゲハ、ミンミンゼミ、ヤマトシジミ

その他・・・アブラコウモリ、ニホントカゲ

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2022年9月18日(日)に開催いたします。

 行先は「秋の里山ガーデン&四季の森公園(横浜市)」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。